Ben
「だからあいつは、よそのグループに出かけていって、ギターをかきならしているんだよ。カーズにいたんじゃ、むくわれない、トホホ…。あいつ、もう永遠に帰ってこないかもしれないよ」 Ric
「大丈夫、大丈夫。あいつは分別のある奴だから」 そして話はベンさんのベース・コレクションへ。 Ben
「何か変わったことをやってみたいという気が、しきりとするんでね」 Ric
「おおいにヤレー!!」
Ben
「“Dawn of the Dead”は始めの5分間で、出てきちゃった。気持ち悪いのなんのって。どうもああいうのは苦手だなあ。ところで“The Deer Hunter”は観た?あの映画に出てくる教会ね、あれ、僕が十何年通った教会なんだよ。僕はチェコ系だから、ロシアン・オーソドックスの教会に行かされていたんだけれど、それがあの教会さ。もちろん行きたくて通っていたわけじゃない。親に言われて渋々行った教会だけれど、映画に出てくると何だか懐かしくってさあ。 僕?一人っ子なんだ。君も?母さんは今でもクリーブランドに住んでいるよ。ベトナム戦争?うん、何人も戦場に行った。帰ってこなかった奴も多い。でも、もう終わったことだ。今更悲観的になってもしょうがないよ。世の中がこんなふうなのは、今更始まったことじゃない。戦争なんて人間の条件みたいなもんで、僕らの手で変えられるもんじゃない。僕らが自主的でありうるとしたら、それは世の中に自分がどうかかわっていくか、という部分だろうね。僕はペシミストじゃない。生きることも好きだし人間も好きだし。それに僕、自分の限界を知っているつもりだから、自分を必要以上に痛めつけたり、騙したりしないよ」(一部こちらで漢字や英語に変換しました)