遊心六中記

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茲愉有人

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2026.07.21
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カテゴリ: 観照


第3ステージは、<死後の世界の門を叩け!> です。

「新王国時代の歴代ファラオが眠る王家の谷には、『門の書』と呼ばれる葬送文書があり、12の門扉で守られた冥界を太陽神が舟に乗って通り抜ける様子が描かれている」そうです。さらに、「古代エジプトの王族や貴族の墓には、西への入口として、『偽扉』が設けられている」と言います。それは、亡くなった人の「バー」<霊魂>が現世と死後の世界を行き来するための門扉とみなされるとともに、その偽扉に「個人の名前、称号、供物リストなどが刻まれ、ときには歩み出る死者のカー<生命力>を浮き彫りに彫る」こともあり、「死者が供物を霊的に受け取るための場所でもあった」そうです。門を叩けというのは、この門扉と繋がるようです。 (図録より、以下同じ)
冒頭の画像は、「 壁龕 (へきがん) に配された像 」で、「扉口で歩く男」を表わす供養像だそうです。
墓主の姿を表現しているとのこと。
「地位の象徴を両手に握り、真っすぐに立つこの男の姿は、死者の霊魂は死後のさまざまな障害を乗り越えた後、来世で自由に動き回ったり、供物を受け取ったりする存在に変化できるという信仰を示している」とか。
前2625~前2350年頃。石灰岩。高さ114.9cm、幅56.2cm、奥行き20.3cm。

アメンエムハトの石碑(ステラ)   前1938~前1875年頃。石灰岩。
高さ43.2cm、幅53.3cm、厚さ6.4cm。



ジャッカルの伏臥像   前664~前30年頃。木、顔料。
高さ18.7cm、幅35.2cm、奥行き8.3cm。

ジャッカルのこの姿勢は、アヌビス<聖なる山の上にいるもの>神を表しているそうです。


ネコの坐像   前664~前343年。青銅、中空の鋳造品。高さ13.3cm、幅4.1cm、奥行き9.5cm。


魚形のガラス容器   前1390~前1292年頃。ガラス。高さ5.7cm、幅11.1cm、奥行き4.1cm

ナイル・ティラピアと同定されています。再生と復活の力強い象徴とされたとか。
神聖な動物たちとして、動物の棺の上に置かれた トガリネズミの像 (青銅)、 サルの像 (青いファイアンス)も展示されています。


ヌン<原初の海>を表した皿   前1539~前1493年頃。青いファイアンス、細部は黒彩。
高さ8.8cm、直径26.3cm。
「創生神話によれば、生命は最初、エジプト人が『ヌン』と呼ぶ暗い水によって表される無から生じた」といわれています。
「古代エジプト人は、死後も現世と同様の生活が続くと信じ、日常生活で必要とされる品々を墓に納めることで、来世での豊かな生活を保証しようとしていた」と言うことは、ピラミッドをはじめ古代エジプトの報道番組でご存知と思います。この特別展でも、副葬品の展示がありました。


花柄の襟飾りが施された壺   前1292~前1190年頃。エジプシャン・アラバスター。
高さ28.5cm、幅25cm、奥行き28.3cm。

「この文様は、花輪を土器にかけるという古代エジプトの葬送儀礼と結びついており、花輪には再生の意味合いを持つ花や植物が使われた」


短剣   前1983~前1759年頃。銅、黒檀、カバの牙。長さ24.1cm、幅4.8cm、厚さ1.3cm。



ハエのペンダント   前1539~前1292年頃。銀、ひも(現代)
高さ12.7cm、幅16.5cm、奥行き1.3cm。

耳飾り   前1539~前1292年頃。金。高さ2cm、直径2.4cm。高さ2.5cm、直径2.6cm。

各種装身具がずらりと展示されています。

ベス神とタウェレスト女神のペンダントが付いた首飾り   前1539~前1292年頃
     金、カーネリアン(紅玉髄)、ヅァイアンス。 長さ37.9cm、幅2.7cm。
ベス神はライオンの耳やたてがみなどを持った姿。タウェレスト女神はカバの姿だそうです。


ビーズの襟飾り   前1390~前1352年頃。ファイアンス。高さ17.1cm、幅35cm。



帆船の模型   前2008~前1759年頃。木、亜麻布、顔料。
高さ54.3cm、幅84.5cm、奥行き18.1cm。



ネフェテュス女神像と泣き女のレリーフ
ネフェテュス女神像   前664~前30年頃。木、彩色。
           高さ40.6cm、幅17.8cm、奥行き29.2cm

 「イシス女神とネフェテュス女神の姉妹がイシスの夫オシリスの遺体に祈り続けると、  
  オシリスは冥界の王としてよみがえった」
泣き女のレリーフ    前1319~前1204年頃。石灰岩。
           高さ29cm、幅41.2cm、厚さ7.2cm

 「古代エジプトでは、嘆き悲しむ行為は葬儀に不可欠な要素であり、これが死者の来
  世での再生を後押しすると考えられていた」


冥界の神々のレリーフ   前1336~前1250年頃。石灰岩。高さ27.3cm、幅61cm、厚さ6.7cm。



カノプス壺と蓋   前664~前525年またはそれ以降。石灰岩。
高さ29.3cm~24.8cm、直径13.4cm~11.4cm
カノプス壺の蓋 は、左から ジャッカル、ハヤブサ、人間、ヒヒをかたどったもの です。

4つの壺の蓋は、「『ホルス神の4人の息子』と呼ばれる4柱神に対応し、それぞれが臓器を守る役割を担っている。ジャッカルは胃を守るドゥアムトエフ、ヒヒは肺を守るハピ、人間は肝臓を守るイムセティ、ハヤブサは腸を守るケベフセヌエフを象徴している」


カルトナージュ棺のアップリケ   前305~後395年頃。亜麻布、ジェッソ。
高さ17.5cm、幅27.5cm、厚さ0.3cm。


ウェンネフェル(タアメンの子)のミイラの包帯   前332年~後1世紀。亜麻布、インク
高さ6.7cm、幅51cm。
「プトレマイオス朝時代には新たな慣例として、ミイラの包帯に『死者の書』が書写されるようになった」と言います。これはその展示の一例です。


ワニを両側に配した神   前664~前525年またはそれ以降。亜麻布、インク。
高さ55.2cm、幅25.7cm。

ミイラとなった遺体を覆い、保護するために使われた亜麻布です。
「2匹のワニを両脇に配したこの人の姿の図像は、危険な生き物を支配する力を示すもの」と言います。


ネコの棺とミイラ   前664~前332年。木、ジェッソ、顔料、亜麻布、動物の遺体。
高さ63.2cm、幅25.9cm、奥行き44cm。

「動物をミイラ化する目的の大半は神への供物とするためだった」そうです。


第3ステージの最後に、棺が展示されています。



トトイルディスの木棺   前664~前525年。木、彩色プラスター。
(棺)高さ175.3cm、幅55.9cm、奥行き18.5cm 
(蓋)高さ177.8cm 幅61cm、奥行き50.8cm


棺が展示されている傍にこの円柱が置かれていました。図録には収録されていません。
展示会場環境の形成のためのレプリカかもしれません。




デメトリオスと言う名の男性の肖像とミイラ   ローマ時代、後95~後100年。
彩色された布、金、人間の遺体、蠟画、板。 高さ190cm、幅39cm、奥行き34cm。

古代エジプトにおけるミイラ化の慣行はローマ時代まで続いた一例です。

「亜麻布表面に施された金箔の装飾には、エジプトの神々だけでなく、デオメトリオスの名前と『59』という死亡時の年齢がギリシャ語で書かれている(その名前から、デメトリオスはギリシャ人であったことがうかがえる」


最期のハイライトは、このPRチラシに使われている展示品です。


神官ホル(ホルス)のカルトナージュとミイラ   前760~前558年頃
亜麻布、顔料、ジェッソ、人間の遺体。 高さ176.5cm、幅45.7cm、奥行き33cm。







カルトナージュとは「亜麻布やパピルスをジェッソ(漆喰)で固めて何層にも重ねた素材」のことです。ミイラとなった遺体がカルトナージュ棺に納められます。

彩色による装飾を施すための十分な面積がありますので、「人型のカルトナージュ棺は、死後の世界に必要な情報を死者とともに確実に保存できた。・・・ミイラとなった死者を守り、霊魂の復活を助ける神々が大勢描かれている」のです。




会場を一巡し、展示品の鑑賞し、最後にハイライトとして一連の棺を眺めた後、美術館を出ました。
16階の屋外テラスに出るドアの手前、一隅に、



こんな展示コーナーが設営されていました。記念撮影コーナーなのでしょう。






      屋外のテラスから大阪市内を久々に展望しました。



                                                   アジサがイ咲いていました。(2026.6.5)

ご覧いただきありがとうございます。

参照資料
*図録『ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト
        Unraveling the Mysteries of Ancient EGYPT from Brooklyn Museum』
        2025年1月   朝日新聞社 東映 日本テレビ放送網 発行  

補遺
古代エジプト ​      :ウィキペディア
ファラオの一覧 ​     :ウィキペディア
エジプト歴史年表 ​    :「ハシムの世界史への旅」
ネットに情報を掲載された皆様に感謝!

(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。







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Last updated  2026.07.21 12:31:48
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