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2008.03.24
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テーマ: いい言葉(576)
カテゴリ: 文学・芸術
▼悪の華と薔薇7(白いヴィーナス2)


サバチエ夫人は当時の「高級娼婦」でした。つまり、ただ美しいだけでなく、知性と教養を兼ね備えた「パリ社交界のもう一つの花」だったんですね。通常は金持ちや有名人の愛人でもあります。そのころのサバチエ夫人は、ユダヤ人の裕福な銀行家A・モッセルマンの愛妾で、自宅の豪華なサロンには、ヴィクトル・ユーゴやテオフィル・ゴーチエら文人や芸術家が大勢集まり、交友していたそうです。

ボードレールがサバチエ夫人のサロンに出入りするようになったのは1852年、31歳のときでした。ボードレールはたちまち、その才色兼備の麗人に恋をしてしまったようです。匿名で彼女に手紙と詩を送り始めるんですね。そうして書かれた詩は10数編に及び、その中の一編が「彼女のすべて」でした。

そこで描かれるサバチエ夫人は、ジャンヌとは対照的に理想の女性のように描かれています。その匿名の詩と手紙はほどなく、ボードレールのものだとわかってしまうのですが、それでもボードレールは匿名で送り続けたのだそうです。面と向かって告白することもなく、ただ遠くからサバチエ夫人を見つめていたいという心情だったのでしょう。理想は遠くにあってこそ輝きます。

そう、身近にいる現実はジャンヌなんですね。二人とも梅毒に侵されているという現実があり、地獄への道連れとなる運命にあります。でも詩人には、理想の国へと駆り立てるミューズが必要だった。それがサバチエ夫人であったのではないかと思われます。

そう考えると、「彼女のすべて」に現れる「悪魔」は、ジャンヌの姿と重なります。「過ちを咎めようと」というのは、疑心暗鬼になったジャンヌがボードレールとサバチエ夫人の浮気現場を押さえようと寝室に殴りこんできたジャンヌなのかなと思ってしまいます。

もちろんボードレールは、ある意味で「潔白」でした。ボードレールとサバチエ夫人の間には肉体関係はなかったのではないかとされているんですね。サバチエ夫人は「聖母」として崇められていただけだったわけです。だから1857年に、サバチエ夫人がボードレールに言い寄ったときに、ボードレールは彼女を拒絶します。

「彼女のすべて」の中で悪魔がささやく「黒い、あるいは薔薇色のもの」とは、おそらく肉欲の象徴としての女性の肉体のことですね。その中で何が一番心地好いのか、と聞く悪魔に対して詩人は、そんなものを超えたところに美があるのだと応じているように聞こえます。「彼女のすべてが癒し」であるためには、侵してはならない聖域にサバチエ夫人を常に鎮座させておく必要があったのでしょう。

19世紀の彫刻家ジャン・バプティスト・オーガスト・クレザンジェがサバチエ夫人をモデルにした二つの作品を残しています。
サバチエ夫人の胸像 」(ルーブル博物館所蔵)

蛇に噛まれた女 」(オルセー美術館所蔵)
別角度は こちら
女性のオーガズムを描いた作品ではないかとして、当時話題になったようです。

作者はわかりませんが、サバチエ夫人の絵は こちら です。
(続く)





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最終更新日  2008.03.24 13:47:22
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