乱読・積んどく・お買い得!?

乱読・積んどく・お買い得!?

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Comments

chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2019.11.03
XML
カテゴリ: 文芸
​ 内田先生が自ら記した半生記。
 幼少期から現在に至る歩みが、赤裸々に綴られています。
 それは、想像以上に波乱万象の日々。
 こうして、内田先生が内田先生になったんだなと気付かされます。

   ***

  父子家庭を始めたときに自分で決めたことが一つありました。
  それは「仕事で成功する」ことをもう求めないということでした。(中略)
  「家事育児のせいで、研究時間が削られた。子どものせいで自己実現が阻害された」

  朝晩きちんと栄養バランスのとれたおいしいご飯を作って、
  家をきれいに掃除して、服を洗濯して、布団をちゃんと干して、
  取り込んだ洗濯物にきれいにアイロンかけして、服のほころびは繕って……
  ということができたら「自分に満点を与える」ことにしました。
  その「贈り物としての余暇」に本を読んで、翻訳をして、論文を書く。
  そこで達成されたものは「ボーナス」のようなものだから、
  あれば喜ぶけれど、なくても気にしない。
  そういうふうにマインドを切り替えました。(p.147)

「すごいな」と思いました。
家事育児に対し、これほどの覚悟を決めて臨まれていたのですね。
言うは易し行うは難し。


  それからまた数年したら、今度は大学の管理職になるという年回りになりました。
  2005年に教務部長に選ばれたときも「しばらく研究は諦める」決意をしました。
  自分が赴任してきたときに、先輩たちから「若いときは思い切り研究しなさい。
  学務はわれわれ年長者がやる」と言われました。
  その代わり、僕が彼らの年齢になったら、

  こういう仕事は順送りです。(p.151)

これも、内田先生らしいなと思います。
こういうことで、世の中は回っているのだと気付かされます。

  あらゆる仕事には、
  「誰の分担でもないけれど、誰かがしなければならない仕事」
  というものが必ず発生します。
  誰の分担でもないのだから、やらずに済ますことはできます。
  でも、誰もそれを引き受けないと、いずれ取り返しのつかないことになる。
  そういう場合は、「これは本当は誰がやるべき仕事なんだ」
  ということについて厳密な議論をするよりは、
  誰かが「あ、オレがやっときます」と言って、
  さっさと済ませてしまえば、何も面倒なことは起こらない。(p.154)

『村上春樹にご用心』 にも登場した「雪かき」の仕事のことですね。
残念ながら、現実社会は真逆の方向に向かっており、仕事の押し付け合いです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2019.11.03 16:23:03コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: