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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2023.04.29
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カテゴリ: 文芸
『優莉凜香 高校事変 劃篇』 『優莉結衣 高校事変 劃篇』 を経て、
『高校事変Ⅻ』 から続く待望のシリーズ新刊が登場。
 巻数表記が”ローマ数字”から”アラビア数字”に改められた今巻では、
 これまで主人公だった優莉家の次女・結衣が、何と大学生になっていました。

 これを受け、シリーズの主人公は、優莉家の四女・妹の凜香にバトンタッチ。
 と思いきや、優莉家の六女・杠葉瑠那(ゆずりは るな)という新キャラが突如登場。

 今巻は、そんな瑠那の生い立ちが、次第に明らかになっていく様子が描かれていきます。

   ***

さて、現時点で判明している優莉匡太の子どもたちは、
警視庁捜査一課長・坂東志郎を主語とする、次の一文から知ることが出来ます。

  それ以外の兄弟姉妹は現状、脅威とは考えにくい。
  次男の篤志は、父親の逮捕以降ずっと行方不明で、
  とっくに死亡した可能性が高いとされる。
  三男の健斗は葉瀬中バス事件により、新潟山中の廃校内で猟銃自殺。
  長女の智沙子はシビック政変のさなかにヘリから転落死。
  三女の詠美や五女の弘子も、幼少時に死亡している。
  公安が把握する六女の瑠那は、平穏に神社の巫女を務める一方、余命幾ばくもない。

  いまも通院がつづいている。
  七女の伊桜里も中3になるものの、優莉家との接点はない。
  中学にあがる五男の耕史郎に至っては、もう赤の他人も同然だ。
  ほかにもいるが、優莉匡太の逮捕時に幼児だった者が多く、
  その後の発育過程に問題はないと思われた。(p.57)


現時点で判明している優莉匡太の子どもたちということになりますが、
五女・弘子は存命しており、岸本姓を名乗っています。
四男・明日磨や七女・伊桜里、五男・耕史郎も、今後登場することがあるのでしょうか?

そして、今巻最大のサプライズは、日常の何気ない会話の中に仕込まれていました。
それは、凜香を交えての、瑠那とクラスメイト・鈴山耕貴との次のやりとりです。

  怪訝そうな顔で鈴山はつぶやいた。
  「だけどナポレオンもチビだったらしいし、アルバタル・サギールとかの例もあるし……」
  「なに? アルバ……誰だって?」
  すると瑠那が微笑を浮かべた。
  「きいたことがあります。2015年からのイエメン内戦かなにか……。
   ケニー・ベイカー・レジェンドだっけ」(中略)
  瑠那はいつものように控えめではあるものの、
  鈴山の前だからか、意外にもわりとよく喋った。(中略)
  鈴山が笑った。「冗談みたいなものだったらしいけどね。
   内戦勃発の翌年か翌々年に、小人症の兵士が国内難民キャンプを全滅から救ったんだよ。
   アルバタル・サギールはアラブ語で、小さな英雄って意味。
   身体が小さくなきゃ入れない土管の奥に潜りこんで、爆弾を処理したとか」(p.183)

最初、読んだときには、よく分からないままスルーしてしまっていたのですが、
後で読み返すと、「なるほどな」と唸らされます。

   ***

今回のお話の軸は、”女子高生連続失踪致死事件”と”生命の畑”。
知能指数の高い子供を必要なだけ生産しようとする計画の本格推進の背景には、
施術を受けた胎児が出産後、短命に終わらずに済む治療法が完成したからと睨んだ瑠那が、
その拠点である奥多摩の段丘崖の上、放棄分譲地にある廃校舎と廃病院に乗り込みます。

”生命の畑”の計画実行者は、殷堕棲(インダス)こと奥田宏節医師。
彼は、恒星天球教で教祖阿吽拿(アウンナ)こと友里佐知子の側近だった人物。
そして、彼に加担するのが、警視庁公安部公安総務課刑事の青柳俊淳と、
”異次元の少子化対策”を推進する浜管武雄少子化対策担当大臣。

彼らの陰謀を阻止すべく、瑠那、凜香と共に、
かつて陸自特殊作戦群に在籍していた凜香の担任・蓮實庄司や、
以前、凜香に妻子共々印旛沼に沈めかけられた警視庁の坂東志郎捜査一課長が立ち向かい、
ハードな戦闘シーンが繰り広げられます。

一方、まだまだよく分かっていないのが、”EL異次体”という組織についてと
行方不明となっている矢幡嘉寿郎前総理の立ち位置。
さらに、留年して日暮里高校3年生となった雲英亜樹凪(きらあきな)の行動も不透明。
5月25日発売予定の次巻では、そのあたりのことも次第に明らかになっていくのでしょう。





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Last updated  2023.04.29 13:42:45 コメントを書く


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