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2007.11.17
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テーマ: いい言葉(576)
カテゴリ: 文学・芸術
史劇のバラ3(ヘンリー4世

男性をバラになぞらえたのは珍しいと書きましたが、ジョン王から200年ほど後の時代の史劇『ヘンリー4世』にも男性をバラにたとえた台詞が出てきます。なんと今度は、れっきとした王がバラなんです。何か理由がありそうですね。

その台詞を見てみましょう。

HOTSPUR
Shall it for shame be spoken in these days,
Or fill up chronicles in time to come,
That men of your nobility and power
Did gage them both in an unjust behalf,
As both of you--God pardon it!--have done,
To put down Richard, that sweet lovely rose,


ホットスパー
高貴にして力のあるあなた方が、その名誉と権力を不正のために質に入れるなんてことは、現世(うつしよ)の恥として語られ、あるいは後世まで記録として残る恥辱となるのではないですか? あなた方がやったことは、ああ神よ、赦したまえ! あの可憐でいじらしいバラであるリチャードを引っこ抜き、あの棘でありイバラであるボリングブロクを植え付けてしまったことにほかならない。 

1行目のfor shameは「恥として」というような意味でしょうか。fill up chronicleで歴史に刻む。いずれも3行目のthat以下のことを指して「恥辱」であると言っています。4行目のgageは「抵当に入れる」という動詞で、themはyour nobility and powerのことですね。6行目のput downは高い地位から引きずりおろすこと。ここでは次の行のplant(植える)caker(イバラ)など植物に対応させて、引っこ抜くと訳しました。

イバラにたとえられているボリングブロクとは、ヘンリー4世のことです。ちなみにこのように語るホットスパーとは、ノーサムバランド伯の息子ヘンリー・パーシーのあだ名で、「熱い拍車」つまり「激しやすい人」という意味です。

現王のヘンリー4世をイバラにたとえるとは、尋常ではありませんね。それもそのはず、ホットスパーらパーシー一族は後に、反乱軍を率いて王に戦いを挑みます。なぜホットスパーがそれほど王を憎むかというと、ヘンリー4世がリチャード2世から王位を継承する際、ヘンリー4世を支持したにもかかわらず、パーシー一族を冷遇したからなんですね。かわいがっていたはずのバラに棘で刺されたようなものでしょうか。

前王リチャード2世を可憐なバラにたとえたことにも理由があります。リチャード2世は若くして父や兄を失ったことなどから、なんと10歳で王位に就きました。ひ弱な王の誕生ですね。その幼い王に代わって政治の実権を実質的に握っていたのが、リチャード2世の叔父であるジョン・オブ・ゴーントでした。彼は王位にも野心を持っていたことから、リチャード2世は後に親政を行うことができるようになると、ジョン・オブ・ゴーントとの対決色を強めます。そしてジョン・オブ・ゴーントが死ぬと、その子であるヘンリー・ボリンブロクの追放と領地の没収を命じます。そう、このヘンリーこそ、後のヘンリー4世ですね。

追放を命じられたヘンリーは反旗を翻し、挙兵。アイルランド遠征から帰る途中だったリチャード2世を捕らえ、ロンドン塔に幽閉、自らは王に即位します。王位を略奪された、あわれなリチャード2世は、身柄をあちこちに移された挙句、幽閉されたまま餓死させられたと言われています。33歳でした。

いかにも華奢ではかないバラのような人生でしたね。実際に リチャード2世の肖像画 を見ると、弱々しい、今にも折れてしまいそうなバラのように描かれていました。

バラ

シェイクスピアの『ヘンリー4世』には、第一部と第二部がありますが、第二部にもバラが出てきます。それはまた、明日のブログでご紹介いたします。
(続く)





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最終更新日  2007.11.17 10:13:29
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