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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2023.11.05
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カテゴリ: 文芸

 読了までに随分時間がかかってしまいました。
 人のものの見方や価値観が移り変わるものであるということや、
 「不易と流行」ということについて考えさせられる一冊でした。

  「汝自身を知れ」とか、「己を省みよ」とか、こういう文句には、
  考えてみると小学校以来、もう何度お目にかかってきたことか知れません。
  もういい加減古臭い感じがして、どこかでこんな文句にお目にかかっても、
  ああ、またあれか、というぐらいな気持ちしか起こらなくなっています。
  そして、その文句の言葉どおりの意味なら、コペル君も、とうに知っていました。(中略)

  その言葉によってあらわされている真理をつかむこととは、別なことでした。(p.272)

巻末の著者・吉野源三郎氏による「作品について」には、
この作品が、盧溝橋事件が発生した昭和12年7月に発行されたことや、
山本有三編纂『日本少国民文庫』全16巻の最終配本、倫理を扱う一冊として、
病気で執筆不能となった山本氏に代わり、著者が執筆した経緯が記されています。

また、丸山真男氏にによる「『君たちはどう生きるか』をめぐる回想」も、
この作品が書かれた背景や、その持つ意味合いを理解するうえで、とても貴重なものでした。

  地動説への転換は、もうすんでしまって当たり前になった事実ではなくて、
  私達ひとりひとりが、不断にこれから努力して行かねばならない
  きわめて困難な課題なのです。
  そうでなかったら、どうして自分や、自分が同一化している集団や「くに」を中心に

  文明国民でさえ今日も容易に脱却できないでいるのでしょうか。
  つまり、世界の「客観的」認識というのは、
  どこまで行っても私達の「主観」の側のあり方の問題であり、
  主体の利害、主体の責任とわかちがたく結びあわされている、ということ-
  その意味でまさしく私達が「どう生きるか」が問われているのだ、





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Last updated  2023.11.05 10:46:50 コメントを書く


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