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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2023.10.22
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カテゴリ: 文芸

 その編集者・岡田眞博から執筆依頼を受けた 李奈 は、純文学に挑戦することに。
 しかし、提出した『十六夜月』の原稿は、物語の終盤を変更するよう求められる。
 やり手の副編集長・宗武義男が、喪失を描く結末を望んでいると言うのだ。

 鳳雛社はここ数年ミリオンセラーを連発していたが、
 その大半が、主人公が死んで幕を閉じるお話。
 あらゆる文学賞を総なめにした最新ミリオンセラー・飯星佑一の『涙よ海になれ』も同様で、
 自作の結末変更について譲ることが出来ない李奈は、鳳雛社での出版を断念する。


それは、鳳雛社文芸第一部を舞台とするノンフィクションで、岡田が暴走する様が記されていた。
李奈は、宗武の依頼には乗り気でなかったものの、岡田と飯星の間に起こったことが気になり、
関係者たちを訪ね、『インタラプト』に記されていた内容について取材を進めていく。

やがて、飯星の新作原稿データを盗みだした岡田が警察に連行されたものの、
PCは初期化され、李奈たちが見つけたSDカードやUSBメモリも破壊されてしまっていた。
飯星がデータ復元会社にPCを持ち込む最中、警察からの電話を受けた宗武は車を走らせるが、
ガードレールを突き破って河川敷へと転落してしまうのだった。

   ***

宗武の行方は不明のまま、
そこに、ちびっこ速読会でのトラブルやアパートの賃貸問題等が絡んで、
事件は混沌としていきます。


  「竹芝までは電車で2時間かかったんですよ。クルマでもそれより早くは着けません」
  「じつはウイングスーツでムササビのように飛ぶ競技のアスリートではないですか?
   それなら竹芝まで時速300キロで8分……」(p.225)

これは、自身のアリバイについて述べる飯星に対し、
『インタラプト』の元原稿を書いた白濱瑠璃が問い返した場面。
結衣が横浜ランドマークタワーからダイビングした ことを想起させる言葉に、
松岡作品の愛読者なら、思わずにんまりしてしまうシーンでした。

  「抵抗の意志は純文学以外のジャンルにひろがったんです。
   人の死なないミステリが同時多発的に生まれました。
   すべてが定石とは逆。どれも本業の探偵ではない、男性ではなく女性が主人公で、
   犯罪捜査以外の知識を発揮し、誰ひとり命を落とさない世界での推理劇を描いた」(p.269)

本著の副題は「人の死なないミステリ」。
Qシリーズ のキャッチフレーズは「面白くて知恵がつく 人の死なないミステリ」。
p.268から李奈が語る、平成10年代前半以降のブームについての言葉には、
色々なことが思い出され、「そうだったのか」と納得させられました。





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Last updated  2023.10.22 17:17:30 コメントを書く


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