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2022.09.14
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テーマ: 読書(8289)

本のタイトル・作者



フェイク ウソ、ニセに惑わされる人たちへ (小学館新書) [ 中野 信子 ]

本の目次・あらすじ


第1章 何のために人はウソをつくのか
第2章 人はなぜ騙されるのか?
第3章 社会性とウソ
第4章 生産的ウソの効用と活用法
第5章 悪意のあるウソ
第6章 歴史から見るフェイクの活用例
第7章 ウソとどう付き合い、生きていくのか

引用


人間の脳は、論理的に正しいものより、認知的に脳への負荷が低い、つまり分かりやすいものを好むという性質をもっています。論理は強力なものではありますが、その運用には脳をそれなりに頑張って使わなければならないという罠があります。


感想


2022年236冊目
★★★


ホンネだらけの世界なんて、かえってぞっとするだろう。
誰もかれもが、思ったことをそのまま口にする世界。
罵詈雑言の限りが尽くされるのではないかしらん。(私の真っ黒な腹の中だけ?)

引用部、前に読んだ
「わかりやすさの罠 池上流「知る力」の鍛え方[ 池上 彰 ]」
7月に読んだ本②
を思い出した。

わかりやすさ、を人は求めている。
誰かが「わかりやすさ」を提供すると、途端に自分で考えなくなる。
そっくり頭を預けてしまって、アウトプットされたその思考の結果だけを享受しようとする。

大多数の人は、それを見るだけになっていく。

人は学ぶのが好きな一方で、怠けることが大好きだ。
この本によると、脳は思考プロセスでもなるべくリソースを使わなくていいように(認知負荷を下げるように)しているらしい。
脳は酸素の消費量が人間の臓器の中で最も多く、身体の1/4なのだって!
へええ。

おまえたちまで!!笑

フェイク、ウソ、ニセ。
それらが流行るのも、そこに答えがある。
働きたくない脳は、わかりやすい答えを見つければ、それに飛びつく。
面倒に思考するよりも、誰かの言う「正解」に従いたい。
リソースを節約して――でもそれで、よいのか?

考えろ、と私は自分にいつも発破をかけている。
考えろ。考え続けろ。考えることをやめるな。
そのなかでもがいても、苦しくても、答えなんてどこにもなくても。
見つけたと思った答えが何度覆っても、絶望しても、光が見えなくても。
考えろ。自分の頭で。自分の言葉で。
目を開け。耳を澄ませ。心を開け。
それが、私が私として存在する意味なのだから。
それが私にとっての「生きている」ということなのだから。

水は低きに流れる。
人は易きに流れる。
その方が楽だからだ。

けれど頭を預けて、誰か偉い人が、賢い人が、自分の代わりに出した答えに、納得できるんだろうか。
何かが「わかりやすい」時、私は警戒する。
省かれた「何か」が何であるのか。
自分ではたどり着けないと知りながらも、私はそれを求めたい。

これまでの関連レビュー


生贄探し 暴走する脳 [ 中野信子×ヤマザキマリ ]
不倫と正義 [ 中野信子×三浦瑠麗 ]
世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた [ 中野信子 ]




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最終更新日  2022.12.03 23:40:04
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