こんばんは。ほうとうです。
大阪フィル第438回定期演奏会に行ってきました。大植監督の指揮でないの
に行くのは本当に久しぶりです。
では、指揮者はと言うと、ルーマニア出身でウィーン国立歌劇場常任指揮者を務め、
現在、ロシア・ナショナル管の首席客演指揮者であるイオン・マリンさん。
この人、譜面台を左斜め前に置くのですね。珍しい。
プログラムは、ムソルグスキーの交響詩「はげ山の一夜」(原典版)、ラヴェルの
組曲「クープランの墓」、ムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編)と
一点を除いてありがちなものですが。
では、メインの「展覧会の絵」から。
ビドロでは、ユーフォニウムを使わず、テューバの川浪さんがF管に持ち替えて
ソロを吹きましたが、やはり高音が苦しかった。苦役の辛さを表現するのなら
当たっていたかも。あのソロは悩ましいんですね。ユーフォを使うと楽なんですが、
音色がまろやかで、ぴったりと来ない。でもテューバでは音が高い。なぜなら
ラヴェルは「フレンチ・チューバ」を念頭に編曲したはずです。普通のチューバ
よりひと回り小さくてチューバより高い音が出るのです。ドイツを中心に
「テナーチューバ」という楽器もありますが、音色がやはり少し違う感じがします。
かつてフランスのコルトワ社がこのフレンチ・チューバを作っていましたが、今では
そんな話を聞きません。ですからどの楽器で演奏するか、悩ましくなるんですね。
古いフレンチ・チューバを調達して演奏した、という話も聞かないですから、使い
にくい楽器なのでしょう。
大フィルの各管楽器奏者も頑張って吹いていましたが、自信を持って吹けるように
なったらいいですね。
「はげ山の一夜」は一般的なR-コルサコフ編曲によるものではなく、原典版でした。
初めて聴きましたが、原典版は、鐘が鳴ってフルートのソロとともに夜明けを迎える、
という終曲にはならないんですね。悪魔の饗宴で終ってしまうのです。でも最後に
タンブリンが出てきて、悪魔も楽しそうでした。
同様に夜明けを迎えない形のものにオネゲル編曲があります。
以前、C.アバドがオネゲル編曲を演奏したのを何かで聴きましたが、悪魔の3つの
主題を執拗に繰り返すので、本当に怖かったです。
まるで音楽の「なまはげ」ですね。
もう少し作り込みたい 2021.01.30
ライブはいいね 2020.09.20
出だしから 2019.07.27
PR
Calendar