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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2010.09.12
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カテゴリ: プレジデント
プレジデント 2010.10.4号のテーマは
 「年代・役職別」昇進・抜擢・左遷の分かれ目
 エラくなる男、用済みになる男

さて、今回の特集ページは大いに興味深いものだが、
そこに至る前、ページをめくる手が止まったのが『経営時論』のコーナー。
今回の担当は、神戸大学大学院経営学研究科の加護野忠男教授。
このコーナーの担当者の中でも、私が特にお気に入りにしている方の手による記事。

   ***

「ガバナンス」とは「統治」のこと、

ガバナンスで難しいのは、よい経営が行われているかどうかの判断。

よい経営が行われているかどうかの重要な条件には、
売上成長率や利益率等の数字で表されるもの以外に、不祥事防止がある。
そして実際には、ガバナンス問題は、不祥事の問題をきっかけに認識されることが多いため、
ガバナンスを論じる際、不祥事防止だけが過度に強調されてしまいがちだという。

ところが、次のような現実がある。

  不祥事を防ぐ制度、つまりよくないことが起こらないようにする制度と、
  よいことが起こるようにする制度とは違うのである。
  よくないことを防ぐ制度はよいことを起こさせなくしてしまう傾向すらある。(p.22)

まさに目から鱗が落ちる指摘である。
現在の企業は「失敗しない」ことばかりに目がいってしまっており、

この空気は、企業だけでなく非営利組織にも同じように出口のない閉塞感を産み出している。

そして、不祥事防止のためにメリットがあるとして、
近年流行しているのが、外部からトップを招聘することである。
この現状に対して、加護野教授は次のように指摘する。

  モニタリングは、事情に精通している内部者のほうが

  最高意志決定機関にどのような情報を提出するかを決めるのは内部者であり、
  外部者は、どのような情報が隠されているかを知ることが難しいからである。(p.23)

これは、内部にいるものなら誰もが知り、感じていることではないだろうか。
内部に精通していないものだけが、過度に外部に期待してしまいがちだ。
「餅は餅屋」なのであり、餅屋をどれだけシャンとさせるかが、最も重要な問題なのである。
外部人材は、餅屋にシャンとさせるカンフル剤的役割・存在以上にはなり得ない。

  実際に組織体がよい経営をしていても新聞の記事になることはないが、
  不祥事が起こると記事になり、多くの人々の注目を集めてしまう。
  その結果、不祥事を再発させないということがガバナンス改革の目的になり、
  よい経営をするという本来の目的は忘れられてしまう。(p.23)

よい経営とは何か、企業や非営利組織の本来の活動目的は何なのかを、
今一度問いなおすべき時期である。





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Last updated  2010.09.12 12:00:42
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