星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

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2022.01.28
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テーマ: 読書(8212)
カテゴリ: 読書 原田マハ
 今読んでいる原田マハ著「常設展示室」の第2章のタイトルは「A View of Delft(デルフトの眺望)」で、オランダのこの町の名前から画家「フェルメール(1632-1675)」と映画「真珠の耳飾りの少女」を思い出しました。

 この絵に着想を得た「トレイシー・シュヴァリエ」の同名小説を映画化したもので
2003年(イギリスとルクセンブルクの合作映画)に上映されました。この絵の人気の火付け役になったとも言われる映画を私は全く知らず、たまたま 「真珠の耳飾りの少女」が絵画の中では特に好きという知人から4年ほど前に強く薦められYoutubeで見ました。

 舞台は1665年フェルメール一家が住むオランダの町デルフトで、タイル絵師の父を持つ少女「グリート」がフェルメール家で下働きとして働き始めるところから物語は始まります。彼女が持つ陰影、色彩、構図の天分に気がついたフェルメールは彼女に遠近法や絵の具の調合を教え始めます。

 レオナルド・ダヴィンチ(1452-1519)が絵を描いていた時代に半宝石のラピス・ラズリを使うため「青の絵の具」が一番高価だったようですが、この映画の中でも石を砕き青色の絵の具を作るシーンがあり「真珠の耳飾り」でもターバンに使われるこの色は一際強い印象を放っています。

 そしてフェルメールは様々な思いから彼女をモデルにして絵を描くことを決心します。しかし彼女の耳に飾られた耳飾りがフェルメールの妻の物であったために・・思わぬ展開になりますが最後のシーンは心温まるものになっています。

 原田マハ著「デルフトの眺望」の最後の部分は大手ギャラリーの営業を担当する主人公「なづき」が社用で訪れたオランダで空き時間を利用してずっと見たいと思っていた「真珠の耳飾りの少女」が展示してある「王立 マウリッツハイス美術館」に向かいます。ただなづきの心を捕らえた絵は「真珠~」よりも同画家の「デルフトの眺望」であったのは、彼女の父の最期の場所となる「介護施設」の大きな窓から見える空や雲や昭和の穏やかな風景を彷彿させるものがあったからのようです。

 この絵の絵葉書を介護施設に寝泊まりして父を介護をする弟宛に
「日本に帰ったら3人(父親も含めて)で思いっ切り話そう」と書いて 送ります。結局はなづきが帰国する途中で訃報が届きそれは実現しなかったのですが、この絵が何となくギクシャクしていた弟と心の深いところで絆を結べる関係へと繋げる一作として物語の中で描かれています。






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最終更新日  2022.05.07 13:42:48
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