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2007.12.21
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テーマ: いい言葉(576)
カテゴリ: 文学・芸術
▼薔薇は薔薇2

薔薇

ガートルード・スタインが作り出した構文「~is~is~」は、今でこそis は二つになっていますが、スタインの詩の中では「~is~is~is~」とisは3つあります。

では、その構文が出てくるスタインの詩『Sacred Emily(聖なるエミリー)』の一節を見てみましょう。

Night town.
Night town a glass.
Color mahogany.
Color mahogany center.
Rose is a rose is a rose is a rose.
Loveliness extreme.
Extra gaiters.

Sweetest ice cream.
Pages ages page ages page ages.
Wiped Wiped wire wire.
Sweeter than peaches and pears and cream.

難解ですね。言葉の繰り返しが多く、かつイメージの羅列が多いことがわかります。こういう詩は理論では読むことができませんから、提示された言葉のイメージの連想ゲームとリズムの楽しさを味わって読むしかありません。ということは、どこで区切るかを含めて、どのように解釈するかは、読者それぞれの感性次第ということになります。

単語の意味を並べるだけになってしまいますが、一応、訳してみましょう。

夜の街。
夜の街、グラス。
色、マホガニー。
色、マホガニー、中心。
薔薇は薔薇で、薔薇であり、薔薇である。

特別なゲートル。
究極の美しさ。
至極のアイスクリーム。
書物、年代、ページ、年代、ページ、年代。
ふき取られた、消されたワイヤー、針金。


詩はこのような調子で、最後まで言葉の繰り返しとイメージの列挙が続いていきます。
3行目の「色、マホガニー」を、「マホガニーに色を塗れ」とも「色はマホガニー(赤茶)色」とも「食卓を彩れ(注:mahoganyにはテーブル、食卓という意味があります)」とも訳すことができます。

問題の5行目ですが、最初のRoseは女の子の名前であるとも、当時スタインと交流があったイギリスの画家サー・フランシス・ローズであるとも、あるいは本物の薔薇であるとも解釈できます。同時にlikeなどの言葉を補って、「ローズに薔薇という意味があるのは、薔薇が薔薇であるのと同じ」というような意味に捉えることもできますね。ただ、この言葉から「cirme is crime is crime」などの言葉が出てくることを考えると、この文を読んだ人の多くが、「薔薇は薔薇であり、それ以外の何ものでもない」とか、ジュリエットが言ったように「薔薇はどんな名前でも薔薇」という意味を汲み取っていることがわかります。

7行目の「特別なゲートル」は「余分なゲートル」であるかもしれません。ただし意味は不明です。ゲートルが余計にある(長い?)と、暖かくてうれしくなるのでしょうか。前後の関係から、楽しいものであることは間違いなさそうです。9行目の「至極のアイスクリーム」は是非食べてみたいものです。

10行目のpagesは複数形になっているので、「記録」とか「書物」という意味になります。最初のagesも複数形で「いくつもの時代(年代)」という意味でしょうか。その後に出てくるagesを三人称単数形の動詞であると解釈すれば、「ページ、年代」ではなく、「1ページ、1ページが古くなる」と訳すこともできそうです。ページとエージで音の言葉遊びみたいですね。

明日は、この「Rose is a rose is a rose is a rose」という言葉について、スタイン本人がどのように言っているかについて紹介します。
(続く)





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最終更新日  2007.12.21 11:34:37
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