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2020.11.02
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テーマ: 読書(8289)
カテゴリ: 【読書】未分類

本のタイトル・作者



海洋プラスチックごみ問題の真実 マイクロプラスチックの実態と未来予測 (DOJIN選書) [ 磯辺 篤彦 ]

本の目次・あらすじ


はじめに
第一章 海洋ごみの現状
 漂着ごみを空から測る
 漂着ごみを定点監視する
 海岸の漂着ごみは何日で入れ替わるのか
 海洋ごみはプラスチックごみ
 一番多い漂着ごみは
 誰が捨てるのか
 コラム1 太平洋を越える震災漂流物
第二章 プラスチックごみの何が問題か

 景観汚染だけではない
 不機嫌な海鳥たち
 絡まるプラスチック
 プラスチックの船に乗って
 汚れたプラスチック(一)
 汚れたプラスチック(二)
 コラム2 研究成果を市民に伝えること
第三章 漂流するマイクロプラスチック
 マイクロプラスチックとは何か
 マイクロプラスチックの発見
 マイクロプラスチックの観測
 マイクロプラスチック観測の限界

 日本周辺はマイクロプラスチックのホットスポット
 南極から日本へ
 船の日常
 浮遊マイクロプラスチックの南北分布
 消えたプラスチック

 コラム4 世界初は心臓に悪い
第四章 マイクロプラスチックの何が問題か
 誤食されるマイクロプラスチック
 最悪のシナリオ(一) -化学汚染物質ー
 汚れたマイクロプラスチックは生態系の脅威となるか?
 最悪のシナリオ(二) -粒子毒性ー
 粒子毒性は生態系の脅威となるか?
 割れる見解
 五十年後のマイクロプラスチック
 予測の限界 -小さなマイクロプラスチックー
 コラム5 予防原則について
第五章 私たちにできること
 最後は一パーセントが残る
 生分解性プラスチックへの懸念
 プラスチックを選んだのは
 解決へのアプローチ
 挑戦できる未来に送るエール
 コラム6 海岸でマイクロプラスチックを観察しよう
おわりに
参考文献

引用


プラスチックを使うことは富裕層の特権ではありません。むしろ逆です。安価なプラスチックは、どんな人にも平等に、安全で快適な暮らしを提供してくれます。これをなくせば、負担は経済的な弱者ほど大きくなる。弱者に負担を強いる地球環境問題の解決など、あっていいわけがないでしょう。


感想


2020年読書:185冊目
おすすめ度:★★★★★

この本、めちゃくちゃ良かったです。おすすめ。
なんだろう、内容に興味がある云々じゃなくて、読んでほしい。
単純にこの方が研究に向き合う真摯な姿勢と、それを平易な言葉で、正しく届けようとする想いに胸をうたれた。
専門家とはかくあるべし…。

「査読を経て国際学術誌に発表した話以外は書かない」という条件で書いてある。
お堅い本かと思ったら、例示をあげて、専門用語はわかりやすくかみ砕いて、ユーモアも交えて、「そもそも海洋研究とは何なのか」「研究者って何をしてるのか」が分かる本として、エッセイ的にも読めて面白い。

そもそも気になっていたのは、自分が出しているプラスチックごみの多さ。
子供が生まれて、余計に罪悪感に襲われるようになった。これ、どうするの?
それでもプラスチックの世界から抜け出せないし、その簡便さを享受している。まあいいじゃん、便利だし。
でも、それでいいのかな、とずっと思っていた。

今回これを読んで、ぼんやり抱いていたマイクロプラスチックに対するイメージ(ポイ捨てされたプラゴミが、波間を漂ううちに砕けて行く)が間違っていたことが分かった。
それは、海岸で進行するのだ。
何度も何度も打ち寄せては引き上げ、それがマイクロプラスチックになるまで繰り返す。
それは皮肉で、残酷な現実だ。



内容のメモ。
プラスチックごみの何が問題なのか?に、汚染物質の付着だとか、生物の移動というのはまったく考えたことがなかった。
日本がマイクロプラスチックのホットスポットなのだとも知らなかった。



日本では99%のごみが処理されていることも知らなかった。
もっと、多くのごみが投棄されているイメージだった。
1%だけが、どうしても残る。100人のうち、1人が捨てることを防げない。
それをどうすればよいのか。

レジ袋有料化、はそのひとつ。
意味はあるのか?と思うときに、このことを思い出そう。
それは、ポイ捨てする1人を発生させない。
布で出来たエコバッグは、マイクロプラスチックにならない。
(ただし、生分解性プラスチックはマイクロプラスチックになる…というのは衝撃。)

分からないこと、は怖い。
でも、「どこまで分かっているか」が分かれば、怖くなくなる。
怖くても、怖さは減る。
だから私たちは、怪物に名前を付ける。カテゴライズする。
大丈夫。
その怪物を、一生懸命調べてくれている人がいる。戦ってくれる人がいる。
自分は何が出来るだろうと考える。
考えるために、知ることが必要になる。

ありがとう、と思う。
こういう本を書いてくれて、教えてくれてありがとう。


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最終更新日  2020.11.02 00:00:18
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