2021年09月19日
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カテゴリ: ファミリー






三月中旬頃、背広姿のソ連人五人が( 以下
五人組と略称する)、
「ソ連軍から委託されてきたが、これからこの病院は、我々と共同経営をすることになった」と、云ってきました。
 何ら軍からの指令もありませんでしたので、直接司令部に確かめに行ってみました。ところが、司令官は多忙と言って会わず、軍医部
や補給部等今まで訪れた連絡箇所を回ってみましたが、その時は既に警備兵だけを残して本部は撤退の後でした。
結局代行者と話すことになりましたが、五人組の行動を説明して真相を尋ねますと、
「五人がその様に申し出ているのなら、その様に五人の指示で共同経営しても良いだろう」
 と、これを認めたものの、はっきりした管理移行のことは話さず,例の曖昧さでありました。
 病院に帰ってみますと、早速五人組は人員資材の目録を提出するように求めて来ました。
 更に五人組は、病院を我々の手で警備すると言って、自衛団の警備兵( 共産党系民主聯軍の前身) が来て警備に当たりました。服装もまちまちで、銃を逆さにぶら下げて歩く姿を見掛けるようになりました。
 何となく頼りない感じでしたが、ソ連兵の警備当時に比べて静穏になり、更に不思議に思えたのは、激しく出入りしていた中国人グループがぱったり見えなくなったことでした。
 その頃、哈璽浜市内に出掛けてみますと、何時の間にか駅や街角、市政府や警察等の玄関前に掲げられていた晴天白日旗が消え、河って随所に赤旗がひらめいておりました。
 ソ連軍の撤退と前後して、政権は完全に国民政府側から共産党側に移行した模様で、表面を見る限り、暴動混乱の隙も与えない見事な手際の政権移行が行われたのだとおもいます。
 その頃、ソ連の軍票は完全に価値を消失して、同票での売買は出来なくなりましたので、反古にされた軍票は、ざる等にうず高く盛られているのが印象的でした。
 その後五人組は、共同経営と言いながら、経営についての協議も行わず、病院に来たり来なかったり、いぶかしい限りで「話を」と、こちらから持ちかけると「後で」と、逃げるようになりました。


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葦のかご教会水曜讃美祈禱会(2021年7月14日)能瀬熙至兄弟
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最終更新日  2021年09月19日 00時50分03秒
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