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2021.11.08
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テーマ: 読書(8289)
本のタイトル・作者


竜とそばかすの姫 (角川つばさ文庫) [ 細田 守 ]

本の目次・あらすじ

母を亡くして以来、歌をうたえなくなった少女・鈴。
田舎でさえない高校生活を送る彼女だったが、「U」というインターネット上の仮想世界に登録し、美しいアバターの姿を手に入れる。
―――私、ここでなら、歌える。
「ベル」と名乗った彼女は、Uの世界でたちまち人気歌手となる。
しかし、ある日ベルのコンサート会場に、「竜」と呼ばれるお尋ね者が逃げ込んでくる。
傷だらけの背中、鋭い双眸。

あなたは、だれ?

引用

たくさんの人が集い、その想いが形になって目の前にある。想いとは、目に見えないものじゃない。ここ『U』では、しっかりと輪郭と色と明るさをもって、私たちの胸にあり続けるものなのだ。


感想

2021年263冊目
★★★


でも読みやすくてよかった。

映画を見て、あの映画を小説にするというか、あれを文字で伝えるってどうするんだろう…と思ったけど、これはこれで想像の余地があるから自分の考えうる最高のUだったりベルを作れるな、という印象。
でも映画を見てくれ…できれば映画館で…!音と映像がすごいから、ほんと…!

で、映画を見ていてストーリーは「うーん」と思っていたんだけど、その内容がこの小説で「そういう設定だったんだ」と分かったところも多く、補完性があって小説もあわせてお楽しみいただくとより映画を味わえると思う。

・犬の名前はフーガ。足がないのはイノシシ用の罠にはまったから。保護犬として鈴の家に来た。
・鈴のお母さんは音楽が好きで、部屋にはレコード、カセットテープ、CDがぎっしり。
・鈴のお母さんのスマホに入っていた音楽アプリで鈴は作曲を始め、お母さんがそれにアドバイスをくれていた。
・映画の舞台は四国・高知県の限界集落。鈴の家の最寄駅はJR伊野駅。
・家のそばの川は仁淀川。沈下橋で対岸と繋がっている。
・高校から駅までの間にある川は、鏡川。
・ルカちゃんの名前は、渡辺瑠果。

・しのぶくんの名前は、久武(ひさたけ)忍。
・鈴にそばかすがあるのは、幼い頃外で遊びまわっていたから。母を亡くすまでは、快活な少女だった。
・ベルの一人目のフォロワーは、天使(ともくん)。
・ベルのコンサート会場のひとつひとつの窓は、それぞれのスマートフォン。
・「竜の城」があったのは、Uの初期インターネットサービスの残骸があるエリア。

・Uの世界では、身体的な傷だけでなく、心の動きもシンクロして表示される。(竜の傷、みんなのうたで光ったこと)

最後の、鈴が東京に行って、帰って来る、この間に何があったのか(父親と対峙したその後どうしたのか)が書かれているのかと思ったけど、小説にもなかった。
どうしたんだろう、あの後…。
ここが映画見ていて一番モヤっとしたんだけど…。

しのぶくんは、お母さんポジションだったんですね。
そしてコーラス隊のみなさんも同じく。
鈴はそのことに気づいてアンベイルされても歌えたんだ。
これ、小説読んではじめてわかった。



冒頭でいきなり流れる「U」。
この祝祭感、ものすごい。圧倒的。
私は「ことば」が変換されて全世界が同じプラットフォームでコミュニケーションを取れることには納得できるのだけど、それが「歌」であっても通用するのか?と思うのだが(日本語の歌が果たして日本語で全世界を熱狂させるのだろうか?)、この歌は納得できてしまう。



Uの世界に入ったベルがはじめて歌えたうた。
「私にだけ歌ってくれているみたい」というアズがいたけど、それ、分かる。
ひとりごとを言っているような、私のことを歌ってくれているような、うた。



50億人の中から、あなたを探し出す。
ただひとりのために、歌ううた。



いろんな歌をうたえるのがすごいなあ。

「竜とそばかすの姫」を見た時、「リリイ・シュシュのすべて」を思い出して。
「Belle」は「Lily Chouchou」なんだと思った。
その歌を歌っている歌手がいるのだけど、そのひとはいるのだけれど。
そこにいるのは、リリイであり、ベルだ。




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最終更新日  2023.01.01 17:32:54
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