お隣さんの国：韓国からの手紙

< 新しい記事

新着記事一覧(全6195件)

過去の記事 >

2005/08/28

韓国の小咄

(22)

テーマ：韓国！(16984)

カテゴリ：韓国生活

ミス金は、今日も1日の勤めを終えて、家に向かっていた。
バスを降りて、歩き出そうとすると、バス停の横に、一人の男がうずくまって座っていた。

目が落ち窪み、貧相な男だった。
ミス金が足早に通り過ぎようとすると、その男がミス金を見てニヤリと笑いながら、こう話しかけた。

「カッチ　ガ～　チョニョ～」

（＊注　　訳すると、「一緒に行こう、お嬢さん」という意味）

ミス金は、薄気味悪くなり、そちらの方を見もせず、通り過ぎた。

翌日、勤めを終えたミス金は、またバス停でバスを降りた。

そして、やはりミス金を見ると、同じようにニヤリとしながら、声をかけてきたのだった。

「カッチ　ガ～　チョニョ～」

思い切って振り向いてみると、男は、ミス金の方を見てニヤニヤしているだけで、立ち上がる様子も無い。

怖くなったミス金は、ほとんど走り出すようにして、その場を去った。

その男は、次の日も、またその次の日も、同じ場所に座り、同じ言葉をかけてきた。

そして、いつも、
「カッチ　ガ～（一緒に行こう）」
と言っているわりには、立ち上がってついてくる気配も無いのだった。

ミス金は、怖かった。

男は、一体、どんな理由で、何が望みで、ミス金に毎日毎日、
「カッチ　ガ～」

ミス金は、夜もよく眠れなくなり、いつも恐怖におびえるようになっていた。

ミス金は、
「このままではいけない」
と思い、ある日とうとう、勇気を出して、男に尋ねてみることにした。

その日も男は、ミス金を見て、ニヤリとしながら

と言った。

ミス金は勇気を振り絞って、男を睨み付け、こう言った。
「一体、毎日毎日、どんな意味があって、そんなこと、私に言うんですか？！？」

すると、男は、意外なことを言うのだった。

「お嬢さんは、どうやら、魚が嫌いなんだね？
こんなに安いのに！」

「な・な・何ですって？！？」
驚くミス金に、男はまた言った。

「カｒチ　ガ～　チョノ～ン」

（＊注　　訳は「カｒチ（太刀魚）が1000ウォンだよ～」）

お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう