2005年08月30日
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カテゴリ: 連載小説



「あのワリカン伯爵は、アカリさんの元カレです。」
「えっ、元カレって・・。」
「一昨日別れた、元カレですよ。」
 司令官は普段と変わらない調子で言った。
「一昨日別れたって・・・」

 突然の話に赤川は言葉を失ってしまった。いったいこれはどういうことなのだろうか。アカリは、そのことを知っていたのだろうか?いや、知っていたらこれほど驚きはしないだろう。アカリは、彼がワリカン伯爵だとは知らなかったのだ。
 司令官は、ワリカン伯爵がアカリの元カレだと知っていたのだろう。いや、というよりもワリカン伯爵の元カノであるアカリをダメ人間マンに勧誘したということか?

 赤川がその疑問を口にする前に、司令官は答えた。


 司令官のその言葉で、赤川はステージに意識を戻した。


 ステージの上ではワリカン伯爵が「男女の不平等を改善するために、まずはワリカンから始めましょう」という持論を展開していた。その話が小学生相手の講演に相応しいかどうかは疑問だが・・。


「・・・許せないわ。」
 ワリカン伯爵の講演が半ば頃まで差し掛かった時に、先ほどまで震えていたアカリがそう呟いた。
「アカリ?」
「・・・装着!」
 そう叫ぶと、一瞬でアカリはダメ人間マンに変身した。いかにも戦隊ヒーローといった赤い全身タイツに包まれたアカリは、もの凄いスピードで走りだした。
「ちょっ・・待てよ!アカリ!」

 赤川がキムタクよろしく呼び止めた時には、アカリはすでにステージの上でワリカン伯爵と向かいあっていた。赤川達が居た場所からステージまで赤い筋が通ったように見えるほどの、人間離れしたスピードだった。

「・・すげぇ、変身したらあんな速く走れるんだ・・」
「ええ。自分ではわからないかもしれませんけど、赤川さんも変身したらあれくらいは動いてますよ。」


 赤川はステージ上のアカリを見ながら、自分もダメ人間レッドに変身して助けに入らなくてはと思った。
 ・・・しかし、思いながら、赤川は何か違和感を覚えた。ステージ上の全身赤いスーツに包まれたアカリを見て・・赤いスーツ・・・赤?

「って、赤?赤って、あれ?・・・ダメ人間レッドって俺じゃなかったっけ!?」


つづく





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最終更新日  2005年08月30日 23時05分08秒
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