Motor & Outdoor Journalist 安藤眞の         逆説的よろず考現学

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May 9, 2019
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カテゴリ: カテゴリ未分類
みなさん、こんにちは。

 またしても痛ましい事故が起きてしまいました。うちにも息子がいますが、もし我が子が突然の交通事故で亡くなってしまったら、生きる意味が見いだせないほど取り乱してしまうのではないかと思います。被害者のかた、遺族のかたには、心から哀悼の意を表します。

 実は連休前に、事故現場の近くにある会社を取材しておりまして、写真を見ただけで、現場の空気感が蘇ってきました。そのときの印象は「ここもクルマ優先で、人が阻害されている雰囲気があるなぁ」というものでした。

 さて、この事故の第一報の写真を目にしたとき、典型的な「右直事故(右折車と直進車の事故)」であることは分かったのですが、その後、いくつかの現場写真を見て気付いたことを書いておこうと思います。

 事故車両は、直進車側がダイハツの現行型ムーヴキャンバス(以下ムーヴ)、右折車側が日産の旧型ノートのようです。制限速度は直進車側が60km/h、右折車側が50km/hの模様です。

 最初は「スピードの出し過ぎではないのか?」と思ったのですが、両者とも明確なブレーキ痕が無いにもかかわらず、衝突したと思われる地点から10m程度で停止していますので、スピード違反は無かったのではないかと思い直しました(ムーヴはフェンスに衝突して止まっていますが、金網フェンスなので、法定速度以上にスピードが出ていたら、なぎ倒していたと思います)。

 事故車両の写真を見てみると、ノートは左側前部が、ムーヴは右前部が壊れています。しかも損傷の程度は軽微です。このことから分かるのは、「ムーヴが交差点に進入したタイミングで、ノートが右折を開始している」ということです。過失割合で言えば、恐らく10:0でノートに非があることになるんじゃないでしょうか(だからムーヴのドライバーはすぐに釈放された)。

 ムーヴのドライバーに非があるとすれば、衝突の回避にハンドル操作を優先してしまったことでしょう。僕が免許を取った30年以上前には、「危険の回避には、ハンドル操作よりブレーキを優先しろ」と教わったものです。ハンドルで避けようとすると、クルマが不適切な方向に走って二次被害が起きるから、というのが理由です。道路上でハンドルを切った場合、クルマは必ず「道路から飛び出す方向」に動きます。運良く目の前の事故が避けられても、適切に戻せなければ、二次的事故につながります。

 高速道路で路肩に回避スペースがあるとか、複数車線があってスペースがあるような場合は、ハンドルでの回避も「あり」かもしれませんが(高速の場合、法面に乗り上げてひっくり返るケースもありますけど)、市街地の場合、多くは「ブレーキ優先」のほうが、被害規模は抑えられるのではないかと思います。



 もうひとつは、右折車に対する警戒心が、少し甘かった可能性はあります。僕は対向に右折車がいると、横を通り過ぎるまで「右折し始めるかも知れない」と警戒しながら走っています(ドライバーの顔や手の動きを見ています)。そのくらい警戒していれば、右折の開始に気がつき、回避できないまでも、ハンドル操作と同時にブレーキにも足が伸びたのでは無いかと思います(続報では「右折車は前のクルマに続いて右折しようとした」とのことなので、余計に警戒すべきシチュエーションだと思います)。

 もうひとつ気になったのが、「緊急自動ブレーキは作動しなかったのか」ということです。この世代のノートには、自動ブレーキは搭載されていませんが、ムーヴのこのグレードならば、「スマートアシスト(IIまたはIII)」という安全運転支援システムが標準装備されており、この形態の事故ならば、作動していて不思議はないと思うんですよね。

 あるいは、運転者がハンドル操作をしたことをもって、「回避動作が行われた」と判断され、システムが解除されてしまったのかも知れません(この手のシステムは、ドライバーの操作を優先するようにできているものがほとんどです)。と言っても、その後に園児の列に突っ込んでしまっているわけですから、その段階で再度作動しなければ、何のために付いているのかわからない、ということになります。

 ダイハツはこの点、車両を回収して調査したほうがいいんじゃないかと思います。

 それから、右直事故は交差点をラウンドアバウトにすることで、防ぐことができます。交通量によっては適さない場合もありますが、ラウンドアバウトの導入も、積極的に考慮するべきではないかと思いました。





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Last updated  May 17, 2019 09:25:28 AM
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