遊心六中記

遊心六中記

PR

×

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

茲愉有人

茲愉有人

Calendar

2016.12.17
XML
カテゴリ: 探訪 [再録]

                              [注記:探訪時期・2014年2月]
行願寺(革堂)から寺町通を下がると、次は御池通を横断したところにある 本能寺 ということになります。冒頭写真の文字が少し小さいですが、でお気づきでしょうか? 本能寺の「能」という漢字が普段目にすることのない異字体です。簡単に文字変換できない漢字ですので、ここでは「能」を使用します。 (本能寺のホームページでも説明文中では「本能寺」表記です。)

だが、その前にいくつかご紹介しましょう。
 行願寺を少し南に下がると。最初に目に止まったのがこれです。車道と歩道の境に 石の碁盤が置かれている のです。なぜ、こんなところに?

その傍に 駒札 があります。なんと、このあたりが、 囲碁「本因坊」発祥の地 だったのです。探訪の意識なしに歩いていたら気づかないで通り過ごしたかもしれません。

寂光寺の別名「久遠院」が町名として名残をとどめ るなんて・・・・。
京阪電車の三条駅から川端通経由で、 仁王門通を東に入ると、そこに現在の寂光寺があり 、その門前に「碁道名人 第1世本因坊算砂 (さんさ) 旧跡」の石標が建てられているのは知っていたのですが・・・・。
おかげで、度重なる京都の大火や都市改造がお寺の移転をもたらした結果について、地理的関連づけの知識が増えてきました。探訪のおもしろさですね。

地図を確かめると、行願寺のある行願寺門前町の南、寺町通の東が梅之木町・藤木町、西側が久遠院前町となり、さらに南に通りの両側合わせて常磐木町と続いていきます。
地図(Mapion)はこちらからご覧ください。

 少し南に、 一保堂茶舗 の京都本店です。
寺町通二条上ルにあります。常磐木町です。
日本茶の専門店、京の老舗の一つです。「近江屋」の屋号で享保年間(1717年)に創業され、弘化3年(1846)に山階 (やましな) (資料1) 「一保堂茶舗」のサイトへはこちらからどうぞ。


寺町通二条のコーナー部分にある句碑。 井原西鶴の句碑 です。
井原西鶴といえば、すぐに『好色一代男』、『日本永代蔵』、『世間胸算用』など浮世草子の作者の側面を連想してしまいます。一方で江戸前期の俳諧師でもあったのですね。

(おおくかず) 』は全10巻に及ぶのです。そのデータベースが公開されています。補遺をご覧ください。

寺町通二条の南西側は妙満寺前町、南東側は榎木町となります。
この辺りで、有料駐車場になっているスペースの道路端、フェンス越しにひとつの石標と駒札が目に止まりました。

「間部詮勝寓居跡」
この辺りに、法華宗の妙満寺があり、あの「安政の大獄」の折り、江戸幕府老中・越前鯖江藩主・間部詮勝がこの寺に滞在して勤王志士弾圧の指揮を執ったのだとか。
知らないことが多い・・・・。探訪はまさに歴史の勉強です。
 1856(安政3)年  吉田松陰 松下村塾を開く
 1858年 4月井伊直弼、大老就任 6月日米修好通商条約調印 9月安政の大獄
 1859年 10月橋本左内・吉田松陰ら死刑
 1860(万延元)年 1月勝海舟ら咸臨丸で渡米 3月桜田門外の変
 1862年 1月坂下門外の変 4月伏見寺田屋事件 8月生麦事件     (資料2)
「安政の大獄」は、まさに「尊皇攘夷思想」が吹き荒れ、幕末動乱期の前夜だったのですね。その大獄の一拠点がこのあたりにあったとは・・・。

京都市役所の建物を東に見て、御池通を横断し、寺町通の商店街のアーケードの下に入ると、すぐ左側(東)が本能寺の表門です。冒頭の写真。



                  表門に向かって右脇にこの駒札があります。

「敵は本能寺にあり!」で有名となり灰燼に帰した本能寺はこの場所ではありません。
油小路蛸薬師一帯に伽藍を構えていたときが「本能寺ノ変」に関わる歴史上の本能寺です。このときの「本能寺跡」は「油小路を歩く」というシリーズでご紹介していましたので、後日再録したいと思っています。
この寺町御池の本能寺は「本能寺の変」の後に、豊臣秀吉が移転再建したのです。
江戸時代の京都市中の大火で移築再建後の本能寺はまたもや灰燼に帰しました。
つまり、石塔・墓石や大火の類焼を免れた寺宝以外は比較的新しいものばかりということになります。

                 本堂 昭和3年(1928)の造営                         


寺紋の提灯が掛けられています。

本堂の背後(東側)に様々な廟所・墓所が並んでいます。
 まずは 「信長公廟」
本堂の背後、南東方向です。河原町通にこの廟横に通じる細い通路の門があります。河原町通から本能寺境内に入るのに便利な裏門です。

天明・元治の大火類焼の影響でしょうか、 供養塔 は部分損傷しています。
この供養塔は三男信孝の命によって建てられたそうです。
ちょっと興味深いのは法名の表記です。 この本能寺の供養塔は「惣見院殿」と表記 されています。
現在一般的に目にするソウケンイン殿は「総見院殿」です。このシリーズで少し触れている阿弥陀寺では「総」の文字に関して異なる漢字が使われています。阿弥陀寺についても同様に、後日再録したいと思っています。


「信長公廟」の北隣りはこんな風に供養塔などが並んでいます。



写真の左 にあるのが、 「本能寺ノ変戦没者」のための供養塔 です。
「本能寺ノ変戦死陣没之諸霊」として、来栖備後守を右上頭とし、成田輿左衛門を左下末尾まで、ずらりと名前を明記した真新しい駒札が建てられています。

中央は、華道本能寺家元流祖大住院(以信)日甫上人の花供養塔
左には「本坊文化会館建設功労者」のための供養塔です。

この供養塔の列より北側の一角に、段上に配された供養塔・石塔があります。
その左側に詳しい説明文が掲示されています。
説明文の右側から、下段・中段・上段という配置になっているのです。


本堂のちょうど背後の位置にある廟所と石塔群

中央奥の唐破風造の屋根のある廟所が、 「法華宗宗門史蹟 日像聖人御墓」 です。


廟所の左右にはこの本能寺の歴代聖人の廟として石塔群ができているようです。

「信長公廟」から少し南側に覆屋があり、そこに2つの墓石があります。

江戸末期の南宗画画家、浦上玉堂・春琴父子の墓です。


本能寺のホームページにある「境内マップ」をご覧いただくと全体がわかりやすいと思います。 こちらからご覧ください。

さらに、寺町通を南に下がります。
つづく

参照資料
1)  一保堂の歩み  :「一保堂」 
2)『新選 日本史図表』 監修 坂本賞三・福田豊彦 第一学習社
3) 本能寺  ホームページ

【 付記 】 
「遊心六中記」としてブログを開設した「イオ ブログ(eo blog)」の閉鎖告知を受けました。探訪記録を中心に折々に作成当時の内容でこちらに再録していきたいと思います。ある日、ある場所を訪れたときの記録です。私の記憶の引き出しを兼ねてのご紹介です。少しはお役に立つかも・・・・・。ご関心があれば、ご一読いただけるとうれしいです。

補遺
寂光寺(囲碁本因坊の寺)  :「京都観光Navi」
『西鶴誹諧大句数(おおくかず)』のデータベース :「国際日本文化研究センター」
   第8巻の57句目が句碑にあるものです。これは独吟の連句集なのですね。
《西鶴俳諧大句数》世界大百科事典内の《西鶴俳諧大句数》の言及 :「コトバンク」
井原西鶴  :「コトバンク」
井原西鶴   :ウィキペディア
井原西鶴  :「京都大学電子図書館」
画聖雪舟をしのぐ天才画家 浦上玉堂 :「こやま泰生」
浦上玉堂  :「おかやま人物往来」
浦上春琴  :ウィキペディア
浅絳山水図 浦上春琴筆  :「夜噺骨董談義」
本能寺と塔頭  :「ちょっと言いたくなる京都通」(「伊藤久右衛門」)
   日甫上人とその華道について触れています。
華道本能寺の紹介  :「華道本能寺家元総務 中野恭心のホームページです」

   ネットに情報を掲載された皆様に感謝!

(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)


探訪 [再録] 京都・寺町通を歩く -1 寺町頭、阿弥陀寺・十念寺・仏陀寺・本満寺ほか へ
探訪 [再録] 京都・寺町通を歩く -2 大原口、石薬師御門、本禅寺、清淨華院 へ
探訪 [再録] 京都・寺町通を歩く -3 廬山寺(紫式部邸宅址)その1 へ
探訪 [再録] 京都・寺町通を歩く -4 廬山寺(御陵・墳墓)・御土居 その2 へ
探訪 [再録] 京都・寺町通を歩く -5 梨木神社、仙洞御所と御苑の門、新島襄旧邸、横井小楠殉節地ほか へ
探訪 [再録] 京都・寺町通を歩く -6 下御霊神社 へ
探訪 [再録] 京都・寺町通を歩く -7 行願寺(革堂)へ
探訪 [再録] 京都・寺町通を歩く -9 天性寺、矢田寺、三嶋亭、てらぼん へ







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2016.12.17 14:42:38
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: