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えっと、なんだ、4年と5か月ぶりですか。お久しぶりです。ゴミステイピョンのかめです。それにしても今時ブログとかね。なつかしすね。ここ10年で2回しか更新してなくても消えないんですね。楽天さん流石っすね。ここはかめの小説を載せるブログなんですが、小説とか、いまどきブログで書く人はいないっすよね。なろうっすよね。いや、私は書いてないですけど。異世界転生とかね、書こうと思ったら大変だもの。設定とかね。で、あの人たち毎日連載とか当たり前にやってるよね。無理無理。学生時代でも無理だったもの今の私には無理さー。というわけで、生きてますという報告を誰もみていないブログでしてみただけでした。次の投稿も4年と5か月後!(予定)
2017年08月23日
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えっと・・・…4年と5か月ぶりですか。お久しぶりです。ゴミスティピョンのかめです。この4月で社会人8年目。なんでここまで、ここが放置されていたのかとゆーと、社会人になってから、特に結婚してから、小説を読まなくなり。もちろん自分で小説らしき何かを書くなんてこともなくなり。書かないんだから更新もできないわけでした。結婚すると、家に常にパートナーがいるわけで。何か話をしたり、家事なんかもしなきゃいけなくて、どうしても一人の時間がなくなります。結果、小説を読むことが無くなりました。インターネットも、ほとんど触れなくなりました。(でも漫画はずっと読んでます。少年ジャンプは毎週かかさず読みます!……矛盾?)でも、最近、ここ数か月、別にきっかけがあったわけでも無いのですが、何年かぶりに時間を見つけては小説を読むようになりました。したっけ、やっぱし、ここのことも思い出すわけで。自分の文章を読み返してみて、照れ照れ。照れがてら、また何か書いてみたいなーって気持ちがちょっと湧いてきたわけで。で、こんな風に、近況報告がてら日記を更新してみるのです。誰も読んでないだろう日記ですが。いつか、また創作文書を書けたらいいなーと思いつつ。そんな日がくるのかどうかはわかりませぬが……。いつかまた会える日を信じて。ではでは、また
2013年03月15日
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2年ぶりくらいですか。はいはーい、生きてますよー。楽天ブログにアップするのも久しぶりで。なんだか勝手が違ってきていませ。というわけで、小説、2年くらいまったく書いていません。確か書きかけの話があったのですが、まあ、私パソコンで書いていたのですが、どこを探してもデータが残っていない。あー、2003年だか4年だかから、2~3年くらいの間書き続けていた小説。素人のダメ小説。もー書けねーって、投げ出したんだったか。思い出程度でも、データで残しておきたかったなー。いつかまた書き始めたときに見直したり、あー、全部なくなっちゃったかー。とか思ってたら、お、楽天さん、まだ全部残してくれてますね。優秀ですね。他の無料ホームページスペースで作ったものも、だいたい全部残っていました。あ、ヤホーさんのとこだけ無くなったかな?まだあるかな?見直してみて、照れ照れ。というわけで、余力があれば、またちょっとずつでも書き始められたらなーって思います。という、報告だけ。もう誰も見てないかもしれないけどね。
2008年10月18日
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いや、すいません。2ヶ月近くも間を空けて、やっと更新して、なんじゃこりゃ。ほんと、文章書けない病です。まったく何も書けません。これは、きっと心に何も溜まらない生活だからかな。ストレスとかドロドロしたものが溜まらないのはいいんだけど、もっと、感動とか、そういういろいろなものがまったく何も溜まらない。何かに打ち込んだ、ということがここ数ヶ月無い気がする。もっと、仕事とか、恋愛とか、真剣に純粋に夢中になってできればいいんだけど。何の目的もなく、ただ、毎日を過ごしてる。仕事はなんとなくこなすだけ。恋愛も、純粋に誰かを思うって気持ちが持てない。もっと、毎日が輝くように。毎日を充実した楽しいものにしなくてはならない。話は変わる。今、好きな人がいる。いや、好きだと思った人がいるんだけど、今は、本当にその人のことが好きなのかわからない。好きだと“思っただけ”かもしれない。最初は、ちょっと可愛いし、いいなーと思ってた。で、付き合えそうになったんだけど、結局ダメになった。ちょっと納得のいかない振られ方だった。それで、なんか諦めるのが悔しくて、なんで俺が諦めなきゃならないのかなーとか思ってしまって、そんなこと考えてるから、その人のことがよけいに気になって、気になるから、どんどん気になっていくから、どんどん好きになっていっていると勘違いしてしまった。でもそれは、好きなわけじゃなくて、ただ、執着してるだけだったのかもしれない。はっきり言って、今となっては、本当に好きだったのか疑問なのだ。本当に好きだった?そう?わからない。……話を戻す。だから、つまり、そうやって、簡単に言うと、自分を見失っていたのだ。いや、今も見失っているのかもしれない。ただ毎日を生きるだけ。それじゃだめだ。もっと悩んだり考えたりしなきゃいけないんだ。自分にとって、何が必要か。冷静になって考えよう。冷静になって考えればわかることもある。人は、何事にも執着してはいけない。自然な心で、ありのままを楽しめればいい。汚い感情を全て捨てることなんてできないけど、そういう気持ちを全て包み込むだけの心を持てばいい。そういう心をもてれば、もっと輝いた日々を送れるだろう。心にステキなことがたくさん溜まる毎日を。そういう心になれるように。自然な心でいられるように。あ、なんか、そんなことを思いながら書いているうちに、また文章が書けそうな気分になってきた。というわけで、小説のできが納得いかなくて、それで2ヶ月も間あいたけど、とにかく完結しました。ほんと、書ききれない気持ちでいっぱいです。ごめんなさい。今度はもっと書けるように、頑張ります。
2006年07月31日
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8 次の日、私は部屋のベッドで仰向けに寝転び、ぼんやりと天井を見ていた。 私は、そっと目を閉じた。 カズヒロの匂いが、私を満たす。 私は、カズヒロのことを思った。 カズヒロが、私の隣で私の方を向いて寝ていた。カズヒロの手は、私の頭をゆっくりと撫でてくれている。 ふと、目を開けてカズヒロを見ると、カズヒロも私を見ていた。目が合った瞬間、カズヒロはふっと笑顔を見せる。“サヤカ” カズヒロは私の名前を呼んで、そして、頭を撫でていた手で私の肩を掴み、私の体を自分の胸元に引き寄せた。 体を引き寄せられた私は、カズヒロの胸の中で、カズヒロのぬくもりを感じて幸せな気持ちになれる。 カズヒロに抱きしめられた感触……。 いや、違う。 私はゆっくりと目を開けて、何もない天井を見つめた。 違う。これは、カズヒロじゃない。 ……私が思い出していたのは、昨日の、小池くんに抱きしめられたときの感触だった。 昨日から、カズヒロのことを考えようと思っても、いつのまにか小池くんの感触が生々しく甦ってしまっていた。 どうしても、小池くんに抱きしめられた感触が忘れられない。小池くんにキスをされた唇が熱くなってしまう。 昨日、小池くんにいきなりキスをされた。 私はやめてと言って、小池くんから離れ、そして一人で家に帰った。 帰り道、唇が熱かった。 唇が熱くて、その熱が体全体に流れていくような感覚だった。 そして、去り際に見た小池くんの悲しそうな顔が頭から離れなかった。 ……昨日のことを思い出して、私は、泣きそうになった。「カズヒロ……」 カズヒロの名前を呼んだ。カズヒロに会いたかった。 私は、カズヒロが今ここにいてくれないことを悲しいと思った。 今までは、カズヒロのことを思ってこんなにも悲しい気持ちになったことはなかった。カズヒロはいつでも私の中にいたから……。 けれど、今は気が付いてしまった。カズヒロは、もういない。そのことを知ってしまった。 カズヒロのことを思い出そうとしても、小池くんの感触が甦ってしまう。それは、嫌な感覚ではなかった。 昨日はビックリして、思わず小池くんを突き放してしまった。私にはカズヒロがいるのだから、という気持ちもあった……。けれど、本当は、私は小池くんのことを拒んではいなかった。 だから、私は小池くんのことを思い出してしまう。だから、カズヒロは私に寄り添ってくれない……。 そういうことなのかもしれない。今、私は生きていて、私の気持ちも、そのうち変わってしまうのだ。 時間が経つにつれて、今、私がカズヒロのキスを思い出せなくなるように、カズヒロの感覚をすべて忘れていってしまうのかもしれない。 私は、カズヒロのことを忘れたくないと思う。 忘れたくない、忘れたくないけれど…… 私は、涙を流した。 その時、玄関のチャイムが鳴った。 私はのっそりと起きだして、ドアの覗き穴から外をのぞいた。 そこに立っていたのは、小池くんだった。 私はドアを開けずに言った。「どうしたの?」「……すいません、昨日のこと謝りたくて」「ちょっと、待って……」 どうしよう、と私は思った。 化粧はしてないし、目ははれぼったいだろうし、こんな顔小池くんには見せられない。 そんなことが真っ先に頭に浮かんだ。 けど、嬉しかった。小池くんが会いにきてくれて、嬉しかった。 そんなことを思って、私は実感していた。ああ、私は小池くんが好きなんだ。「今は、出られない……」私がそう言うと、少し間を開けてから小池くんは言った。「それじゃあ、また来ます」 そう言って、小池くんがドアの前から離れて行く音が聞こえた。 私は思わずドアを開けた。「ごめん、待って」 小池くんが振り返った。 そして私を見た瞬間、驚いた顔をしていた。 そんなにひどい顔なのかと思うと、恥かしくなった。 小池くんには、きれいな顔を見てほしいと思う 私は、小池くんが好きなのだ。 それはどうすることもできない。 カズヒロのことをあんなに忘れたくないと思っていたのに、小池くんのことを好きになってしまった。 きっと、このままだとカズヒロとの思い出は小池くんとの新しい思い出に塗りかわっていってしまう。 ……私は、また涙を流していた。「サヤカさん?」 私は、小池くんに抱きついた。小池くんの胸に顔を当てて、声をあげて泣いた。 小池くんはどうしていいかわからずにおろおろしていたけれど、泣いている私の髪の毛を撫でてくれた。 小池くんの手の感触が心地よくて、私はもっと泣いてしまった。 私は、カズヒロから与えられていた幸せが無くなってしまうことへ涙を流していた。 そして、今まで私のことを支えてくれていたカズヒロに対して涙を流していた。 そう、これは弔いの涙だ。 カズヒロが死んでからの2年間、私は泣いたことがなかった。いつでも、カズヒロがそばにいると思っていたから。 けれど今は、涙が流れて止まらなかった。 もう、カズヒロはいない。 私は、カズヒロのことを忘れてしまう。 そうして私は、泣きつづけた……。終わり
2006年07月30日
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7 あの桜の木に思いをはせてぼんやりとしていると、私に背を向ける格好で立っていた小池くんが言った。「サヤカさん……」 そして、小池くんが振り向いた。 小池くんは眉間に皺を寄せて、怖いくらいに苦しそうな顔をしていた。「……どうしたの?」「サヤカさんは、今でもカズヒロさんのことが好きなんですか?」 小池くんがそう言った。 私は、どう答えていいのかわからずに小池くんから視線をそらした。 それを肯定の返事だと捉えて、小池くんは叫ぶように言った。「もう、カズヒロさんのことは忘れてくださいっ……」「……小池くん」 風が吹いた。少し寒いな、と私は思う。自分の両腕を抱きしめるように掴んで、肩をすぼめた。春は近いといっても、やはり夜の風は少し冷たかった。 私は自嘲気味にふっと笑みを浮かべて、言った。「……いいのよ。私のことなんて心配しなくても。……私は大丈夫だから」「大丈夫って……サヤカさんはカズヒロさんのこと、忘れられないんでしょ?なら、大丈夫じゃないじゃないですか。そんな風に、昔のことを引きずったままじゃ、サヤカさんは……いつまでたっても幸せになれない……」 幸せになれない。そう小池くんは真っ直ぐに私を見ながら言った。その顔は、すごくつらそうに見える。 幸せになれない……。 そんなことはない、と私は思う。「私は、今でも十分に幸せだよ」「無理しないでください」「無理なんかしてない。本当に、私は自分のことを不幸だなんて思っていないから……」「無理しないでくださいっ!」 私の話を妨げるように小池くんが叫んだ。そして、私の体を無理やり抱き寄せた。 強い力で掴まれて、私は小池くんの胸の中で身動きが取れなくなる。「……こ、小池くん……」「俺が、カズヒロさんのことを忘れさせてあげられたら……」 小池くんが、私の耳元でそう呟いた。 熱い吐息を感じる。「俺は、サヤカさんのことが好きだから。……だから、いつまでも苦しんでいるサヤカさんのことは見てられないんです」「……」 突然の告白に、私は驚いて何も言うことができなかった。 そうか、小池くんは私のことが好きなのか。なんとなく、そうなのかもしれないと思っていたけれど、はっきりと言葉に出して言われると、やはり驚いてしまった。 ……小池くんから好きだと言われて、私は、嬉しいと感じた。 しかし、同時に申し訳ない気持ちにもなった。私は、その小池くんの思いを受け止めることはできない。 だって、私にはカズヒロがいるのだから。 私を抱きしめたまま、私の耳元で小池くんは言った。「カズヒロさんだって……」「え?」「カズヒロさんだって、サヤカさんが幸せになることを願っているはずです」 カズヒロが、私の幸せを願っている。うん、そうだ。カズヒロは私の幸せを願ってくれている。いつでも、今でも。 だからこそ、私はカズヒロのことを思いつづけるのだ。「いつまでも死んだ人のことを思いつづけていても、サヤカさんは幸せになれません」 違う。私は、彼のことを思っているから、こんなに幸せなのだ。「きっと、カズヒロさんだって、自分のことを忘れてほしいと思っています」 ……どうして? 私がカズヒロを忘れることを、カズヒロが願っている?「……どうして?」「え?」 私を抱きしめていた小池くんの手が緩んだ。私は小池くんから少し離れて、彼の顔を見ながら言った。「カズヒロが忘れられることを願っているなんて、どうして?」「だって、そうじゃないですか。恋人がいつまでも死んだ自分のことを忘れられずにいたら、つらいですよ」 小池くんは、一生懸命、諭すように言ってくれた。 でも、私はそうは思わない。 違う。違うよ、小池くん。 頭ではそう思うかもしれない。言葉ではそう言うかもしれない。 でも、生きているから、そんなことが言えるんだ。 死んだ人間が自分のことを忘れて欲しいと思っているなんて、私はそんなこと想像できない。 もしも事故で死んだのが私で、彼が生きのびたとして、一人になった彼が私のことなんて無かったみたいに別の人と一緒になるなんて、絶対に嫌だと思う。 絶対に忘れずに覚えていて欲しい。私がいたことを。 そして、私だけをずっと愛していて欲しい。 少なくとも、私だったらそう思う。 死んだ彼が本当にどう思っているかなんてわからない。けれど、あんなに私を愛していた彼が、私が他の男の人と一緒になるのを喜んで見ていてくれるはずはない。 そして何よりも、私が、私自身が、彼のことを思いつづけたいと思っているのだ。きっと、カズヒロはそんな私を抱きしめていてくれる。 だから……。「……私は、彼のことを忘れたくないの」 そう言うと、小池くんは本当に悲しそうな顔をした。 私はまた、申し訳ない気持ちになる。小池くんを悲しませてしまうことは、本当につらい。 小池くんは、私から目をそらすように下を向いた。「俺が、先輩のことを忘れさせてあげられたら…」 そう小池くんが呟いた。 私の胸は、痛くなる。 小池くんが顔をあげた。「俺は、サヤカさんのことが好きです。本当に、好きです」 胸が、痛くなる。 私はうつむいた。 胸が痛くて、小池くんの方を見ていられなかった。すると、いきなり私は両肩をつかまれた。 私が驚いて顔をあげると、小池くんが真剣な目で私を見ていた。 そして、キスをされた。つづく
2006年06月06日
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6 今日も小池くんから誘われて、私たちはちょっとオシャレな創作料理のお店でお酒を飲みながら夜ご飯を食べていた。 小池くんは最近、以前よりも頻繁に私を誘うようになった。小池くんとの食事は楽しいし、断る理由も無い。 けれど、あまり頻繁に誘われると心配にもなった。小池くんは私のことをどう思っているのだろう、と。「小池くん、誰か良い人いないの?」 私はお店のカウンターで隣に座る小池くんに、そう聞いてみた。「良い人って?」「なんか、こう、暇な時に一緒にご飯食べに行ったりしてくれる人」「いないっすよ、そんな人」「えー。モテるでしょーに、小池くん」 小池くんは照れたようにあははと笑った。 私はグラスの飲み物を口に運んだ。甘いミルクのお酒。飲みながらふと小池くんに視線を戻すと、小池くんは真顔で私の方を見ていた。「俺のことはいいですよ。……それより、サヤカさんはどうなんですか」「私?」 手に持っていたグラスをテーブルに置いた。突然自分に話をふられて、少し動揺した。「……まだ、カズヒロさんのことが忘れられないんですか?」 テーブルに置いたグラスの中で、氷がカランと音をたてる。笑って誤魔化そうかと思った。けれど、小池くんがあまりに真剣にそう聞いてきたので、できなかった。 たしかに私は、今でも彼のことを思っている。 私は軽くうつむいて、顔を横に振った。肯定とも否定とも取れる仕草。 ……わたしが今でも彼のことを思っているのは、忘れられないからではない。私は、カズヒロのことを忘れたくないのだ。だから私は、曖昧に首を振ることしかできなかった。 小池くんはそんな私を見て、それ以上は何も言わなかった。 きっと小池くんは、私のことを、死んだ恋人のことを未だに忘れられない哀れな女だと思っているのだろうな……。 店を出ると、夜の街に春の匂いが感じられた。 春の柔らかい匂いが、私は好きだ。「少し、歩きませんか」 息をいっぱいに吸い込んで春を感じている私に、小池くんがそう言った。 私たちは、そのお店の目の前にある公園の方に歩き出した。 公園の中を歩いていると、数本の桜の木があるのを見つけた。 まだ桜は咲いていない、裸の木だ。 この辺りでは毎年ゴールデンウィークの前後に桜が咲く。今年の開花予想日まで、まだ数日ある。 私はふと、あの湖ではもう桜が咲き始めているだろうかと考えていた。つづく―――――――ちょっと更新の間があいてしまいました。今後はこの話の最後(残り2、3回ですが)まで週2ペースで更新します。
2006年05月27日
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5「今日、小池くんと会ったのよ」 私は家に帰ってからカズヒロの写真にむけてそう話しかけた。「小池くん、私のこと心配してた。ほっとけないって言って……」 カズヒロが死んでから二年間、私は普段どおりに生活している。けれど、以前から私のことを知っている人から見たら、無理をしているように見えるのかもしれない。小池くんは優しいから、そんな私のことをほっとけないんだ。 でも、私は思う。心配なんてしなくてもいいのに、と。 今、私の部屋の中にはカズヒロの匂いが充満している。カズヒロの、甘い香水の匂い。私は、その部屋で一人、瞳を閉じる。 すると、カズヒロが寄り添ってくる。 カズヒロの手が、私の体に触れる。心臓がぎゅっとなる。「……カズヒロ」 カズヒロの手が背中に回り、私を抱き寄せてベッドに押し倒す。首筋に、カズヒロの唇を感じる。カズヒロは、軽いキスを何度も何度も繰り返す……。 私はカズヒロのキスが好きだ。 カズヒロにキスされる度に、彼の私への愛情が彼の唇から私の体に伝わってくる。まるで一つ一つのキスが愛しているというささやき声のようだと、いつも私は思う。 私は、カズヒロがいれば他には何もなくていい。カズヒロがいるだけで、それだけで私は幸せだ。 ……だから彼が死んだときに、私は決めた。これからも、ずっと、変わらずに彼のことを愛していこうと。 私は、彼のことを愛している。彼の声も、仕草も、香りも……彼の全てが、私を幸せな気持ちにさせてくれる。彼の存在を感じているだけで、私は幸せでいられる。 彼が死んでからも、彼の存在が私を幸せにしてくれるということは、変わらない。 彼のことを思い出せば、私の中に彼の存在を感じる。だから、私は、今も十分に幸せなのだ。そしてこれからも、私が彼のことを愛しつづける限り、それは変わらないだろう。 今、私はベッドの上で、カズヒロに抱かれている。カズヒロの腕に締め付けられている。カズヒロの唇を感じている。 そうして、幸せに溺れている。 私は願う。この幸せが消えないように、いつまでも抱きしめていて、と。 ずっと、ずっと、抱きしめていて……。 私が願えば、カズヒロはそれを叶えてくれる。私のことを、ずっと抱きしめていてくれる。 ……自分でもどうかしていると思う。死んだ人間を思いつづけて、記憶の彼に抱かれているだけで幸せだなんて。 けれど、私は彼のことが忘れられない。彼の匂いを閉じ込めたこの部屋の中で、私は彼のことを思い出す。すると彼の存在が、私を強く抱きしめてくれる。 実体が無くても、彼の腕は、こんなにも強く私の胸を締め付けることができるのだ。彼の唇は、私に愛を与えてくれるのだ。 それだけで、私は幸せなのだ。つづく
2006年05月20日
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4「桜」 カズヒロがそう言って指差す方を見ると、たしかにその木には薄いピンク色をした花が何輪か咲いていた。「ホント、桜だー。こっちではもう咲き始めてるんだね」 私とカズヒロは寄り添って桜の木を見上げた。自然と笑顔になった。 それは一昨年の春のことだった。私とカズヒロは、車で私の実家に向かっていた。 途中で休憩を取ろうと寄った湖のほとりにある駐車場で、私たちはその年最初の桜を見つけたのだった。「よし、写真とろう。カズヒロ、そっちに立って」 湖のほとりにある咲き始めの桜の木の下に、カズヒロは立った。「こんな感じ?」「うん、オッケー。それで、今ここで撮った写真を誰かが見た時に、『この人は、この写真を撮った人のことを本当に愛しているんだなー』ってわかるような顔をして」「そんな、無茶な」 そう言ってカズヒロが困ったような笑顔を見せた瞬間、私はカメラのシャッターを切った。 私ができもしない、あるいは曖昧すぎてどうしていいかわからないわがままを言うたびに、彼は困った顔をして笑った。そして私は、カズヒロのその顔が好きだった。 何とか私の願いを叶えてあげたいっていう、困った顔。その顔が見たくて、私はたわいもないわがままを繰り返したりしていた。「もう撮ったのかよ」「うん。良い写真撮れた」「なんだよそれー」 そんな風に、二人で笑いあった。「なに笑ってるの?」 運転席でハンドルを握るカズヒロが、助手席の私をチラリと見て言った。私は、ふふっと笑って答えた。「なんか、カズヒロが緊張してるのが可笑しくて」 休憩を終えて車の運転を始めてから、カズヒロは私に何度も同じことを聞いてきた。なんて挨拶をしたらいいかなとか、私のお父さんがカズヒロのことをどう思っているだろうかとか。 私の実家に近づくごとに、カズヒロは徐々に緊張してきている。 カズヒロがそんな風に緊張しているのが面白くて、私は思わずにやけてしまったのだ。「ドラマとかコントのシーンみたいだよね。スーツ着て彼女の親に結婚を認めてもらいに行くのって。……実際に生で見るの初めてだから、ちょっと楽しみだなー」「お前、なんでそんな一歩引いて見てるんだよー。二人のことだろ」「別に私は緊張しないもん。両親に結婚するって言ったとき喜んでたし、カズヒロが嫌われるってこともないだろうし」「……本当に大丈夫かなー、俺」「あはは。大丈夫だって。リラーックス、リラーックス……」 車の中で私たちは、そんな話をしていた。 私は、彼が両親に「サヤカさんと結婚させてください」とか言って頭を下げるところを想像して楽しんでいた。 それは、突然の出来事だった。 カーブの多い峠道を走っていたときに、対向車線からトラックがはみ出してきた。 急ハンドルをきってタイヤと地面がこすれる音が響き、やけに眩しいトラックのヘッドライトが視界を埋めた。 その瞬間は、何が起こっているのかなんて理解できなかった。そして、危ないと思う間もなく、大きな衝撃……。 何がなんだかわからなかった。 ただ、衝撃が収まってからふと隣を見た私は、すぐに救急車を呼ばなくてはと、それだけを思っていた。 その後のことはあまり良く覚えていない。ただ、はっきりと思い出せる場面が一つある。 私の両親とカズヒロが初めて対面した場面だ。 カズヒロが横になっているベッドのそばで、私はイスに座ってぼんやりとしていた。 病院の廊下からバタバタと足音が聞こえてきて、そして、勢いよく病室のドアが開かれる。私が振り向くと、そこには私の両親が立っていた。「……サヤカ」 お父さんが、私の名前を呼んだ。苦しそうな声だった。 私はイスから立ち上がり、カズヒロの顔にかかっている白い布を持ち上げた。 カズヒロの顔を両親に見てもらうために。 そして、私は言った。「紹介します。彼がカズヒロさんです」と。 今、私の部屋のベッドサイドには、彼の、カズヒロ写真が飾ってある。 湖と桜を背景に、彼が困ったような苦笑いを浮かべている。事故にあうほんの数時間前に撮った写真だ。 カズヒロの困った顔が上手く撮れていて、その写真が、私の一番気に入っているカズヒロの写真になった。 彼の姿を収めた、最後の写真が。つづく
2006年05月16日
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3 小池くんとの食事は楽しかった。 時々、私と小池くんが二人でいるということにちょっとした違和感があるけれど、それもそれほど不快な感じではなかった。 念願のピザを食べ終えてから、私はからかうように小池くんに言った。「私なんか誘ってないで、小池くんも良い人みつけなきゃね」 すると小池くんは、笑顔で言った。「……そんな、サヤカさんよりも良い女の人なんて、なかなかいないですよ。」 私は思わず照れたが、お世辞なんて言っても何も出ないわよ、と冗談で返した。そして、二人で笑いあった。 ふと、小池くんが真顔で言った。「それに……」「それに?」「サヤカさんのこと、ほっとけないですよ」 小池くんは真剣な声でそう言った。あまりにも真剣にそう言われてしまって、思わず私は顔をうつむけてしまった。 私は、家族だけじゃなく小池くんにも心配をかけてるんだ。そう思うと申し訳ない気持ちになった。 店を出て、帰るために駅のホームで電車を待っていた。 私と小池くんは別方向の電車なのだけど、私が電車に乗るまで小池くんが付き合ってくれた。「サヤカさん、あの……」「なに?」 小池くんは、ためらい気味に言った。「香水、つけてます?」 私は、少し緊張してしまった。 香水はつけていない。けれどいつの間にか、常に部屋の中に充満している彼の匂いがうつっていたのだろう。 今日、会ってすぐに小池くんが何かに気がついたような顔をしていたけれど、それはこの匂いのことだったのか、と私は気がついた。 さらに小池くんは、私から目をそらして呟くように言った。「それって、カズヒロさんの匂いですよね」 そう言われて、私は思わず言い訳をするみたいに誤魔化してしまった。「あー、うん。好きな匂いだから……」「そうですか……」 小池くんはさらに何かを言いたそうにしていたが、結局何も言わなかった。 私には、小池くんが言いたいことが何なのか、なんとなくわかった。けれど気が付かないふりをした。小池くんは、言えなかった言葉のかわりに、呟いた。「もうすぐ、ニ年ですね」と。 そうね、と私は答えた。つづく
2006年05月13日
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2 ここのところ忙しかった仕事がひと段落したことで、私は幾分軽やかな気持ちで待ち合わせ場所の駅前広場へと向かった。 地下鉄出口の階段を駆け上がりながら、外の冷気に備えるためにコートのえりを軽く掴んで気合を入れる。しかし外に出てみると、思っていたよりも夜の風は暖かく拍子抜けしてしまった。 春が近いのだ、と私はあらためて思った。 駅前には、同じく待ち合わせだろうと思われる人が多くいた。私は、その中に一人できょろきょろと周りを見ながら立っている小池くんの姿をみつけた。 小池くんの方に歩きながら、私は、待たせてしまったかと思って腕時計を見た。けれどまだ約束の10分ほど前だった。 仕事が終わったら飲みにいきましょうという内容のメールが小池くんから届いたのは、今日の昼休みだった。私はちょうど今日で仕事がひと段落つくので、すぐにOKの返事を出した。 メールをもらった瞬間は、ちょうど良いタイミングだなと思ったが、よくよく考えると当たり前だった。2週間ほど前に小池くんからの誘いを断ったのだが、その時の電話で今日になれば仕事がひと段落つくと教えたのだった。小池くんは、それを覚えていたというだけ。 まあ、そういうことをマメに覚えているのが、小池くんらしいのだけれど。 小池君はカズヒロの大学時代の後輩だ。私とカズヒロが付き合い出してから、たまに3人で一緒にご飯を食べたり遊んだりしていた。 そして最近も、小池くんはときどき、こうして私のことを食事に誘ってくれるのだ。 私が待ち合わせ場所で立っている小池くんに近づいていくと、小池くんもこちらに気がついて手を振った。「お待たせ。……早いね。まだ約束の十分前だよ」「ええ。ちょっと早くつきすぎてどうしようかと思ってたんですけど、サヤカさんも早く着てくれて良かったです」 そう言って小池くんは、人の良さそうな笑顔を見せた。いかにも年上の女性から好かれそうな、可愛らしい笑顔だ。 しかし次の瞬間、小池くんは何かに気がついたように、あれ?と怪訝そうな表情をした。「どうしたの?」 私がそう聞くと、小池くんはまたすぐ笑顔に戻った。「いや……なんでもないです」 なんだろうな、と思ったけれど、小池くんがなんでもないと言ったので、それ以上聞くのも変な気がした。別に、たいしたことじゃないのだろう、と私も納得した。 話を変えるように、小池くんが明るい声で言った。「今日は何食べます?」「何でもいいよ。小池くんにお任せします」 そうですねーと呟いて、少し間を置いてから小池くんは言った。「じゃ、イタリアンでどうでしょう」「お、いいねイタリアン。ピッツァ、ピッツァ食べたい」「発音良いっすね。それじゃ、行きましょう。近くに良い店あるんで」 小池くんは笑いながら歩き出し、私もそれに続いた。つづく
2006年05月10日
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『ずっと、ずっと、抱きしめていて』1 残業を終えてワンルームのアパートに帰ってきた時には、すでに夜の11時をまわっていた。コートを脱ぐと体からどっと力が抜け、私はスーツのままでベッドに身を投げ出す。 枕に顔をうずめると、甘い香りがした。彼が愛用している香水の匂い。メンズ物だけどバニラの匂いが強くて、甘い香り……。“疲れてるみたいだね” 声とともに、ベッドの端に座る彼の気配を感じた。「……うん。ちょっと仕事ハードだった」 私は枕にうずめていた顔を少し横に向けてそう言った。彼が私の髪を梳くように、額の端から耳の上辺りを撫でてくれる。 彼の大きな手が私に触れているのを感じるだけで、私は体の疲れが抜けていくような心地よい気分になった。「カズヒロ……」 私は彼の名前を呼んだ。目を開けると、カズヒロがじっと私の顔を覗き込み、優しく微笑んでいた。 私は仰向けになり正面から彼を見つめ、懇願するようにささやいた。「抱きしめて……」 そう言いながら泣きそうになっている私を、カズヒロはゆっくりと抱きしめてくれた。 カズヒロの腕に力が入るのを敏感に感じ取って、私の心臓がきゅっと締め付けられる。 もっと、もっと強く抱いてほしい……。そう願うと、それを叶えるようにカズヒロの腕に力が入り、さらに胸が苦しくなる。 ――突然、部屋にプルルルという電子音が流れた。ベッドサイドに置かれた電話が鳴っている。 ふっとカズヒロの腕が私から離れた。彼の腕に抱かれていた感触も、一瞬で消えてしまう。心臓が潰れそうになる心地よさに体を預け夢見心地だった私は、現実世界へと引き戻される。 電話に出ると、通話口から母の声が流れ出てきた。「サヤカ、帰ってくるの遅かったね」 一人暮らしの娘を気遣った、母からの電話。きっと私が帰ってくる前にも、何度かかけたのだろう。「うん。仕事終わって、今部屋に帰ってきたところだから……」 私はカズヒロのことを気にして、少し小声で話した。「部屋に誰かいるの?」「……どうして?」「いや、なんとなくそんな気がしたから」 私の声から、周りに人がいる気配を察したようだ。「誰も居ないよ」 私は、少し笑いながら言う。「そう。……あんた、元気でやってるかい」「……うん。最近忙しいけど、元気だよ」「あんまり無理するんじゃないよ」 母が私を心配しているのが伝わってきて、少し申し訳ない気持ちになった。たぶん、母の心配は仕事のことだけじゃない。 そりゃあ、心配するよなあ。一人娘にあんなことがあったら、どんな母親だって心配になるだろう……。「まあ、お父さんもあんたに会いたがってるし、たまには家帰ってきなさいよ」「うん、わかった。仕事がひと段落したら、顔見せに帰るよ」 それからたわいもない親戚の話なんかを少しして、電話を切った。 受話器を置いて部屋を見回した時には、もうカズヒロは居なかった。 甘い香りだけが、部屋に残っている。甘い、甘い、カズヒロの匂い。 私はふうっと息を吐いてから、よしっと声をかけて立ち上がった。 シャワーを浴びて、今日はもう寝よう。つづく―――――久しぶりに、小説を連載することにしました。以前までは毎日更新していましたが、今はちょっと毎日は無理っぽいので、1週間に2回くらいのペースで更新しようかと思っています。……微妙な更新頻度ですが…。次回は、水曜日あたりに更新します。よろしくお願いします。
2006年05月07日
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ちゃうねん。あの、車もらったんですよ。ずっと姉ちゃんが使ってた車なんだけど、もう乗らないからって。でね、その車が冬タイヤのままでさ、夏タイヤに付け替えることにしたの。で、夏タイヤを車に載せてさ、オートバッ……車検とかもしてくれるカー用品店に持ってったのな。タイヤ交換だけなら2、3千円でできるからさ。自分じゃやったことないし、ジャッキとかの道具も一切無いから。そしたら、その持ってった夏タイヤが耐久年数を越えてたらしくて、買い替えなあかんって言われたんよ。車はただでもらったのに、結局タイヤ代で4万円も払うことになった。せやからな、ちょっと落ち込んでるねん。まあ、だからって、昨日か今日から連載するって言ってたのに、明日に延期するって理由にはならないか……。わっかりましたー。載せますぅー。
2006年05月07日
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やや、どーもどーも。GWですね。連休ですね。予定がないのですね。悲しいですね。一緒に泣きましょうか。うえーん。うえーん。はい、そんなわけで小説を書いてみようかと思います。明日か明後日くらいから、連載しますね。
2006年05月05日
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お久しぶりですな。一ヶ月以上も放置しておりました。小説は、書いておりません。社会人になって一ヶ月。残業もない比較的楽な職場ではありますが、やはりまだ自分のリズムが出来ていないため、小説を書いたりゲームをしたりする時間がなかなか持てません…その割にミクシィや他のブログで日記や雑記は更新していますけど。他の方のブログも見にいけてません。すいません。まあ、このまま消えていくのも残念なので、ゆっくりでもしっかりと何かを書いてみたいなあと思っていますので。待ってなくてけっこうですから、忘れた頃にふと更新されてたりするのを発見して読んでいただければ幸いです。早ければGW明けに何か載せます。
2006年04月29日
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またちょっと放置してしまいました。いやでも、お話が書きあがらないことには載せられないわけです。ああ、書けない。書けない。お話を書くのって大変だねー。ああ、大変。私、4月から社会人なんですよね。働き始めると生活が一変するでしょうから、4月からもこのブログを続けられるかわかりません。まあ、今すでに休止状態ですけど。だから、今書いている話を3月中には載せたいと思ってるんですよねー。なんですけどー、書けないんですよー。あーあ、前半部分だけでも載せちゃおうかしら……
2006年03月13日
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フリーページの「短編」を少しいじった。ちょっとは見やすくなったかなあと……。それにしても、ブログに書いた話でフリーページに載せてないのがけっこうある。載せなきゃと思ってるんだけど、あーあ、面倒でーっす。面倒だからもうフリーページに載せるのやめよーかなーって思うさ。止めたって別にいいじゃねーかって。どーせ載せたって誰も読まないべ。たいした話でもないべ。……でも、そんなことを言い出すと、このブログが存在している意味がなくなってしまう。私が書いてるの全部なんのためにやってるのかわからなくなってしまう。誰も読まなくても、たいした話じゃなくても、私は書くっつーの、で、このブログで公開するっつーの。だから、フリーページ整理して、載せてない話も載せるっつーの。……あーあ、めんどくせー。ってな感じで、これからもちょっとずつフリーページの編集していきま。
2006年02月16日
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「キミの瞳が映す人」 4キミから呼び出されて居残っていた俺は、放課後の教室でキミと二人きりになった。どうして俺がキミに呼ばれたのかは、まるでわからない。教室は放課後特有の静寂に包まれていて、俺の心臓がドクドクと派手に鼓動する音だけが響いていた。「どうしたの?呼び出したりして」俺はキミに聞いた。キミは、うつむいて黙っている。「チョコなら、ちゃんとアツシに渡したよ」そのことくらいしか、キミが俺と話したいことなんてないだろうと思う。けれどキミは俺の言葉に返事はせず、変わらずにうつむいたまま。だから、どうして黙るんだ?何か言いたいことがあって呼び出したんじゃないのか。……俺、なんか悪いことしたか?そんなことを考えていると、キミが顔を上げた。そして、真っ直ぐに俺の顔を見てくる。その瞳の力強さに、思わずドキッとしてしまった。「……これ、あなたに」そういってキミが差し出したのは、見覚えがある箱だった。赤いラッピングがされた……昨日、キミがアツシに渡したチョコだった。……あれは、アツシが持って帰ったはずだ。なぜ、またキミが持ってるんだ?「それ……」「昨日、本当はあなたに渡すつもりだったの。でも、渡すときに勇気が出なくて……」は?どういうことだ?「……私がアツシくんのこと好きだって、あなたが勘違いしてたから……思わずアツシくんに渡してって言っちゃったんだけど……本当は、あなたに渡すつもりだったの」それじゃあ、まさか。「……私、あなたのことが好きです」……声が、出なかった。あまりの驚きに、心臓が一瞬止まったように感じた。教室が、静寂に包まれた。キミはまたうつむいて、話始めた。「……アツシくんには、前から相談してたの。私があなたのこと好きだって。……昨日、アツシくんから電話きて、怒られた。ちゃんと気持ちを伝えろって。もう一度、チョコを渡せって」そうか、アツシは知ってたのか。だから昨日、佐藤からのチョコだと言ったら、要らないと言ったのだ。キミが俺に告白する勇気を持てず、アツシに渡してと言ってしまったということがわかったから。俺は、あまりの驚きに混乱する頭の中で、ぼんやりとアツシに感謝しなくちゃと思った。アツシは俺たちのことを応援してくれてたんだ。それを殴るなんて、ほんとに悪かった。「このチョコ、一日遅れになっちゃったけど、受け取ってください」キミはそういって、真っ直ぐに俺のことを見た。キミの瞳には、今、俺しか映っていない。今までずっと、キミは俺のことを見てくれていたんだ。俺が勘違いをしていただけで、キミは本当は、俺のことを見ていた。そのことに、今、やっと気がついた。俺がチョコを受け取ると、キミは嬉しそうに笑った。その顔を見て、嬉しさがこみあげてきた。キミが、俺のことを見てくれている。きっと、これからも、ずっと……。おわり―――――――――あとがきバレンタインだからバレンタインの話でも書いてみようかなーと思って。かなり、ありがちな話で。上手く書けなかったです。反省。特にラスト。(15日午後3時に、ちょっと修正しました。あああ、たいして変わってない……)まあ、イベントものということで許してください。コメディを書きたかったのです。いや、最初はコメディだったんです。いつも俺をチラチラ見て意識してた女の子。その子が見ていたのは自分じゃなくて、実は一緒にいた友達の方だった。というオチのコメディを書いていたはずだったんです。……どこかで方向転換をして、で、どこかでこんな話になって……せっかくのバレンタインなんだから、ハッピーエンドの方が良いよねって思ったのです。……そのハッピーエンドが、上手く書けません。そんなこんなで、言い訳ばかり聞き苦しいですね。申し訳。このままじゃあとがきの方が長くなりそうです。主人公とアツシとのやりとりは、けっこう気に入ってます。そんなわけで、昨日はバレンタインでした。日本中のいたるところで幸せな出来事が起こっていたのではないかと思います。ちっくしょー。幸せな人も、特に何も無かった人も、この話を読んでくださった皆様に感謝します。ありがとうございました。次に載せる話の目途は立っていません。3月頃までには、何か新しい話が書けるかなーと思ってます。今後もよろしくおねがいします。
2006年02月15日
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「キミの瞳が映す人」 3バレンタインデーの放課後。俺は、親友のアツシを殴った。「せっかくのチョコを、要らないってどういうことだよ!」アツシは、殴られてきょとんとしていた。「……帰るわ」俺はそうつぶやいて、アツシを置いて教室から出た。……生まれて初めて、人を殴った。学校を出て家に向かって歩いている途中で、俺は徐々に冷静さを取り戻した。……まずいことをした。アツシのああいう性格は、知っていた。あのチョコがキミからのものじゃなければ、俺は笑ってふざけるなと言えただろう。キミが勇気を出して俺に託したチョコを、アツシは要らないと言った。キミの気持ちを、アツシは踏みにじったんだ。そのことが、どうしても許せなくて。気がついたら、俺はアツシを殴っていた。「おーい!」後ろから声が聞こえた。驚いて振り向くと、アツシが走って追ってきていた。「……アツシ」「良かった……追いついた。」アツシは息を切らせて、俺の隣に並んで歩き出した。……謝らなきゃ、と俺は思った。「ごめん。悪かった」「……え?」俺が謝ろうと思っていたのに、先に謝ったのはアツシの方だった。「無神経なこと言っちゃって、悪かったな」「そんな、俺こそ、あんなことで殴っちゃって」「ああ、ま、許す」許すって……。「まさかお前が、佐藤のこと好きだったなんて知らなかったから」アツシは、突然そんなことを言った。「……バ、バカやろう。そうじゃねーよ」「ん?違うのか?」アツシは笑いながら俺に問いかける。 「……」「違うのか。そうか……なら、考えてみようかな」「……は?」「せっかくチョコくれたんだし、付き合ってみなきゃわからないもんな。うん、俺、佐藤のこと考えてみるよ」「な、おまえ、何言ってんだよ」俺は、アツシが俺をからかって言っているのだとわかっていても、うろたえてしまった。アツシは俺を見て、問いかけた。「どうする?俺が佐藤と付き合っても、いいのか?」どうするって……。……アツシには、隠し事をしてもしょうがない。知られてしまったのだから、素直に話すしかない。「……わかったよ。認める」「おお、そうか。……じゃ、聞きます。お前が好きなのは、誰だ?」「佐藤だよ。佐藤が好きだよ」自分で言って、恥ずかしくて顔が真っ赤になった。次の日。俺は、キミに呼び出された。つづく
2006年02月14日
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「キミの瞳が映す人」2 (昨日のつづき)バレンタインデーの放課後。静かな教室で、キミは口を開いた。「あの、それじゃあ……これ、アツシ君に渡して……」そう言ってキミは、チョコの包みを前に差し出した。「お、おうっ。わかった。任せとけ」俺がチョコを受け取ると、キミはよろしくと言って走って去っていった。……予想通り、キミはアツシへのチョコを俺に渡した。……こうなることは、わかっていた。キミのことが、気になっていた。いつもちらちらとこっちを見ていたキミのこと。たとえキミが見ているのが、俺でなくても。キミの瞳に俺が映ってることが、嬉しくて……。嬉しくて……。……嘘だ。そんなの、ただの強がりだった。本当は、それだけじゃ、ツライ……。赤いラッピングがされたチョコの箱をぼんやりと眺めて、俺は、ため息をついた。「よー、待たせたな」教室にアツシが戻ってきた。俺は、キミからのチョコをアツシの前に差し出した。「……これ。チョコ。……お前に」俺は、キミのことが好きだ。本当はこんなチョコ、アツシには渡したくなかった。けど、それじゃあキミがかわいそうだ。キミのことが好きなら、キミのことを応援するべきだ。「お、おまえ……そうだったのか。……ごめん、俺にはそういう趣味は……」アツシはふざけて、そんな冗談を言ったいつもなら俺も一緒になってふざけるところだけれど、今はそんな気分じゃなかった。「バカやろう。違げぇーよ」「なんだよ、のってくれても良いのに。……で、誰から?」「佐藤」俺がキミの名前を告げると、アツシはきょとんとした。「え?誰?」「だから、佐藤だって」「うちのクラスの?」「ああ、そうだよ」「……俺に?」「ああ、お前に渡してくれって」アツシは、今までへらへらと笑っていたのに、急に真顔になった。そして、少し黙って何かを考えてから、言った。「あー、要らないや」「……は?」「要らない」「なんでだよ?」要らない?せっかく女の子がくれたチョコを、要らないって?アツシは、また少し間を空けてから、今度は笑顔を浮かべながら、困ったような口調で言った。「俺、あーいう暗い女苦手なんだよね。……そうだ、そのチョコお前にやるよ」「……てめえっ!ふざけんな!」俺は、そう怒鳴って、アツシの頬を殴った。つづく
2006年02月13日
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「キミの瞳が映す人」キミのことが、気になっていたんだ。いつも、キミがちらちらとこっちを見ていることに、俺は気がついていた。休み時間や、放課後。俺はいつもキミの視線を感じていた。けど、キミが見ているのは、俺じゃない。きっと……いや、ゼッタイに俺じゃない。キミは、俺といつも一緒にいるアツシのことを見ているんだ。親友のアツシ。アツシは、かっこいい。たくさんの女の子が、アツシのことを好きになった。キミも、他の女の子と同じように、アツシのことを好きになったんだ。だからいつも、こっちを見ていた。でも、それでも、俺は嬉しかったんだ。キミが見ているのがアツシでも、俺は嬉しかった。キミがあいつを見ているから、いつもあいつの隣にいる俺のことも、キミの瞳には映っているはずだから……バレンタインの日。アツシはたくさんの呼び出しを受けて、いくつもチョコをもらっていた。俺は、当然、一つももらってない。けど、そんなことはどうでも良かったんだ。俺のことは、どうでもいい。俺は、キミがアツシにチョコを渡せたかどうかが気になっていた。放課後。女の子に呼び出されたアツシを待って、俺は教室に残っていた。そこに、キミがきた。「どうした?」俺は、教室でキミと二人きりになれたことに緊張しながら、それを隠すように素っ気無く聞いた。「……あの、えっと……」キミはなかなか言い出しにくそうにもじもじしていた。俺にもわかるくらいに、キミは緊張していた。……何をそんなに緊張しているんだ?まさか……。……いや、そんなはずはない。「……アツシに、チョコは渡せたのか?」俺は聞いた。きっとキミは、アツシが他の女の子に呼び出されたせいで、チョコを渡しそびれたんだと思った。そして、それを俺に代わりに渡して欲しいって言いにきたんだろう。「……えっ?」キミは、驚いたような顔をした。その顔があんまり可愛くて、俺は照れてしまった。照れたことを隠すように早口で、俺は言った。「おまえ、アツシのこと好きなんだろ?いつもこっちの方見てたじゃん」俺の言葉を聞いて、キミはさらに驚いた顔になった。そして、何かを考えるようにうつむいて、もじもじしながら言った。「……気づかれてたんだ、私が、あなたたちのことちらちら見てたって……」「俺が、チョコ渡しといてやろうか?アツシに」俺はそう言った。すると、キミはうつむいたままで、黙ってしまった。沈黙。怖いくらいに静かな放課後の教室。窓からは、夕日が差し込んできていた。……どうして、黙るんだ?部屋が静寂に包まれると、さっきからバカみたいに高鳴っている俺の心臓の音が、キミにまで聞こえていそうな感覚にとらわれる。「……あー、ま、もし自分で渡す勇気が無いなら……な」俺は沈黙を嫌って言った。しかし、キミは黙ったまま。……どうして、黙るんだ?俺、なんか間違ったこと言ったか?キミは、アツシのことが好きなんだろ?違うのか?違うのなら、まさか……。その時、ずっと黙っていた彼女が、顔を上げた。真剣な目で、俺の顔を正面から見据える。一瞬、世界が止まったように感じた。すっと開いたキミの口から、声が流れ出した。「……あ……あのっ……」つづく――――――――――――バレンタインの話を書いてみました。ショートのコメディを書き始めたら、普通の話になってしまいました。しかも、4日くらい連載するつもりです。……4日後って、もう、バレンタイン終ってるよ?なんてね。構いやしない。よろしくお願いします。
2006年02月12日
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また、短い話を書きました。今回はコメディっぽいものを。暇なときにでも読んでください。一人で喫茶店にいるとね、ついつい、周りの人を観察しちゃう。そういうものなんです。――――――――「月子、喫茶店で人間観察の日々」 そのカップルは、ボックス席に向かい合って座っっていた。 二人は喫茶店に入ってきてから今まで、ウェイトレスにオーダーを告げる時以外はまったくの無言だった。 別れ話かな……と、私は考えていた。 誰が見てもはっきりとわかるほどに険悪なムード。 いったいこの後、どんな展開が待っているのだろうか。 たまたま二人の隣の席に座っていた私は、気づかれないように注意しながらも、内心興味津々で、これから何が起こるのかワクワクで、二人の様子を観察していた。 少ししてからウェイトレスがやってきて、彼の前にコーヒー、彼女の前にアイスティーのコップを置いた。 それを合図にしたように、彼女が口を開いた。「なんか言いなさいよ」「……なんか…………」「……は?」「……なんか言えって言ったから、なんかって言った」 子供かよっ! 私は思わず吹き出しそうになった。「ふざけないで!!」「……」 そりゃあ、彼女怒りますよ。 ふざけて良いような雰囲気じゃないっすよ。「どうして、あの子と会ってたの?」「どうしてって、……いや、会いたいって言われて」「会いたいって言われたら会うの!?」 ああ、彼の浮気か。 こりゃあ面白い。「どこで会ってたの?」「……彼女の家」「なんで……どうして彼女の家になんて行ったの?」「いや、家に来てって言われたから」 来てって言われたら行っちゃうのかよ! その受け答えはまずいって!彼女我慢の限界っぽい顔してるよ!「ふざけないでよ!」「いや、だって、そうなんだもん」「じゃああなた、浮気してって言われたらしちゃうの?」 そうそう、そうだよ。 そんな簡単に浮気なんてしちゃうなよ。「いや……浮気はしないよ」「してないの?」「うん、してない」「本当に?彼女の家まで行って?」「うん。してない………Bまでしか」 Bまでしたのかよ!! ――と思った瞬間に、隣で派手な音がした。 パシャーンッ!という、水が飛び散った音だ。 驚いて思わず隣の席を見ると、彼女が自分のアイスティーを彼にかけていた。「……っ!痛っ!氷、氷ヒットした!」 コップを持ったままの姿勢で動きが止まっている彼女の目の前で、びしょ濡れの彼が口のあたりを押さえて騒いでいる。「うー、いてぇー。クリーンヒット。まさかコップの中の氷が凶器になるなんて……」「サイテー!」 バシャーンッ。 二杯目かよ! アイスティーをかけられてまでふざけている彼に対して、彼女はただの水が入ったコップを持ち、その水を彼にかけた。 そして、彼女は立ち上がって喫茶店を出て行った。 …… 彼は、さすがに反省しているのか、無言で自分の前髪から滴り落ちた水を見ていた。「……ッチ」 隣で、彼の舌打ちが聞こえた。 そして彼は、上着からポケットティッシュを出して、顔や髪の毛なんかを拭き始めた。 こんなふざけた彼とは、別れて正解だと私は思った。 彼女がいるのに他の女の子とBまでするなんて、最低だ。 ……いや、っつーか彼女が水かけたことでツッコミそびれちゃったけど、Bって表現古くない? イマドキ、Bって! ……と、私が心の中でツッコミを入れている間も、隣の席で彼はうなだれている。 濡れた服は、少し拭いたくらいじゃどうにもならないと諦めたみたいだ。 最低な男。 ……そう思うんだけど、やっぱり、彼のことが少し可愛そうな気もしてくる。 ……と、喫茶店のドアが開いて、先ほど出て行ったばかりの彼女がツカツカと戻ってきた。 そして、叫んだ。「どうして追ってこないの!!」 ……えぇー!追ってきて欲しかったのー!? びしょ濡れの彼の前に戻ってきた彼女が、問い詰めるように彼を見ている。 彼は、ぽかーんって顔してる。「追ってきてくれてもいいじゃない!」「……おまえ……」 彼は、ポカン顔のままで言った。「……おまえ、バカか?」「なっ……バカじゃないわよ!」「だってお前、追ってきて欲しかったら、水はかけないだろ、ふつー」 そうだ、そりゃあそうだ。「……だって」 彼女の言葉をさえぎるように、彼は早口で捲くし立てた。「いいか、考えろよ。水をかけられたら普通はぼーぜんとしちゃうだろ。それで、水かけられまでしてさ、去っていく彼女を急いで追いかけられるほどタフな男は、なかなかいないよ?少なくとも俺はムリ」 彼女は何も答えられずにいる。「普通は喫茶店で水をかけられた男ってのはなあ、呆然と座ったままでいるもんなんだよ。そうやって、自分のバカさ加減とかを後悔するもんなの」 彼の声は徐々に大きくなり、周りの人にも聞こえるくらいになった。「それで、店の人が哀れそうな顔でおしぼりを持ってきて、なんか情けないやら申し訳ないやらな気持ちになって、『すいませんご迷惑かけて』っつっておしぼりを受け取って……って、いや、まあね!ここの店ではおしぼりとかは持ってきてくれなかったけどさあ!」 いや、っつーか店の人に文句言ってるの!? 聞こえてるから! なに?おしぼり欲しかったの? わざと聞こえるように言ってるの?「それとかね、彼女が出て行ってから、ふーってソファに寄りかかってタバコを吸おうと取り出すんだけど、タバコも濡れてダメになってて、そんで舌打ちしたりして……って、そりゃあさ!ここは禁煙席なんだけどさあ!」 いや、この喫茶店が全席禁煙席なのはしょうがないじゃん! ……ってことは、あれか? さっきの彼の舌打ちは、おしぼりを持ってきてくれなくて、そのうえ禁煙席だったことに対する舌打ちだったのか?「だから、お前も追ってきて欲しいなら、無難に泣きながら走り去るとかにしておけば良かったんだよ。……ま、そっちのが面白みは半減するけどさ……」 面白みって! それにしてもこの彼、怒ってる彼女にダメ出ししてるよー。 いや、まあ、確かに追って来て欲しい女の子が相手に水かけちゃいけないとは思うけどさ……。「……なにそれ」 お、黙ってた彼女が口を開いた。「あなた、全然反省してないじゃない!どうして、どうしてこんなときにふざけられるのよ!」「……しょうがないだろ。それが俺なんだから」 うわー、出た。 “俺、こんなんだからしょうがないじゃん”発言だ。「そんな……こんな時にふざけるなんて、そんなのおかしいよ……」 ああー、彼女の方が正しいのに、なんか弱気になってきちゃった。 声に勢いがなくなってきている。「……まあ、俺も悪かったよ」 おおっと、彼、素直に謝るのか?「お前、二杯目の水かけただろ……」 うん、かけた。アイスティーかけて、水かけた。「あんとき俺びっくりしちゃってさ、ぼーぜんとしちゃった」 彼もちょっとは反省してるのかな。 彼女にそこまでされて、やっと後悔したのかな。 その彼の言葉を聞いて、彼女は言った。「……ごめん」 彼女はなんも悪くないのに、謝るなんて。 なんて健気な彼女なんだろう。「いや、謝るのは俺なんだ。あんとき、『2杯目かよ!』ってつっこまなきゃいけなかった」 そう、2杯目かよ!って、そうそう。 私も心の中でそうつっこんだ……って、ええー!! リアクション取れなかったことに対して後悔してるのかよ!「あれ、面白かったよ。サイテー彼氏に追い討ちをかける彼女」 自分でサイテーってわかってるのかよ!「お前のファインプレーを活かせなくて、残念だ」 いやいやいや、そんな後悔しなくていいから!「いや、でも、アイスティーでベトベトなところを水できれいにしたっていう、ある意味で優しさだったのかもしれないな……」 優しさとか、そんなんで水かけないから! と、そんな感じで、彼はひたすらベラベラと話続ける。 ……っつーかこの彼、完璧におちょくってるな。彼女のこと。 彼女の方は、なんかもう何も言えなくて、わなわなしてきてるんですけど。 このままだとまた爆発しそうなんですけど。「おい、大丈夫か?どうした?」 いやいや、あんたのせいで大丈夫じゃないんでしょうが。「お前が言い返してくれないと、俺の一人芝居になっちゃうじゃん。俺、そこまでの腕ないよー」 いや、芝居って! 腕とか関係無いし!今まで十分一人芝居成立してたし! っつーか、彼女、いよいよ我慢の限界らしい。 彼のことをキッと睨みつけた。「……いい加減にして」「え?」「いい加減にしてよっ!」 彼女が叫んで、またもや派手な音がした。 パシィッ。 彼女が彼の頬を平手打ちしたのだ。 彼女は振り切った腕を上げたままで停止している。「……いってぇー。……ぶったね!お父さんにもぶたれたことないのに!!」 アムロ!? 定番っちゃあ定番! この彼、めげないなあ…… パシィッ。 うわあっ!往復ビンタ出たっ! 彼女は、一度手のひらの方で頬を張ってから振り上げたままだった手を、そのままバックハンドで振り返した。 これは高等技術です。ええ。 そして、そのまま彼女はツカツカと喫茶店を出ていった。 頬を押さえながら沈黙する彼。 彼女の前ではずっとへらへらしっぱなしだったのに、彼女がいなくなると神妙な顔つきになってる。 ……もしかしたら彼は、わざと彼女を怒らせるようなことを言ってたのかな。 彼女と別れるために……。 そんなことを考えると、なんだか切なくなってきた。 ……と、喫茶店のドアが開いてツカツカと彼女が戻ってきた。 え?え?まさか……「追って来てよ!!」 エンドレスリピートだあっ!!! おわり(……このままじゃきりがないから)
2006年02月10日
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先日書いた物語「夕日に染まり」のあとがきっつぽいものです。あとがきというか、説明、解説、言い訳など。「夕日に染まり」私としては、今までに無いくらいの「愛」を意識して書いた物語。この物語が果たしてどういったいきさつで生まれたのか。まあ、読んでない人は何のこっちゃわからんと思うので、「夕日に染まり」を読んでからこっち読んでください。ネタバレアリ!とか、そういうことですので。まず、最初にお詫びからさせていただきます。この話を読んで嫌な思いをされた方がいたら申し訳ありません。ハッピーエンドを期待して読んでいた方にごめんなさい。で、あとがき。メイキングストーリーという名の言い訳。えーっと、この話は2月6日の昼頃に2時間くらいでガーッと書きました。私、今年で学校を卒業するので、そのための論文を書いているんですね。この時期。でも全然集中できなくて、締め切りは近いのに、ほんの数行書くのに何時間もかけていたんです。で、気分転換に思いついた話を書き始めたんですが、この話は書き始めから完成までの2時間、ずっと集中して書けました。量はワードで3ページくらい。これくらい論文もスラスラ進めばいいんですけど……で、まあ、そんな感じで書いたこの話。完結した一つの物語としては、実に半年ぶりくらいに書けた話です。そんな久しぶりに書いた話がこれって……ええぇー。この半年間でよっぽど良くないことでもあったんでしょうか。暗い世界に落ち込んでいて危ない状況なのでしょうか。「ハッピーエンドで愛が語れるかっ!(ガクリン風で)」みたいな気分で書いてたんでしょうか。いや、きっと、論文の提出目前でちょっとおかしくなっているのでしょう。精神状態が普通ではないのでしょう。だから、こんな感じのちょっと狂気チックな話になったのでしょう。実は、主人公の女の子に自分を重ねて、クライマックスシーンでうっとりしてました。……なんて、口が裂けても言えません。そうそう、これだよ。これこそが愛だよ。なんつって自画自賛しながら書いていた。……なんて、人に言ったらどう思われるか。そして、このお話を男視点でも書いてみたいかなーってちょっと考えて、考えているだけでドキドキしてしまいました。……なんてことは、もちろん秘密。いやいや、ほんと、そんなことカミングアウトしたら、私、よっぽど危ない人だと思われちゃう。危ない危ない。思っていても、人には言っちゃいけないな。ま、大丈夫。誰にも聞かれてないぜ。……えー、いや、実際、私はいたって安全な人物ですからー。たまたま、こういう話を思いついたってだけですからー。心の奥底は知りませんけどね。とりあえず表面上は善人だと思います。でも実は、普通のラブストーリーとかハイテンションコメディとかを書くより、自分で読み返したときにドキドキしちゃうのはこういうちょっと普通じゃない人の話だったりします。……なんてことは、ほんと口が裂けても言えないんですけどね。はい、そんなわけで。読んでくれた人、ありがとうございます。自分で読み返してみて、文章の雑さにうんざりしました。前半部分をもっともっと丁寧に丁寧に、倍くらいの文章で書いていたら、最後のシーンがもっと印象的になったかもしれないなあ。特に、景色とか、彼のやさしさとか、彼女の彼に対する気持ちとかをもっと丁寧に書けば……あー、ちょっともったいなかったかなあ。……なんて言って、やっぱこの話気に入ってるんだな自分。気に入ってるからこそ、後悔しちゃう。でも、ほんと、不快な思いをされた方がいらっしゃったら申し訳ありません。ということで。……えー。というわけで。っつーわけで。明日か明後日くらいに、一つ話を載せてみようかと思ってます。昨日の夜中の2~4時の2時間くらいでまた一つ書いたのです。また短めの話ですけど。連載小説は、3月頭くらいから始めたいと思っています。まあ、忙しくて予定通りいかないかもしれませんが。っつーわけで、今後もよろしくお願いします。
2006年02月09日
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久しぶりに物語を書いてみました。毎日連載再開ってわけじゃないです。書きあがって勢いでアップしているので、文章の誤りとかが多いかもしれません。ちょっと長いかもしれませんが、暇なときにでも一気に読んでいただけたら幸いです。―――――――『夕日に染まり』 海岸を見下ろす位置にある駐車場で車を降りて、私たちは夕日を眺めた。 水平線へと沈んでいく夕日が世界を真っ赤に染めていて、言葉にならないほどきれいだった。 本当にきれいで、きれいすぎて、涙が出そうなほどだった。 私は、ここに連れてきてくれた彼に感謝した。そして今日一日のことを思い返して、彼と一緒にすごした楽しい時間に感謝した。 ……感謝していたら、本当に涙が流れてきた。「今日は、本当に楽しかった」 私が涙声でそうつぶやくと、少し後ろに立っていた彼の声が聞こえてきた。「そう。……それはよかった」 景色は文句なしにきれいで、彼の声は優しくて、私は泣きながら奇跡のように幸せな気持ちになっていた。 昨日の夜、私は彼に言った。「死にたい」と。 冗談じゃなく、本気で死にたいと思っていた。死ぬ気だった。恋愛や仕事やいろんなことが上手く行かなくて、私は限界だった。 彼は、長い間親しく付き合ってきた、私の一番の友達だった。 男女の友情なんて成立しない、と思う人も居るかもしれない。けれど確かに、私と彼とは友達だった。知り合ってからの8年間、いつでも私の近いところに彼はいた。一緒に出かけたり、他の誰にもできない相談をしたり、彼は私にとって一番の友達でありつづけた。 たしかに、お互いを恋愛対象として意識したことが一度も無いとは言えないかもしれない。考えたことはある。 ……けれど、結局そういう関係にはならなかった。そして、私たちは友達でいつづけた。 どちらかに恋人がいるときなどはあまり会う機会も少なくなるけれど、それでもたまに連絡を取り合ってお互いの存在を確認しあっていた。 最近も、会う機会が少なくなっている時期だった。 そして私は、彼の知らないところで、彼とはなんの関係もないところで、徐々に追い込まれていった。 ……そんな中、彼から電話がきたのだ。久しぶりにお互いの存在を確認するための電話。 昨日のそれは、奇跡的なほどに良いタイミングだった。 昨日の夜、私は自分の部屋で、本当に死ぬことばかりを考えて居た。 その電話がなければ、本当に手首を切ったりしていたかもしれないと思う。 私は電話で彼に言った。「死にたい」と。 彼には、それが冗談や軽い気持ちで言っている言葉では無いということが直感的にわかったのだろう。 彼は、何かを考えるように少しの沈黙を置いた後で、言った。「明日、ドライブに行こう」と。 そして今日、私の部屋まで彼は迎えにきた。 彼はいつも通りに私に接してきて、私もいつも通りに受け答えをした。 早めの昼ごはんを食べるためにファミレスに入った。 ご飯を食べながら、彼の話を聞いた。会社にいる変な同僚の話や、最近見た映画についての彼独特の解釈。 そんな話を聞きながら、私は久しぶりにお腹が痛くなるほど笑ってしまった。 それから私たちは、遊園地に行った。 彼は、ヒーローショーを見ながらツッコミを入れまくっていた。そのツッコミがいちいちもっともな指摘で、私は思わず笑ってしまった。 それから休憩所でどこかの子供が、手に持っていたアイスクリームの、コーンの上に乗ったアイスの部分だけを落としそうになった。彼は、それを地べたギリギリのところで見事に両手でキャッチしてみせた。……けど、彼の手に乗ったアイスを子供に返して食べさせることなんてできないんだから、彼の手が汚れただけでなんの意味も無かった。 ぶらぶらと歩く私たちに、高校生くらいのグループが写真を撮ってくださいと言って来た。彼は快くカメラマン役を買って出て、細かくポージングを指導したりして笑いをとっていた。 お化け屋敷でお化けに触って係員に注意された彼は、子供のように走って逃げた。 ……その日の彼は、神がかり的に私を爆笑させてくれた。 そして今日のドライブの帰り際、私たちは今まさに、こんなにきれいな夕日を眺めていた。 私はこんな場所があるとは知らなかったのだが、彼がここに行こうと言ったのだった。少し遠回りになるけど、海岸を一望できる景色の良い駐車場があったのだと言って。 ここは穴場だな、と私は思った。こんなに景色が良いのに、誰からも知られていないのか、駐車場には私たちの他に誰もいなかった。 私は夕日を見ながら、今日のことを思い出していた。 一日中笑いっぱなしだったような気がする。自分にかかっている不安や嫌なことの全てを忘れることができた一日だった。 私は、もう死にたいとは思っていなかった。今日の一日で、あれほど死にたいと思っていた気持ちが霧散してしまったようだった。 それも、全て彼のおかげだった。 付き合いの長い、最高の……“友達”のおかげ。「ありがとうね」 私は本当に感謝しながら言った。 すると彼は、少しの間を空けてから言った。「……俺さ、今までずっとお前に言えなかったことがあるんだ」 彼が急に真剣な声になった。普段とはまるで違う彼の口調に、自然と緊張した。私は彼の方は振り向かず、きれいな夕日をぼんやりと見つめたままで、その言葉の続きを待った。「俺……ずっとお前のこと……」 一拍置いてから、彼は続けた。「ずっと、愛していた」 突然の告白に、私は驚いた。心臓の音がトクトクと急に高鳴りだした。 なんだって突然、そんなことを言うのだろう。今までは友達だったのに、なんで突然……。彼が、私のことを、愛している。愛しているなんて……。私は彼のことを、友達としてしか見ていなくて、そんな……。 ……とにかく、なんて答えたらいいんだろう。私は、なんて答えるべきなんだろう……。 私は一瞬の間にそんなことをぐるぐると考えた。 すると、彼が私の後ろに立つ気配を感じた。……私は、抱きしめられるのかと思って緊張した。 瞬間、すっと、自分の首に細くて冷たいものが巻きついた感触がした。 なんだろうと考える間もなく、私は突然息が出来なくなった。 ―― 細いロープが、私の首を絞めていた。 私は首を絞めるロープを無我夢中で掴んで、それをはずそうともがいた。何が起こったのかわからず、ただとにかく苦しかった。 すぐ後ろから彼の声が聞こえた。耳に息がかかりそうなほど近くから。「俺ね、ずっとこうしたかったんだ」 彼は、いつもと変わらない優しい声だった。「……っ」 息が詰まって声を出すことが出来ない私は、その時になってやっと理解した。 彼が、私の首を絞めているのだと。「お前が死にたいって言って、俺、嬉しかったんだ。やっとお前のこと殺せるって思って。……俺、お前のこと愛してるんだ。だからずっと、……ずっとこうしたかったんだ。俺は、俺の手で、お前の首を絞めることばっかり考えてたんだ。……出会った頃から今まで、何年も、ずっと……」 彼は、私の首を絞めるロープに力を入れながら、本当に嬉しそうに言った。長い付き合いなので、彼が本当に喜んでいるんだということがその口調からはっきりと感じられた。 苦しくて私は暴れた。……けれど、ロープが緩むことはなかった。確実に息が出来ないくらいの強さで、頚動脈を血液が上がらなくなるくらいの強さで、けれど首の骨が折れないくらいの優しさで、彼は私の首を絞めつづけた。 私は、自分の手からだんだんと力が抜けていくのを感じていた。私の抵抗が弱くなったとき、彼は体をひねって私の顔を覗き込んで、言った。「……愛してるよ」 彼の表情も、声も、最後まで本当に優しかった。そしてまた、彼は私の後ろに回り、ロープを絞める手にじわじわと力を入れた。 それから意識が消える瞬間まで、私の目には真っ赤な夕日が海に沈む様子だけが映っていた。 ……その夕日は、文句なくきれいだった――。 おわり
2006年02月06日
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あけましておめでとうございますっ!って、遅い遅い。いや、僕の挨拶の遅さよりも、むしろ時間の流れる速さの方にビックリするべきだっつーの。なあ。そんなわけで、まあ、忙しい毎日に変わりありません。その割に、他の皆様の日記はチェックしていたりします。楽天ブログの皆様、足跡だけ残しといてコメントやら書き込みやらしていなくてすいません。皆さんのブログ読んで、楽しませてもらったり、じんわりさせてもらったりしてます。ありがとうございます。僕の記事にコメントやらくれた皆様に返事もしてなくてすいません。コメントありがとうございます。なんか、その、心の中で返事して満足してます。いや、ちゃんと返事を書かなきゃ伝わらないんですけど。その、すいません。文章書くの苦手なもんで……。……いや、言い訳になりません。苦手でも返事くらいしなさいっつーの。っつーかこんだけ書いといて苦手も何もないでしょーが。人に向けてコメントするのが苦手なのは、つまり、人付き合いが苦手なだけでは?…………とにかく、コメントいただけるの嬉しいっす。これからはできるだけ返事書きます。頑張ります。よろしくっす。で、小説の更新の方なんですが、上手く行けば2月の中ごろから再開しようかなーと思っています。その、学位認定のための論文を提出してしまえば、時間ができると思うので。そんなわけで、まあ、こんな愛想の悪い人ですが、ズボラで大雑把でマイペースな人ですが、今年もよろしくお願いします。
2006年01月19日
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休みます宣言してから2ヶ月が経ちました。未だに一編もお話を書いていません。正確に言うと、少し書いては、なんだか続きを書けなくなって筆を休め、しばらく経ってから以前に書いた部分を修正し、続きを書き始めようとして、そしてまた書けなくなって筆を休め――を繰り返している状態です。文章書ける人ってすげぇーな。おれ、ちっとも書けやしねぇよ。なんて。やっぱ私は文章書くの苦手なのかなー向いてないよなー全然上達しないしなー。とかマイナスなことを思って、じゃあいっそ書くのやめちゃえばいいじゃんって思ったりすることもあるのですが、いや、絶対にやめたくないっ!書きたいんだもん!って、駄々っ子です。そんなわけで、今年度中には新しい話を載せられたらいいなーって思ってます。そんなわけで、今年もそろそろ終わりですね。自分のために、今年一年のこのブログのことをざっと振り返ってみます。(「ざっと」と前置きしてる割に、かなり時間をかけて振り返っていきます)たぶん、人が読んでも面白くも何でも無い、このブログの今年一年の歩み。まず、今年の1月2月。この時期は載せる話が無くて日記を書きつづけていました。ほんとつまらない日記を毎日載せてました。「やばい!こんな日記載せつづけるの申し訳ない!」とか思ってました。そんで、どうしても日記を載せたくないから、無理して小説書いてました。まだフィクションの方が、読む人に言い訳ができると思って。人から「つまらない小説だな」って思われる分には、申し訳ありません精進しますって感じで受け流せるのですが、「つまんねー日記だな」って思われると、もう、消えてしまいます。そんなわけで、3月1日から小説の連載を再開しました。「天国のぬくもり」に始まり「恋する存在」を連載。4月に入って日記を混ぜつつ、「僕のアップルマフィン」「屋上にて」「屋上」。5月に「ドブネズ」と短編を少々。6月に「見守る存在~R~」「ある飲み会で」。そして、「二人の食事」の第1話連載開始。7月の終わりから「タイムカプセル」。8月に短編6本と「ダメ人間マン」の第2話。そして9月から10月の頭までに「二人の食事」の第5話まで連載。で、そこから休載に入りました。……一年でこんなに書いたんだ……ちょこちょこと短編を入れつつ、連載物としては7つの物語を書いたことになります。恋する存在を書いていた頃なんて、大昔のような気がしています。今年一年あっという間だったなあって思うけど、実際に今年の初め頃に書いていたものを思い出すと、大昔。自分、よくこんなに書いてたなあ……。個人的に気に入っているのは、「屋上」と「ある飲み会で」の短編二つです。今、この話を膨らませてもっと長い話を書こうとしているくらいです。(そのせいでなかなか思うように筆が進まないのか……)あと、「恋する存在」は自分の中で勢いがある時期に書いていたので、今読み返してみて、ああ、おれ、もうこんな話書けないんじゃねーの?って不安になりますね。……と、どうでもいい思い出話がやはり長くなってしまいました。すいません。まとめると、この一年を振り返ってみて、一番強く心に浮かんできたことは、読んでくれた方に対する感謝の気持ちです。自分がこの一年、これだけの文章を書いて発表することができたのは、やはり読んでくれる方がいらっしゃったからです。ありがとうございます。自分が書いたものを読んでもらえるって、すごく嬉しいことなんです。だから、私はこれからもへたくそな小説を書きつづけていくのだろうと思います。はい、そんなわけで、私の書く話を少しでも読んでくれたことがある人全てに感謝して、今年のこのブログを終えたいと思います。新年に入っても、相変わらず何もブログに載せない毎日だと思いますが、暇を見つけて少しずつでも書いていきますので、いつかまた連載を再開した時には、よろしくお願いします。それではみなさん、良いお年をー。
2005年12月29日
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僕のブログを読んで頂きありがとうございます。突然ですが、とりあえずしばらく休載します。次にいつから小説を始めるかは、まだまだ未定です。毎日連載小説は止めると言っても、時々は更新していくつもりです。日記というか、普通の記事も書くと思います。とにかく、小説は少しゆっくり時間をかけて書いてみようかと思っているのです。毎日連載を止めるということで、思うことをつらつら書いてみたら、やたら長々といろいろ書いてしまいました。以下の文章はあまり内容はないと思いますすいません。僕が毎日連載小説を書き始めたのは、去年の10月1日からでした。気がつけばもう一年が過ぎたのですね。始めた時は、先のことはまるで考えずにネタで毎日小説を書いて連載すると言ったのです。実はまともな小説なんて書けるはずもないと思っていたし、勢いでなんとかしようと思ってました。それで実際に一つ書いてみて(「マチビト」という話です)、それで、まあかなり拙い部分もある作品だったのですけど、なんとなく「あ、書けるじゃん。」という気持ちになってしまいました。いや、もう、本当に書く前には、これほどちゃんとした話(あくまでも、私から見てちゃんとしている話ということです。もちろん、全然ちゃんとした人から見たら、ちゃんとしてないのですけど)を書けると思っていなかったし、書きつづけることができるなんて正直思っていませんでした。私は、インターネット上の企画などに関しては、やると言ったのにやらないということが多いのです。いろいろとごめんなさい。けれどこの一年間、休みながらではあるけれど、これだけの話を書くことができました。そして生まれた作品達は、どれも思い入れがあって好きな話です。もちろん、自分が書く前に思っていたよりもなかなか面白いと思うものが書けたと言っても、プロの作家さんが書く話には到底及ばないですし、ネットで書いている人たちの中にも自分より面白い小説を書いている人がわんさか居ます。(というかつまらない人を探す方が難しいですかね)まだまだ自分の書いたものは、素人が好き勝手に書いているだけっていう枠を出ることはできない。それで、なんですかね、別にもともとは、書きさえしていれば良かったはずなんですが、いつの間にか、欲が出てきてしまいました。書いてるうちに、どんどん、もっと面白い、読む人が何かを思ってくれるような、そんな“良い話”を書きたいと思うようになってきたのです。そして、そういう気持ちが強くなるほどに、今の自分の書いているものに満足できなくなってきました。「言葉に出来ないことを、言ってくれる。」前クールの月9で妻夫木くんがなぜ映画を作るのかと聞かれてそう答えていました。僕も、誰かに伝えたいけど言葉にならないことを小説に書いてきました。ほんとヘタクソで読んでもらうのも申し訳ないようなものを今まで書き続けてきたのは、伝えたかったことがあったからだと思います。「毎日連載するっていう罰ゲームだから」って理由をつけてたのは、正直に書きたい読ませたいって言うのが恥ずかしかったからです。でも、今のまま書き続けても、きっと何も言葉にならないだろうなーって思います。毎日連載ってのに追われて勢いだけでとにかく書いてアップしなきゃって感じで、ただ書いているだけで、何を書きたいのかも、何を伝えたいのかもわからないから。だから、もちろん、別に、プロを目指すとかじゃないです。書くのをやめるってわけでもないです。ただ、毎日連載するとかの縛りを無くしたいってだけなんです。自分のペースで書いて、じっくり推敲して、そして、完成してからインターネットで公開する。そういう風にしたいのです。なので、この毎日連載小説ってのはとりあえずやめます。といっても、いつかまたここで小説を載せたいと思っているし、書きかけの話もいくつかあります。ダメ人間マンや二人の食事などは中途半端で完成してないですし、去年の年末に書いていた「タイトル未定」という話もいつか完成させたいと思っていました。なので、それらの話もいつか必ず書いて載せたいと思っています。で、結局、今後このブログをどうするかというと、まだ未定です。普通に日記のようなものを書いたりもしたいと思ってます。何か話を書き上げたら、ここに載せたいと思っています。ですが、すでに他のブログを書いていますし、実際に毎日日記を載せるということは難しいかもしれません。きっと、たまに書きたいことがあったら書くという、マイペースなブログになってしまうと思います。そんなブログになると思うので、まあ、気長に更新を待ってくれたら嬉しいです。というわけで、まとまらない文章ですいません。今後も、僕の書く話を読んだ誰かに、何かを思ってもらえるような小説を目指していきたいと思ってます。よろしくお願いします。2005.10.7 かめ
2005年10月07日
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~海鮮雑炊~・鮭 1/2切れ・塩タラ 1/2切れ・白菜 適量・人参 適量・ニラ 適量・万能ネギ 適量・シメジ 1/4パック・えのき 1/4パック・豆腐 少々・卵 1個・ご飯 茶碗2杯分・スープの素 大さじ1・塩 少々・酒 大さじ21、鮭を一口大に切って塩少々を振り、塩タラも一口大に切っておく。2、鍋に水4カップと、酒、スープの素、白菜、人参を入れ火にかける。3、煮立ったら魚を加える。4、塩で薄く味をつける。(魚から出る塩味によって加減する)5、ご飯と茸類を加え、さっとかき混ぜ、蓋をして弱火で煮る。6、いい感じに煮えたら、賽の目に切った豆腐と万能ネギ、ニラを加える。7、溶き卵をまわしかけ、半熟状に仕上げて完成。 レシピのほとんどが「適量」とかになってしまいました。これじゃあ分量載せてる意味も無いですね……。ただ、本当に自分の好きなだけの量で良いと思います。 失恋して帰った日に実際に作ったものは、こんな豪華なものじゃないです。鮭と白菜とネギに卵だけのもので……。 けどせっかくだから豪華なレシピを載せてみました。雑炊ってのは何でもありで、そりゃあ豪勢な材料を使えば当然美味しくなるものなのですよね。 ただし、あんまり個性の強すぎる食材だとせっかくの他の食材が生きてこないので気をつけて下さい。まあ、雑炊なぞ基本的にはお鍋の時に仕上げで作るくらいでしょうから、そんな心配も要らないかもしれませんが。 アツアツの雑炊を食べると自然と元気が出てくるのだけれど、今回は弘志のせいもあって食事中に泣いてしまいました。まったく、男のことでここまで弱るなんて、想定外。 もう失恋して雑炊を食べるのは終わりにしたいなあ……。
2005年10月06日
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「ここでいいの?」「うん、買い物してから帰るから」 私が助手席から降りてドアを閉めると、彼は助手席側の窓を開けた。 最初に送ってくれた時は、運転席から降りて見送ってくれたっけ、ということを私は思い出していた。「これで、もう会うこともないかな……。」 開いた窓から彼にそう声をかけると、こちらを見ていた彼は少し微笑んで言った。「……そうだね」「じゃあ……」「それじゃあ、さよなら。」 彼はそう言ってすぐに窓を閉めた。ウィーン――という窓の閉まる音とともに、私の顔が首の方から少しずつ、窓ガラスに映し出された。 私は、思っていたよりもずっと上手く感情を隠すことができていると、その笑顔を見て感じた。「さよなら」 私が別れの言葉を発した時には、すでに彼は正面を向いていた。そして、もう何の言葉も聞くつもりは無いという拒絶の意思を感じさせるスピードで、彼の車は走り出した。 彼の車が交差点を曲がって見えなくなるまで、私は夜のスーパーの前で立ち尽くしていた。 車の窓に映った自分の笑顔を思い出しながら、私は心の中で呟いた。 大丈夫。私は、ちっとも傷ついてなんかいない。 そして私は、スーパーに入っていった。 ―――― 部屋に帰ると、共用スペースであるリビングで、弘志がテレビを見ていた。「おかえりー」「ただいま」 私が買ってきた食材を冷蔵庫に入れようとキッチンへ行くと、ゴミ箱にコンビニ弁当の空きがらが入っているのが目に入った。「早かったねー。帰ってくるの」「ええ……。弘志はまたコンビニ弁当ですませたの?」「うん、だって加代子がいないと料理作る人がいないじゃん」「自分で作りなさいよ」「んー、それがなかなか出来ないのだよねえ」「どうしてよ。やってみたらいいじゃない。この前はシチュー作れたでしょ」 私がそう言うと、弘志は、うーん……、と少し考えてから答えた。「こないだのシチューにしてもそうだけど、加代子の料理を食べてると、自分で作る料理には納得できなくなるんだよね。だから、コンビニ弁当でも一緒かなあって気になる」 弘志はそんな言い訳を口にした。「本当は作るのが面倒なだけでしょ。そんなお世辞いらないって。……私今からご飯作るけど、食べる?」「マジで?じゃ、少しだけいただきます」 しょうがないなあと呟きながら、私は料理を始めた。 ――――「何かあった?」 私が作った料理を食卓に持っていくと、そう弘志が言った。「……どうして?私、何かおかしい?」「いや、いつもよりたくさん買い物してきたからさ。何かあったんじゃないかと思って」 私の癖だった。何かいやなことがあった時は、美味しいものを食べて忘れようと思う。そのため何かあった後は必ず普段よりも多くの買い物をするのだ。「……別に、セールだったからたくさん買ってきただけよ」「それに、雑炊だし」「……ただ時間遅かったから、簡単にできるものにしようと思って」 確かに、前に彼氏からふられて初めて弘志の部屋で食事を作った時には、キムチ雑炊を作ったのだった。我ながらワンパターンだと思う。「ふーん、ならいいけど。……あんまり無理しなくてもいいよ」「無理って何よ」「せっかくの同居人なんだから、何かあったら愚痴でもこぼせばいいじゃない」 弘志は真顔でそう言った。……弘志の言葉に、私は不覚にも泣きそうになってしまう。 普段は飄々としてるけど、彼は私のことをちゃんと見てくれているんだなあ――なんて思ってしまった。「……別に、愚痴ってほどじゃないけど」「ないけど?」「今日、最近付き合いはじめた彼と別れたんだよねー」 私は、きわめて軽い感じで言った。そんなことたいしたことじゃないんだけど、と、弘志に、そして自分に言い聞かせるように。 けれど、気がつくと涙が溢れてしまっていた。 どうして涙なんて溢れるの?私はちっとも傷ついてなんかいないのに……。 ―――― 弘志は、泣き出した私に声をかけたりはせず、ただ傍に居てくれた。言葉を発さずにただ静かに雑炊をすすっていた。 そんな弘志を見て、私も泣きながら雑炊をすすった。塩味が少し濃くなったけど、美味しかった。 一通り泣いて落ち着いてから私は言った。「弘志みたいに単純な男だったら良かったんだけどね」「……俺?単純かなあ。」「単純よ。餌をあげればなついてくる」 私の言葉に、弘志は軽く笑って返してくる。「その男に餌付けは試みたの?」 餌付けって……。私から先に餌と言ったのだが、弘志の返しに私も思わず笑ってしまう。「いや、料理は作らなかったなあ。外食が多かったから。手料理作ろうかって聞いたら、大変だから外食で良いよって」「たいていの男は単純だよ。ちょっと強引にでも料理作ってあげればよかったのに」「そうかなあ」「そうだよ。加代子の料理食べたら、たいていの男はやられるって」「……そう?」「うん、もしも別れることになったとしても、きっと後悔するんだよ。ああ、あんなに美味い料理を作れるのはあいつしかいないなあ――って。運が良ければ、よりを戻そうって言ってくる」「そんなに上手くいくかなあ……」「いくよ。俺が保証する」「……ありがとう」 もしも私とあなたのこのいびつな生活が終わったとしたら、弘志は私の手料理を食べられなくなって後悔するのかな。 ああ、あいつとずっと一緒にいられたら良かったのにって……。 なんてことを聞きそうになって、私は自分にストップをかけた。それじゃあまるで告白してるみたいじゃないか。こんなこと考えるなんて、私はよっぽど弱ってるらしい。 まあ、もし聞いたとしても、きっと冗談で返されるだけだろうけど。 ……けれど、どうやらかなり弱ってるらしい私は、弘志がいてくれて良かったと心から思っていた。 いつまでも今みたいに、ずっと弘志と一緒に居られたらなぁって……。 今みたいに平行線のままでもいいから、ずっと……。第5話「今日のは海鮮雑炊」 おわり
2005年10月05日
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「あの作家はもともと工学博士だから、切り口が他の作家とは少し違って……」 僕が好きな本の話を始めると、君は言う。「工学って、何やってる人?」 僕はキミにわかるように一生懸命説明するんだ。 工学って言っても幅広くて……。 基本的には物を作ったりシステムを作ったりすること全般なんだけど……。 そんな僕の説明を聞いて、キミは首を傾げてから言う。「工場とか?」 ……いや、まあ工場ってのは工学の塊みたいなところだけど、ただそれがそのまま工学ってわけじゃなくて、工学は学問だから、簡単に言うと工場とかで活かされる技術なんかを研究するところで――「あれ、あなたって何学部だっけ?」「僕も工学部だよ」「なんか自然守ってるって言ってなかったっけ?それも工学なの?」「うん。環境保全工学ってところだから。……僕はどちらかというと農業工学の方で――」 へぇー、とキミは僕の話をさえぎる様に、感心した時の声を出す。 ああ、きっと何もわかってないな、と僕は思う。「そうなんだぁ」「……わかってくれた?」 僕はダメもとで確認してみる。すると、キミは言う。「農業って、野菜だけじゃないんだね!」 ……あれ、工学は? そんな風に、僕たちはいつも噛み合わないんだ。<おわり>~~~~~~~~~僕は君を愛しつづけることができるだろうか。無償の愛を与えつづける神のように。そんなシリーズを書いてみようかとも思っていたのですが、駄文が積み重なるばかりで言いたいことも言えずに。僕が愛に見返りを求めてしまうことを、君は責めるのだろう。なんつって。だからどーしたと自分で思ってしまう。恋愛に関して書こうとすると、必ず滑稽なものになってしまいます。でもまあ、外から見たら滑稽なものなんだよね。恋愛って。……ああ、そうか。つまり自分が恋愛の最中にいないからか。とか、そんなわかったようなことを思いながら。で、突然ですがしばらく消えようかと思います。明日あたりに今後の方向性を示して。
2005年10月04日
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~ほうれん草のクリームシチュー~市販のシチュールゥ 1箱 鶏肉(もも) 1枚玉ねぎ 中2個にんじん 中1本じゃがいも 中3個ほうれん草 1束サラダ油 大さじ2 水 6カップ 牛乳 1カップ 1.ほうれん草は固めにゆで、3~4cm長さに切る。2.厚手のなべにサラダ油を熱し、一口大に切った鶏肉、玉ねぎ、にんじん、じゃがいもを炒める。3.水を加え、沸騰したらアクを取り、材料が柔らかくなるまで弱火~中火で煮込む。4.いったん火を止めて、ルウを割り入れ、再び弱火でとろみがつくまで煮込む。 5.仕上げに(1)のほうれん草と牛乳を加えて、ひと煮立ちさせる。 弘志が作ったシチューは、鶏肉、じゃがいも、にんじん、玉ねぎだけのシンプルなものだったけど(たぶん箱の裏に書いてある通りに作ったんだ)、勝手にほうれん草を入れたレシピを書いちゃいました。シチューの白の中で緑が良いアクセントになるんです。 ほうれん草以外にも、ブロッコリーとか、いんげんなんかの豆を入れるのもいいと思う。 肉は鶏肉じゃなくても、ベーコンとかウィンナーでも美味しいですよね。 弘志は焦がしちゃったので、しっかり野菜に火が通ってからルゥを入れるように気をつけましょう。それから野菜を炒める時にも焦がしちゃわないように注意して。 クリームシチューならルゥが無くても小麦粉と牛乳でホワイトソースを作ればいいんだけど、やっぱりルゥを使う方が簡単に美味しく出来るから、私はルゥを使うことが多いですねー。料理好きなくせにけっこうズボラだから、小麦粉を玉にしちゃって大変なことになったりするんですよ…… ルゥを使ったって手作りは手作りだし、それなりに工夫も出来るからいいじゃないですか!ねえ!――そういえば、「今度は加代子ちゃんの手料理も食べてみたいなぁ」ってあやちゃんが言ってたなぁ……
2005年10月02日
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「またお邪魔してもいいかな?」 玄関で靴をはいたあやちゃんは、振り向いてそう言った。 もちろん、と私たちが答えると、あやちゃんはとびっきりの可愛い笑顔を見せた。 今日は私のためにこんな風に祝ってくれて嬉しかった。あやちゃんともさらに仲良くなれたと感じたし、3人でいるのは思っていたよりも自然だった。 それにしても、本当にあやちゃんはただ私たちの友達になりたいだけなのだろうか。いや、こんな風に勘繰ってしまうのは良くないのかもしれないけれど、やっぱり弘志が目当てなんじゃないかという考えが頭から消えない。 だって別れ際のあやちゃんの顔なんて、なんか恋してる笑顔って感じだったし。 食器などの後片付けをしてくれてる弘志に、私はそんなことを言ってみた。すると弘志は、少し考えてから言った。「あやちゃん、友達は少ないみたいだよ。」 弘志のその言葉は意外だった。あやちゃんは、きっと私なんかより友達がたくさん居るんだろうと思っていたから。「・・え?あんなに明るくて楽しい人なのに、なんで?」「んー、・・・あんまり勝手に話すのは良くないと思うから、今度聞いてみなよ。」 弘志はそう言って食器を洗い始めた。 私はシンクに立つ弘志の隣まで行って、洗うのを手伝うことにした。「いいよ、今日は加代子が主役なんだから。」「別にいいって。・・それより、なんて聞けばいいのよ。」「ん、何が。」「今の話。あやちゃんに友達が少ない理由。」「・・・あやちゃんって、どうして友達少ないの?・・・とか。」「いやいやいや、失礼だから!傷つくから!」「・・・んー、じゃあ、向こうから話すの待つしかないかな。」「・・・そうかぁ。」 私はあやちゃんに友達が少ない理由を考えてみた。・・・あんまり可愛いから女の子に嫌われるのだろうか、いや、そういう男に媚びるタイプでも無さそうなんだけど・・・。 そんなことを考えていると、弘志が言った。「とにかく、あやちゃん友達が少ないから、友達欲しいんだって。前に彼女と食事に行った時に相談されたんだ。でも男の人と友達になりたくても、相手が自分のことをただの友達だと思ってくれなくてなかなか上手くいかないって。」「ああ、それはそうだ。」 あれだけ可愛いなら、ただの友達以上に思われてしまって当然だ。「でも加代子と友達で居る俺を見て、俺が相手なら自分も友達になれるかもって思ったらしいよ。」「ああ、それもそうだ。」 弘志なら、人畜無害そうだ。 それにしても、前に二人で食事に行ったのは友達としてあやちゃんの相談を聞くためというのは本当だったんだ。 ・・・でも、友達から恋人になるってことは良くあることだ。それなら、あやちゃんと弘志が恋愛に発展しないってことも、絶対に無いとは言えないと思うけど・・。 私がそんな疑問を口にすると、弘志は少し躊躇ってから、だからこういうことを俺の口から言うのはどうかと思うんだけど、と前置きして言った。「あやちゃんはね、男の人を、恋愛対象として見られないんだって。」 弘志は、私に意味を理解させるために、ゆっくりとそう言った。「え?」「だから、つまり・・・そういうこと。」「そういうことって・・・」 そういうことって、どういうこと?「だからさ、ほんとに俺とはただ友達になりたいだけみたいだよ。」 弘志は、「俺とは」を少し強調して言った。・・・それってつまり、どういうことだろう。 ・・・私は帰り際のあやちゃんの笑顔を思い出した。第4話 終わり~~~~~~~~~~んー、迷走でした。細かいところいろいろ直したい。どうでしょうか、感想何かあればよろしくお願いします。明日からちょっとまた旅行チックなので、レシピは土曜日に載せます。
2005年09月28日
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弘志の焦げ味シチューを食べ終えた頃に、あやちゃんが言った。「・・・加代子ちゃん。彼にはさ、加藤さんと同居してること言ってないんだよね。」 あやちゃんはマジメな顔をしていたが、私は笑いながら答えた。「もちろん、言えるわけないよ。」 他の男と同居してるなんて知られるわけにはいかない。たとえ何もないただの友達だとしても。「ずっと内緒にしたままで付き合っていける?」「んー、どうだろうね。」 そりゃあ、今の時点で多少は無理があるかもと思い始めている。私の家にあげることは出来ないし、何より私自身が、今の自分の状況に違和感を持っているのだ。「たしかにこのまま弘志と一緒に住みつづけるのはいけないかなあと思ってるけど。」「・・・そう。」 あやちゃんがそう言って黙ってしまったために、なんだか重い雰囲気になった感じがした。私はその空気を払い飛ばすように明るく言った。「だから、まあ、いざとなったら弘志にはこの部屋出て行ってもらわなきゃならないかな。」「そうだねえ・・・って、俺が出てくの!?なんでだよ!」 今まで黙っていた弘志が、すかさず絶妙なノリツッコミを入れた。「元々俺の部屋なんだから、出てくのは加代子の方だろー。」「えー、私お金無いんだもん。この家ちょうだいよ。」 私がそう言うと、あやちゃんも割って入ってきた。「そしたら、加藤さんの代わりに私がこの部屋に住むかな。」「いやいや、だから俺が出てく理由が見当たらないって!」 弘志が冷静になれという仕草をしながら、自分が一番冷静じゃない風に言った。そして3人で笑った。 正直なことを言うと、私はまだもう少しこのままで居たいと思っていた。だから、自分からこの部屋を出て行くとは言えなかった。 それがいびつなことだと自分で感じているのだけれど・・・。つづく
2005年09月27日
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弘志がシチューを見ているキッチンとの間にはドアなどは無いため、リビングでテーブルに座っている私とあやちゃんから弘志の様子を窺うことができた。何やら真剣な眼差しでシチューを見つめている弘志が見えた。 私はふと嫌な予感がしたが、その時あやちゃんが私の恋人のことを聞いてきたので、取りあえず弘志とシチューのことは頭から追い出すことにした。「加代子ちゃん、昨日は彼に祝ってもらったんだよねー。プレゼント何もらったの?」 あやちゃんにそう聞かれて、私は首にかけたネックレスを見せながら言った。「え、ああ、うん。このアクセサリーもらった。」 私には、最近付き合い始めたばかりの彼がいる。昨日の誕生日当日は、彼に祝ってもらったのだった。「いいよねー。祝ってくれる彼氏がいて。」「まあ、ね・・・。」 たしかに、誕生日を彼からも友達から祝ってもらえて、私はかなり幸せだと思う。けれど、彼と過ごした昨日のことを思い出すと、なんだか素直に喜べない自分がいた。 そんなところを敏感に感じ取ったのか、あやちゃんが言った。「なんか、あんまり嬉しそうじゃないけど。」「そう?そんなことないけど。」「もしかしたら、昨日なんかあったとか。」「いや、なんかあったってほどじゃないんだけどね。誕生日祝ってもらえるのは嬉しいし。」 そう言って私は笑った。「ならいいけど・・」 本当に、特に何かあったというわけでは無いのだ。ただ、私が弘志と同居していることを秘密にしているのが引っかかって、素直に楽しめなかったというか・・。「できたよー。」 その時、キッチンから弘志が戻ってきた。手にはシチューの入ったお皿を持っている。「今度は大丈夫?」「うん、たぶん。」 たぶんって、本当に大丈夫だろうか。私は弘志が前に置いたシチューをすくって食べてみた。「・・・うん、野菜に火は通ったみたいだけど・・・」「けど?」「弘志、これ焦がしたでしょ。」 私がそう指摘すると、弘志はイタズラがばれた子供みたいな笑顔になった。「・・・え、わかる?焦げた部分は取ったんだけど。」 先ほど真剣な顔をしてシチューに向かってると思ったら、あれは焦げを取っていたところだったのか。「焦げの匂いがシチューに付いちゃってる。」 そう言って私は弘志を睨んだ。「・・・食べられない?」「いや、そこまでじゃないけど。」「じゃ、良かった。」 良くはないだろと私は思ったけれど、弘志が笑っているのを見るとそれ以上怒る気にもなれなかった。 ま、初めての料理だし、しょうがないか。つづく~~~~~~~~~~はい、はい、あと2回くらいでこの回は終わりです。が、明日からちょっと居なくなります。2日ほどお休みさせていただいて、次回の更新は27日の火曜日にしたいと思います。それにしても、迷走迷走で結局何が言いたいかわからない話になってしまいました……。
2005年09月24日
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3人そろってキッチンにきて、鍋の中にどぼどぼとシチューを戻した。「いやー、こんなに固いとはなあ。」 弘志は鍋の乗ったコンロに火をつけながら呟いた。「ってゆーか、野菜が煮えてるか確認しなかったの?箸で刺してみるとか、一つ食べてみるとか。」「あー、基本的には目視で、なんとなく大丈夫かなあって。」 ああ、弘志。あなたは本当に料理できないんだねぇ。「まあでも、普段料理作ってないなら仕方ないですよ。」「だよねえ。」 だよねえじゃないよ。きっと弘志はレシピ通りに作ったんだろうなあ。そして、味見もしてなかったに違いない。慣れとかそういうことじゃなく、料理に対するスタンスの問題だ。まったく、どこか抜けているのは弘志らしいと言えばらしいが。 私たちはとりあえず野菜が煮えるまで待とうと、リビングのテーブルを囲んで座りなおした。「じゃあ、先に私の料理から。」「え、あやちゃんも作ったの?」「うん。家で作って持ってきたの。」 あやちゃんは手提げバッグからタッパを取り出した。「から揚げでーす。」 タッパをあけると、美味しそうなから揚げが詰まっていた。「うわあ、あやちゃんはちゃんと料理できるんだね。」「そりゃあ、女の子ですから。」「ほんと、美味そうだなー。」 弘志もタッパの中を覗きこみながら言った。 ・・・と、ここで私は何か違和感を感じた。何か忘れているような・・・。「・・・弘志、なんでここに居るの?」「え?」 鍋を火にかけて、そのまま3人揃ってリビングに戻ってきて・・・。「あなたは鍋を見てなきゃだめでしょ!ルゥ入った後のシチューなんてかき混ぜなきゃすぐ焦げるんだから!」「え、あ、そっか。そうだね。」 弘志は慌てながらキッチンへと戻った。ったく、ほんとにしっかりして下さいよ。 ふとあやちゃんを見ると、彼女はそんな私と弘志を見ながらクスクスと笑っていた。私もおかしくて、つられて笑った。つづく
2005年09月23日
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次に弘志とあやちゃんは、キッチンから料理を運んできた。 今日は私の誕生日ということで、なんと弘志が料理を作ってくれたのだ。「はい、どうぞー。」「わぁ。クリームシチューかぁ。」 リビングのテーブルの上に置かれたお皿からは、シチューのいい匂いが漂っていた。「食べても良い?」 私が聞くと、弘志は得意げな笑顔で言った。「どうぞ。」 弘志の態度を見ていると、なかなか出来に自信があるんだなと思った。私は期待しながらスプーンで弘志のクリームシチューを食べた。「うん、なかなか美味しい。」「だろ。俺が作ったんだから。」 まあ、得意になるほど特別美味しいってほどじゃなく、味は普通のクリームシチューだけど。でも、まあ、弘志が作ったと思って食べると、美味しく感じられた。さすがに料理をしたことが無い弘志でも、シチューくらいは作れたようだ。 ・・・しかし、二口目を食べたとき、ガリッという感触がした。「あ・・・」 私が美味しいと言ったのを見届けてからスプーンを取った弘志とあやちゃんは、二口目を食べた私の異変に気がついて手を止めた。「加代子、どうした?」「・・・固い。」「え?」「人参もジャガイモも、固い。」 一口目ではスープしか口に入らなかったので気がつかなかったが、野菜がまだ固かった。 それを聞いた弘志とあやちゃんも、確認のために野菜を選んで口に運んだ。「・・ほんとだ、ガリガリ。」 あやちゃんが一口食べてから、言った。弘志は、咀嚼した瞬間に笑いをこらえていた。「弘志、笑い事じゃないでしょーが。」「・・ああ、ごめん。いや、でも、あはは。これは無いなあ。」 弘志はシチューもまともに作れない自分がおかしいのか、笑いながら言った。「・・・もうちょっと、煮込もうか。」 あやちゃんがそう提案して、私たちは自らの皿に入ったシチューを鍋に戻すことにした。つづく
2005年09月22日
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ハッピーバースデーの曲が終わると同時に、私はケーキのろうそくに息を吹きかけた。「加代子さん、誕生日おめでとうございますー。」「おめでとうー。」 弘志とあやちゃんが拍手をして祝福の言葉をかけてくれる。「ありがとうー。」 私は、なんだか照れてしまう。こんな風に誕生日を祝ってもらうのは久しぶりだ。 昨日が私の誕生日だったので、今日、部屋で誕生パーティーをしようということになったのだ。弘志とあやちゃんとの3人で。「これ、私からのプレゼントです。」「俺からも。はい。」 それぞれ私にプレゼントの入った包みを渡してくれる。素直に、嬉しい。「うわあ、ありがとー。開けてもいい?」「どうぞ。」 まずはあやちゃんからのプレゼントを開けた。「あー。香水。」「うん。前に街で香水見てたから。」「しかも、私の好きなやつ。何でわかったの?」「え、ほんと?嬉しい。加代子ちゃんに似合いそうなやつ選んだんだ。」「ありがとー。」 あやちゃんからの香水は、まさに自分が買おうかと思っていたものだった。「加代子、普段香水つけてるんだ。」「うん、つけたりつけなかったりだけど。あやちゃんありがとー。使うね。」 あやちゃんは、ほんとに私と感覚が合う。私の好みもピタリと当てる。 次に、弘志からのプレゼントを開けてみた。こっちは、少し大きめの包みだ。 包装を開けて出てきたものは・・・干物?「えー、何これ。」「鮭トバ。好きでしょ?」「好きだけど!誕生プレゼントに鮭って!」 いや、これはこれでかなり嬉しいのだが、誕生日のプレゼントがこれって。「後で食べようよ。」「やっぱり、自分も食べたいから買ってきたんでしょ。」 私が笑ってそう指摘すると、弘志もふっと笑って言った。「まあ、そうだね。」 あやちゃんが、そんな私と弘志を見て笑いながら言った。「やっぱり仲良いね、二人。兄弟みたい。」「え?そうかな。」「兄弟って。・・・まあ、恋人よりは兄弟に近いかもしれないけどさ。」「だから、一緒に住んでも友達としてちゃんとやっていけるんだろうね。」 あやちゃんは微笑ましそうに私たちを見ながら、そう言った。 今日、ここにあやちゃんが来ると聞いた時、私はビックリした。弘志は、あやちゃんに私と同居していることを話したらしいのだ。そして、私の誕生日だから家に来ないかと誘ったらしい。 まさか、弘志が他の人に、しかも同じ職場の人に私たちが同居していることを話してしまうとは思わなかった。つづく~~~~~~~~ちなみに、弘志は新巻鮭を買おうか迷った挙句に鮭トバにしました。自分がもらって嬉しいものって考えると、やっぱり鮭かなぁって・・・。
2005年09月21日
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私の話を聞いて、弘志は言った。「佐々木さんとかなり仲良くなったんだね。」「・・・・うん、まあ、仲良くなったのかな・・。」 彼女の急激な距離の縮め方に最初は戸惑ったが、カフェの席について話をし始めた頃にはそれほど違和感はなくなっていた。話してみれば、なかなか気も合うし楽しかった。 私は弘志に聞いた。「彼女って、どうして私と仲良くなろうとしたのかな。」 答えはわかりきっている。おそらく私と弘志との関係が知りたいからだろう。本当にただの友達なのか、それとも・・・・。「どうしてって、仲良くなりたかったからじゃない?」 弘志はそう答えた。「・・・仲良くなりたいのはどうしてかって話よ。」「どうしてだろうね・・。」 弘志は普段はとても勘が鋭いのだ。その考えに思い至らないわけはないと思う。・・・とぼけているのだろうか?それとも自分のことになると鈍いのだろうか。「・・・弘志に関係があるんじゃない?」 私は誘導するようにそう聞いた。すると、弘志は先回りして逆に聞き返してきた。「んー。もしかして加代子は、佐々木さんが俺に気があると思ってる?」「・・・違うの?」 弘志とあやちゃんがいい感じなら、それを応援したいと思っていたのだが、違うのかだろうか。「別に、佐々木さんとはただの友達だね。」「だって、一緒に食事に行ったりしてるでしょ。」「それは、佐々木さんの相談に乗ってたの。友達として。」 えー、ただの友達?・・・本当にそうかなあ。つづく~~~~~~~~~~~~んあ。迷走。文章が上手く書けない病にかかりました。やっぱ、始めからある程度流れを決めておかないとダメですね。果たして立て直せるだろうか・・・。
2005年09月20日
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「あやちゃんと、ケーキ食べてきた。」 家に帰った私は、弘志にそう報告した。 弘志は私の友達であり、同居人だ。同じ部屋(寝室は別だが)に若い男女が二人で暮らしていて何もないというのは信じられないことかもしれないが、私たちはただの同居人として何事もなく暮らしている。「あやちゃん・・・って?友達?」「佐々木あやちゃん。弘志の同僚の。」「佐々木さんと?なんで?」私は、あやちゃんと街で偶然会い、彼女に押し切られる感じでケーキを食べに行ったことを報告した。あやちゃんと一緒に行ったカフェのケーキは、確かに美味しかった。私はガトーショコラを、彼女は何やら難しい名前のついたイチゴムースのケーキを注文した。運ばれてきたガトーショコラを一口食べると、香ばしい生地の中に凝縮された濃厚なチョコの風味とほんのりとした甘味が、口の中で解き放たれたように広がった。「すっごい美味しい!」「イチゴのムースケーキも美味しいよ。」 あやちゃんはそう言って、自分のケーキの皿を私に薦めてくれた。私は遠慮なく、自分のフォークでムースケーキを一口分切り取って口に運ぶ。「うわあ、ムースも美味しい。」「私もガトーショコラもらうね。」「うん。食べて食べて。」 そんな風に私たちは美味しい美味しいと言いながらケーキを食べた。カフェに来る途中、私と年齢が同じことを知ったあやちゃんは、「じゃあ、お互い敬語はやめよう」と言った。さらに、「佐々木さん」と呼ぶ私に「それも、名前で呼んでよー。」と。仕方ないので私は遠慮せずにあやちゃんと呼ぶことにした。呼んでみれば確かに、彼女には「あやちゃん」がしっくりくる。 と、そんな雰囲気であやちゃんとケーキを食べたということを弘志に話した。 つづく~~~~~~~~~昨日は更新を休んでしまいました。申し訳ありません。ラムしゃぶを食べてきました。カラオケにも行ってきました。姉と、姉の旦那さんの家族と。あちらの家族と食事に行くのは初めてだったので、ちょっと戸惑いました。で、ちょっと飲みすぎました。で、酔っ払って家帰ってきてすぐ眠ってしまったので、更新できませんでした。あまり記憶がはっきりしないのだが、こうやって小説なんて書いているということを話してしまった。・・・ああ、家族には見られたくないなあ。探さないでください・・・。
2005年09月19日
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彼女は、そんなそれほど親しくも無い私を街で見かけ、気がついてない私に躊躇わずに声をかけてきた。・・・なぜだろう。 まあ、佐々木さんが私と違って誰とでも積極的に友達になろうとするタイプだということも理由の一つだろう。けれど、それだけではない気がする。 私に近づきたい理由、あるいは私に特別興味を抱く理由が何かあるのではないだろうか。いや、というかそういう理由があるとすれば、弘志のことに違いないのだが・・。 ・・・まあ、何にしても、あまり長話をすることは無い。私は彼女との会話を楽しもうという気持ちよりも、早く彼女と別れて一人になりたいという気持ちが強かった。「加代子さんは、何を買いに来たんですか?」「え・・・と、本屋とかに行ってきたんだけど、特に何が目的ってわけじゃなくぶらぶらと。」「そうですかー。」 ・・・と、そこで会話は途切れる。私は、「それじゃあ・・・」と言って歩き出すタイミングをはかった。「加代子さん、これからまだ買い物ですか?」 彼女がそう言った。これは、会話を切り上げるチャンスだ。とりあえず今日は、これで彼女と別れて家に帰ろう。「・・いえ、そろそろ帰ろうかと思ってたんですけど。」「じゃあ、時間ありませんか?良かったらカフェでも行きません?」 そうですか、ではまた。と言って別れるところを想定していた私は、彼女のその発言に虚をつかれた。「そ・・・え?カフェ、ですか?」「はい。私、のど渇いてて、それで前から行きたかったカフェがあるんですけど。あ、そこのケーキが美味しいらしくて。でも一人でカフェに入るのもなんだか味気ないし、良かったら付き合ってもらえませんか?」 佐々木さんは笑顔でそう誘ってきた。「・・はい。いいですけど。」 眩しいほどの笑顔で楽しそうに誘ってくる彼女の雰囲気に押されて、私は思わずその申し出を受けてしまった。「やった。それじゃ行きましょうか。」「え、ええ。」 そして私たちは、並んで歩き出した。つづく
2005年09月17日
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「加代子さん?」 一人で街をぶらぶらしていると、後ろからそう声をかけられた。振り返るとそこには、見覚えのある可愛い笑顔があった。「・・ああ、佐々木さん、でしたっけ。・・こんにちは。」「こんにちはー。最近良く会いますね。買い物ですか?」 彼女、佐々木あやさんは、私の同居人である弘志の同僚の女性だ。「ええ。佐々木さんは?」「今日は美容院行ってきたんですよー。」 そう言って彼女は髪の毛にそっと手をあてた。ふわっと広がるようにセットされた髪型が、彼女の愛くるしい表情に似合っている。「どうですか?なんだかふわふわしすぎちゃった気もするんですけど・・。」「いや、似合ってますよ。とっても可愛くて。」「そうですかー。ありがとうございます。」 佐々木さんは照れたように笑った。その笑顔が、かなり可愛い。 可愛い女の子は嫌いじゃない。けれど男の前であからさまにキャラクターを作っている女の子は、好きにはなれない。 ・・佐々木さんはどうなんだろう。私の前でもこういう仕草をするということは、可愛い子を作っているわけじゃなく、これが彼女の素なのかな。いや、私から弘志に伝わるのを気にしているから素は見せられないのかな。 彼女と弘志が今現在どういう関係なのかは聞いていない。きっと、まだ付き合うという所までは行っていないのだろうが、二人で食事をする程度には親しいのだろう。 というのも、私の知る限りでは弘志と彼女は2回ほどデートしているが、どちらの時も日が変わらないうちに弘志は帰ってきたのだ。・・・それはつまり、推測でしかないが、二人がすでに恋愛関係にあるとしてもまだプラトニックな付き合いだということだろう。 それにしても・・と私は思った。それにしても、よく佐々木さんは私に声をかけてきたな。 私が佐々木さんと会うのは今日が3回目だ。今までの2回は、私が弘志とお祭りに行った時に会ったのと、それから佐々木さんと弘志が二人で街を歩いているところにばったり遭遇した時。 つまり、私と彼女は共通の知人が居る顔見知り程度の関係で、立ち止まって長話をするほど親しくはないのだ。 正直、私が佐々木さんを街で見かけても向こうが気づかなければ声をかけないだろう。つづく~~~~~~~~連載始めました。今日から連載始めると言ってしまった昨日の自分を消してしまいたいほどにまったく書けてないのです。その上だらだらと長い文章になってしまったので、中途半端なところでつづくにしてしまいました。とにかく、この話を終わらせるまで頑張ります。よろしくお願いします。
2005年09月16日
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一週間以上更新しなかったのは久しぶりです。かめっち死んだか、あるいは病気か!と、まあ、あまり誰も心配しない。普通にブログは書いてましたし。えーっと、長期で休んでいてすいません。明日あたりから連載開始します。二人の食事の第4話を予定しています。まだ完成して無いし、書く時間もほとんど無いのですが、とにかく始めちゃえばなんとかなるかもと思っています。もともとそれでやってきましたし。というわけで、ご期待ください。
2005年09月15日
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台風が近づいてきているわけです。もう窓の外は雨あられですわ。あられ・・は、まあ、降ってません。雨ですわ。はて、この雨霰って、そもそも本当の雨には使いませんか。そうですね。そりゃそうだ。雨や霰のように何かが降り注ぐ時に使うんだ。ははぁ。で、ですね、本題は「毎日連載小説」という所なんですよ。9月3日にあとがきを書いてから、4、5、6、と3日間放置してしまいました。申し訳ありません。ちょっと、まあ、連載しようとしていた話があるんですけど、それが書きあがらないわけです。この話を書きあがらないうちに載せちゃうのはちょっとなーと思うので、書きあがるまで待ってください。というわけで、連載未定です。申し訳ありません。ちなみに、私が日記を書いているブログはこちらです。こっちはほぼ毎日更新していますので、よろしければどうぞ。
2005年09月07日
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はい、「ダメ人間マン2」のあとがきです。1話目のあとがきで「ひょっとしたらあるかもしれない」と言っていたダメ人間マンのつづきです。第2話「仲間」ということで書いてみました。読んでくれた皆様、ありがとうございます。まだ読んでいないという方、是非よろしくお願いします。読む気は無いという方、ああ、そうですか。読んでいただけると嬉しいのですが・・ええ、あ、はい、わかりました。まあ、読んでくれたら嬉しいのですが、是非読んでみて下さい!とオススメするのはちょっと躊躇われる。そんな愛すべきお話がこの「ダメ人間マン」です。駄文です。もう、勢いで書きました。ストーリーはどうでもいいから、ネタを入れれるだけ入れていこうという方針で書きました。その肝心のネタがすべり気味なのは、それはもう僕の力が及ばなかったということです。申し訳ありません。最近、このブログでは謝ってばかりな気がします。物語を連載して謝り、休載して謝る。もっと頭を使い少しでも面白い話をひねり出せば、謝る必要は無いというのに。けれど頭を使うのは、頭を下げるその時だけ。って、きみまろ風で。そんなわけで、まあ、とりあえず第2話も書き上げましたぞこのやろー。ちなみに2話目が終わったということで、3話目はあるのかというとこが気になります。ええ、本人が一番気にしてます。この話のつづきは、なんとなーくこんな感じで行こうかなあという構想はすでにあります。ただ、それを文章にするためには今まで以上のパワーが必要になりそうで、絶対にこのつづきも書きます!とは言い切れません。けれど、もしかしたらつづくかもしれない。いつか、また、あなたがヒーローを必要とした時にダメ人間マンは帰ってくるのかもしれません。その時は、また読んでいただければ嬉しいです。ということで、きれいにまとまったよーなまとまってないよーな。2005年9月3日 かめ@ゴミスティピョン
2005年09月03日
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赤川と司令官の二人は、川沿いの道を夕日に向かって歩いていた。 赤川の背には、変身が解けて元の姿に戻ったアカリが眠ったまま背負われている。「ダメ人間マンは変身の副作用で、戦闘が終わると気を失ってしまうのです。」「・・ああ、そういえば俺も大佐と戦った時に気を失ったな。」 先ほどの体育館でのアカリとワリカン伯爵との戦いは、まさに激闘だった。 アカリの先制パンチは見事にワリカン伯爵にヒットした。しかしパンチを喰らったワリカン伯爵も、体勢を崩しながら蹴りを出して応戦してきた。 そして、激しい打撃の攻防が始まった。 ステージ上での大人のやりとりを見ていた小学生達は、突然始まったリアルバトルに一斉に立ち上がり応援しだした。そのため、体育館のステージは異様な熱気に包まれバトルリングと化し、そのステージ上でアカリと伯爵は一進一退の戦いを続けた。 アカリと伯爵の距離がいったん開き、二人の手が止まった。お互いにじりじりと間合いをはかっている。 膠着状態を打開するように、アカリが叫んだ。「あなたの言ってることは、やっぱり間違ってるわ!!」 そしてアカリはワリカン伯爵に突進していった。「男女の恋愛は、女性が優遇されて当然なのよっ!!」 その言葉に一瞬怯んだワリカン伯爵の顔面に、アカリの繰り出したパンチがクリーンヒットした。さらに、ダメージを受けて昏倒しているワリカン伯爵に、アカリは必殺技を繰り出した。「これでおしまいよっ!必殺!質入キック!!」 アカリの放ったキックは伯爵をステージの端までふっとばし、気絶させた。 倒れたワリカン伯爵に向かい、アカリは言い放った。「・・・あなたからのプレゼント、いいお金になったわ。」 そして、アカリも気を失って倒れてしまった・・・・。 そうして、倒れて変身が解けたアカリは、赤川が背負って帰ることになったのだ。沈みかけた太陽が、赤川達を正面から真っ赤に照らしていた。 赤川はアカリの戦いを思い出しながら言った。「しかし、このアカリって子は、もの凄いな。」「そうですね。貢げない男は男じゃないのでしょう。」「まあ、物でしか愛を感じられないってのは、可哀相な気もするけれど。」「・・・ねえ、赤川さん。」 そう言って司令官は、少し前に出て後ろ向きで歩きながら、赤川の顔を覗き込んだ。「私は、高価なブランド物のプレゼントなんかよりも大切なもの、赤川さんからもらっていますから。」 司令官の言葉と表情に、赤川の背筋に悪寒が走った。「きっ、気持ち悪ぃよっ!」「そんなこと言って、顔が赤くなってますよ。」「夕日が当たってるんだから当たり前だ!」「あはは、わかりましたよ。夕日ってことにしといてあ・げ・る。」「しといてあげる、じゃねえよ!だから、気持ち悪いっつってるだろ!」 赤川に背負われているアカリは、つい先ほどから目を覚ましていた。しかし二人の会話を聞いて、そのまま寝たフリを続けることにした。 まさか、この二人男同士なのに・・・・。で、でも、そういうこと人がいるってことも認めてあげないとダメよね・・。それに、ああ、そういうのもなんだかちょっといいかも!・・・なんてことを思いながら、アカリは赤川の背に体を預けていた。 ・・・・世界の平和を守るため、戦え!ダメ人間マン!もっともっと、ダメになれ!ダメ人間マン!!ダメ人間マンの戦いはまだまだ始まったばかりなのだ!!第2話・おわり
2005年09月02日
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「ア・・・アカリ?」 ワリカン伯爵がアカリの豹変にうろたえている隙に、アカリは伯爵が持っていたマイクを奪い取った。「『男女平等な社会を作るために、ワリカンから始めましょう』っててめぇさっき言ってたよなぁ!」「え、ああ。言ったけど・・・」「ワリカン?はぁ!?普通は男の方がたくさん食べるし、お酒もたくさん飲むんだから、同じ額払ってたら女の方が割りに合わねぇだろーがぁっ!!」 アカリはそう言って、マイクを床に叩きつけた。 ガーンッ、カラッ、コンコンコン・・・・「って、お前はマジャかよ!」 と赤川が突っ込んでいると、マジャことアカリは転がったマイクを拾い上げて続けて言った。「だいたいなぁ、お互いの経済状況とかあるんだから、どっちがいくら払えば平等かなんて人それぞれなんだよ!」 ヒートアップしたアカリは一気に捲くし立てた。「食事以外のことでもそうだよ!人には向き不向きがあるんだから何事も役割分担してやるのがいいに決まってんだろ。それなのに、みんなが同じことを同じようにやるべきだなんて、そんなのちっとも平等じゃねーよ!」 ガーンッ、カラッ、コンコンコン・・・・ 体育館全体に一瞬の沈黙が訪れた後、ワリカン伯爵は言った。「・・確かに、どうすることが一番平等かということは人それぞれで違うかもしれない。・・しかし、アカリと俺との関係は、平等だったと言えるかな?僕はキミに言われるままに何でも買ってあげた。けど、それは平等な付き合いと言えたかな。」 ワリカン伯爵は見苦しいことに、終わったはずの二人の恋愛話を持ち出してきた。 アカリは先ほどのマジャとはまったく違う、一人の女性としてのテンションになって言った。「・・確かに、私の方ばかりたくさんプレゼントをもらっていたけれど・・。でも、私は・・」「キミは何?キミは、プレゼントをもらうかわりに僕に愛情をくれていたとでも言うのか?・・・僕だって、お金以外の方法でキミに愛情を表現したいと思った。だから、これ以上何でも買ってあげるのはやめようと思って・・・でも、そのとたんにキミは別れようと言ったじゃないか。それは、結局僕はキミに物を買うだけの男でしかなかったってことだろ?」 ワリカン伯爵は一気にそう捲くし立てた。そんな伯爵をキッと睨んで、アカリは強く言い放った。「物でしか愛情を感じられないんだから、仕方ないでしょう!そんな私なんだから仕方ないじゃないのよ!」 そして、俯いて小さな声で呟いた。「だから、そんな私を受け入れてくれないのなら、私たち別れるしかなかったのよ・・。」「アカリ・・・」 場内にまた沈黙が訪れた。ステージ下の小学生までもが、固唾を飲んで二人を見ている。その沈黙を破ったのは、今度はアカリの方だった。「私たちは別れた。それはもう終わったことなのよ!そして今はもう、あなたは私たちダメ人間マンの敵なのよ!あなた達の思うような世界は間違ってるわ!覚悟しなさい!」 アカリはそう言って、いきなりワリカン伯爵へと殴りかかった。つづく
2005年09月01日
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変身したアカリが赤い変身スーツに身を包んでいるのを見て驚いている赤川に、司令官が言った。「よく見てください。」「え?よく見ろって・・・」 赤川がどう見ても、アカリは全身赤だった。「赤川さんの赤とは、ちょっと違いますよ。」「いや、え・・」 ・・確かに言われてみると、真っ赤というよりは、少し黄色が入っているだろうか・・あれは、朱色?か?「そう、アカリを漢字で書くと、朱に理科の理で“朱理”なんです。アカリさんは、“ダメ人間ヴァーミリオン”ですっ!」 司令官は高らかに宣言した。「ヴァーミリオンって!難しい単語出したなおい!響きかっこいいけど!」 てゆうか、ヴァーミリオンって言われても朱色だってパッとわかんねーよなぁ。っつーか、レッドとヴァーミリオンって、近くねえか?普通はもっとすぐに見分けがつく、ブルーとかイエローとかじゃねーのか?「仕方ないですよ。名前が朱理なんですから。」「って、すげえ理屈だな、それ。」「・・・それより、ステージ上がどうなってるのか気になりますね。」 そうだ、色のことはとりあえず置いておいて、今はステージに上っていったアカリのことだ。・・・さっきからいろんなものを置いてきている気がするが・・・。 赤川がステージ上を見ると、息を切らしたアカリがワリカン伯爵を睨みつけ、そのまま膠着状態であった。「え?フルフェイスのヘルメットみたいな変身スーツなのに、よく睨んでるってわかりますね。」「うるせーよ。なんとなくそんな感じだろーが。」 司令官の指摘はもっともだが、今はそんなことに構っている暇はない。「・・いったい、どういうこと?」 ステージ上で、アカリが口を開いた。「その声は・・アカリなのか?」「ええ。そうよ。・・・カンちゃん、どういうことかちゃんと説明してよ。」 アカリの質問に、ワリカン伯爵は答えた。「・・・俺、昨日からこの完璧な地球作りプロジェクトの正会員になったんだ。そして、ワリカン伯爵に任命された。」「てゆーか昨日って!入っていきなり講演してるのかよ!しかも、そんなすぐ伯爵なんて称号もらえるのかよ!!」 赤川は思わずつっこんでしまった。なんていい加減な団体なんだ。 ワリカン伯爵は話を続けた。「知り合いがこのプロジェクトに居てさ・・・アカリと別れてから、俺、考えたんだ。・・そして、何か始めようと思って・・・」「そんなこと聞いてるんじゃねーよ!」 ワリカン伯爵の話を聞いていたアカリは、突然そう叫んだ。つづく
2005年08月31日
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ステージ上のワリカン伯爵を見て言葉を失っているアカリの代わりに、司令官が言った。「あのワリカン伯爵は、アカリさんの元カレです。」「えっ、元カレって・・。」「一昨日別れた、元カレですよ。」 司令官は普段と変わらない調子で言った。「一昨日別れたって・・・」 突然の話に赤川は言葉を失ってしまった。いったいこれはどういうことなのだろうか。アカリは、そのことを知っていたのだろうか?いや、知っていたらこれほど驚きはしないだろう。アカリは、彼がワリカン伯爵だとは知らなかったのだ。 司令官は、ワリカン伯爵がアカリの元カレだと知っていたのだろう。いや、というよりもワリカン伯爵の元カノであるアカリをダメ人間マンに勧誘したということか? 赤川がその疑問を口にする前に、司令官は答えた。「いや、アカリさんと付き合っていた時は、まだワリカン伯爵ではなかったはずです。プロジェクトと何らかの接触はしていましたが、正会員ではありませんでした。・・・とにかく今は、ワリカン伯爵の講演の様子を見ましょうか。」 司令官のその言葉で、赤川はステージに意識を戻した。 ステージの上ではワリカン伯爵が「男女の不平等を改善するために、まずはワリカンから始めましょう」という持論を展開していた。その話が小学生相手の講演に相応しいかどうかは疑問だが・・。「・・・許せないわ。」 ワリカン伯爵の講演が半ば頃まで差し掛かった時に、先ほどまで震えていたアカリがそう呟いた。「アカリ?」「・・・装着!」 そう叫ぶと、一瞬でアカリはダメ人間マンに変身した。いかにも戦隊ヒーローといった赤い全身タイツに包まれたアカリは、もの凄いスピードで走りだした。「ちょっ・・待てよ!アカリ!」 赤川がキムタクよろしく呼び止めた時には、アカリはすでにステージの上でワリカン伯爵と向かいあっていた。赤川達が居た場所からステージまで赤い筋が通ったように見えるほどの、人間離れしたスピードだった。「・・すげぇ、変身したらあんな速く走れるんだ・・」「ええ。自分ではわからないかもしれませんけど、赤川さんも変身したらあれくらいは動いてますよ。」「ほんと、赤い閃光って感じだったもんなぁ・・・」 赤川はステージ上のアカリを見ながら、自分もダメ人間レッドに変身して助けに入らなくてはと思った。 ・・・しかし、思いながら、赤川は何か違和感を覚えた。ステージ上の全身赤いスーツに包まれたアカリを見て・・赤いスーツ・・・赤?「って、赤?赤って、あれ?・・・ダメ人間レッドって俺じゃなかったっけ!?」つづく
2005年08月30日
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赤川とアカリと司令官の3人は、小学校の体育館にきていた。 体育館には体育座りをする小学生が列を作り、まだ主役が登場する前のステージの上を見あげている。 体育館に入る時に渡されたパンフレットには、『特別講演会~平等な社会を作るために』と書かれている。この講演会は小学生だけではなく父母などの一般の人たちにも公開されていて、赤川達も簡単に中に入ることができたのだ。 この講演会を見にきた理由は、この講演会の講師が『ワリカン伯爵(完璧な地球作りプロジェクトチーム)』だからである。 完璧な地球作りプロジェクトチームとは、なんか間違った理屈で完璧な地球を作ろうとたくらんでいる(おそらく)悪い奴らで、倒すべき敵である。そんな奴らが小学生相手に講演を行うというのだから、正義のヒーローダメ人間マンである赤川達はそれを潰さなくてはならないのだ。「しかし、パンフレットに堂々と名前を書くとはね。」「基本的に、彼らは自分たちを悪だとは思っていませんから。堂々としていますよ。」 講演が始まるのを待っている時に赤川と司令官がそんな話をしていると、アカリは言った。「ああー、早く戦いたくてウズウズするわ。どんな奴らだろうと叩きのめしてやるっ!」 ・・バトルマニアなの?「えー、それではこれより特別講演会を始めます。」 司会役の先生らしき人がステージ脇のマイクで講演の開始を告げた。「・・早速、本日の講師をお呼びします。完璧な地球作りプロジェクトチームのワリカン伯爵さんです。どーぞ。」 ええー。・・伯爵に“さん”付けちゃったよ。なんか色々ツッコミ所があるよなぁ・・と赤川は思った。そもそも、なんでこの特別講演を主催した学校側は、こんな奴らに講演を依頼したのだろうか。「学校側は完璧な地球作りプロジェクトチームをちゃんとした団体だと思いこんでこの講演を依頼したんでしょうね。何らかの方法を使って操っているという可能性もありますが・・きっと、ただ騙されているだけだと思います。」 司令官は赤川の心を読んだようにそう言った。「あんな胡散臭い団体、普通信じるか?」「ま、人それぞれでしょう。」 いやいや、だって完璧な地球作りだよ?有り得ないでしょう、と赤川は思ったが、まあ、その話はとりあえず置いておくことにした。今はとにかくこの講演をぶっ潰さなくてはならない。 赤川がステージに注目すると、ステージの上ではすでにワリカン伯爵らしき男が現れていた。ただ今ご紹介にあずかりました、と結婚式のスピーチみたいなことを言っている。 その時、赤川の隣で同じくステージのワリカン伯爵を見ていたアカリが呟いた。「カ・・カ、カンちゃん・・」「・・・カンちゃん?」 赤川はそう聞き返した。あるいは“カカンちゃん”かもしれないが・・。「アカリ、あいつのこと知ってるのか?」 そう赤川が問いかけたが、アカリは答えられずにただ震えていた。つづく
2005年08月29日
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司令官のロンブー風リアクションは大げさだとして、確かに男に貢がせるというのはあまりよくないなと赤川は思った。「・・・でも、プレゼントされると嬉しいし、男の子が好意でしてくれることだから。」「まあそうだけどさ・・。」「自分でも、それは悪いことだって思ってる。私はダメな女だってわかってる。・・でも・・・やっぱりプレゼントしてもらいたいって気持ちの方が強い。私のためにお金使ってくれない人は、私のこと思ってくれてないんだって思っちゃう・・・。」 そう言ったアカリは、本当に悲しそうな顔をした。そんなアカリを見て赤川は心が動いた。 そうだよな、確かにプレゼントされたら嬉しいってのは当然のことだよな。それに、これだけ可愛くて心根は良い子なんだから、貢ぐ男がたくさんいるってのもわかるし、ずっとそういう男達に囲まれてたら、そういうのが当たり前になっちゃうのかなー。 と、そんなことを赤川は思った。それは、可哀相だな。とも。「・・ところで赤川さんは、どうしてダメ人間なの?」「え、俺?・・俺は、一言で言うと人のこと僻んだりする性格かな。人生上手くいかないのは自分の努力が足りないからなのに、例えば、俺は就職決まらないのにどうしてあいつらばっかり、とかって思っちゃうところ。」「そしてそんな自分を『俺ってダメだなぁー』って思うマイナス思考なところもですね。」 と、司令官が赤川の説明を補足した。「・・じゃあ、赤川さんは今大学生?」 アカリが聞いた。「え、ああそう。来年の春からは・・フリーターかな。」「貯金とかあるの?」 さらにアカリは質問を重ねる。「え?いや、全然無い。」「じゃあ何、全然お金持ってないの?」 アカリは眉間に皺を寄せ、マジで?と言った顔をした。「え、ああ、そうですけど・・・」「なーんだ、素直なふりして損しちゃった。」 そう言ったアカリは急に足を崩し、カバンからタバコを取り出した。「灰皿ある?」「え、あ、この部屋禁煙なんだけど。」「なにそんな小さいこと気にしてんのさ。そんなダメな性格でその上お金も無いんじゃ、あんた男としてもどうかと思うよ。」 そう言ってアカリは携帯用の灰皿を自分のカバンから取り出し、くわえたタバコに火をつけた。そして体をのけぞらせながら、堂々と煙を吐き出す。 ・・ひょ、豹変した。 そうか、お金を持ってない男の前じゃあこんな感じなのか。と赤川は恐怖を感じた。 司令官はそんなアカリを見てから、自分の両頬に手をあてた。「ぎゃー!!」「いちいちうるせえよっ!!」 確かに、ぎゃーって言いたい気持ちはわかるけど・・。つづく
2005年08月28日
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