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十年以上の時を経て、旧友に逢った。
最も、友人としてではない。客とソムリエという立場で。

Popoくんの ワインの感想や 日々のつれづれの日記 です .
昔、あるお店で働いていたソムリエくん。
そのお店は、その当時常に5~6人のソムリエがおり、多くのワイン会も催していた。
オーナーには、だいぶかわいがってもらった記憶がある。インポーターのワインの試飲会などにも参加させてもらったりした。最も高い参加費のワイン会の残りワインなど、勉強になるよ…とスタッフ(ソムリエ)と一緒に楽しませてもらったことも多い。
系列店も含めた中で、最も才能を買われていたのが彼。
当時独身だった私は、ほとんど毎日のようにお店の隅でワインを楽しんでいた。食事抜きで、スタンディング・テーブルでテイスティングするスタイルを好んでいた。ワインは店任せ。ワインリストに無いワインが多かった。必然、フロアースタッフやオーナー、ソムリエくんたちが入れ替わり立ち代り相手をしてくれた。
知己の友人が、後で教えてくれたのだが、かなり目立っていたらしく業界人だと思われていたらしい(笑)。オーナーがお客さんに聞かれて、彼はまじめにワインに取り組んでいる…?などと、紹介していたらしい。
納得。どおりでやたら話しかけられると思った。
おかげで業界の人脈が広がってしまった。
今思うと、かなり恥ずかしい。
ずいぶん、彼には世話になった。彼に教わったのは熟成したボルドーワイン。最も難易度が高いあたり。味わい、飲み方、表現など。
結局、オーナーと合わず、店をやめることになったのだが。
ワインはビジネスとしては非常に難しいのである。
その後、大手のワイン卸メーカーに勤め、その後フランスのブルゴーニュに渡ったと風の噂で聞いてはいた。
その彼が、再び戻ってきて、小さなフレンチ・レストランのソムリエをしていると聞いたのでいってみたのである。店のオーナーはワイン本を書いている、ワイン・コーディネーターのF女子。面識はある。
ある噂が気になって。
私は、ワインリストからワインを選ばないひねくれ者である。
ワインを頼むときは、予算、飲みたいワインの感じ、いくつかの葡萄の種類や地域をソムリエに伝える。おススメを3本位セレクトしてもらい、大体はその中から選ぶ。
好みの選択でなければ、場合によって知己のフロア・マネージャーに相談する。
ワインリストを見た。。。うん。なるほど高い。噂どおりか。市販の3倍値付け。。。
通常、市販5000円未満のワインは3倍位の値付けは当たり前。コストと維持の問題がある。その店が良心的な値付けをしているか否かは上のクラスで見るもの。
市販1万クラスで3倍は高い。1・5~2倍なら。。。
ワインの選択は彼に任せてみた。ホストテストも彼に任せた。まあ、平たく言えば君に任せるから、君の判断で飲みどきのワインをコンデションをしてだしてくれ。。。の私のパターンである。
選ばれたワイン。ブルゴの良いつくり手。
クロード・ドュガ
の某ワイン。
うーん。ヴィンテージが若い。当然、あらかじめ抜栓されているわけではないし、室温に戻されてもいない。開くのか、これ?
一通りの説明をして、彼は別のテーブルへ移動した。
ワインを味わってみる。。。
硬い。タンニンがほどけていない。一緒にいた友人がいう。
「これ、美味しいの?さっきのグラス・ワインのほうが好みだな・・・」
正解。2時間かけたが。。。ワインは力を出し切れなかった。
他のテーブルのワインボトルに目を走らせる。
おいおい、全部クロード・ドュガかい。。。
支払いを済ませるとき、彼と少し会話した。そのなかで。
>ワイン選んだ理由は?
>評判の作り手のワインですから。皆さん、喜ばれています。若いですが、力があります。飲み時はまだ先ですが、もう少しするともっと高くなりますよ。
なんだ、それ?
ソムリエくん。君は、前の店は、それでやめたんじゃなかったのかい?
在庫の多いワイン、おススメのワインばかり勧めるのが嫌だったはずでは?
立場が変われば、人も変わる。なるほど。多くを学んできたわけだ。
もちろん、悪くは無い。正しい判断かもしれない。
だが、噂はあの店は高い…である。ワインが高いではない。
つまり、食事、ワイン、サービス…その全ての評価で客が満足しなかったということではないかな…?
クロード・ドュガ。いいワインだが、味わいに比べ高すぎるワインの代名詞になってしまった。君も知っているはずだがなぁ。。。
それであれば、まだルロアやDRCでよかったんじゃないかとも思う。
私は彼にそれは言わなかった。考え方を変えれば、彼はビジネスとしては正しい。客と店員の立場、違い考えの違いだから。
難しいもの。
お世話になった、某店のオーナーに無性に会いたくなった。
その頃はずいぶんと生意気なことも言ったものである。今思えば、本当に世話になった。今、話をしてみたい。一緒にワインを飲んでみたい。
今何をしているのだろうか?
悲しいかな、逢うことはできない。
大きく広げた事業、ワインビジネスは
彼を自己破産へと導いてしまった。消息は知れない。
今思えば、その実績は大きい。ワイン不毛の地に多くのワイン愛好家を育てたのだから。
今宵はここまで。
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