Motor & Outdoor Journalist 安藤眞の         逆説的よろず考現学

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Dec 15, 2018
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カテゴリ: カテゴリ未分類
みなさん、こんにちは。

 昨年6月、東名高速下り線で発生した「あおり運転死傷事故」の地裁判決が、12月14日に言い渡されました。判決は「懲役18年」というものでしたが、認識しておいていただきたいのは、これは横浜地裁による地裁判決であって、被告が上告すれば変わる可能性がある、ということです。

 ともあれ、危険運転致死傷罪が適用されたことについては、良かったと思います。「あおり運転で死傷事故を起こせば、それが直接の死因ではなくても、危険運転致死傷罪の適用はありうる」という判例を残しただけでも、それなりに抑止力にはつながるでしょうから。

 実は僕は、この案件に危険運転致死傷罪が適用されるのは難しいのではないかと危惧していました。というのも、被害者を直接、死傷させたのは、石橋被告ではないからです。確かに、あおり運転による強制停車によって重大な危険を生じさせたことは間違いありません。しかし、もし停車していたのが、故障車や事故車両だったら、どうなるでしょう? 実際、​ 2013年には伊勢湾岸道で、第2通行帯に立ち往生したクルマにトラックが追突する事故が起きています ​。そういうものを避けて安全に運転するのは、高速道路を利用するすべてのドライバーの責務なのではないでしょうか。

 もちろん、そのことが石橋被告の刑の重さに影響してはならないと思います。しかし、高速道路を利用するすべての車両が、建前通りの安全運転をしていれば、この事故は無かった可能性があるというのは、紛れもない事実です。

 特に今回の事故では、2台連なって走っていた大型トラックの1台目が避けたにも関わらず、2台目が停車していたワゴン車に衝突しています。これは適切な車間距離を取っていれば、避けられた事故では無いかと思います。しかも事故が起きたのは、3車線道路の追い越し車線です。90km/hでリミッターが作動する大型トラックが、なぜそんなところを走っていたのか。第1・第2通行帯に、それほど遅いクルマが溜まっていたとは、ちょっと考えられません(この点については衝突したトラックのドラレコ映像でわかると思いますが)。

 要するに何が言いたいのかというと、あおり運転をした石橋被告のバッシングにばかり気を取られるのではなく、今一度、自分の運転を顧みるというのも、被害者の死を未来につなげることになるのではないか、ということです。





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Last updated  Dec 15, 2018 02:56:28 PM
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