遊心六中記

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2019.07.26
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カテゴリ: 観照
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北観音山を南から眺めた景色 です。手前の棒には、「天保貳辛卯歳六月吉日」と彫り込まれています。天保2年(1831)は十二支紀年法では辛卯 (かのとう) になります。 (資料1)

この近く、通りの西側の町家は通りに面した前面が開放されて屏風祭を行われています。





この町家の飾り付けを拝見するのを一つの楽しみにしています。毎年どこかに異なる要素を発見できるのです。飾り付けの変化点を見つけるのを楽しみにしています。
今年、真っ先に目に止まったのは、「南無観世音菩薩」と染め抜いた着物です。

さて、北観音山に南からアプローチします。

駒形提灯の間から、見送りが見えています。
  南東側から 

西から眺めた側面。天水引、下水引が三枚重ねの飾りとなっています。


埒の間から眺めた 「なわがらみ」の美
山を構造材を使って組み立てるのに、荒縄で縛り付けるのですが、その際技法が様々に駆使されています。山鉾によりこの「なわがらみ」技法が微妙にことなります。
山鉾巡行では見られません。正に縁の下の力持ち的な部分。隠された伝統美です。
山鉾建ての時か、巡行終了後の解体作業の時にしか、全体の隠された美を見つめることはできません。

北西側から見上げた景色。隅飾りの金具と房は、山鉾によりそれぞれ異なります。






北側にこの駒札が設置されています。

北観音山は、「鉾」ではなく「山」に分類されます。「山」が発展して、一見「鉾」のように大型化しています。山であることは、鉾頭の代わりに、「真松」が屋根の上に立てられていることで識別できます。

北観音山と前回ご紹介した南観音山は、 ともに楊柳観音像 が巡行当日、山に祀られます。そして、 北観音山では韋駄天像、南観音山では善財童子 がそれぞれ脇侍として祀られます。



通りを少し北に歩みますと、同じ六角町内・通りの西側に、 「三井両替店旧址」 を示す木標と駒札が立っています。江戸時代の新町三井家邸跡です。
駒札には、この場所の変遷にも触れられています。平安時代:後鳥羽上皇の御所地⇒江戸初期:龍野藩脇坂家の京藩邸地(一部)⇒1686年:三井高利が両替店を開設という変遷です。ここの新町三井家の邸宅内にあった常盤殿が、1956年(昭和31)に祇園の八坂神社境内に移築されたそうです。 (駒札より)

ここから、通りを南方向に眺めた景色。北観音山がすぐ南に見えます。



通りの東側には、通りに面した町家の窓を開放し、座敷に屏風や衝立が飾られているのを拝見したりしながら、六角通を横断しさらに北上します。

六角通を上がると、一筋北の三条通までの間が 三条町 です。「八幡山」のある町内。
通りの西側にある町家。八幡山の幕が表に懸けてあります。

八幡山の駒形提灯と、巡行当日までの山の姿
巡行当日までは普通の山はどこでも、山を飾る懸装品やご神体はほぼ全て会所に展示されています。

通りの東側に八幡山の会所があります。ここが会所の路地への入口。路地を東に入って行くと、

南側の建物にご神体や懸装品他一式が展示されています。




こちらの鳥居と金色の社が山に載せられ、今周りを囲む欄縁が、山の四周を飾ります。
社は天明年間の作と伝えられるとのこと。中に鎮座する小像は、 運慶作応神天皇騎馬像 です。 (資料2)
私が好きなのは、ここに置かれている童子の蝋燭立てと飾り金具です。


本殿の背後の壁面には懸装品が展示されています。

東側の壁面には、胴掛が展示されています。

何度も八幡山を訪れながら、この「矢伝・島左近所用」を今まであまり意識していませんでした。今回「島左近」の名前に引きつけられました。右隣りは棟札です。歴史を感じさせる証拠品です。


会所の座敷の北側には、八幡山の社殿があります。普段はご神体はこちらに祀られているようです。
「八幡山」は、京都府八幡市の石清水八幡宮を町内に勧請されたものです。


八幡山の幕を懸けた別の町家



近くの別の町家の窓越しに眺めた屏風祭。この龍像を1年ぶりに拝見です。

八幡山の最後に、宵山までに会所近くで子供達が歌う童唄をご紹介しましょう。

 八幡さんの厄除けのお守りはこれより出ます
 明日は出ません今晩限り  (この行は23日だけ)
 御信心の御方様は、受けてお帰りなされましょう
 ろうそく一丁献じられましょう。そうそく一丁どうですか
 ちまきどうですか。おまもりどうですか。
 鳩笛、鳩鈴どうですか

各山で、それぞれの唄を聞けるのも宵山までの祇園祭の風物詩です。

この後は、三条通を東に進み、室町通に入ります。
続く

参照資料
1) 『歴史探訪に便利な日本史小典』 日正社
2) 八幡山でいただいた「八幡山」ガイド資料

補遺
祇園祭の北観音山 ​ ホーム facebook
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Last updated  2019.07.28 17:17:06
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