星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

PR

プロフィール

星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

カレンダー

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2023.10.01
XML

エルミタージュ美術館にはタヒチ時代の15点が所蔵されています(ゴッホは4点)

  

 ゴーギャンのひまわりについて昨年ブログに書いた後でタヒチにはひまわりという植物は無く、ゴーギャンがフランスからわざわざ種を取り寄せ育てて描いた事を知りました。多分死期を悟っていたゴーギャンが亡くなる2年前に何故ゴッホが愛したひまわりの種をフランスから取り寄せてまでという疑問がその時からありました。

 もう少しで読み終わる原田マハ著「リボルバー」の中にこの絵についての詳細があり興味深く読みました。タヒチでの最後の愛人となる「ヴァエホ」と暮らす「愉しみの家」にひまわりの種が届き、南側の地面にそれを撒きます。そしてヴァエホに咲いている/咲こうとしている/散り始めているのを合わせて15本切って持ってくるようにゴーギャンは命じます。

 アルルでゴッホがゴーギャンのために用意したのとそっくりの椅子にひまわりを載せ、何かに捕りつかれたように描き続けるゴーギャンに「花ではなく今までのように私を描いて」というヴァエホの願いは受け入れられず、何故か取って付けたような窓の外に描かれた現地の女性の顔はとてもヴァエホの顔とは思えないほどふてぶてしく、口元に薄笑いすら浮かんでいます。この絵を見たヴァエホはゴーギャンを殺して(リボルバーで)自分も・・とまで思いつめます。

 「リボルバー」の中で描かれたゴッホと弟テオ、ゴーギャンの底なし沼のような確執、そして歴史を覆す真実のようにゴッホが拳銃自殺をした事になっている1890年7月27日にゴーギャンはゴッホ終焉の地「オヴェール・シュル・オワーズ」にゴッホから一通の手紙(・・悪い状態でなく、良い精神状態の時に死にたいと思うようになりました)を受け取った後で会いに行きます。ゴッホの弟テオから万が一の時に自分の身を守るためと送られていたリボルバーでゴーギャンがゴッホの前で自殺を図ろうとするうちに揉み合いになり・・・。これが真実なのかはゴッホとゴーギャンにしか分からない事なのだと思いますが、リボルバーをゴーギャンに送ったテオが心痛のあまり半年後に亡くなってしまった事にも何だか繋がっているような気もします。



 スイスの美術館に同じ年に最初に描いたひまわりが所蔵されていてこちらの絵には右上にタヒチの海のような風景画が置かれ2枚目のひまわりよりずっと穏やかな感じがあります。

 「人生」や「絵画」ではどうしてもゴーギャンはゴッホの背後にいる印象でしたが「リボルバー」を読んでここまでゴッホと深く関わったゴーギャンに以前よりずっと興味を持つようになりました。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2023.10.01 12:00:19
コメント(2) | コメントを書く
[ロシア旅行 美術館&クラシックバレー 等など] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: