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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2011.01.09
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カテゴリ: 文芸

 氏自身がそう公言し続ける、20世紀米文学を代表する作品。
 そして、本著はその村上さん自身が翻訳したもの。
 訳者あとがきに30ページを費やすという、熱の入れようである。

 ところがこの作品、発表された当時の売れ行きは芳しいものではなかった。
 この作品の評価が高まったのは、著者フィッツジェラルドの死後である。
 彼の存命中、米文壇の英雄は、ヘミングウェイ唯一人だった。
 フィッツジェラルドは脚光を浴びぬまま、44歳の若さでこの世を去っている。

訳者あとがきに示されたフィッツジェラルドの人生は、まるで短編を読むかのようだ。

そして、私は先にこの訳者あとがきを読んでから、本編を読んだ。
この順で、本作品に接して大正解だったと思う。

なぜなら、本作を読み始めてしばらくの間、
私も、訳者あとがきに登場する質問者と同じ感覚を抱いたからだ。

  「『グレート・ギャツビー』って読みましたけれど、あれって村上さんが言うように、
   そんなにすごい作品なんですかね?」と口にする人も少なからずいる。(p.334)

日本に住む私たちの生活とは、まったくかけ離れた世界。
それは時代の違いもあるだろうが、やはり文化の違い・感性の違いが大きいだろう。
その違いに、読み手である自分自身が付いていけないのだ。
それ故、「……………?」状態で固まってしまった。

しかし、先に訳者あとがきを読んでいるので、その状態に耐え、

そして、しばらくするとページを捲る速度が上昇。
気付くと、何とか読了していた。

先に述べたように、この物語で語られる世情や風景、人々の感性・価値観といったものは、
日本に住む私たちにとって、あまり馴染みのない、全く別なものと感じられる。
しかし、村上さんにとって、それは、きっと別物などではないのだろう。


実際、村上さんの作品からは、本作に見られる世界観をあちこちで感じ取ることができる。
そして、こういった世界観を表現しているからこそ、
村上さんの作品は、日本だけでなく、と言うよりも、
日本以上に、世界で広く受け入れられ、評価されているのではなかろうか。





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Last updated  2011.01.09 10:31:53 コメントを書く


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