遊心六中記

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2017.08.23
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カテゴリ: 観照 & 探訪

インターネットで調べると、 7月10日が長刀鉾の鉾建てと出ていました 。見られる範囲で観察してみようと、半ば思いつきで出かけました。
この画像は四条大橋の中央で撮ったもの。南北の両欄干に笹竹が設えられ、注連縄が張られています。何のため? と思いつつ、まずは四条通を大丸の西側になる長刀鉾町まで向かいます。この意味はいずれ・・・・ご説明します。


ビルの1階に 「長刀鉾保存会」の銘板を掲げた奥行きの深い会所フロアー が見えます。
この前を幾度も通り過ごしながら、ここが開放されている状態は初めて見ました。

祇園祭巡行の山鉾、つまり山と鉾は、入手資料によると、 前祭の場合には「山鉾建て」が10~14日、「曳き初め、舁き初め」が12~13日という行事日程になっています。
山や鉾がそれぞれの町内で組み立てられると、巡行姿の飾り付けができた形で、鉾は「曳き初め」、山は「舁き初め」が行われるのです。組み上がった山鉾が支障なく動くかの初試しです。この「曳き初め、舁き初め」には、関係者以外の一般人も参加させて貰えます。すべてがそうかは知りませんが、かなり以前に、船鉾の曳き初めを見物にでかけた折り、曳くのに参加できました。それが今のところ1度だけですが曳き初めの楽しい記憶です。




胴組の組み立て作業には、6~10人くらいの人々が携わっているようでした。
鉾の一番重要な基礎構造体となる胴組です。胴組の木材はすべて組み立て・分解できる部材が使われています。組み上げた胴枠を、釘を使わずに、荒縄だけを使う「なわがらみ」とよばれる技法で固定し補強していくのです。人力だけでの作業です。

筋違い部分がなわがらみの技法で縛られていく作業途中の状態





部材が集合してくる胴組の四隅上部の荒縄の組み方をご覧ください。
柱は内側へやや傾斜しています。


胴枠の上部、水平方向の筋違いとなる部材が中央で上下に組み合わされています。金具で補強が為されているようです。

ぬき :横木)が通されて、ほぞがはめ込まれています。貫の固定用ストッパーなのでしょう。
四本の柱は4mほどの高さ、そして四周に各3本の貫が使用されています。

 会所の一隅には荒縄や繊維の縄が沢山置かれています。




縄を貫に巻き付け引っ張る人、木槌でトントンと縄を叩き締める作業をする人、二人の協働作業ですき間なく均等に縄が絡められていきます。


この画像の、右側の柱の足元をご覧ください。
四条通の路面に四角に穿たれた穴が設けられているのです。鉾を組み立てる位置決めになる窪みなのでしょう。そして、この穴に差し込まれた杭と横軸の木材が、重要な役割を担っていくのです。
四条通にこんな四角の穴が設定されているのを初めて知りました。普段はどうなっているのか、一度見てこようと思っています。


北面の縦方向の筋違いの交点がなわがらみで仕上げられた姿がこれです。

こちらが胴組の東面の仕上げの姿なのでしょう。
ここに、もう一つの「なわがらみ」技法の仕上げの美が見られます。


胴組の中央で、こんな作業が行われていました。これが何を意味するのかは、不詳。
お忙しいときに質問もできませんし・・・・・・。ご存じの方、ご教示ください。


北東角の柱の上部の仕上がり状態だと思います。



角度を変えて、撮ってみました。


胴組の作業と並行して、会所の中では別の作業が進行していたのです。
鉾建ての初日の作業である胴組の組み立て作業の後半を眺めている間に、胴組の中心部に建てられる「真木」の飾り付けの準備作業が行われていたのです。

会所の中ほど、東壁沿いに 「天道大日如来」 と記された提灯を提げた小祠が見えます。



真木の先端側に藁と縄で作られた 飾り結び「しゃぐま」 が見えます。
真木に設置される「天王台」の下に 、長刀鉾では塔の九輪に相当する 7個の「しゃぐま」がとりつけられるそうです。


これで本日の作業は一旦終了のようです。この時、時刻は18:15頃でした。
鉾建ての後半は、7月11日につづきます。

閉店時刻までわずかでしたが、「永楽屋」の喫茶室に行き、毎夏楽しみにしているかき氷「宇治金時氷」を食べてひと休み。30分弱で店を出て、四条大橋に戻ります。18:55頃でした。橋に架かると、お囃子が聞こえてきました。その方向を見ると、


四条大橋西詰の老舗中華料理店「東華菜館」の南隣りにある料亭「ちもと」の2階からでした。
窓際に「菊水鉾」の提灯 が提げてあります。 菊水鉾の囃子方の人々がお囃子を演奏されているのでした 。巡行日までの準備の一環なのでしょう。
みそそぎ川の上に張り出された夏の風物詩である川床で、食事や談笑を楽しむ人々には、この時季にしか味わえないお囃子が、京らしいバックグラウンドミュージックになっています。

つづく

参照資料
「祇園祭 山鉾行事」 今年入手したリーフレット
『祇園祭再見 山鉾篇』 松田元編並画  郷土行事の会

補遺
長刀鉾の由来   地域交流  :「外市株式会社」
祇園祭  :「祇園祭山鉾連合会」  
長刀鉾
菊水鉾

永楽屋  ホームページ
永楽屋喫茶室
京料理 ちもと   ホームページ
北京料理 東華采館   ホームページ

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Last updated  2017.10.23 10:18:51コメント(0) | コメントを書く


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