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2007.11.26
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テーマ: いい言葉(576)
カテゴリ: 文学・芸術
史劇のバラ11(リチャード3世2


その混乱に乗じて、ランカスター家の傍流であるチューダー家のリッチモンド伯が挙兵、リチャード3世に戦いを挑みます。その戦いの前夜、これまでに殺した亡霊たちがリチャード3世の夢枕に立ち、次々と呪いの言葉を投げかけます。その悪夢に動揺したリチャード3世は、戦場で激しく立ち回りますが、馬を失います。そして「馬と引き換えなら王国をくれてやる」と叫ぶ醜態を晒した後、戦死します。あれだけの残虐な行いをしてまで手に入れた王国が、最後は馬一頭と同じ価値になってしまうんですね。現代人にも通じる教訓がありそうです。

これで「極悪人」の王が倒れ、めでたしめでたし、ですね。その際、リッチモンドが次のように語ります。

Richmond: Inter their bodies as becomes their births:
Proclaim a pardon to the soldiers fled
That in submission will return to us:
And then, as we have ta'en the sacrament,
We will unite the white rose and the red:
Smile heaven upon this fair conjunction,


リッチモンド:戦死者を身分相応に埋葬してやれ。
逃げた兵には、降参して出てくれば罪を許すと触れを出せ。
さらには、誓約したように、白いバラと赤いバラを合体させよう。
憎悪の応酬に顔をしかめていた天よ、このめでたい合体を祝福してください!

1行目のinterはburyと同じで「埋葬する」。becomeは「~にふさわしい」という他動詞。
4行目のsacramentは、「神と人間の間の誓い」とか「神聖なシンボル」のことです。最後の行のthatはheavenにかかっています。frown uponで「~にしかめっ面をする」「~を苦々しく思う」です。

これでようやく、バラ戦争に終止符が打たれましたね。リッチモンド伯は、ヘンリー7世として王位に就き、ヨーク家のエドワード4世の娘エリザベスと結婚します。赤バラと白バラを合体させたチューダー朝の誕生です。そして、ヘンリー7世の孫に当たるのが、一時代を築いた女王エリザベス一世です。シェイクスピアが『リチャード3世』を書いたときの女王でもあります。

これでなんとなくわかってきましたね。リチャード3世が残虐非道な悪王として描かれた理由が。実際のリチャード3世はこれほどひどい王ではなかったという見方が通説になりつつあります。兄の息子二人を殺したという筋書きも、あくまでも噂を基にシェイクスピアが脚色したにすぎません。妻殺しも濡れ衣みたいです。さらにシェイクスピアはリチャード3世を、容姿が醜く、足が不自由で、背中が曲がっているかのように描写していますが、これも文字通り捻じ曲げられたリチャード3世像のようです。

もっとも、真実のリチャード3世像がどうだったかは、今となっては推測するしかありません。ただし、シェイクスピアの戯曲を見てしまった後では、洗脳されてしまっていますから、なかなかそのイメージ像から抜け出ることは難しいのも事実です。チューダー朝のプロパガンダにまんまとしてやられました。これも現代に通じる教訓です。きっとリチャード3世は墓石の下から(その墓もシェイクスピアの時代にはすでに失われいたそうですが)、シェイクスピアを呪っていたでしょうね。

さて、バラの写真ですが、赤いバラと白いバラの合体となると、こんな感じでしょか。

紅白のバラ

(続く)





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最終更新日  2007.11.26 11:48:11
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