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2022.07.24
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テーマ: 読書(8289)
本のタイトル・作者


二重らせんのスイッチ [ 辻堂ゆめ ]

本の目次・あらすじ

2015年2月。
地元で有名な個人塾を営む両親に育てられ、品行方正な優等生として常に成績トップを誇り、有名私立大学の大学院を卒業し、大手企業でシステムエンジニアとして働く桐谷雅樹。
ある日、彼は皆が自分の顔を見ていることに気づく。
そして会社に警察がやってきて言った。
強盗殺人の容疑で逮捕する、と。
防犯カメラに映っていたのは、自分。
現場に残されていたDNAは、自分のものだった。

引用


とはいえ、両親ばかりを責めようとするのはフェアではない。“安心させる”親子関係を進んで構築してきたのは、他ならぬ雅樹なのだから。


感想

2022年186冊目
★★★★


手持ちの札がどんどん開示され、そのたびに状況がひっくり返っていくような面白さのあるミステリー。
六人の嘘つきな大学生 [ 浅倉秋成 ] 」が好きな人は好きな感じかも。

以下ネタバレ。

「雅樹を探すため」に全国に顔を晒したのは、双子の弟、ジェイク・モトキ・ウェストだった。
自分と同じ誰かを短期間で一億2千万人から探し出す、「たったひとつの、冴えたやり方」。
アメリカに養子に出された双子の片割れ。

以前読んだ『他人のふたご』(韓国で生まれ、アメリカとフランスに養子に貰われたふたりが、偶然ネットでお互いを見つけるノンフィクション)を思い出した。
日本は、その昔は養子の輸出国だったのね。

テスカトリポカ [ 佐藤究 ]


ジェイクの言う双子トリック(?)が、「双子だからアリバイの立証が可能(入れ代わりトリック)」ではなく、「双子のどちらかが犯行を行い、しかしどちらも犯行を否認している場合、犯人を特定できず無罪になる」からなの、逆説的で目からウロコだった。
どちらかが犯人には違いない、でもそのどちらかが特定できない。
昔なら二人とも牢にぶち込んで終わりだったろうけど、現代の法治国家ではそうはいかない。
犯人が特定できない=無罪。
この理論ってすごいよなあ…。

どちらかが犯人だけれど、そのどちらであるかが分からない。
一卵性双生児のみのパラドクス。

タイトルの「二重らせんのスイッチ」は、一卵性双生児の双子であっても、遺伝子のオンオフが生育環境により変わる(たとえば健康に気をつけて生活するかどうかで、病気の発現するスイッチが入るかどうか)。
作中で、一卵性双生児をDNA判定できる方法が確立された(現実に2015年にニュースになっている)。
それにより、双子トリックは崩壊する。

作中の親との確執、私はミスリードされて、てっきり子供を売ったお金を塾の開設費用にした極悪非道な人たちだと思ってた。
そういう面もあったんだろうけど。

ジェイクが日本語を覚えていく過程、「そんなすぐに覚えられる?」と驚異的な学習スピードに驚くのだけど、幼少期に日本で過ごしていただけでそこまでいけるものなのだろうか。
あと、ジェイクがコンビニ飯で感動していたパン。
私もあれ好きです。ふわふわのホットケーキみたいなやつに、マーガリンとメイプルシロップ挟んでるやつ!
日本のコンビニに慣れ親しんでいると、海外で「コンビニを!!我にコンビニを与えたまえ!!」ってなりますよね。
特に海外旅行者には重宝する。




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最終更新日  2022.12.03 23:53:26
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