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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2023.12.24
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カテゴリ: 文芸

 優子は、生まれた時は水戸姓、その後、田中、泉ヶ原を経て、
 現在は森宮性を名乗っている。

 最初の父親は水戸秀平、母親は優子が3歳の時トラックに轢かれ亡くなっていた。
 優子が小学2年生になった時、35歳の秀平はそのことを初めて優子に話す。
 そして、優子が3年生になる前の春休み、27歳の田中梨花と結婚して3人での生活が始まった。

優子が4年生の終業式の日、秀平は自身のブラジル転勤と、梨花との離婚について優子に話す。
そして、自分と一緒にブラジルに行くか、梨花と一緒に日本に残るかを優子に選ばせる。


6年生になった優子は、「ピアノ、習いたいな」の言葉を梨花に漏らす。
すると、優子の小学校卒業の日、32歳になった梨花は、49歳の泉ヶ原茂雄と結婚。
その日の食費にも困る生活から、グランドピアノやお手伝いさんがいる生活へと一変する。

しかし、梨花は9月中旬には家を出てしまい、以後、優子にも「一緒に行こうよ」と誘い続ける。
そして、優子の中学卒業後の春休みに、梨花は中学の同級生で東大卒の森宮壮介と入籍、
優子を引き取ると、優子と泉ヶ原茂雄に告げたのだった。

ところが、3人での生活が始まって2か月で梨花は出て行ってしまい、森宮に離婚届が届く。
以後、優子は森宮と一緒に暮らしながら、3年間の高校生活を過ごすことに。
そして、高校生活最後の一年も、球技大会、合唱祭、大学受験を経て卒業式を迎えたのだった。

第2章は、22歳になった森宮優子が、高校の同級生・早瀬君との結婚式を迎えるまでが描かれる。
優子と再会した梨花は、隠し続けていた「秀平から優子への手紙の山」を段ボールに詰めて送る。 


   ***

本著を読み終えてから、すぐに 映画化されたもの を見ました。
当然のことながら、時間的制約等から様々なアレンジが加えられており、
原作とは別物になっているのですが、強く感じたのは梨花を何とか擁護しようとする姿勢。


  「老人ホームにはお年寄りのお世話をするプロがいっぱいいるんだから。
   それに、親子だといらいらすることも、
   他人となら上手にやっていけたりするんだよね」(p.152)

これは、優子が梨花と二人で暮らしていた家の大家さんの言葉。
そうだなぁ、と思います。

  だいたい学校で起こるもめ事はどう動いたところで、解決が早まることはない。
  クラスの雰囲気が動くのを待っしかないのだ。(p.167)

これは、優子が学校でみんなに避けられている時期に、優子が語っている部分。
このご時世ですから強烈な反論もあると思いますが、正鵠を得ていると感じる方もいるのでは。

  散々悪口を言って盛り上がる二人に、お父さんたちが気の毒になった。
  そして、それ以上に、これだけ陰口を叩いても共に暮らせるのだと、
  血のつながりの深さを思い知らされた気がした。(p.223)

これは、女友達二人が自分の父親をこき下ろすところを見て、優子が語っている部分。
これも、そうだなぁと思います。

  「森宮さん、いつもどこか一歩引いているところがあるけど、
   何かを真剣に考えたり、誰かと真剣に付き合ったりしたら、
   ごたごたするのはつきものよ。
   いつでもなんでも平気だなんて、つまらないでしょう」(p.234)

これは、巻末「解説」で上白石萌音さんが推している担任の向井先生が優子に言った言葉。
元教員の瀬尾さんが、向井先生の姿を借りて語りかけているように感じました。





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Last updated  2023.12.24 13:19:16 コメントを書く


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