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2018.04.30
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カテゴリ: 教育・子育て
​ 重度の自閉症のため会話の出来なかった著者が、
 パソコンや文字盤ポインティングによってコミュニケーションが可能となり、
 13歳の時に書いたのが本著。
 そこに描き出された世界は、想像を超えたものでした。

 まず、会話について。

  話したいことは話せず、
  関係のない言葉は、どんどん勝手に口から出てしまうからです。
  僕はそれが辛くて悲しくて、


自分の思いを、上手く言葉に変えることの出来ないもどかしさが伝わってきます。

  僕たちは、みかけではわからないかも知れませんが、
  自分の体を自分のものだと自覚したことがありません。(p.56)

これも、自分の思いが、上手く身体と接続していないことを言い表したものでしょう。

  記憶がよみがえることをフラッシュバックと言いますが、
  僕たちの記憶には、はっきりした順番がありません。(中略)
  僕たちの記憶は、一列に並んだ数字を拾っているわけではありません。
  ジグソーパズルのような記憶なのです。
  ひとつでも合わなければ全体がかみ合わず完成いないように、
  他のピースが入ってきたことで、
  今の記憶がバラバラに壊れてしまいます。(p.75)


このように上手く例え、表現されたことの方が驚きです。

  僕たちの1秒は果てしなく長く、
  僕たちの24時間は一瞬で終わってしまうものなのです。
  場面としての時間しか記憶に残らない僕たちは、
  1秒も24時間も、あまり違いはありません。(p.84)


上手く言えませんが、感覚的には分かります。

  僕は、変更も仕方がないと分かっています。
  それでも、脳が僕に『それはダメだ』と命令するのです。
  だから僕自身は、あまり時間やスケジュールを視覚的に表示することは、
  好きではありません。(中略)
  視覚的に示されると、強く記憶に残りすぎて、
  そのことに自分が合わせることだけに意識が集中していまい、
  変更になるとパニックになってしまいます。(p.134)

変更があるとパニックになるのは、自閉症の方によく見られる傾向ですが、
この視覚的な情報についての記述は、
多くの自閉症の方に共通するものなのでしょうか?
そうであれば、十分気を配る必要がありますね。

   ***

  2007年に刊行された、13歳の日本人少年による、
  自閉症という経験の当事者の立場からの手引書は、
  現段階で中国語からマケドニア語まで、
  24言語(さらに他言語でも進行中)に翻訳されている。
  (2016年現在では30言語で翻訳)
  私が知る限り、東田直樹は、現代日本の作家では
  村上春樹についで広く翻訳されている作家なのだ。(p.187)

これは、本著の英語版翻訳者であるデイヴィッド・ミッチェル氏による
「解説にかえて」の一文。
そんなにスゴイ一冊だったんだ……。





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Last updated  2018.04.30 00:07:23コメント(0) | コメントを書く
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