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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2023.09.27
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カテゴリ: 文芸

 しかし、読み始めると「これ、本当に伊坂さん?」というのが第一印象。
 短篇だから? それとも意図的にいつもと違う書きぶりをしている?
 その真相は、巻末の<参考文献>や「文庫化記念インタビュー」で明らかに。

    ***

「逆ソクラテス」。
面白いタイトルだなと思っていたら、実はかなり意味深長。

  「草壁、それは違う、
   さっきも言ったように、

   久留米先生は、その反対だよ。逆」(p.33)

これは、小学6年生の安斎が同じクラスの草壁に言った言葉。
久留米先生は、安斎たちのクラスの担任です。
そして、安斎は、これも同じクラスの加賀にこんなことも言っています。

  「あるよ。だって加賀のお父さんが情けないかどうかは、
   人それぞれが感じることで、誰かが決められることじゃないんだ。
   『加賀の親父は無職だ』とは言えるけど、『情けないかどうか』は分からない。
   だから、ちゃんと表明するんだ。僕は、そうは思わない、って。
   君の思うことは、他の人に決めることはできないんだから」(p.26)

さらに続けて

  「久留米先生はその典型だよ」(中略)

   ものごとを決めつけて、それをみんなにも押し付けようとしているんだ。
   わざとなのか、無意識なのか分からないけれど。
   それで、クラスのみんなは、久留米先生の考えに影響を受けるし、
   ほら、草壁のことだって、
   久留米先生が、『ダサい』とラベルを貼ったことがきっかけで」


小学6年生たちが行動を開始し、後に一人のプロ野球選手を生むことへと繋がっていくのです。
一人の教員が全教科を教える学級担任制、その学級担任の影響力の計り知れない大きさに、
今更ながら気付かされると共に、担任の先生方には反面教師として欲しいお話でした。

「逆ワシントン」の中で、
謙介の母親が、姉のクラスで語った言葉(p.270~273)もスゴイです。
ぜひ、ご一読を!





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Last updated  2023.09.27 10:54:16 コメントを書く


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