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現在TV東京で放送中のアニメ「バンブー・ブレイド」は、我らが師匠、仙波清彦が音楽を担当しております。1月にサウンドトラックが発売されましたが、今月26日には第2弾が発売されます。とあるショッピングサイトでは『2007年10月度新番組「バンブーブレード」のサウンドトラック。他に類を見ない 2ドラム、ジャンベ、コンガ、タブラ、チャンゴ、和太鼓などのアグレッシブな楽器が広大なスタジオを埋め尽くす凄まじいパーカッション・フルバンド・サウンド!! 仙波清彦が手掛けるBGMの他、キャラクターソング4曲[川添珠姫(広橋涼)/千葉紀梨乃(豊口めぐみ)/宮崎都(桑島法子)/東聡莉(佐藤利奈)]、挿入歌「シュナイダーのテーマ(仮)」(歌: 石原慎一、作詞: 桑原永江、作・編曲: 中川幸太郎)を収録(以上予定)。デジパック仕様。』と紹介されておりますが、この「パーカッション・フルバンド」というのが何を隠そう、我らカルガモーズであります。今回はライブでもお馴染みの「イントロダクション」、「オレカマ 2008」、「ビリンバウ」が収録されております。これまでライブ活動しかなかったカルガモーズが、この「バンブー・ブレイド」のサントラのために昨年、初めてレコーディングを経験しました。世界中の様々な「楽器が広大なスタジオを埋め尽くす」とは、まさに このレコーディング風景のことです。とかく録音作品というと、ライブで発揮されるスケール感なども小じんまりとしてしまうことがありがちなのですが、このサントラに関してはライブに全く引けを取らない、必聴の出来栄えなのであります。それもそのはず、録音は今どき珍しい「一発録り(!)」、ライブと全く同じスタイルでの演奏がギュッ!と詰め込まれているんであります。それにゲストの方々、バカボン鈴木さん、高橋香織さん、辰巳光英さん、Ma*Toさん、そして福岡ユタカさんの演奏もキレてます!「イントロダクション」で聴かれるハードロックギターのようなディストーションサウンドは香織さんのヴァイオリンだゾ!福岡さんのヴォイスワークも即興とは思えない、実に素晴らしいのダ。また この曲に関しては、肝心の師匠は韓国の手持ちゴング「ケンガリ」を持って指揮を執っているので、全体を推し進めるビート、打楽器の数々は我々、通称「コガモ隊」だけで出来上がっているというのも、ちょっと誇らしいトコロであります。(エンディング部分で行われる、師匠のケンガリ1個対全員のコール&レスポンスも聴きドコロです。)きっとジャケットは「バンブー・ブレイド」のキャラクターをフィーチャーした可愛らしいデザインになることでしょうが、その外観に騙されてはいけません。内容は、仙波師匠ならではのエッセンスが充満した、誰も触れたことのないような壮大な音楽世界が拡がっているんであります。収録曲はカルガモーズのものばかりではありません。KAO'S もあります。仙波師匠の極まった演奏技術が堪能出来る曲も、しっかり入っております!師匠のファンはもちろんですが、全ての音楽ファンに大・大推薦、今年イチオシの一枚です。発売は今月26日!ことカルガモーズの楽曲に関しては、総勢20人を越えるメンバーが一斉に「ドォーーーン!!」と音を出したときのエネルギーにはスゴいものがありまして、ちょっと他では味わえないものだと確信しています。きっと病みつきになりますよ。そのエネルギーを直に体験したい方は、是非ライブへ足をお運びください。是非、是非。
2008年03月06日
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ここのところ ライブづいておりまして、先日2日の日曜日には東京文化会館でカヒミ・カリィさんのライブを観て来ました。この東京文化会館の音楽監督である大友直人氏のプロデュースによる「POPULAR WEEK 2008」と銘打った5日間のイベントの中の1日だったのですが、通常クラシック音楽以外には使われることのない会場だそうで、貴重な空間と時間でありました。サポートは大友良英氏と今堀恒雄氏のギター2人。曲によってエレキとアコースティックを使い分けながら、カヒミさんのウィスパーヴォイスと溶け合って心地良いアンサンブルを生み出しておられました。カヒミさんのヴォーカルは、私の敬愛してやまない吉田美奈子さんと まるで対極にあるようなスタイルですが、時おり聴かれるディストーションの効いたギターサウンドの中でもかき消されることなく確かな存在感を持って耳に届く、独特の魅力があります。以前に出た細野晴臣氏のトリビュートアルバムに収録されている、ジム・オルーク氏との「風来坊」は私のお気に入りのトラックの一つですが、色々なスタイルにマッチする興味深いヴォーカリストだという印象です。今回サポートされていた大友氏のバンドにも参加しているそうで、是非それも観てみたいと思っています。最後に、さすがクラシック用のホールということで、この日のライブも実に音の響きが良かったことが印象的でした。ホールの空間に放たれた音が、リアルに感じられると言うんでしょうか。このイベントは今年で3回目だそうですが、是非続けてもらいたいイベントだと思っています。
2008年03月05日
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前回の続きは また別に書くとして、今日は目黒のパーシモンホールで行われた、スティーヴ・ジャンセン氏のライブレポートを書きます。彼は、ボクの青春時代にYMOと並んで必死になって聴いていた「JAPAN」のドラマーだった人で、高橋幸宏さんと同様、ボクのアイドルなんであります。今回のライブは、サポートメンバーに小山田圭吾氏、高木正勝氏が参加ということで、非常に期待しておりました。内容は、昨年出た初のソロアルバム「Slope」に沿ったもので、バックトラックと生演奏の音が非常に緻密に、繊細に積み重ねられた、心地良いものでありました。小山田氏の持っていた楽器はギターでしたが、いわゆるギターらしいプレイはしません。高木氏も時おり身を乗り出してピアノの弦を爪弾いたりと、プレイはあくまでも音響系。それに4人編成のストリングスも加わっていて、「あれ、この音はギターか?」と思ってよく見るとストリングスのピチカートだったりと、耳を澄ませて、目を凝らして、「今、何が起こっているのか」を追いかけつつ、整然と組み立てられたアルバムとは また違ったライブ感を愉しむ、豊かな時間でありました。スティーブ・ジャンセン氏のドラムもジャパン時代から変わらず、タイムは実にジャストで小気味良く、それに人間的な表現の部分も深みが加わって「あぁ、ボクはこの人のドラム、好きだなぁ」とあらためて思わされました。ところで、今日初めて行きましたが、このパーシモンホールって所が実に音が良いのにも感心しました。いわゆるロック系の大音量を出すようなタイプの音楽ではなかったこともあって、ホール自体が良いのか、PAの方の腕が良かったのか、その両方か、何しろ音が良かったのが印象に残りました。このホールは、これから もっと人気が出るかもしれません。来月には、いよいよ小山田氏の「コーネリアス」がツアー開始ということで、東京公演が今から楽しみであります。
2008年02月29日
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一度書き始めると、それなりに続くブログであります。ヤマハドラムが40周年ということで記念のドラムセットが発売されたことを知っている人も多いでしょう。実はあの発売に際して、去年の6月に、全国の販売店の方々を招待した発表会のようなイベントがあったんです。そのイベントのデモンストレイターとして仙波師匠が指名されたのですが、当日は、記念モデルを含めて、新作のドラムセット3種類を紹介する他に、現在のラインナップも合わせて展示するということで合計8セットが会場に並びました。で、それらを直ぐ演奏できるようにチューニングして欲しいってオファーも同時にありまして、「とても手が足りない!」ということで師匠から呼んでいただいて、私もお手伝いに参加させてもらったんであります。私は以前に、やはりヤマハが主催するバンドコンテストのイベントで、ステージの両袖にスタンバイさせる全く同じ2つのドラムセットを、全く同じようにチューニングするという仕事をさせてもらったことがありますが、一つの空間の中にあるドラムセット8種類もをチューニングするのは初めて、ってそんな機会、しょっちゅうある訳無いので、最初で最後の経験だったかもしれません。師匠がイベントの進行に関する打ち合わせなどをしている間に、先行して私がチューニングをしていきました。半分の4セットほど終わったところで師匠が現れて、私がチューニング済みのセットをチェックし始めました。「テッちゃん、上手いねー。」なんて言ってもらえて気を良くしたのも束の間、少しづつ師匠が手直し、微調整を加えた後の音を聴いてみると「これでどうだ」、「これでOKでしょ」と思っていたセットの音(特にタム)の鳴りや響きに さらに深みや量感が加わっていて、今さらながら師匠の技に驚きました。惜しむらくは、「ハイ、次」、「次!」って勢いでチューニングを進めなければいけなかったので、師匠がどこをどう手直ししたのかが よく見られなかったことであります。いやぁ、「まだまだ勉強!」と思い知りました。そして、いざイベント本番となった訳ですが、全国の販売店の方々は気が付いてくれていましたかどうか。何かというと、あれだけ接近した距離にドラムセットが並んでいて、キック以外は一切ノーミュートだったにも拘らず、ドラムセット同士で無駄な共鳴が全然出ていませんでした。自分も相当頑張ったとはいえ、これはかなりスゴいことだと思うんです。誰か気が付いてくれている人が あの時にいたならば、とても嬉しく思います。いやぁ、やっぱりチューニングは深いッス。一般の人が一切知らないイベントということもありますし、この後も 引き続き話題満載の一日でしたので、しばらくはこの日のことを書こうかと思っています。
2008年02月25日
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前回、このブログに書いた「魅惑のイージー・リスニング」の日、JIROKICHIの壁には何枚かのモノクロの写真が飾られていたんですが、みんな気が付いていたでしょうか。「春先小紅」がヒットしている頃の矢野顕子さんのツアー・パンフ用に撮影されたものだそうで、真ん中に坂本龍一氏、その左にポンタさん、右に仙波師匠という、スゴい3ショットなのでありました。ざっと25年ほど前ってことになるので30歳そこそこの頃と思われますが、みんなニッコニコの笑顔で写っていて、若々しさとエネルギーがガンガンに出てるイイ感じの写真でありました。ところで実はそのライブの日に、ポンタさんの右の手首に包帯が巻かれているのが気になったんですが、どうやら骨折してしまっていたようであります。昨日の「SOLID BRASS」のライブにはドラムにトラを立てたとか。さすがのポンタさんも年齢は50歳オーバーですので、回復に時間がかかるのでは、と少々心配しております。スケジュールを見てみると、明日もJIROKICHIで山下洋輔さんはじめ、またまたスゴいメンバーでのライブのようですが、大丈夫でしょうか。くれぐれも身体だけは大事にしてください。
2008年02月23日
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もう一年以上も更新無しで過ごしてしまっていました。メチャメチャ久しぶりに書きます。我が師匠、仙波清彦の企画ライブ「仙夜一夜 魅惑のイージーリスニング」に昨晩、高円寺 JIROKICHIへと行って参りました。このライブの存在を知って以来「絶対に見逃せない」と思っていたライブだったんであります。何しろ、メンバーがスゴい!仙波清彦師匠を筆頭に、ドラムに村上ポンタ秀一氏、サックスで坂田明氏、ギターに白井良明氏、ベースは、我らカルガモーズでもお世話になっております バカボン鈴木氏、そして同じくカルガモーズにもご参加いただいている 高橋香織さんがヴァイオリン、そして音楽に関わっていても滅多に見られないバス・フルートを操る 天田透氏であります。坂田さんと師匠、ポンタさんは'80年代初頭に知る人ぞ知る「WAHAHA」というバンドでアヴァンギャルドに活動、香織さんと師匠は香織さんのバンド「KAO'S」で現在活動中、ポンタさんとバカボンさんのリズムセクションは第2期 PONNTA BOX、白井さんはもちろん、昨年30周年を迎えた、現存する日本最古のバンド「ムーンライダース」のメンバー、そこから日本のニューウェーヴという視点で見れば、バカボンさんは「パール兄弟」のメンバーでもある訳で、師匠とポンタさんに限っては、渡辺香津美氏の「MOBO」、「オレカマ軍団」、「はにわオールスターズ」、最近の「METHOD」も含め、数限りないほどのステージ、レコーディングを共にした名コンビでありまして、このメンバーだけで、この30年くらいの日本の音楽シーンのほとんどが語り尽くせるんじゃないのか?!というくらいのラインナップです、実に。これだけのミュージシャンを集められるのも師匠ならではだと思いますが、こんなメンバー達が一つになってどんな音が、音曲が飛び出すのやら、この眼と耳で確認したかったんであります。そのライブは、やはり言葉では説明できない、それぞれの持ち味が純度高く発揮された非常に濃密な音と時間が流れたのでありました。他人のプレーにかぶせていく時の発想、「出る」「引く」の見切りの鋭さ、腕の立つ人ってのは こんな風に遊べるのかぁ等、時間の経過と共に感心することしきりのステージでありました。今回のメンバーの方々は、大半が50歳以上。もっと年上の坂田さんも然りですが、やはり、この年代のミュージシャンの技ってのは、もの凄いなと改めて実感しました。自分が50過ぎたとき、あんなプレイが出来るかと考えると ちょっとヘコみますが、それはそれとして、自分としては ここで受けた刺激はカルガモーズの方へと注ぎ込んでいきたいと思っとります。今年のカルガモーズは、いっぱいライブやりますので、お時間のある方、ドンドン来ていただきたいと思いますよ。直近は4月30日、目黒の「ブルース・アレイ・ジャパン」にて。前日の29日は前述の「KAO'S」です。絶対面白いですから、是非来て下さいまし。
2008年02月21日
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また、すっかり間が空いてしまいました。日本時間で11月1日、待望のNBAシーズンが開幕ということで、また音楽の話から脱線してしまいます。しかも話題は、とっくの昔の9月4日に遡ります。代々木公園で行われたコービー・ブライアントの来日イベントへ行って来たんであります。本当は、前回書いた話題の世界選手権の試合でアメリカ代表チームとしてプレイしているところを見たかった訳ですが、怪我の治療のため手術してくれたおかげでアリーナの客席から見るより メチャメチャ間近で見られて、しかもイベントの最後にはハイタッチまでしてもらえて、個人的にはエラい盛り上がりました。月曜日の日中というスケジュールとはいえ、NBAのスーパースターがやって来る無料のイベントに、おそらく数百人レベルのギャラリー(だからこそハイタッチもしてもらえたんだと思うが)しか集まらない日本のNBA人気の翳りも目の当たりにした気分だったけれども、それにしても こんなイベントを実行してくれたナイキ・ジャパンには本当に感謝したいと思いました。NBAに興味のない人には全く判らない話だとは思いますが、彼はドえらい スーパースターなんです。所属はロスアンゼルス・レイカーズ。当時はまだ非常に珍しかった高卒ルーキーとしてデビューして以来、優勝3回(しかも3連覇という偉業)、得点王争いにも常に顔を出し続け、とうとう昨シーズンには歴代2位となる1試合81得点という大記録とともに得点王を獲得しました。もちろんオールスター・ゲームの常連でもあり、輝かしいキャリアを毎年 着々と積み重ねながら、まだ28歳という恐るべき才能であります。こういう頂点を極めたスポーツ選手というのは、普段接する機会もまずないので なおさら特別視してしまうのかもしれませんが、やはりミュージシャンとは随分違う種類のパワーやオーラを放っていることを感じます。自分がファンであることを差し引いても、有り余るポジティブなパワーのようなものを感じずにはいられません。彼の一挙手一投足を見ているだけでも「俺は俺で、音楽の世界でもっと頑張ろう!」と素直に思えてくるから不思議です。ほんの数日前に世界選手権を堪能したばかりのところに、大きなボーナスをもらえたような感激の一日でありました。次回こそ、音楽の話にしたいと思います。
2006年11月02日
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今回は全然、音楽の話ではありません。随分と日にちが経過してしまいましたが、9月1日 バスケットボール世界選手権の準決勝の2試合を見て来ました。3度の飯より NBAが好きな私の目当てはチームUSA。準決勝まで勝ちあがってくれて本当にありがとうと思いつつ、間近で見るスーパースター軍団に興奮して見入っておりました。NBAを知らない人にとっては何のこっちゃの話ですが、今回のチームは周到に選考されたメンバーだけあって、本当にワクワクさせてくれるチームでした。オールスター・ゲームでも同じチームでは見られないレブロン・ジェームスとカーメロ・アンソニー、そしてファイナルMVPのドウェイン・ウェイドのトリオを軸に、新人王のクリス・ポールや伸び盛りのドワイト・ハワードやクリス・ボッシュ、玄人好みのシェーン・バティエといったプレーヤーまで、大黒柱としてそれぞれのチームを引っ張るイキの良い、こんなメンバー達のプレイが日本で見られるのというのは、本当に幸せでした。ちょっと大袈裟かもしれませんが、何年か経った後に「スゴいメンバーだったな。」と振り返るような歴史的なチームではないかとさえ思います。今回は優勝こそ逃しましたが。しかし、FIBAやNBAの規定や契約の問題などがあるのでしょうか、アメリカ・チームだけに限らず、この大会の試合結果やダイジェスト、選手のインタビューなどが誰でも見られる地上波TVはもとよりBSでさえ、頻繁に見られることは無く、閉幕まで露出度の低いままだったのは非常に残念です。メディア関係者の間では「バスケットボールはマイナーだから」と、そもそも取り上げようとする意識が薄いようです。でも本当に、そんなにマイナーなものなのかは疑問です。そうやって勝手に思い込んで、広く知らせようとか盛り上げようとしていないだけの話なんじゃないかという気がして仕方がありませんが、一方で サッカーのワールドカップ並に盛り上がっていたら、とてもチケットなんか取れなかったかもしれないと考えると複雑な気分になります。ゲームの方は、観ていた方はご承知の通り 第一試合の「USA×ギリシャ」は見事な試合運びでギリシャが、第二試合の「スペイン×アルゼンチン」は一点差の白熱のゲームとなり、大方の予想を裏切ってスペインが勝利しました。アメリカ・チームの負けっぷりは過去の代表チームが負けたときとほとんど同じパターンといって良いでしょう。3ポイントを含む 精度の高い外角からのシュートを決められたかと思うと今度はインサイドでやられ、ディフェンスが的を絞れず対応できない間に10点、15点と点差を広げられ、結局 最後までその点差を埋められずタイムアップしてしまう形でした。この敗戦によって、まだまだアメリカの苦悩は続くと言った感じでしょうか。ブラジルにおけるサッカーと状況が似てきているような気がします。先のワールドカップでも、私はブラジルが優勝すると信じていました。ゲーム後に呆然と立ち尽くすカーメロ・アンソニーの姿が印象的でしたが、このメンバーで勝てないんだったら誰が出たら良いのかとゲーム直後には私も考えさせられました。コービーが出ていたら、また違ったんでしょうか。ポイント・ガードもビラップスやアリーナスのようなクラッチ・シューターとしての高い能力を見せるプレーヤーの方が良かったのでしょうか。それにしてもギリシャ・チームのこの試合でのシュートの精度の高さは、見事でした。アリーナ内には細かなスタッツの表示が無いのではっきりとは分かりませんが、それでも成功率は50%を優に超えていただろうという感覚を持ちました。勝ち残りを懸けた大一番のゲームを一日に2つも立て続けに観られて、お腹イッパイの最高の一日でした。バスケット・ボールは本当に面白いです。見たことのない人には、特にNBAは是非見てもらいたいと思います。そもそもバスケット・ボールは1チームごとの所属選手の数が少ない上に、キャラの立ったヤツが多いので人間図鑑としても楽しめますよ。代表チームの次の舞台は北京オリンピックになりますが、今回のメンバー達がそれぞれのチームに戻って また活躍することを楽しみに、NBAの新しいシーズンを待ちたいと思います。
2006年09月10日
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という訳で、ドラムに平田さん、ベース ミウラさん、キーボードに鶴谷さんを加えた今回の吉井さんバンドのリハーサルが始まったのでした。何せ「惑星」はどちらかと言えばパンク色が強かったですし、美しい曲も数々ありましたが独特のロック・フィールで押してくるバンドでありました。しかし吉井さんの楽曲は一筋縄ではいきません。絶品のバラードあり、グッとスケールの大きな曲もあり、やはりトップ・アーティストと唸らせるものがあります。バンド編成も「惑星」が3人編成だったのに対して、今回はヴォーカルの吉井さんをはじめ、ギター(「イエローモンキー」時代から吉井さんと組んでいるキクチさんに、ソロになってからの吉井さんを支え続けているバーニーさんは、またコーラスもバツグン。)が2人、そしてベース、キーボードと5人の男たちに囲まれて、そのバンドの屋台骨を支えるドラムを平田さんがプレイしているのを見るにつけ、その成長ぶりや「惑星」時代からの変貌ぶりに感慨深いものがあります。以前TVで、ドラムを古田たかしさんが務めていたときの吉井さんのライブを拝見しましたが、また そのときとは違ったバンドの新しい魅力がありますし、リハーサルの間、それを吉井さん自身も楽しんでいるように見えました。吉井さんのファンの方々はもちろんですが、惑星のファンだった方々にも、今回の この吉井和哉バンドは大いに注目してもらいたいと思っています。平田さんのファンの方は必見と言って良いでしょう。是非ライブに足を運んでくださいまし。あとは私がやるべき仕事をキッチリこなすだけです。やはりライブもドラムの音がビシッとキマると、全体の音像の出来上がりがアップしますし、それは聴く側の心理にも必ず影響するものです。ほかのスタッフの皆さんの足を引っ張ることの無いよう、シッカリやります。
2006年07月19日
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年が変わって以来、ことごとく書き込むタイミングを逃しまくり、7月にまでなってしまいました。今年は、あと何回 書き込みできるでしょうか。ここ数日、吉井和哉氏(元「イエロー・モンキー」の、という断りも もう必要ないでしょう。)の夏フェスに向けてのリハーサルに参加していました。今回のバンドのドラマーが、元「惑星」の平田智美さんということで、彼女から要請を受けてスタッフに加えていただいたという訳です。そもそもは東京で桜満開の季節に、今回のバンドのドラム、ベースのポジションのオーディションがありまして、そこから始まった話であります。平田さんは「惑星」から脱退後、独自にバンドを結成してコンスタントな活動をしていたのは知っていました。そこへオーディションの話が舞い込んできたということで、そのオーディションでの楽器の面倒を見てもらえないかと、私に連絡をくれたのです。平田さんと「惑星」以来の音楽の現場で、しかもスリリングなオーディション、しかもそれが吉井氏のバンド、私も久しぶりに心地良い緊張感のようなものを感じる一日であったことを覚えています。そして外は満開の桜でしたから、非常に印象的な日でありました。以前に、この日記の中で「女性ドラマーは、優秀です。」というタイトルで平田さんにも触れて書いたことがありましたが、会うたびにドラマーとしての進歩が感じられるというのは素晴らしいことです。平田さんの順番のときに一緒に組んだベーシストのミウラさんとのコンビも非常に相性良く バンドにフィットして聴こえ、個人的に非常に好印象だったところ、結局この二人が見事、採用となったのでした。度々、平田さんのレッスンなども請け負っていた私としても、非常に喜ばしく、誇らしい気分になりました。また、吉井氏のマネージャーの方からは、オーディション合格の連絡の際に「ドラムのチューニングをされていた方の連絡先も教えてください。」と言っていただいたそうで、それで今回のスタッフにも入れていただけた訳で、本当に平田さんをはじめ、関わっている みなさんに感謝であります。書き始めると長くなる癖があります。次回に続けたいと思います。
2006年07月18日
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またしてもご無沙汰しておりました。今回のブランクは、いよいよあさってに迫った仙波清彦ニューユニットのライブに向けて自分のプレイの反省やら、準備やらでテンパッていたからでございます。本日、最終リハを終えてきました。なにせ打楽器だけで15人もいますので、エライことです。ドラムもいます。コンガもあります。ジャンベもあります。マリンバもあります。エスニック楽器いっぱいあります。鼓まであります。濃いです。かなりハードコアです。先日、ゲスト・ミュージシャンのバカボン鈴木さん、福岡ユタカさん、高橋香織さんを交えて、出演者全員が揃った一回きりのリハーサルもありましたが、ゲストの皆さんは本当に素晴らしいです。たいした打ち合わせも無いまま、聴こえる音に反応してもらっているだけでも、素晴らしい音曲が生み出されていくようでした。観に来られる方々には是非、楽しみにして頂きたいと思いますが、人数が人数なので高円寺ジロキチのステージエリアだけで出演者が収まるかどうかが本当に不安な状況。と言うより、本来客席であるハズのスペースに食い込んでいくことは必至。でも、そんなラッシュアワーのようなステージの状況というのも滅多に見られるものじゃありません。何が起きるか、出演者の私も今だに全部掴みきれていないという、スリルもいっぱいであります。師匠のファンの方も、そうでない方も、どんなネタが仕込まれているか、お時間に都合の付く方、楽しみに観に来てくださいな。よろしくお願いいたします。
2005年12月13日
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「バンド始めました。」とは言いながら、実はとっくに始まっていまして・・・。思い返せば、あれは5月くらいだったでしょうか、仙波師匠から「一緒に何かやろうよ。」と言われたんですね。こちらとしては寝耳に水てなもんで、驚きました。とっても。前にも書いたことかもしれませんが、僕は師匠のローディーになって2日目か3日目に悟ったことがありまして、それは「この人には一生かかっても勝てん!」ということだったんです。それから先、それでも同じ音楽の世界、打楽器の世界で生き残っていくためにはどうするか?をずっと考えてきたんです(今も考え続けているんですが)。今まで、いかに師匠と同じ土俵に立たないように別の道を作るかみたいなことを考えてきた訳で、一緒にバンドやるなんてことは当然、発想したこともなく、でもミュージシャンとしてはこんな有り難い申し出はありません。同じ舞台に立つということは、もう逃げも隠れもできない状況なのですが、それが始まっています。とは言え師匠と僕の二人でやってる訳ではなくて、そこは「はにわ」な師匠のこと、打楽器だくさんなアンサンブルが(もう何回リハーサルをやったでしょうか。)着々と出来上がってきています。師匠は邦楽のお稽古場を開いていまして(それが本業な訳で)、そこに集っている若者達、10名以上のドラマー、パーカッショニストが参加しています。そして何と第一回目のライブが決まりました。12月15日、東京は高円寺の「JIROKICHI(ジロキチ)」にてデビューいたします。当日はゲストミュージシャンも加わって、必ず面白いライブになります。お近くの方、お時間にご都合の付く方は是非是非お越し下さいまし。ってことで、今回はちょっと宣伝させてもらいました。P.S. ブログというのは日記な訳で、ホントは毎日書くべきものとは分かっていながら、なかなか更新できなくてやっぱりちょっと自己嫌悪になりますねー。でもコツコツ続けていきますので今後ともよろしくです。
2005年10月25日
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前回書いたのが6月の終わりという、この筆不精の体たらく。オマー・ハキム氏のクリニックの模様はドラムマガジンでも詳しく掲載されていましたね(それも最早、前々号)。質疑応答の内容など、そちらの方が正しく翻訳されていますので、是非ご覧ください。こう見えても遊んでいる訳ではないので、ここまでの間にもHYDEさんのソロ作品(映画『ステルス』の主題曲含む)のレコーディングで「スコット、リターンズ!」だとか、愛知万博のイベントでの『名鉄LEEO』の皆さんのステージだとか、スニーカーマニアの一面が功を奏したか災いしたか、かの『STREET JACK』誌で雑誌デビューを果たしたりとか、色々ありまして。かい摘んで少しづつ、ご紹介していきたいと思ってます。忘れた頃に更新されるようなペースにしかならないかも知れませんが、ひとつ、気長にお待ちいただければと思います。では、また次回。
2005年09月22日
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昨日の続きです。オマーさんへの質問コーナーで、意を決して質問をぶつけてみたんです。質問は、「演奏中に何を考えていますか?」というものです。これだけでは漠然としていますが、つまり、ボクくらいの凡人レベルでは演奏中も「このパートは、あと○小節だったよな。」とか、「あそこでは、こんなオカズを入れようって決めてたな。」とかいった曲の進行上や演奏上のチェック・ポイント(チェック・ポイントと云っても、勝手に自分でそう決めているだけということがほとんどですが。)を追っかけていたり、あるいは「今日、打ち上げどこかな?」だとかの邪念も含めて、けっこうあれこれ考えてしまっているもんです。しかし、彼のような世界レベルでトップ・クラスのミュージシャンの頭の中は、ちょっと違うはずじゃないかと思ったわけです。彼の答えの第一声は、「本当に簡潔に言うなら、『何も考えていない』というのが私の答えです。」というものでした。続けて「ミュージシャンはラジオのようなもの」と例えて、「その瞬間、瞬間の音楽、時間、空間にある何かをキャッチして、それを演奏に反映させる、演奏に変換して表していくんだ。」と言うのです。「できるだけ心、感覚をオープンにして、自分も参加して進行している音楽、空間が楽しいものになるようにプレイしている。」という話でした。決め事の無いフリーなセッションの場合の話ではなく、演奏することにおける意識、心がけということのようです。どうですか。これは、なかなか言えることではないでしょう。確かな演奏力と、それを生み出す発想力とを高いレベルで両立させている人にしか言えないコメントだと思いますし、突然の私の質問に対して、こんな話がすぐにできる彼にたいへん感動しました。また彼は「ライブの前などに、それを観に来た人達に出くわして『今日のステージ、楽しみにしてますよ。』なんて言われると『ボクも君たちがどんな風に楽しんでくれるか、楽しみにしてるよ。』って、よく答えるんだ。」なんていう話もしてくれました。初めのテクニックについての質問に対しての彼の答えも合わせて考えてみると、おそらく、彼にとってはドラムをどう操るか、どう演奏するかというようなことは、もはや問題ではなくて、その上のもっと高い次元に意識があるということなんだと思います。また、その分、音楽に対しての反射神経というか、反応力のようなものと集中力に凄まじいものがあると思わされます。何しろ、彼の話を聞くにつけ感心しっぱなしのイベントでした。ますます彼のファンになりましたし、パール楽器さんには、引き続きまたこんなイベントを企画してもらいたいと願います。素敵な時間をありがとうございました。オマー・ハキムさん、ありがとうございました。です。
2005年06月26日
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先日、ドラム・メーカー「パール楽器」の新製品発表のイベントがあり、スペシャル・ゲストがオマー・ハキム氏ということで、どんなイベントになるかと楽しみに行ってきました。そこでの質疑応答で、あまりに素晴らしいお話が聞けたので、ここでご紹介しましょう。まず、ドラマーを志している人なら、オマー・ハキムという名前を知らない人の方が少ないかもしれませんが、念のため、私の知る限りを書きます。私が初めて彼の名前を知ったのは、かの「ウェザー・リポート」でピーター・アースキンの後任ドラマーとして登場したときでした。その後、「ザ・ポリス」を解散後のスティングが「ジャズ・ミュージシャンとバンドをやりたい」と言ってソロ活動を始めた際に、そのバンド・メンバーとして加わり、その作品、パフォーマンスで、さらに脚光を浴びました。そのときのライブ盤「Bring On The Night」は、スティングのソロ作品の最高傑作として推す人が今でも多い、名盤です。また、そのバンドでのリハーサル、ツアー初日の公演までを追ったドキュメンタリー「ブルータートルの夢(Bring On The Night)」は最近、DVDで再発されています。これもオススメです。とにかく、スピード、パワーに加えて、しなやかさとバネをも併せ持ったような彼のドラミングは音楽を選ばず、先のスティングはもとより、ナイル・ロジャースやマーカス・ミラーのプロデュース作品の数々など、レコーディング作品の非常に多い人です。私の知るところでは、ヘビ・メタ、パンク以外、ほとんど地球上のすべての音楽に対応できるような人です。さて、その質疑応答、質問コーナーでの彼の話です。最初に、演奏のテクニックについての質問(質問自体は「オマーさんのプレイを見ていると○○テクニックをほとんど使っていないようです。あまり必要性を感じませんか?」みたいなマニアックな質問だったと思います。)が出ましたが、彼はすぐにはその質問に答えず、逆に「ドラム・セットを構成している楽器、パーツの中で、一番大事なものはどれだと思いますか?」とこちらに質問をしてきました。私は昔、師匠から「基本の基本なんだけど、ドラムをセッティングするときに、どこから始める?」と聞かれたことがあって、それでピンときたんですが、オマー・ハキム氏の答えも師匠の質問の答えも同じでした。それは、椅子です。先ず、椅子の高さ、セッティングする場所の中でのドラマーが座る位置、これが決まらないと何も始められないということです。逆を言えば、椅子の位置、高さが決まれば、あとは座ったときの体の位置に従って各楽器、パーツの位置は自動的にピタッ、ピタッと簡単に決まっていくのです。オマーさんの話に戻ります。彼は「先ず、無理なく、余計なストレスなく、体を自由に動かし続けられる椅子の高さを決めることが、自分には非常に重要。」と言い、「そして、全てのパーツがスムーズにヒットできる位置に並ぶようにセッティングを決めてゆく。」と椅子に座った状態で太極拳をしているように手や腕を動かしながら話してくれました。そして、質問のあったテクニックについての話は「プレイしているときに『あっ、これは○×テクニックだ。』とか『今、自分は△□テクニックを使ったプレイをしているんだな。』と思いながらプレイすることはない。テクニックは練習していく中で一度覚えてしまえば、そこから先は、どういう名前のどういうテクニックかということは、もう意識しない。どういうテクニックを使ったプレイをしているかではなく、その音楽にどうアプローチし、その音楽をどう表現するかが大事。感じたことを、その瞬間スグに音にする意識と、そのためのセッティングが大切。」といった、答えというより自身の考えを非常に丁寧に話してくれました。次は何を隠そう、私が「ハイッ!」と手を挙げて質問しまして、そしてその答えに非常に感動した訳なんですが、ここまででずいぶん長文になってしまっているので、次回この先を書くことにします。
2005年06月25日
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ずいぶん、ずいぶんブランクを空けてしまいました。このままでは、このページが本当に無駄になってしまうと、かなり前から「再開しなければ」と焦っておりました。筆不精炸裂にも程があると大反省しておりますが、できるだけコンスタントに書いていきたい気持ちはいっぱいなので、今後ともよろしくお願いいたします。この間にも、掲示板などへ書き込みしていただいたり、このページを覗いていただいていた方々、ありがとうございます。で、昨年の最後に出した漢字クイズの答えを載せておきましょう。「四、目、白、旧、旦、右、石、田、甲、由、申、可、司、叩、号、台、召、加、史、句、囚、古、占、叱、兄、只、叶」これで27個です。しばらくするとスグに忘れてしまうので、けっこう何度も楽しめますよ。では、また次回。
2005年06月22日
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Jさんのレコーディングでの話から、もうひとつエピソードを。今回エンジニアは、エリックさんという非常に日本語が堪能なアメリカ人の方でしたが、彼はまた漢字にもたいへん詳しく、レコーディングの間、エリックさんから色々と私の知らない漢字についてのあれこれを教わってしまいました。音楽の仕事でレコーディング・スタジオへ来て、アメリカ人のエンジニアから漢字を教わるなんて経験は、生まれて初めてでしたよ。そこで、エリックさんから出されたお題をひとつ、紹介しましょう。さぁ、漢字クイズです。Q:「口(くち)」という漢字に二画加えて出来る漢字(「四」とか、「目」とか)が、27個あります。全部、答えてください。これでも、大学の文学部を卒業している私としては、しかもアメリカ人から出されたこの問題は、日本人として何としても完答しなければいけない、とガンバッたんですが、20個にも届きませんでした。けっこう凹みましたねぇ。皆さんは、どうですか?全部答えられますか?ヒントとして書いた「四」、「目」も合わせて27個です。ヒマなときにでも、是非考えてみてください。けっこうな頭の体操になりますよ。
2004年12月03日
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昨日の続きです。Jさんのレコーディングで、ドラマーのスコットのパワー・プレイを目の当たりにして、ちょっと考えさせられたんです。以前に、仕事で会うドラマー達に音の小さい人がけっこういることから「音はデカい方がいい」ということを書いたことがありますが、それはちょっと一面的な考えだったかなと反省したんです。確かに、スコットのプレイから出てくる音は音量的にもほとんどマックスの状態で、その状態が一曲の間ずっとキープされて出来上がるテイクは、それは素晴らしいんです。でも、音量的にはそれほどでない代わり(だからこそ、かもしれませんが)に、ちょっとしたタッチの違いやプレイの強弱がちゃんと音に表れるというのも、同じように素晴らしいんだと気付かされたんです。今さら、かもしれませんが。ロック、ポップスのドラムで、あまりにも出音の小さいのはどうだろうかと今も思うことも確かなんですが、日本人には日本人のプレイがあるんだと強力に思うようになりました。私がやっとそんな考えに至った頃、しばらくしてイチローがメジャー・リーグの年間最多安打新記録の大偉業を打ち立てました。そしてシーズン終了後のインタヴューでの彼の言葉が、また私にはとても胸に響きました。「こっちに来て分かったことは、体の大きなことにはたいした意味はないということ」だとか「若い人達には、(体の大きさやパワーといった面ばかりに目を奪われて)自分の可能性をつぶさないで欲しいと思う」といった彼の言葉は非常に身に沁みると同時に、イチローはとっくに私が今回の仕事で感じたようなことに気が付いていたんだなぁと感心したんです。そんなことがあって、今は人のプレイを見るときも今までとはちょっと違った意識が働くようになったように思います。その意識の違いが仕事の出来栄えにも反映されていることを願いますが、どうでしょうか。また一生懸命、仕事していきますんで、ヨロシクです!
2004年12月02日
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随分ブランクが空いてしまいました。久しぶりに書きます。先日、真矢さんにお会いできたところに、今度はJさん(て「さん」付けすると変ですか?)のレコーディングの仕事をいただきました。LUNA SEAのメンバーだった方々と立て続けにお会いすることになって、何か不思議な巡り合わせを感じたりもして、非常に印象的なレコーディングでありました。ドラマーはスコットというガタイのいいアメリカ人で、彼のおかげで今回、私は非常に勉強させていただきました。外国人ドラマーと仕事をするのは初めてではなかったのですが、彼は腕っ節の強い、本当にハード・ヒッターで、とにかく音がデカい!ちょっと日本人ではまず、お目にかかれないタイプ(キック、スネア、ハイ・ハットを使ったベーシックのビートを演ってるだけでも、ドラム・セット全体がずぅーっと揺れてる感じです。)のプレーヤーでした。もっとも、アメリカをはじめ外国では、これで普通なんでしょうけど。そんな訳で、私が仕事で普段(日本人プレーヤーに対して、なんて云うと変ですが、)使うようなワザが一切通用しない状況で、かえって非常に燃えました。とにかくスネア、タムの各パーツの打面のヘッドは常に、彼のハード・ヒットに耐えられるテンション(つまり、相当張った状態ってことです。)にしておかねばならず、その状態が前提でのチューニング、音作りという作業でした。それでも、それだけのパワーで打ち込まれたドラムから出てくる彼の音は素晴らしく、自分が手を施した楽器からイイ音が出てくるのはやはり嬉しいですし、非常に楽しい現場でありました。ファンの方々は、今回の音源のリリースを是非、楽しみにしてもらいたいと思います。きっと非常にいいものが出来上がってくるはずです。私も楽しみにしています。そして今回初めてお会いしたJさんも、とてもいい方で、いわゆるビッグ・アーティストと云われる方で、私がお会いする方々は皆、人間的にもいい方ばかりなのは本当に感謝したい事です。いつも気持ち良く仕事させていただけるのは、本当に有り難いことです。今回のレコーディングは私の仕事の中では、やや特殊な状況だったと思うんですが、そこでまた考えさせられたこともあり、次はその部分を書こうかと思います。
2004年12月01日
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今回はボクの仕事ではなく、ひさしぶりに「仙波清彦&HANIWA EXPO BAND」と銘打った師匠出演のライヴのリハーサルを見学させてもらった話です。打楽器のメンバーは特に強力で、ドラムは則竹裕之さん、真矢さんと師匠 仙波清彦、パーカッションにヤヒロトモヒロさん、山田貴之さん、さらに和太鼓奏者のヒダノ修一さんが加わります。この打楽器陣にギター鬼怒無月さん、ベース中原信雄さん、キーボード沼井雅之さん、ヴァイオリン金子飛鳥さん、というメンバーです。一見したところ一体、どんな音が出てくるのか見当もつかない感じですが、ここから実に気持ちの良い時間と空間が生み出されるのです。音楽を言葉で言い表す困難と、なにせ本番前の段階であれこれバラしてしまう事になってもいけないので、内容を詳しく書けないのは残念ですが、ボク自身は本番が非常に楽しみなんです。久しぶりに師匠の仕事の現場を見せてもらって、今さらながら、非常に居心地のいい現場であることに感心してしまいました。どういう事かと言うと、このレベルのミュージシャンの方々ともなると、皆さんそれぞれが音楽を、音楽の操り方を知り抜いておられているために、誰ひとりとして「オレが、オレが」と主張することなく、その演奏にはそれぞれの方の個性やキャラクターがしっかり含まれていて、特に綿密な打ち合わせがされていなくても、全体として見事にハーモニー、調和が生み出されている、その様子は見ていても本当に気持ちのいいもので、その様子に非常に居心地の良さを感じたんです。ボクは仕事で会うのは、デビューしたてとか、これからデビューというような若いバンド、ミュージシャンが多いんです。時にそんな彼等の音楽経験、知識の浅さによる間違った音楽的解釈や、アレンジのアプローチ、作業としてはムダと思える工程に出くわすこともあります。そういった現場では、なかなか感じることのできない心地良さなのでありました。また、このイベントはなんと入場無料なので、お近くの方は是非観に行くといいでしょう。演奏される楽曲は、メンバーの方がそれぞれ、ご自分の曲を持ち寄っているんですが、どの曲も「これを嫌いって言う人はいないんじゃないだろうか」というような素敵な曲ばかりなのも、また素晴らしいところです。東京公演は、10月31日 よみうりランドオープンシアターEASTにて 16時開演愛知公演は、11月7日 愛知県芸術劇場大ホールにて 17時開演 です。どちらも入場無料ですが、要申し込みとなっていて、ホームページ http://www.aac.pref.aichi.jpFAX 052-971-5644からということです。「仙波清彦&HANIWA EXPO BAND」の他に、「近藤良平&コンドルズ」、愛知公演では「愛知工業大学名電高等学校 吹奏楽部」が出演します。さらに、このイベントのために巨匠 山下洋輔氏が書き下ろしたテーマ曲も聴けます。本番が楽しみです。
2004年09月20日
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最近、レコーディングの際にボクを呼んでいただいているバンドの中には、女性がドラマーを務めているバンドが少なくありません。その女性ドラマー達は皆、男に全く引けをとらない個性的な人達ばかりで、むしろ、男のドラマー達より感心させられることが多いくらいなんです。「SMORGAS」のドラマー、チエさんは、そのタイム感の素晴らしさに驚かされます。SMORGASのレコーディングでは、メンバーの誰かが予め作って用意してきたトラックに合わせて演奏することが少なくないのですが、彼女はクリックと合わせてプレイすることを全然、苦にしません。クリックと自分のプレイのあるべき関係や、対応のしかた等については、いつか書こうと思っていますが、普段、非常にいいグルーヴ、いいビートをプレイできるのに、いざクリックと合わせてプレイするとなると、非常に無表情で機械的なプレイに変わってしまう人がとても多いと思います(しばしば、全く合わせられないという人もいます。)。単にテンポのガイドして使うべきクリックを、グルーヴのガイドとしてや、プレイのガイドにしてしまう人が多い中で、彼女にはそういったクリックに対する誤解もなく、常に自分のプレイを損なわないでいるのは、非常に素晴らしいと思っています。年内にデビュー予定の「MALCO」というバンドのミンさんは、女性としても体がかなり小さい方に入る人ですが、にもかかわらず音が大きくて、しっかりしたプレイでバンドの屋台骨を支えています。彼女がセットに座ると、同じセットでも大きく見えるし、プレイするのは、実はけっこう大変なんじゃないかなんて思っているそばからバシバシとデカい音でプレイしてるのは、見ていても気持ちがイイってもんです。音の大きさは、今まで仕事で会ってきたドラマー達の中でも上位に入るでしょう。以前にも音がデカいことは良いことだと書きましたが、ボクの仕事にとっては、非常に有り難いことなんです。「惑星」のドラマー、平田さんは、ドラムに向かっていく姿勢から先ず、非常にロックを感じる人ですが、なおかつ、ユニークなアイディア溢れるフレージングを作る才能を見せるところは、ただのロック・ドラマーとは一線を画すものがあると思います。ドラマーとしては、決して器用なタイプという訳ではないと思うのですが、むしろそのために、彼女のロック・スピリッツやエネルギーが、よりストレートに表現に結びついているようにも思います。彼女も含めて、女性ドラマー達は総じて、非常に向上心があって、「上手くなりたい。」という欲求がとても強いという印象があります。今までレッスンなどで見てきた人などでも、新しい課題に対しても女性の方が取り組み方が真剣な印象があります。「普通にやってたら、男に負ける。」というような意識があったりするのかもしれませんが、上達するのも女性の方が早いように思います。ドラマーがいいバンドは、それだけでもバンドの可能性が感じられるものです。それぞれのバンドの更なる活躍を期待しています。女性ドラマー達は、優秀ですよ。
2004年09月01日
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前日の続きです。前にヘッドの話で、「厚くなるほど、鳴りにくくなる。」と書きましたが、シェルも同じです。また、このジェニサイル・リゾネーターってのが本当に強力なヤツで、当時、広告には確かスティーヴ・フェローンかデニス・チェンバースが起用されていたように思いますが、あのレベルのパワー・ヒッターでなければ、到底、まともな音を出すのは無理!といった代物なのです。なので、そのことを吉田クンにも解ってもらい、このアルバムの録音にあたっては、結局すべての曲でボクのキックを使ってもらいました。この曲に限ったことではなく、ポップス、ロックにおいては、キックの音、その量感は非常に重要です。洋楽に比べて邦楽の作品では、キックの存在が薄いものが とても多いことを、ボクはたいへん不満に思っています。ビートのパワフルさ、作品の音像全体の安定感は、何よりキックによってもたらされる部分が非常に大きいことをもっと知ってもらいたいと思っています。また、ボクはキックの音、その量感によって、作品のスケール感が決まるとも考えます。なので、ドラム・セットの音作り、チューニングも、キックの出来栄えを最も気にします。キックが決まらないと、スネアやほかのパーツのことは手に付かないって感じなのです。おかげで、この「Raspberry」も納得のいく出来上がりになりました。ちなみに使ってもらったボクのキックは、パールが昔作っていた、ファイバー・シェルのモデルです。ファイバーは軽くて、よく鳴る素材で、音も太く、ボクは非常に気に入っています。もう再生産されることもなさそうなので、中古でしたが、とても程度の良いセットを買えたのは、ラッキーでした。もし、どこかで見かけたら、試奏してみることをオススメします。他の素材の音とは種類の違う、思いがけないパワフルな音が聴けるはずです。それから例のジェニサイル・リゾネーターも、もし見つけたら、試奏してみたらいいでしょう。ボクの書いたことが実感できるはずです。なお蛇足ですが、このアルバムにはボクともう一人、ドラム・チューニングでクレジットされている方がいます。他人の仕事にケチをつけるつもりは全然無いのですが、もう一人の方はきっと、吉田クンのセット全部を使って録音したのではないかと思うんです。キックの聴こえ方が全然違うので、聴き比べてみると面白いと思います。この、彼等のデビュー盤はボクの初期の仕事の中でも自信作の一つです。こういった仕事に関われたことを幸せに思います。
2004年08月27日
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今回は、'98のトライセラトップスのデビュー盤からの曲です。このレコーディングも非常に印象的で、よく覚えています。考えれば当たり前のことですが、レコーディングというのは その曲やアルバムが発売される何ヶ月も前に行われるので、これからデビューする新人の場合は その時点ではアマチュアと変わらない訳です。スタジオで、当時、学校を卒業したばかりの彼等に初めて会った印象も、現在の彼等とは違って、とても可愛らしい男の子3人組って感じでした。ただ、楽曲の素晴らしさにボクは感激していて、「すごいバンドが出てきたゾ。」とレコーディング中もワクワクしていたのを覚えています。特にこのアルバムでボクが担当した曲が、この「Raspberry」の他「ロケットに乗って」、「オレンジライター」など、後のシングル曲やキャッチーな曲が多かったので、そういった強い印象を持ったんだと思います。さて お題の「Raspberry」ですが、この曲のポイントは何と云ってもキックでしょう。イントロが終わって次、唄のA部分(ハイ・ハットとキックとベースだけのアンサンブル部分)、ここがショボいと、もうこの曲は台無しでしょう。次の2番では、この部分に強い歪みのギターが加わってきますから、いかに、必要にして充分なだけでなく、出来る限りの立派なキックの音が作れるかが、この曲の鍵だと すぐに閃きました。ちょっと話が逸れますが、レコーディングでのボクのポリシーの一つに、ドラマーのコが持っている楽器は出来るだけ使ってあげたいというのがあるんです。どういうことかと云うと、ドラムっていう楽器は、ギターのようにエフェクターがあるわけでもなく、ましてシンセサイザーのように音作りができるわけでもありません。当たり前ですが。なので、ドラムの音を「こういう音にしたい。」というヴィジョンがあったら、そういう音の出る楽器、そういう音の素養を持った楽器を使うべきなのです。そうでなければ、無駄な時間を費やすハメになってしまうでしょう。その楽器がもともと持っている音質、音のキャラクターの核の部分は、チューニングで変えることは出来ません。その楽器のキャラクターを最大限に引き出すのが本来のチューニングの役割なのですから。という訳でボクは仕事では、自分の楽器もふんだんに使っています。ですが、せっかくドラマーが自分の楽器を持っているのなら、先ず、それを使うことを考えようと思うのです。話を戻します。このレコーディングでドラマーの吉田クンは、彼のドラム・セットを持ち込んでいました。パールのジェニサイル・リゾネーターという、たいへんな代物で、とにかくシェルの厚さが半端じゃないヤツなんです。もう生産されていないモデルなので、もう見ることもないかもしれません。長くなりそうなので、次の日記へ続けます。
2004年08月26日
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この曲は、ボクが学生の頃から研究していた事が、初めて仕事の場で活かせたことで、とても印象に残っています。やっぱりポイントは、スネアの音なんです。ボクは物心がつきはじめて、音楽に興味を持って聴いていた頃、70年代の終わりから80年代にかけての音楽に非常に思い入れがあります。思春期から大学生の間の、その頃の音楽から、そのスタイルや構成など音楽の形を覚えたという意識です。90年代以降、スネアの音のトレンドの一つは、抜けが良くて、ハイ・パワーで、印象的に耳に残る音というものだと思います。今のボクの仕事でも、バンドの演奏や楽曲の中で、カラフルな印象としてアンサンブルに加わるようなスネアの音が求められることは多いです。でも、その頃の昔の音楽には、「ドシッ!」とか「ダシッ!」という感じの、今やTVで見るコントなどで人を殴ったときの効果音に使われているような、低くて重いスネアの音が非常によく使われていたんです。同じスネアという楽器を使いながら、どうするとこんな音になるのかと、学生時代のヒマに任せて ある時期からずっと自分の研究課題にしていたのですが、いざ自分が音楽の現場へ来てみると、もう、そういった音を出す人がほとんどいないということにも気が付いていました。さぁ、そこへこの曲です。この「長男」という曲は、家族の中の長男が抱える苦悩が歌われている、山崎さんの普通のアルバムだったらボツになっていたんじゃないかという感じの、詞にコミカルさを持った作品です。そして曲調と合わせて、実際の音を考えたときに、このコミカルさのある歌詞に対して演奏は、しっかり、ドッシリとしているべき、と思った瞬間に この「ドシッ!」というスネアの音をひらめいたんです。と同時に、山崎さんの音楽が持つ、ある種の普遍性というものとも合わせて、あの当時 忘れられかけていた、あのスネアの音はきっとマッチする、と確信もしていました。録音中に、エンジニアの岡田さんが このスネアの音にかなり盛り上がってくれていたのを覚えています。このタイプの音は、この後のボクの仕事の中でも、ポリシックスやスモーガスのレコーディングなど、けっこうな頻度で登場しています。自分の音として持っていると便利な音だと思います。どうすると上手く作れるのかは、ちょっと秘密にしたいんですが、興味のある人は研究してみたらイイと思いますよ。
2004年07月06日
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この曲は、ボクが初めて聴かせてもらった段階では、初めの4小節間で聴かれるドラム・マシンの音で全編作られていました。ボクの仕事というのは、さぁ、これを生のドラムに差し替えるにあたって、どんな音色にするのが相応しいのだろうと考えるわけです。実際には、考えるというよりも、ひらめくという方が正しいかもしれません。そもそも、音を言葉で説明するというのは非常に困難なので、「これだッ!」と思った音がひらめいたら、「こんなの思いついたんですけど、どうでしょう?」という感じで、その思いついた音を、楽器をチューニングして作って、聴いてもらうことが多いです。この曲の場合は、打ち込みで作ってあった もともとのビートが、クールな曲調にとても合っているように聴こえたので、この人情の薄い機械の音を再現してやろうと思いました。山崎さんがプレイすることによって人間味が加わるほかには、それ以上の人間臭さはいらないと思ったわけです。そのアイディアを言ったところ、エンジニアの岡田さん、そして作者である山崎さん本人からも快く「じゃあ、やってみよう。」と了解がいただけて、このドラムの音が出来上がっていくことになったんです。この曲では さらに、ドラムのサウンド・チェック中に「タナボタ」的発見がありました。以前の日記で、「カブリの音」の話をしましたが、ひょんなことで、ハイハットを狙っていたマイクに入り込んでいたスネアの音が「バッチリ!」と言っていいほど、欲しかった音に近いことが判明したんです。これを逃す手はありません。岡田さんにマイク・セッティングも変更してもらい、もともとスネアに向けられていたマイクは使わずじまいで録音をしました。こんなハプニングが、音作りの最後のキメ手になることもある、というのも発見でしたし、「これでO.K.」と思っても、まだ「何か出来ることがあるんじゃないか?」と頭を常に柔軟にしておくことの必要性、重要性を感じた日でした。そんなこんなで、この曲は出来上がっていったのです。4小節目の終わりのオカズからが山崎さんのプレイする、生のドラムなんですが、岡田さんのミックスも素晴らしく、一聴して解らない人がほとんどのようです。でも、それこそボクの狙ったことなので、非常に喜んでいます。アルバムを持っている人は、また気分も新たに聴いてみてください。
2004年07月05日
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ボクが初めて山崎まさよしさんと仕事させてもらったアルバムが「ステレオ2」でした。このアルバムは、全ての楽器を山崎さん一人でこなすというコンセプトで作られていて、ドラムも山崎さん本人がプレイしています。ファンの方は知っていることでしょうが、山崎さんは物心がついて初めてプレイした楽器はドラムだったんだそうで、そう聞くと、あのビートの利いたギターのプレイにも納得がいきます。このアルバムの製作過程で面白いと思ったのは、ドラムを最後に録音するという手順を取っていたことです。通常の録音作業では、先ずドラム、次にはベースと、リズムを構成する楽器から順番に録っていくものです。このアルバムでは、先ず、ドラム・マシンで作ったリズム・トラックの上に他の楽器を録音していって、曲、アレンジの形がほとんど固まった状態になってから、どの曲を生のドラムにするか選んでいたようです。なので、ボクがドラムの録音でスタジオに伺ったときには、もうドラムさえ録れたら完成という状態だったと記憶しています。当時の山崎さんの考えでは(今もそうかもしれませんが、)、歌の表情や変化に、ドラムのプレイも呼応して対応して欲しいと思っていたようです。これは、いわゆる「歌モノ」のドラムというものを考えたとき、非常に正しい考えだと思いますし、すると、この録音手順は非常に合理的だと言えます。随分、前置きが長くなってしまいました。次の日記でこのアルバムの中の「ピンボール」で、ボクのした仕事について書きたいと思います。
2004年07月02日
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“永遠のモータウン”という映画を皆さんは見ましたか。見逃した方には、是非DVDででも見てもらいたいと思います。音楽ファンなら、必見の映画です。話はつまり、モータウンの黄金期の演奏とアレンジを支えていたミュージシャン達、ファンク・ブラザーズと呼ばれた彼らが一同に会し、当時を振り返りながら、当時クレジットに載せられていなかったばかりについに存在を広く知られることのなかった彼らの名誉回復と、その存在の偉大さへの感謝で物語が進められていきます。マーヴィン・ゲイ、ジャクソン・ファイヴ、スティーヴィー・ワンダー、スモーキー・ロビンソン、ダイアナ・ロス、フォートップス、テンプテーションズ…、音楽好きでなくとも彼らの音、演奏は必ず一度は耳にしているはずです。パンフレットの資料によれば、彼らファンク・ブラザーズが送り出した全米No1ヒットの数は、ビートルズ、ビーチ・ボーイズ、ローリング・ストーンズ、エルヴィス・プレスリーのNo1すべてを足した数より多いのだそうです。そんな彼らが、この映画が作られるまで陽の目を見ない存在だった(ボク自身も、この映画で初めて彼らの存在を知りました。)というのは、あってはならなかったことだと思います。自分に置き換えて、ちょっと身につまされる思いがしたのは、今でこそ めったになくなりましたが、ボクも昔「クレジット、よろしくお願いします。」とレコード会社のディレクターに言うと「はぁ?」というリアクションをされることが時々あったのです。ドラム・チューニングの仕事は、日本ではまだ確固たる地位やポジションが与えられているものではありません。目に見える形としては、ドラムをいじっているだけのように見えますが、時にはエンジニアさんの領域に足を踏み込む瞬間もありますし、あるべき音を求めてドラムのプレイにアドバイスをすることも少なくありません。その楽曲に必要な音は何かを探る中で、アレンジにも首を突っ込んでいたということもありましたし、また現状では、本当に確かな仕事が出来る人もまだ少ないということもあります。だからなのか、ディレクターによっては、どうクレジットしたらいいのか解らなかったのかもしれませんが、実際、ボクも今までの仕事の中には、クレジットに名前を載せてもらえなかったものがあります。CDのジャケットの後ろの方にあるクレジットというものを、それこそ一般の人がどれくらいチェックするものか、というのも疑問かもしれませんが、でも、そのクレジットのたった一行すら載せてもらえないままでは、本当に存在が抹殺されてしまうという怖さをこの映画であらためて思い知った気分でした。しばらく前に買った、ピーター・ガブリエルのライヴDVDの中ジャケを見ると、そのときのツアー・スタッフが機材車の運転手にいたるまで載せられていました。これはまさに、DVDに収録されたライヴを支えている裏方一人ひとり、すべての仕事と存在を認める意識のあらわれでしょう。もはや欧米では、ファンク・ブラザーズのような思いをする人はいなくなっているのかもしれません。日本も、日本人も早く、その意識に追いついてもらいたいと思っています。
2004年07月01日
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練習を録音して、後でチェックすることの効能を前回で書きました。これについて、もう少し書きましょう。打楽器(だけでもないとは思いますが、)の演奏で重要なポイントは、テンポ・キープ、タイミング・キープ(ボクがよく使う言葉なのですが、聞き慣れない言い回しだと思います。また、あらためて説明しましょう。)、フレーズ、そして音量といったものでしょう。これらが、アンサンブルの中で効果的に機能しているかが、その楽曲にふさわしい、適切なプレイが出来ているかどうかの評価、あるいはアレンジのアイディアのポイントになると思います。以前に、音の小さいドラマーが多いという話をしました。それとも関連する部分があるのですが、どんなに良いフレーズをプレイしようが、どんなに考え抜いたかっこいいオカズをやろうが、それが効果的に聴こえて来なければ、音楽の中での意味が無いことになってしまうでしょう。音楽において、聴こえないということは、存在していないのと同じことになってしまうと思っています。自分の描いた形で聴いている人たちに聴こえているかどうかの確認をせずに、体を動かして演奏をする、その動作をしているという段階で満足してしまっている人が意外に多いように思います。自分の演奏を録音して聴くことで、演奏の意識は相当、変わってくるはずです。これは、プロを目指している人ならば必ずやってもらいたいことです。蛇足ですが、ボクの師匠、ポンタさん、青山純さん、ボクの見てきたトップ・ドラマーの方々でも、ライヴのリハーサルなど、必ず録音して持って帰っていかれます。そうして次のリハーサルまでに曲のアレンジや自分の演奏をチェックして来るのです。トップの方々でも、そうやって自分の反省を欠かさないのですから、若い人たちは必ずやってください。それでバチが当たることは、絶対にありません。
2004年06月21日
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仕事で出会う若いドラマーの子たちとは、ドラムや音楽について色々な話をします。特に、日頃の練習法などの話になると、こちらもつい力が入ってしまいがちです。ここでひとつ、とても簡単かつ、非常に効果的な方法をお教えしましょう。それは練習を録音することです。「そんなことか。」と思う人もいるでしょう。「もう、やってるよ。」という人、その人は上達する才能があると思います。たいへん、けっこうだと思います。仕事で会って話してみると、個人練習、あるいはバンドの練習は熱心にやっていても、それを録音して家でチェックするという人が、とても少ないのです。録音して後で聴くことの何が効果的かというと、プレイしているときの感覚と、それが実際にはどう聴こえていたのかという現実との違いを知ることができるということです。楽器をプレイしているときというのは、いくらか、肉体的にも精神的にも、ある程度の興奮状態になっています。そういう状態のときには、例えばミーティングで「このテンポにしよう。」と決めたテンポが遅く感じたり、思いのほか、自分が思っているよりも演奏が粗くなっていたりということが起こりがちです。「今日は上手くいった。」と思っていても、後で聴いてみると、全然思った通りになっていないということは、しょっちゅうあることなのです。この自分の感覚と現実とを近づける作業は、言い換えれば、イメージと実際のプレイを近づけることと言ってもいいでしょう。これを高いレベルで出来る人(音楽に限らず、スポーツなど、人のすることはすべてかもしれませんが)が、優れた人、プレーヤーとして認識されているはずです。やったことのない人は、騙されたと思って、是非やってみるべきです。自分の感じていた感覚と現実のギャップに驚くでしょう。そのギャップがほとんどないという人は、本当に才能がある人だと思います。さらに自分に磨きをかけてください。
2004年06月19日
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音が大きくて得られるメリットは、録音やライヴのときの物理的な条件に関することばかりではありません。大きな音が出せると言うことは、必然的にピアニッシモからフォルテシモまでの幅が大きくできることであり、つまりダイナミクスがより大きく表現できるということになります。いわゆるメリハリの効いた演奏というものが容易になるというメリットがあるのです。小さい音しか出せないという人も、中にはいるかもしれません。でも、音が小さくてダメということではありません。自分の特性を踏まえて、それを活かしたプレイやスタイル、音楽を創ること、物理的に不利な条件、状況が起こりうることも解った上で、自分を一番活かせる方法、やり方を見つけられたら、それはきっと素敵なものになることでしょう。ボクの意見は、仕事を通じて出会った数々の若いドラマーを見て思ったことから発しています。十分な体格をしているのに、必要なレベルよりも随分と音の小さいドラマーが意外に多いのです。ドラムを始めたばかりの人なら、なおさら、自分がどれだけ大きな音でプレイできるかといった方向にも、是非チャレンジしてみてもらいたいと思います。そういったことを意識しないでする普段のプレイにも、きっと良い方向への変化が現れたりもするはずです。音はデカくてイイのダ。
2004年06月18日
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日本の大部分での住環境の中では難しいことですが、出来るだけ大きな音が出せる体の使い方、奏法を身に付けると良いと思います。ドラム・チューニングの仕事でスタジオへ呼ばれるようになって気が付いたことのひとつは、特に若いドラマーの子たちに、音の小さい人が多いということです。ドラムの録音において(実はライヴでもそうなんですが)、音が小さいことは「百害あって一利なし」と言ってもいいかもしれません。キック、スネア、タム、とドラムのパーツそれぞれにマイクを向けていきますが、それらのマイクには狙ったパーツ以外の音も入り込んできます(違う音が入り込むこと、また、その入り込んでしまった音を「カブリ」と呼びます)。ハイ・ハットを狙ったマイクにはスネアの音も入ってきますし、スネアのマイクにはハイ・ハットもキックの音もカブッてきます。そういった状況で、ひとつひとつの音が大きければ、マイクひとつひとつのレベルを小さく抑えられるので、このカブリの音も結果的に小さくできるためにドラム・セット全体の音がクリアで分離のいい音像にできるのです。音が小さいと、マイクのレベルを上げていかなければならず、結果、カブリの成分も一緒に大きくなっていくために、分離の悪い、定位のはっきりしない出来上がりになりがちなのです。ライヴの場面で見受けられるのは、ドラムの音が小さいためにバンドの他のメンバーやプレーヤーが、各モニターにドラムを返してもらう(もう、あちこちからドラムの音が鳴ってる訳ですから)ことによって、ステージ上の音が濁ってしまってバンド全体の音もぼやけたものになってしまうというパターンでしょう。日本の中ではなかなか簡単ではないかもしれませんが、せっかくドラムをプレイするならば、ある程度の音量をコンスタントに出し続けられるプレイを身に付けたら、自分のバンドや自分の周りの環境が、ちょっと変わってくるかもしれませんよ。
2004年06月17日
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たびたび登場しますが、ボクの師匠、仙波清彦氏はそもそも、邦楽のお囃し 仙波流の人で、ボクもローディーの間には、ロック、ポップスの仕事と平行して、邦楽の仕事も間近でずいぶん見させてもらいました。そこでスティック、邦楽でいうところの「ばち」に思いがけず、たくさんの種類があることを知りました。特に、太鼓の中でも頻繁に使われる大太鼓や締め太鼓などは、使うばちを変えることによって太鼓から出る音色を変えて、舞台の演出や場面に合わせるという、そういう使い方をすることを知ったのです。考えてみれば、革が鋲で固定されている大太鼓も、締め太鼓も一度縄(「調べ」といいますが)を締め上げて太鼓を組んでしまったら、チューニングの出来ないものですから、ばちを変えることで音色を変化させるというのは、人間の智恵の素晴らしさと言うか、「なるほど」と思わされます。師匠には、この感覚が当たり前のものとして身に付いていて、ドラムをプレイする際のスティック・ケースにも色々な長さ、太さの違うスティックが用意されています。いつだったか、師匠が「普通、ドラマーの人って自分の体格に合わせたスティックの選び方しか、しないもんねー。」と雑談の中でさらっと口にしたこの台詞が今でも印象的です。手先のちょっとした違和感を乗り越えて、色々なスティックを平気で使いこなせるようになったら、また違ったプレイの喜びが広がるかもしれませんよ。
2004年06月16日
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ボクがライヴ、レコーディングを通じて最もよく使うヘッドは、レモ社の「コーテッド」と「クリア」の2種類です。この2つは、どちらも3種類の厚さが用意されているのは、ドラムをプレイする人はみんな知っていることと思いますが、標準が「アンバサダー」、厚いものが「エンペラー」、薄いものが「ディプロマ」です。ドラム・チューニングの仕事で若いドラマーのコたちに会うようになって、このヘッド選びに関して、根本的な勘違いが意外に多いことに気がつきました。一番多く見受けられるのが、「ヘヴィーな音が欲しい」と思ってヘヴィーな仕様のヘッドを張ってしまうというものです。「何がおかしいの?」と思われる人が大半でしょう。ヘヴィーなヘッドというのは、ヘヴィーな音が勝手に出るのではなく、へヴィーな音を求めてハードなプレイをする人に対応するべく作られたものと考えるべきなのです。上記のヘッドで言えば、「エンペラー」が一番厚くてヘヴィーな仕様ということになりますが、厚いということは、言い換えれば、他のヘッドに比べて振動しにくい、もっと乱暴に言えば、音が出にくいということなのです。プレイする側が同じパワーでプレイしたとき、ヘッドの厚さが増していくほど、振動させるのにより大きなパワーが必要となるため、出音の方はアタックのインパクトの弱い、いわゆるショボい音になっていってしまいます。ドラミングの基本は、まずドラム本体をしっかり振動させて鳴らすような自分の体の使い方、そういった自分のプレイを磨くことだと思います。その中で、自分のスタイル、パワー、さらに自分の出したい音などのバランスを考えながら、ヘッドをそれに合わせていくような選び方をしてみるのは、どうでしょう。意外と、自分の出す音がすんなりと気に入ったものになるかもしれません。
2004年06月15日
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自分がそうだったから、ということもありますが、本気で音楽の世界で生きていきたい意志がある人なら、自分が「この人!」と思うミュージシャンのローディーになるという選択は悪くないと思っています。ただ一口に「ローディー」と言っても、その内容は千差万別でもあります。それは、そのミュージシャンの方の仕事のしかたや量、ローディーという人間をどう捉えるかという考え方などによって変わってきます。例えば、単発のアルバイトのように一週間なりひと月のうちの何日か、頼まれたときにだけローディーとして働くというパターン、あるいはボクの場合のように、師匠の機材を車ごと任されて、師匠の仕事すべてに同行するかたちで生活のほとんどをそれに費やすパターンなど様々です。そのかたちはどうあれ、プロの仕事の生の現場を間近で見ることは、CDを何枚聴こうが、ライヴに何回足を運ぼうが分からなかった音楽のマジックのような部分に触れることができる機会でもあり、本当に貴重な経験になります。音楽を志して専門学校を選ぶような人もたくさんいるでしょう。一度、特別講師として専門学校で授業をさせてもらったことがありますが、生徒達のキラキラした眼差しがとても印象的でした。そして、同じような夢、目標にむかっていく仲間たちが近くに大勢いるという環境も、ボクには羨ましく思えました。やはり、これも人生の中では貴重な時間、経験であると思います。それでも、もし一人で悶々と練習だけしているような人がいたら、ボクの考えではローディーになるのはオススメです。自分の勉強が出来て、なおかつ、そうして仕事をすることでお金ももらえてしまうのですから。よーく注意して見てみると、意外とあちこちにローディー募集の告知が出ているものです。そんな中に自分の知っているミュージシャン、あわよくば敬愛するミュージシャンのローディー募集を見つけたら、その門を叩いてみるのは価値があると思います。それが自分の転機になることも往々にしてあるのです。ちょっと蛇足ですが、ボクはドラマーを目指す人なら、パーカッショニストやベーシストの方に就くのもいいと思っています。なぜなら、音楽、アンサンブルの中でドラムとコンビを組む相手を知ることになりますし、ボクがそうだったように、その方の仕事によっては、いろいろなドラマーの方と会って、その様々なプレイを見られるチャンスがあると思うからです。ローディーになるのは、悪くないですよ。
2004年06月14日
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今日は、自分の仕事について書きましょう。一度でも自分の曲やデモを録音したことのある人なら覚えがあると思いますが、いわゆる打ち込みを使って録音作品を組み立てようとするとき、先ずドラム・パート(ないしは、それに準じたリズム・パート)を録音するでしょう。その際に、その曲の曲調やアレンジ、最終的な出来上がりを想像して、ドラム・パートに使う音を音源から選ぶはずです。それを生のドラム・セットでするのがボクのしている仕事です。それは、ドラムをプレイするときに使う頭の部分と全然違う部分を使っている感覚で、それがまたボクにとっては快感でもあって、とても楽しいんですが、つまり、目の前の楽曲がどう聴こえたら一番カッコイイか、あるいは一番美しいか、もしくは一番魅力的か、といったことに考えをめぐらせる訳です。そこへバンドのドラマーはじめ、メンバーはどうしたいと思っているか、エンジニアの方はどんな音像を描いているかといったことをさらに加味して、どんな音を創ろうかと詰めていく、この作業がまた醍醐味でもあり、面白いところです。自分がアマチュアの頃、友達のドラマー同士で「好きなドラマー」の話は色々しましたが、「好きな音」って話をしたような記憶はありません。今の若いコたちはどうなんでしょうか。他の楽器は弾く前に必ず、先ずチューニングをするのに、ドラムは今だにチューニング、音作りに関しては、ほとんどテキトーで済まされてることが多いでしょう。自分の好きな音、自分の出したい音ってのを、たまに練習の合間にでも考えてみるといいと思います。『音楽なんだから、ドラムもいい音でアンサンブルに加わるべき』だとポンタさんがよくおっしゃいますが、ボクもそう思うんです。そこから、本当に研究し始めると、頭の中の今までと違った扉が開いてきたりして、もっと楽しくなると思いますよ。
2004年06月12日
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ドラムをプレイする人、音楽に関わっている人なら、必ずその名前を知っていると思います。ポンタさんと同じように、もう押しも押されぬ日本のトップ・ドラマーの方です。世の中では、人の技が極まっていくと、それは機械にたとえられるようになります。たとえば、以前に書いたマイケル・ジョーダンは若い頃には、そのずば抜けたオフェンス能力のために「スコアリング・マシン」と言われましたし、今やイチローは現代の「安打製造機」と言われます。山木さんのドラミングにも、そのレベルの高さに、人間離れして感じることがよくあります。「このビートの正確さは何だ?」とか、「プレイの、このムラのなさは、何なんだ?」とか。一度「勉強させてください。」と言って、山木さんのレコーディング作業を見学させてもらったことがありますが、「あざやか」の一言に尽きるものでした。とにかく早い!スタジオへ来て初めて聴いた曲なのに、「もう、これでO.K.でいいんじゃないか。」と思わせる演奏をいきなりするんですね。その音楽を捉える力、判断の速さ、そして実際のプレイの的確さ、どれをとっても素晴らしいと感服します。ポンタさんもそうですが、こういったトップ・ドラマーといわれる方々は演奏だけでなく、そのドラムの音自体も素晴らしいというのは、本当に見習うべきところだと思っています。ボクは、どうしてもスネアに耳がいきがちなのですが、仙波師匠に「『スネアの音の見本』みたいな音」と言わしめる山木さんの音を、特に若い人は研究してみたらいいんじゃないかと思います。それから、スタジオを見学させていただいたとき、仕事場へお邪魔して、しかも初対面だったにもかかわらず、嫌な顔せず、色々と話してくださった山木さんには、たいへん感謝しています。ポンタさん、山木さんと、仕事の技に優れているだけでなく、人間的にも素晴らしい方々とお会いできて、本当に有り難いと思いますし、見習いたいと思います。
2004年06月11日
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元ザ・ポリスのスチュアート・コープランドは、ボクの大好きなドラマーの一人ですが、彼はドラム・セットを構成するパーツの中でハイハットが大好きだと言い、自分のことを「ハイ八ッティストだ」と言っていました。それならば、という訳でもないですが、ボクはスネアが好きなんです。「スネアラー」とでも言いましょうか。音楽とドラムに興味を持つようになって、だんだん音楽を聴く時間と量が増えるにつれて、「ドラム・セットの中で一番、音のヴァリエーションが豊かで幅広いのがスネアだ。」ってことが、うすうす分かってきたんです。さらに、音楽のスタイルやジャンル、アレンジによって、それにフィットするドラムの音色があって、そこへダメ押し的にスネアの音がキマッていると、その曲全体がとてもカッコ良く聴こえるんだと。それで何となく、「スネアって大事な楽器だ」って、いつからか思うようになったんです。でも、その考えは別に珍しいことではなくて、ドラムをプレイする人なら、ボクと同じような考えの人はけっこういるんじゃないかと思うんですが、どうでしょう。ドラムを始めた人は、なんといっても先ずスティックを買うでしょう。その次には、ペダルを買うはずです。これらはドラムに先ず必要な、自分の体の一部となる大切な道具たちです。ですから、まぁ、ここから揃えていかざるをえない訳です。そして大方の人は、いよいよ、初めての楽器としてスネアを買うということになっているんじゃないでしょうか。ボクもそうでした。すると、楽器というとスネアしか持っていない状態な訳で、自ずと自分のスネアとの付き合いが長くなって、嫌でも愛着やら関心が高まるんですよね。「どうすると自分の気に入った音が出るんだろう?」とか「このスネアじゃダメなのか?それとも自分のプレイがいけないのか?」とか。ライヴ・ハウスに出るんでも、ドラム・セットはまず用意されてるものの使いまわしなんで、「このスネア一発で、どうやってお客さんの耳を掴むか?」とか。ボクも初めて買った最初の一台は、あーでもない、こーでもない、ヘッドを換えたり、スナッピーを換えたり、ホントにいじり倒しました。でも、そうやっていって最後に気に入った音が出たときには、本当に嬉しいんですよね。今や好きが高じて、いつの間にか10台以上スネアを持っていて、値段の高いもの、すごく安いもの色々ありますが、どれも、それでしか出せない音があって大好きなスネアばかりです。スネア、大好きなんです。
2004年06月10日
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ボクが高橋幸宏さんに影響されてドラムを始めて以来、次に衝撃をうけたドラマーがポンタさんでした。幸宏さんとはまるで違うスタイルやプレイ、音楽の中での存在感などにすっかり魅了されてしまい、特に大学生の頃は古い音源まで探して、ポンタさんの演奏を聴きあさっていました。師匠のローディーをしている間、ポンタさんとご一緒する仕事が多かったのは、ボクにとってはとてもラッキーでした。以来、ポンタさんには可愛がっていただいていて、本当に有り難いことです。ボクがこの世でつまらないと思うことのひとつは、相手によって自分の態度を変えるような人の振る舞いなのですが、ポンタさんにはまるでそういったところがないのが本当に素晴らしいと、いつも思います。こんなペェペェのボクのような者にも、いつも優しく接してくれますし、ドラムや音楽についてのほんの些細な質問にもキチンと答えてくれるのです。ことドラムに関しては、師匠と同じくらいポンタさんからも教わっている感覚があります。ボクにとっては、第二の師匠と言ってもいいのかもしれません。本当にいつもありがとうございます、です。ポンタさんの音楽的な素晴らしさは今さらボクが言うまでもないことですが、万が一、知らない、聴いたことがないという人は死ぬまでに必ず聴くか、観るかするべきです。特にボクの師匠、仙波清彦とのコンビネーションはいつも絶品で、ライヴで観る機会などあった際には本当に必見だと思います。
2004年06月09日
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ボクには師匠がいまして、それが仙波清彦氏なのですが、ボクが思うほど世間的に知られていないように感じることがあって、ときどきイラついたりもします。ボクが今、音楽で仕事ができているのも師匠から学んだ経験があるからに他ならず、師匠のローディーとしてほとんど全部の仕事についてまわった一年半は、本当に貴重な体験でした。師匠はドラムもプレイしますが基本的にはパーカッショニストなので、大抵はどなたかドラマーの方とご一緒することになります。そのドラマーの方というのが、村上ポンタさんであったり、青山純さんであったり、則竹裕之さんであったり、とにかく第一級の方々ということが多くて、そういった方々の音、プレイ、仕事ぶりを間近で拝見できたことが今、自分の財産になっています。師匠には本当に、いくら感謝してもし足りないくらいなんであります。もう少し師匠のことを説明しますと、NBA(アメリカのプロ・バスケットボール リーグ)で「史上最高の選手」として有名なマイケル・ジョーダンという人を知っている人も多いでしょう。彼を賞賛する数々の言葉の中で『人間が到達可能な最も高いレベルに達した人』というのを見たことがありますが、師匠の演奏、プレイぶりは真にその言葉を想わせるものです。もしも見たことが無い人、知らない人は、是非、師匠の出演するライヴを一度観てみることをオススメします。マイケル・ジョーダンがプレイしているゲームを観たときと同じように、「この人は明らかにレベルが違うなぁ。」とすぐに気が付くでしょうし、さらに、そのライヴも最後まで楽しんで観られるはずです。どんなことでも、その道に覚えのある人だけでなく、初めての人を楽しませたり、感動させたりできるのは本当に優れた人の証だと思うのですが、そういった場面を師匠の仕事の中で何度も見てきました。自分も師匠のような音楽人になれるのかは、かなり「?」ですが、そんな偉大な人に教わっていたんだから、しっかりしなきゃなとフンドシを締めなおす毎日であります。
2004年06月08日
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ボクの世代には多いんですが、音楽とドラムに興味を持ち始めたきっかけは、やっぱりY.M.O.(イエロー・マジック・オーケストラ)でした。そのY.M.O.のドラマーが高橋幸宏さんで、今までの人生の中でも、この人のプレイ、音を一番たくさん聴いてきたように思います。何せ最初に聴いたのが小6のときで、そこからのめり込んで雑誌の記事をあさったり、曲がかかるラジオ番組を追っかけたり、ボクにとってのアイドルでした。ドラムを始めた頃は、本当に取り憑かれた様に幸宏さんのプレイのコピーばっかりしてました。で、その幸宏さんの誕生日が6月6日というのもすっかり覚えてしまっていて、昨日立ち上げた、このホーム・ページのはじめに取り上げてみた訳です。Y.M.O.は今でもときどき聴きますが、聴くたびに今だに何か発見がある、そのクオリティーの高さに歓心、感心します。ドラムの音も本当に素晴らしいし、中でも「MASS」で使われている音は、どうするとあんな音に録れるのか分からず、非常に好奇心、探究心を掻き立てられます。お会いする機会があったら、あの音の秘密を是非伺いたいところです。ボクもこうして音楽の仕事をさせてもらっているからには、参加したものは皆、同じように長く聴いてもらえる作品、ずっと後の人が聴いても認めてもらえるクオリティーを持った作品として出来上がるように努力をしていきたいと思っています。幸宏さんの現在のユニット「SKETCH SHOW」も素晴らしいもので、ボクごときは追いつけそうもない人ですが、もしも聴いたことの無い人は、是非聴いてみるべき、知っておくべきだと思います。
2004年06月07日
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ボクがしている音楽の仕事の大半は、ドラム・セットのチューニングをすることです。ドラムって楽器は、とりあえず叩けば音が出るし、音階があるわけでもないんで、チューニングなんてプロの現場でも、今だに、ほとんどほったらかしにされてるんですね。「だいたい」、「テキトー」の世界。でも、ちゃんと面倒を見てあげて整えてあげると、セットの音が良くなるのはもちろんのこと、特にレコーディングでは、アンサンブルの聴こえかたや全体の出来上がりが格段にグレード・アップするものなんです。宅録をしている人や、自分達で録音作業をしているバンドの人達にも、それは心当たりがあるんじゃないかと思います。でも、じゃあ実際にどうすればイイ音にできるのか、ドラムの「イイ音」って何だ?ってところが、あまりにも理解されていない、知られていないんですね。少しづつ、この日記を書いていくことで、「ドラムの扱い方辞典」、「ドラムの性能の引き出し方百科」みたいなものになれば、悩んだり、迷ったりしている人の役に立ったりすればイイなぁと思ってます。疑問、質問などもドンドン送ってください、是非。
2004年06月06日
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