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先にドラマを見てしまってから読みました、 お話自体は、ドラマ化に当たって、そんなに変更されてないです。 本作では、柴田が登場していますが、ドラマでは登場していません。 本当は出演して欲しかったけれど、大人の事情でしょう。 実写化すると、原作のイメージを損ない、劣化するのが常ですが、 本作の場合、もともとドラマとしての「SPEC」の世界があって、 その上に乗っかって、本作が描かれ、ドラマ化された流れなので、 こちらが純然たる原作と、言い切れない部分もあるのかと。さらに今回は、私の場合、先に述べたように、ドラマを見てから本作を読んだので、どうしても、ドラマを基準にしながら、本作を見ることになってしまいます。結論、残念ながら、ドラマほどには、描ききれていません。お話しに、ほぼ変更がないということは、表現力の問題ということになるのでしょう。もちろん、紙幅の関係や、動画の方が色んな面でアドバンテージがあることを差し引いても、画力不足は、やはり致命的でした。動きのない世界で、動きを表現するということは、難しいですね。
2014.10.13
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昨夜から始まったテレビドラマを見たのだが、 ネット上では、かなりの酷評。 原作を実写化すると、間違いなく非難の声は上がるし、 原作が人気があればあるほど、そうなるのは常のことだけど。 私は、この作品の原作を全く読んだことがなかったので、 昨日、ドラマを見たときも「こんなものか」と思っただけだったのだが、 あまりの酷評振りに、まぁ一応原作もちょっと見ておくかということで、 今日、初めて「ぬ~べ~」を読んでみたわけである。まず、舞台設定が、原作は小学校、ドラマは高校ということで、もうこの時点で、お話自体が全く別ものになってしまう。現在の妖怪ブームに乗っかるのなら、小学校舞台の方がずっと自然な気もするが、そこは、色々と大人の事情で、こういうことになったのだろう。だから、もうこれは、タイトルや登場人物の名前は同じだけれど、全く別のお話と割り切って、ドラマの方は見た方がよい。私は、ドラマも原作も、昨日と今日の二日間で見たり読んだりしただけなので、どちらにも深い思い入れがないから、そんなことが言えるのかもしれないが……原作の方では、カッパのお話しが面白かった。これは、多分ドラマの方でも採用されるだろうなと思ったが、さて、どうなるだろう?丸山君も、あまり原作にとらわれすぎず、自分の「ぬ~べ~」を演じて欲しい。
2014.10.12
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「いちがいもんの花」は、四姉妹がすずの叔母の家がある金沢を訪れるお話。 幸と佳乃は、叔父・叔母と共に、親戚と相続の話し合いに臨むが、 すずと千佳は、従兄の直人と金沢観光に出かけることに。 そして、叔父や叔母とは、良好な関係を築くことが出来たのでした。 「逃げ水」は、「こんなはずじゃなかったのに」がテーマのお話し。 二ノ宮さんの弟も、坂下課長も、幸も佳乃も、 それぞれに、「こんなはずじゃなかったのに」と思っていることが。 「夢や理想はモチベーションになるけど、終点じゃない」という泰之の言葉が印象的。「地図にない場所」は、直人が鎌倉にやってきて、すずと風太の案内で「糸切屋」というアトリエを訪ねるお話し。途中、道に迷いながらも辿り着いたアトリエで、女性作家に出会う。そこは、直人にとって大切な「地図のない場所」になりそうな予感。「肩越しの雨音」は、すずに掛学から特待生のオファーが来たお話し。そして「四月になれば彼女は」は、その続編。 やっと見つけた居場所から出ていくことに 不安があるんじゃないかな 悩んだり立ち止まったりできる場所が 今はある それは決してなくならない それがわかれば きっと前に進めます 坂下課長が佳乃に言ったこの言葉が、これから先の展開を教えてくれます。それにしても、坂下課長は、何か重いものを引きずっていて、謎の影の部分を持ちながら、色んな場面で、キーパーソンの一人になっています。吉野が恋をするのも、よく分かります。
2014.10.07
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「彼岸会の客」は、すずの母親の妹が、訪ねてくるお話し。 それは、すずの祖母に当たる人物が、孫に残したお金を渡すため。 すずの母親が亡くなったとき、葬儀にも来なかった家からの突然の訪問者に 4姉妹は、不穏なものを感じ身構えていたのですが…… そこで、すずの叔母が語ったのは、母親と祖母との関係、 そして、すずの母親が、すずの叔父に当たる兄に言った言葉。 私は浅野さんの家族から夫と父親を奪ってしまった。 そのうえ、すずという宝物まで授かったから、これ以上もらうわけにはいかない「秘密」は、二ノ宮さんの病気と、裕也のオクトパス退団をめぐるお話し。そのことに気付き、そのことを知った者が、それを別の人に明かせないの心の葛藤。「群青」は、それを受けてのお話し。裕也は、オクトパスに残って、風太の助手を務めることになり、二ノ宮さんは、幸が主任を務めるストレス緩和病棟で亡くなる。このお話しでは、二ノ宮さんが亡くなる前に、坂下が佳乃に言った言葉が印象的。 でも 神様は人の事情を いちいち考えてはくれない だから神様は ありがたくて…恐ろしいんでしょうね さっそく新しい提案を考えましょう もちろん二ノ宮さんの案件です 神様が考えてくれないなら こちらが考えるしかないでしょう「好きだから」は、幸が乳腺外来で細胞診を受けるお話し。その中で、幸は患者の立場について知り、考えることに。 病気はすごく個人的なことだ 病む者の気持は やはり本人にしかわからない どんな現実も 結局はひとりで向きあわなくてはならないのだ 当事者に寄りそおうとするのと 当事者になるのとでは 天と地ほども違いました 患者になるって こういうことなんだって はじめてわかった気がしました 少しでも患者さんの心に寄りそえたら……と思っていたつもりでしたけれど しょせん ひとごとだったんですね 傲慢でしたこの言葉に対する、二ノ宮さんの彼氏・山猫亭の福田の言葉。 ひとごとで かまわんのとちゃう? 看病するもんが 病人といっしょにヘタレてしもたら 困るのは病人や しょせん代わりに痛い思いしてやることも 死んでやることもできひんのやし 大阪のおばちゃんやったら アメちゃんあるで- なめとき-て よーわからんこと言うかもしれへんな けどアレで あんがい役に立つもんやで 病気は治らへんでも アメちゃんでもなめとこかなー思うこともあるよってな幸は、この言葉と泰之で、けっこう復活しました。
2014.10.03
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「帰れないふたり」で、幸は椎名と別れ、 「ヒマラヤの鶴」で、千佳の勤務先店長・浜田三蔵が裕也を救い、 「聖夜に星降る」では、すずと風太が益々その距離を縮め、 佳乃は上司・坂下のハンドルネームが「えびす」だと知る。 そして「おいしいごはん」で、幸は井上泰之とメルアドを交換し、 すずは、かつて父と母がカフェー・山猫亭に来ていたことに気付く。 やはり、この作品は、幸とすずが主役で、佳乃と千佳は脇役。 特に千佳は、その描かれ方が浅いので、もうちょっと活躍させて欲しい気も。そして裕也も、「ヒマラヤの鶴」は彼の心の葛藤が描かれているお話しのはずなのに、何故か存在感が希薄で、以後その度合いは、すずと風太の関係が進むほどに減じていく。まぁ、あれもこれもになると、全体がとっちらかって収拾がつかなくなるから、仕方がないと言えば、本当に仕方がないんですけれどね。
2014.10.02
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「思い出蛍」は浅野すず、「誰かと見上げる花火」は幸・佳乃・すず、 「陽のあたる坂道」は浅野すず、「止まった時計」は幸がメイン。 3巻になって、いよいよお話しが動き始めた感じです。 それぞれが元居た場所から、一歩を踏み出そうとしているところ。 「なんか いくら努力してもどうにもならないことってやっぱあるけど だからって別に終わりじゃないんだなって」というすずの言葉。 「止まっていた時間はもうおしまい いつか自然に好きな柄のカーテンを選べるようになる」という幸の願い。今巻で一番カッコ良かったのは、やっぱり風太かな。
2014.10.02
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「花底蛇」は藤井朋章、「二人静」は多田裕也、 「桜の花の満開の下」は尾崎風太、「真昼の月」は香田幸がメイン。 それぞれに、背負っている過去や現在、未来があり、 その中で、必死で藻掻きながら生きている姿に、強く胸を打たれます。 また、お話しの舞台となっているのが、鎌倉の街というのもピッタリ。 北鎌倉を舞台とする『ビブリア古書堂の事件手帖』で感じるものと、 共通する空気を、この作品から感じました。 まぁ、単にイメージだけですけれど……。中でも、本著のタイトルにもなっている「真昼の月」の香田幸のお話しは、今巻のメインとなった4人の中で、最年長であるためか、背負っているものの深みが濃く、複雑であるように感じました。実写版で、綾瀬さんが演じきれるかな?
2014.10.02
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2013年度の漫画大賞受賞作。 ずっと読みたかった作品を、やっと読むことが出来ました。 感想は「流石!!」の一言。 凄く良かったです。 長女・幸、次女・佳乃、三女・千佳、 そして、父親の死後、同居することになった腹違いの妹・すず。 この四姉妹のキャラが、それぞれ見事にたっています。 それぞれのシーンで、じわっと伝わってくるものがあります。マンガと言うより、映画やドラマを見ているよう。2015年に実写映画が公開予定だそうですが、「そりゃあそうでしょ」という感じ。キャストは、幸を綾瀬はるかさん、佳乃を長澤まさみさん、千佳を夏帆さん、そして、すずを広瀬すずさんが演じ、監督は是枝さん。藤井朋章や湘南オクトパスのメンバーを、誰が演じるのかも楽しみです。
2014.10.02
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「おまけ4コマ」が、その1からその3まで、 さらに「Break time」や「パロディマンガ」と、 これまでになく本編以外のものが目立った今巻。 どうなんでしょうか……。 また、本編もちょっとインパクトが弱くなってきたような気も。 ギャグというか、お色気というか、そちらはエスカレートしてるのに、 「精神医療」というものからは、距離が出来つつある感じ。 まぁ、ターゲットからすれば、これで良いのでしょうけれど。でなければ、コミックスが11巻出せるほど、連載が続きませんものね。そう、こういうマンガだと割り切って読むことです。そうすれば、「セルフモニタリング」も「葬式躁病」も「LOH症候群」「スキーマと自動思考」「ダブルバインド」も興味深いものです。
2014.10.01
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この作品も10巻目。 スタートした頃の内容は、確かに心療内科で扱われるものが主でしたが、 次第にその守備範囲は広くなり、精神医療というより心理学っぽい感じが……。 でも、もちろん参考になるところは多いです。 例えば「フランクルの心理学」。 「人生の意味とは?」なんて、哲学っぽい。 そこで登場する「体験価値」「創造価値」「態度価値」。 この「3つの価値」が、生きる意味を探すヒントになると言う。何かを「体験」する価値。何かを「作り出す」価値、出来れば世界や人のためになるものを。そして、心の中で「意味」を考え続けること。3つめなんか、まさに哲学です。本巻では、睡眠薬や抗不安薬についてのお話しもあり、「ベンゾジアゼピン」や「GAVA」が登場します。これなんかは、この作品の本筋のお話しですよね。精神医療の授業で使えそうです。
2014.10.01
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「上方比較・下方比較」「反論思考」「セルフ・ハンディキャッピング」 「シュビッツバートの決断技術」等が本巻で扱われている内容。 「Eの心理テスト」は、テレビ番組でもやってましたね。 ひょっとして、この本が元ネタ? と言うこともないのでしょうが、この作品を教科書に使っての授業って…… まぁ、精神医療のエピソードの導入には使えるかと思いますが、 果たして、これで学んだ学生さんには、何が一番頭の中に残るのでしょうか? そこまでしないといけないとは、大学の先生も、色んな意味で大変ですね。さて、本巻の中では「認知のゆがみ」が、私は最も印象に残りました。「過度の一般化」に陥る三つの言葉、「いつも」「みんな」「絶対」。でも実際は、「いつも」じゃないし、「みんな」じゃないし、「絶対」じゃない。そのことに気付くことが大事なのですね。
2014.10.01
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「カッツの反応増幅説」「報復不全症候群」「ボトムアップ説・トップダウン説」 「ネット依存症」「自己愛性パーソナリティ」「ホーナーの成功恐怖理論」。 今巻で扱っているのは、心療内科で本筋と言えるものなのかな? 若干、ネタ切れ感が漂い始めた気もします。 その中で、「ショック療法」は、精神治療の歴史を描いており、 「らしさ」の感じられるものでした。 薬剤の使用が始まったのが1952年ということなど、 知識として、なかなか持ち合わせていないかも知れません。ただ私としては、今巻で一番印象深かったのは、「ホーナーの成功恐怖理論」についての、「Y医師のよく分かる解説」。 結局、人生の差なんて、それだけなんです。 どれだけたくさんサイコロを振っているか。 一人一人のサイコロの目の出やすさなんて、ほぼまったく違いはないのです。 ただたくさん、サイコロを振った人こそが、成功している。それだけです。 ですのであなたも、不満を言う前に、 とにかく、一度でもいいので、サイコロを投げてみてください。 サイコロに「0」や、「マイナス」の目なんてありません。 振りさえすれば、それは必ず、プラスにつながっていくんですよ。これは、なかなか良いお話しでした。
2014.09.30
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八軒は御影の土地を借りて、黒豚の放牧を始める。 そして、大川が社長に、自分が副社長になって会社を立ち上げることに。 迅速に仕事をやってのける大川。 さて、八軒は父親から、出資金を獲得できるだろうか。 その頃、野球部は、北北海道ブロック決勝戦。 その会場に飛行機で向かう駒場。 一方、馬術部の新部長には御影が就任。 インターハイ北海道予選・団体戦は御影、石山、栄が出場。今巻は、大きな進展はあまりなく、助走期間といった感じ。しかし次巻では、豚の放牧やピザ作りで会社がいよいよ動き始め、馬術部も決勝に進み、八軒が大活躍しそう。そして、何と言っても駒場君の活躍が待ち遠しいです。
2014.09.29
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今巻は「連合弛緩」「真の自尊感情」に加えて お決まりの性的問題としては、「夢分析」と「セックスレスの治療法」。 そんな中に「光トポグラフィー」まで登場するといった守備範囲の広さは、 この作品自体が「言葉のサラダ」状態?(本当は一応メンタル関連事項です)。 そんな中でも「第64回 うつの人への最高の接し方」は、 基本姿勢について、よく伝わっていると思います。 もちろん「Y医師のよく分かる解説」は、ぜひとも合わせ読んだ方が良いし、 本当にうつの人に関わる機会があるなら、もう少し詳しい本を読んだ方が良いです。さて、私が今巻で一番興味を持ったのは「第69回 ストレスは数値にしてみよう」。精神科では、やたら「何%位ですか?」という質問をされることが多いと思っていたのですが、その理由が分かり、「なるほどな」と思いました。”all or nothing"の思考回路に陥らせないようにするためだったんですね。でも、自分の気分や感情を数値化するというのは、結構難しいものです。まず、どれだけの状態を100%とするのかで悩んでしまいます。「5段階でいうとどれ位ですか?」という質問紙への回答でも、「3か4位なら無難かな……」と、いつも思ってしまう私です。
2014.09.16
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第53回「人間にとってもっとも大きなストレスとは?」 答えは「孤独」だそうです。 しかし、悪意をもって関わられるより、無視された方がマシな気も…… それも「投影」と考えれば、やりすごせますか……でも、きついですよね…… 第55回「自殺のサインの見分け方」 これは、ギャグに埋もれることなく、上手く伝えていると思いました。 第60回の「ハインツのジレンマ」や第61回の「モーニング・ワーク」も 「なるほどな」と言える、良いお話しだったと思います。そして、今巻の中で、私が最も印象に残ったのは、「第57話 パーソナリティ障害って何ですか?」。中でも代表的なものとして「境界性パーソナリティ障害」が紹介されています。その特徴は、 1.二極思考 ものすごく幸せであるといいうプラスの気分と ものすごく不幸であるというマイナスの気分を揺れ動く 2.対人関係の障害 別の人にたいしても「境界」があるように プラスとマイナス両極端のイメージを揺れ動きます 3.自傷・衝動行為 自分に対して「境界」のようなキズをつけるように 衝動的に自分をいじめる行為をすることがあります20代に多く、8割が女性というこの障害、30代なかばを過ぎると改善に向かうことが多いとされているそうです。また、アメリカの調査では、この障害と診断された人の40%が、1年後には診断基準を満たさなくなるとも。「一生ものではないので悩みすぎないで」ということのようですが、なかなか、その期間中の対応は難しそうです。周囲の接し方としては、ハッキリ境界を決めて、できること・できないことを明確にするよう説明されていますが……やっぱり難しそう。
2014.09.16
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今巻で、まず興味深かったのは「投影」について。 心理テストとしては面白いのですが、『あなたがもっとも「嫌い」と答えた人物は あなたがもっとも「うらやましい」と感じている人物なのです』と断言されると、 「そうかなぁ……」というのが、私の本音です。 「嫌い」は「好き」や「うらやましい」のウラ返しのこともあるでしょうが、 全部が全部、そうとは言いきれないような気がします。 確かに、誰かに攻撃されたとき、「嫉妬している」とか「うらやましいと思われてる」 というふうに考えることができれば、少しは気が楽にはなると思いますけれど。それと、今巻は「うつ」関係の内容が多かったです。「PMS」や「双極性障害」「エモーショナル・ディスクロージャー」「認知的斉理論合性」についての説明と「ガヴェインと老婆の物語」。最後のお話しは、なかなか感動的なものですが、ちょっと心配も。というのは、「Y医師のよく分かる解説」には、ちゃんと「常に相手の判断に任せればいいというわけではありません」として、「自殺したい」「もう仕事をやめたい」「もう離婚したい」という人に「あなたの判断が一番だから」と言うのはあまり良くないと補足しています。心配になるのは、この補足部分を、皆が皆、ちゃんと読んでくれるかどうかということ。マンガ部分だけ読んで、文字がズラッと並んでいるこの部分をスルーされると、間違った対応をとりかねないのでは?(読者層からすると、その可能性が結構ありそう……)私としては、マンガの中に、そのことも盛り込んでおいて欲しかったなと思いました。
2014.09.15
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今巻は、フロイトにキュープラー=ロスといった有名どころが登場。 特にフロイトは、「錯誤行為」の箇所でスゴイ露出度ですが、 これでは、イメージ悪化は免れない展開ですね。 アルフォンス・デンケンの名は、今回初めて知りました。 その他、「摂食障害」や「認知症」といったものの説明に加えて、 「メンタルクリニック」がどんなところかを紹介したり、 「カウンセリング」における質問のしかたについて解説してくれています。 「睡眠時無呼吸症候群」も、興味深いところでした。そんな中、私の最も印象に残ったのは「夫婦関係で、うつにならない方法」の次の記述。 実はアメリカの心理学者であるトラフィモウらは400名の大学生にたいして 「人にしてあげた親切な行動」「人にしてもらった親切な行動」を それぞれ書き出させました このとき思い出したエピソードの数はどれくらいの差があったと思いますでしょうか? その比率なんと35対1 「人にしてあげた親切な行動」を35倍も多く覚えていたのです(中略) 実際に「親切を受けた状態」というのは「借りがある」ということにもなり 心の重荷になります だからこそ すぐに忘れたりしてしまうわけです 逆に「恩を売った」というのは 心地いいことなので 強く心に残ります なるほど……人の記憶は 都合がいいんですね……(p.110)確かに、人間は自らの存在を護るためとはいえ、誰もが「自己中心的」な所があるのでしょう。
2014.09.15
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今巻では「強迫性障害」や「非定型うつ病・新型うつ病」と共に 「社会不安障害」「妄想」といった、かなり深刻な精神障害について紹介。 もちろん、「ED」や「フェティシズム」といった性的な事柄や 「過食症」「ニコチン依存症」にも言及しています。 相変わらずのダジャレ&お色気路線のギャグマンガですが、 まぁ、ターゲットとしている読者層と掲載されている漫画誌からすれば、 いたしかたないとは思います。が、やはり少々(いや、かなり)違和感を感じます。 この漫画を読む人たちにとって、紹介されている知識は役に立つのでしょうか?まぁ、そう硬いことを言わずに、ギャグマンガとして楽しめば良いと思うのですが、中途半端で曖昧な知識の伝達が、かえって面倒な問題を引き起こさないかと、少々心配。もちろん、「Y医師のよく分かる解説」では、文章できちんと説明がなされているのですが、そこは、読み飛ばしてしまう読者も、結構いるのではないかという気もします。そういう人たちにとって、この漫画を読んだ後、頭の中に何が残るのか……色んな人たちに心療内科について知ってもらうというメリットは大きいと思いますが、その知識が、どんな人たちに、どんな使われ方をすることになるのか?扱っているテーマが、深刻な問題を含んでいるだけに、考えさせられます。でも、取り敢えず、発行されている続巻については、読み続けるつもりです。
2014.09.15
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そもそもこの作品は、どんな人たちをターゲットにしているのでしょう? 深刻な問題を、こんなギャグマンガにしたら、気を悪くする人もいるのでは? ということで、この作品のターゲットについて調べてみることに。 そして、その答えはすぐに見つかりました。 最終ページに「ヤングキング 平成22年第12号~第19号掲載作品」との記載。 そして「ヤングキング」というのは、このホームページを見ればわかるように、 「ヤンキー系漫画誌」と形容されることがあるもののようです。 かなり違和感を感じるけれど、深刻な精神疾患の人が目にする機会はなさそう。いやいや、しかしながら、本著のようにコミックスになってしまえば話は別。ヤンキー系漫画を好む若者たちだけが、手にするとは限らないでしょう。それに加え、この作品はWebコミック版として、ネット上で誰でも見ることが出来る。例えば、本著「対18回 露出症の治療法は?」だと、こんな感じ。見比べてみると、Web版では「第六回 露出症の治療~どこからが病気?」となっており、コマ割もセリフも違っていて、コミックスより簡略化され、ギャグも控えめです。さすがに、ゆうメンタルクリニックについて調べようとホームページを訪れた人に、コミックスの内容のままでは、刺激が強すぎ、気を悪くする人も出そうですから。 ***それでも「第24回 後悔を抱えたときの たった一つの考え方」は、読んでいて「なるほどなぁ」という内容でした。 たとえば想像してください 朝に1万円拾った! 夜にその1万円をなくしちゃった! このときあなたは『プラスマイナス0だ』と思えますか? おそらく なんでなくしちゃったんだろ! なくさなかったらトクしてたのに!くやしい! このように思うのではないでしょうか このように同じ価値の場合『プラスの喜びよりもマイナスの悲しみの方が大きい』のです さてここで二択の話です 人間が何かの選択で迷ったとき 基本的に『同じ価値』だから迷うのです 明らかに片方の価値の方が高いと分かっていれば迷いません ここで『どちらかを選ぶ』というのは 『もう一方を失う』ということになります ここで先ほどの価値関数では 『同じ価値の場合 得た喜びより 失った悲しみの方が強い』わけですから 人は何かの選択をしたとき「必ず後悔する」ようにできているのです! 同じ後悔するのなら とにかく『自分で決めて その方向に進む』方が よっぽどいいんです だから心配しないでください 『やり直す』必要なんかないんです あなたの選んだ行動なら それは決して間違っていないんですよなかなか説得力がある説明だと思いませんか?まぁ、私は、あまりくよくよと後悔することがない方だとは思っていますけれど。
2014.09.14
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当事者にとっては深刻な問題である精神疾患等について、 ギャグマンガで紹介していくという、大胆不敵な作品。 原作は、2008年に「ゆうメンタルクリニック」を開院したゆうきゆうさん、 作画はソウさんで、現在11巻まで発行されている。 本巻では、「うつ」についての記述が最も多く、「SSRI」にも触れている。 また、「幻聴」や「認知症」に関するものや「診療費」、 さらには、「ロリコン」や「ED」と、幅広いテーマが扱われている。 もちろん、紙幅に限りがあるため、紹介される知識量はさほど多くない。それでも、うつ病の特徴的な症状として紹介されている心気妄想(自分は病気なのではないかと強く思い込むこと)、罪業妄想(自分は罪深い存在だと思うこと)、貧困妄想(自分は貧乏なのではないかと思うこと)の3つを、微少妄想(自分は小さい存在であるという妄想)ということを、私は知らなかった。また、第7回の「実は男は女になりたい」で示された男女共に「メリットが多いのは女性」だと思っているという調査結果は、意外だった。私は「メリットが多いのは男性」だと思っていたから、そう感じたのだけれど。でも、男性に「社会的に責任をかぶってしまうことが多い」というデメリットがあり、「ストレスや感情を外に出せない」ことから、うつになって自殺する率は男性の方が多いという説明をされると、「なるほどなぁ」と思ってしまった。
2014.09.14
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今巻は、まず、リタ・ヴラタスキをメインに、お話が進んでいく。 「ギタイ」に両親を殺された彼女は、 3歳年上の難民女性のパスポートを盗み出し、防疫軍に入隊。 そして半年後、異質なギタイを倒してからループに巻き込まれたのだった。 周回を重ねる度に、そのギタイを護るギタイが増えていく。 前回の彼女の動きを憶え、それを押さえるため適確に増援を配置される。 彼女はループを抜け出すため、その仕組みを解き明かそうとする。 そして、ギタイのネットワーク全てを破壊しなければならないと気付く。タキオン粒子を出すギタイ・サーバのアンテナを破壊し、バックアップのギタイを破壊、そして、ギタイ・サーバ本体を破壊し、211周のループの後、彼女は初めての時からのループを脱出した。時のループを手に入れたリタは、ギタイに唯一対抗できる決戦兵器として、世界中を駆け廻り、戦い続けた。リタは、一度目の戦いで全体の被害を確認し、二度目の戦いで有利な戦況を展開した。しかし、ループを終わらせるには、誰かの死に目を瞑るしかなかった。そして3年後、リタはカイジに出会う。自分ではなく、彼がループしている世界で。それは、カイジの159回目のループ。その翌日、二人は初めて一緒にギタイと戦う。カイジは1回目の戦場で、偶然ギタイ・サーバを倒してしまったため、イレギュラーとして目を付けられ、ループに巻き込まれることになった。しかし、2~158回目にギタイ・サーバを倒したのはリタ。ループを終わらせるには、カイジがギタイ・サーバを倒さなくてはならない。カイジがギタイ・サーバのアンテナを破壊し、リタがバックアップを破壊、そして、カイジがギタイ・サーバ本体を破壊しようとした、その時……ループ……次は、カイジの160回目のループ。スカイラウンジでコーヒーを飲もうとしていたカイジとリタをギタイが襲う。そして、カイジがギタイ・サーバのアンテナを破壊、次にリタがバックアップを破壊……のはずが……リタはカイジに襲いかかってきた。リタは、何度もループを繰り返すうち、ギタイがアンテナから過去へ送信する電気信号を受けて脳が変質し、ギタイのアンテナと同じ性質を持つようになっていたのだった。そして、それは、カイジも同じ。 キャリア・ケイジというバックアップアンテナがある限り リタ・ヴラタスキはループを脱けられないし リタ・ヴラタスキというバックアップアンテナがある限り キャリア・ケイジはループを脱けられない ループを脱出できるのはひとりだけだカイジはリタを倒し、ギタイ・サーバをぶち壊し、残った敵を一掃した。 ***最後は、私の理解力が足らないせいなのか、分かったような分からないような、ちょっともの足らなさを感じるエンディング。ギタイとの戦いは、まだまだ続くようですが。
2014.09.13
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明日、初出撃を迎える機動ジャケット兵、キリヤ・ケイジ。 彼は、人類を皆殺しにしようとしている「ギタイ」と呼ばれる化け物と 戦場で戦い、殺されたが、戦いの前日に蘇っていた。 その後も、死んでも死んでも同じ日に蘇る、即ちループ。 死ねば必ずループする。 記憶を引き継いだまま、出撃前日の朝に戻る。 どこで死んでも、どういう死に方をしても、同じ。 そういう世界に、彼は存在している。そのことに気付いたケイジは、この世界に反抗し、生き残るために戦いを続け、ガンメタリックレッドのジャケットに巨大なバトルアクスを携えた無敵の兵士リタ・ヴラタスキの戦いぶりを参考に、実戦で戦闘技術を高めていく。そして、158周目。最初の戦場で闘った敵に遭遇し、リタにも出会う。そして、彼女の口から発せられたのは、「おまえ、今……何周目なんだ……?」 ***映画化されてますが、まだ見ていません。なので、この作品を見るのは、本著が初めて。お話しの着想は面白いと思うし、小畑さんの絵も上手い。さて、次巻で完結ですが、どういう展開になるのか全く予想できません。
2014.09.13
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天野はドアの向こうに続く通路を発見する。 しかし、山科は死番虫に頭を拳銃で撃ち抜かれ、テツオを思いながら絶命する。 天野と沙都子は、遂に財宝へと辿り着くが、そこに死番虫が現れる。 その正体は、陣羽笛警部だった。 陣羽笛に襲いかかったのは文で、陣羽笛は文を倒したのだった。 天野は、拳銃で陣羽笛の顔面を撃ち抜き、崖下へと突き落とす。 そして、そこへ丸部とテツオが現れる。 テツオは、財宝で、男である天野の戸籍を手に入れたかったと告白する。それに対し、天野は戸籍は譲れないと答える。山科の夢であった「マイノリティーが差別されない社会」を作る運動を、自分が起こすために。そんな目標を持った天野から、テツオは離れていこうとする。一方、丸部はミイラ化した灰色の服を着た女と対面していた。それは、越後屋伊兵衛の最後の子孫・お夏。藤宮たつが屋敷を手に入れる前の当主であり、丸部が14歳の時に出会ってから愛し続けた女。そして、幽霊塔の内部から脱出した丸部のもとに現れたのはテスラ。その口から、丸部の実の娘の名が、藤宮麗子であることが語られる。丸部とテツオは、テスラ、Qと共に屋敷を出て行く。その後、沙都子は天野と共に行動する中で、丸部がお夏と対面した際に手にしていた桐で出来たへその緒入れに「輪田阿夏、丸部道九郎、命名れい」と書かれていたと告げる。それを聞いた天野は、途中で丸山巡査を加え、沙都子共に丸部とテツオの行方を追う。その際、天野は、彼が好きだった花園さんの元婚約者・三村に出会う。天野は、三村が今も花園さんを思い続けていることを知る。天野、沙都子、丸山は、テスラの祖父・ポール・レベルの足跡を辿り西宮へ。そこで、顔は牛で身体は人間の「件」についての情報を手に入れる。件の名が里見久枝であったことから、天野は久枝がQではないかと推理する。その久枝名義で、裏六甲に土地の登記があった。その頃、テツオは裏六甲にある、羊の置物の門をくぐった幽麗塔にいた。そこで、テツオは、死体の山を発見する。そこにステラが現れ、自らが蘇生させた死番虫をテツオに見せる。彼は両手両足を失い、モルヒネが効かぬほどの激痛を感じながら、年老いて寿命がくるまで、テスラによって、命を守られ続けるのだと言う。そして、そこに丸部が現れ、自分が何をしようとしているのかをテツオに語る。それは、丸部とテツオの脳みそを入れ替えること。丸部はお夏という女になりたかったのだ。そのために、お夏と寸分違わぬ美しさを持ち、臓器移植でも拒絶反応が出にくく、適合する可能性が高い血縁者・実の娘の麗子・テツオを探していたのだった。そして、お互いの心が望んでいる、異性の身体を手に入れ、二人で本当のセックスをしようともちかけるのだった。 ***今巻当たりで結末を迎えるのかと思っていましたが、そうではありませんでした。しかし、色んな謎が解明されてしまったので、お話しとしては、これ以上続けるのは難しそう。ですから、次巻では、そろそろ終了という気がします。しかし、何とも倒錯した世界です。
2014.09.13
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ウソップの奇跡の一撃でシュガーが気絶、 そして、オモチャにされていた人々は、元の人間の姿へと戻る。 一方、コロシアムの戦いを勝ち抜き、メラメラの実を手に入れたのは、 ルフィーのもう一人の兄、革命軍参謀総長・サボだった。 ルフィーとゾロ、ローは、ドミンゴのいる王宮を目指す。 ドミンゴは、それを阻止すべく、「鳥カゴ」で島を覆うと共に、 ルフィーたちに懸賞金をかけ、民衆に首を獲れと迫る。 しかし、コロシアムたちの猛者たちは、ルフィーと共にドミンゴを目指す。途中で立ちはだかったドンキホーテファミリー最高幹部・ピーカにはゾロが、海軍本部大将・藤虎にはサボが立ち向かう。そして、ルフィーとローは、王宮の一段下のひまわり畑へ、ロビンやレベッカも小人族と共に、ひまわり畑を目指す。今巻は、お話しがグイグイ進みましたが、次巻は、壮絶な戦いの連続になりそうな予感。まだまだ、ドミンゴは、そう簡単にブッ飛ばすことはできなさそうですが、ドミンゴの弟・コラソンを慕うローとの因縁の対決は、今から楽しみです。
2014.09.04
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今巻の主役は、間違いなくリヴァイ兵士長。 彼の動きが、ストーリーの流れを作り出していく原動力になっている。 そして、彼を補足しているのが、エルヴィン調査兵団長とハンジ分隊長。 エレンもミカサも、今巻での出番は極端に少ない。 リヴァイは、ハンジと共に第一憲兵を拷問し、 レイス家が本当の王家であることを聞き出す。 それを受け、エルヴィンは、ドット司令と交渉し、 ロッド・レイスと対話したいと要請するが、断られてしまう。一方、エルヴィンから届いた作戦司令によって動き始めるリヴァイと調査兵団。しかし、その動きは、既に憲兵に気付かれていた。アレンとヒストリア(クリスタ・レンズ)は、ヒストリアの母を殺した男に捕らえられる。その男の名は、対人制圧部隊隊長・アッカーマン。その頃、ハンジは、エレンから教えられたベルベルトとユミルとの会話に疑問を持ち、エルヴィンの元へ駆けつけ、巨人についての仮説を伝える。それは「巨人にされた人間」が「巨人化の能力を有した人間」を食べると人間に戻る。つまり、食った相手の「巨人化をコントロールする力」を手に入れることが出来るというもの。王政は、エレンの「叫び」(巨人をコントロールする)の力を利用しようと思えば、エレンに手出しはできないという前提で、今回の作戦を立てていたが、その根本が崩れてしまったので、作戦の決行は危険だと告げに来たのだった。しかし、エルヴィンは中央第一憲兵に、組織殺人容疑者として捕まってしまう。リーブスは、アッカーマンによって殺害されたのだが、中央第一憲兵は、調査兵団をその容疑者に仕立て上げたのだった。ハンジは、生き残ったリーブスの息子から事実を聞き出し、その真実を、皆の前で明らかにしようと説得する。一方、リヴァイは、アッカーマンに追われ、酒場に逃げ込む。そして、その絶体絶命のピンチを、機転を利かして脱するが、次々に対人制圧部隊が襲いかかってくる。このリヴァイと調査兵団たちの脱出劇が、今巻一番の見所。そして、エレンとヒストリアは、ロッド・レイスのもとへ連れてこられる。が、ロッド・レイスの口から発せられたのは、ヒストリアへの謝罪の言葉。そして、力強い包容……。まだまだ謎が多いまま、今巻は終了し、12月9日(火)発売予定の次巻へと続く。
2014.08.08
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テツオと丸部は、何とか崖を登りきる。 その途中、丸部はテツオに「26年間、ずっと一人の女を愛し続けている」と言う。 さらに、男の戸籍を「財宝を見つけ、天野から買うつもりなんだ。お前は」とも。 その後、丸部は、自分の愛している女は「たぶん、もう死んでるよ」と言った。 それは、灰色の服を着て、丸部の前に現れ、幽霊塔に消えていった女。 丸部は、彼女を捜しに、幽霊塔内部にやって来たと言う。一方、天野と山科は、囚人たちに襲われている沙都子を救出する。沙都子は、陣羽笛が死番虫に殺されたと、二人に告げる。そして三人は、鉄格子の下に宝を見つけるが、そこには灰色の服を着た女がいた。山科は、沙都子に、ここから先は一人で行けと言うが、沙都子は、山科と一緒に行きたいと言う。このやりとりの中で、沙都子は山科がゲイであることに気付くが、天野に促され、また、三人で一緒に行動することに。そして、陣羽笛が殺されたときに「お前だったのか」と叫ぶのを聞いたと、沙都子は天野に耳打ちする。丸部は、死番虫が警官だと考える理由を、テツオに説明する。それは、今年いっぱいで神戸市警が無くなり、捜査の主導権が県警に移るから。そうすると、市警の独断で動けなくなるので、焦って行動しているのだと。その頃、山科は、天野と沙都子を残し、先を偵察に行く。残った天野と沙都子を、背後から狙う囚人。その囚人が殺されたとき発したのが「…クソ… お、おまわりが…」。丸部はテツオに「テツオが天野を助けるため、時計を動かしたとき、死番虫は麗子が帰ってきたと知り、老婆殺しの真相を知る麗子を始末しようとした」と言う。麗子が美女であることしか知らない死番虫は、美しい女性記者を殺した。そして、女性に対する嫌悪や憎悪がある捜査関係者に心当たりがあるとも。一方、山科は天野に、財宝が手に入ったら出版社を作り、「自分には文才がないから、才能がある人間を集めて、本を書いてもらう、 自分のような異端の人間も人間であり、 この社会に存在する価値があるということを啓蒙するものを」と言う。そして、「僕たちにも、誇りがあると、わかってもらえるはずだ。」とも。その頃。丸部はテツオに、自分が推理している老婆殺しの真相を語る。死番虫は、時計塔に藤宮たつを磔にして、脅すことで、秘密を話させ、さらに、塔の中を案内させて、財宝を手に入れようとしていただけだった。ところが、たつは窓越しに麗子と目が合い、麗子が助けに来ると思い、秘密を話さなかった。死番虫は、たつが口を割らないことで、たつを助けに塔に登ってくる麗子が、時計を止めるところを盗み見しようと待ち伏せる。ところが、麗子は最後まで時計を止めなかった。そして、その事実を認めるテツオ。そこで、テツオは丸部に、たつが麗子を養女にした理由を教える。それは、たつが飼っていた猿が死んだから。そして、たつは麗子に、屋敷に秘められた謎を解いてみないかと誘った。謎を解いた麗子に、たつは迷宮の中を一緒に探検しようと言う。男の心を持つ麗子を一人残して、立ち去ろうとするたつ。麗子は、か弱い女の子のように泣き叫ぶふりをすると、たつは、麗子のところへ戻ってきたのだった。その時の、裏切られた絶望と、女々しく泣き叫ばされた屈辱を忘れられず、麗子は、時計塔の上で、ちょっとだけ、待ってやろうと思ったのだった。麗子が屋敷を出る前に書き残した遺書は、死番虫が手に入れたらしい。そして、麗子の身代わりの死体を、警察の死体安置所で見繕ってきた。しかし、麗子は死に場所を探しているうちに、生きたいと思ってしまった。その頃。また行動を共にしていた山科、天野、沙都子だったが、沙都子は、山科が銃弾を一発隠し持っていることに気付く。そして、山科が持っている銃が、陣羽笛のものではないのか、あなたが死番虫ではないのかと問いつめる。しかし、それでも山科を信じる天野を、沙都子は、二人をそういう関係かと疑うが、山科は、自分の想い人は別にいる(テツオ)と言う。そして三人は、崖の向こう側にテツオと丸部の姿を発見した。そこで、テツオは天野に「本当は身体も、心の中も、完全に、女なんです。」と告げる。しかし、その言葉を、天野は信じない。そして、山科、天野、沙都子は、12枚のドアに、宝箱のレリーフが飾られた部屋に辿り着く。そこで「間違い探し」を解き明かした天野は、二人を部屋の外に出し、一人で4番目のドアを開けたのだった。 ***ダラダラとした長い文章になってしまいましたが、このお話も、いよいよクライマックスを迎えようとしている感があります。やっぱり、死番虫は山科なのか?そして、灰色の女とは、一体誰なのか?まだまだ、謎が多いです。
2014.07.10
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丸部の命令で、濡れたままの服を着て、 納戸で初冬の夜を一人過ごすことになったテツオ。 そこへ、天井から死番虫が現れ、自分と組む気になったか尋ねる。 そして、本城志郎がテツオを裏切っていたことも告げる。 そこに野蛮虫がいるのを知らない天野が来て、ドア越しにシーツを差し入れる。 天野はテツオに「沙都子は普通のいい娘だから、もっと優しくしてあげて」と言うが、 テツオは、普通のカワイイ女の子が、怖くて、憎いと打ち明ける。 そして、野蛮虫が、今ここにいることを、天野には伝えないのだった。翌日、山科が幽霊塔にやってきたとき、テツオと天野は、丸部に軟禁されていることを伝える。その後、丸部は、テツオが麗子であることを知りながら、テツオにこう尋ねる「藤宮麗子が生きていて、幽霊塔の財産を狙っているとしたら、どう動くと思う?」と。そして、その答えを自らテツオに語って聞かせる丸部。時計塔の動かし方を書いた紙を天野に渡すテツオ。それを丸部に渡さず、細かく破り捨てる天野。しかし、テツオは丸部と繋がっていたことを知る。そして、死番虫が時計を動かした。丸部、テツオ、天野、沙都子は、隠し扉の内部に入り込む。そこで、丸部は、スカラベを外すと扉が閉まり、死番虫が奪っていったスカラベの箱を使えば、再び扉を開けることができると言う。丸部の命令で、神戸市警と共に、起訴待ちの犯罪者たちが保釈され、幽霊塔に集められる。丸部は、彼らに、二人一組になって、幽霊塔の財宝を探せと言う。この指示に従わない者は、再逮捕するとも。そして、丸部はテツオをパートナーに選び、幽霊塔の内部に入ることに。さらに、天野は山科と、沙都子は陣羽笛警部と組み、囚人たちも二人一組で内部に進む。天野と山科は、ある一室に入り、そこで囚人たちと一緒に閉じ込められる。そして、天井が次第に落ちてくる中、山科は自分がゲイであることを打ち明ける。結局、そこで生き延びることに成功したのは、天野と山科だけだった。丸部は、死番虫の正体を警官と推測し、山科か陣羽笛のどちらかだとテツオに言う。一方、白井と呼ばれる警官は、囚人を脅し、すり替わって、一人で内部に入った?そして、死番虫は、沙都子と陣羽笛に襲いかかり、陣羽笛はその餌食となる。さらに、死番虫は、テツオと丸部を襲おうとするが、突然逃げ去ってしまう。その後、扉が閉まり、水が押し寄せ、テツオと丸部は手錠で繋がれてしまう。何とか、水攻めの部屋から脱出した二人は、崖を目の前に立ち往生している囚人たちに出会う。そして、そこには一酸化炭素が充満し始めていた。テツオと丸部は、崖を登り始める。 ***死番虫の正体は、未だに見えてきません。丸部が言うように、山科か陣羽笛だとしたら、話の辻褄が、今のところ合わないですし……。まだまだ、分からないことだらけです。
2014.07.10
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真紅は雛苺が誕生したとき、嫉妬・焦燥・羨望の感情を知った。 しかし、雛苺が「箱庭の世界」にやって来たとき、真紅は妹の面倒を見る。 お父様は、最初こそ雛苺の元に足繁く通っていたが、次第にその足が遠のく。 それは、また新しい姉妹を作っているから? お父様の行動に、自分たちがお父様の理想に届かないこと、 自分たちが何のために生まれてきたのか、悩み苦しむ姉妹たち。 しかし、お父様は、それから現れることはなく、 新しい妹・第七ドールを連れてくることもなかった。そこへ「ラプラスの魔」が現れ、「アリスゲーム」が始まったのだった。水銀燈は、失敗作である自分が、アリスゲームを勝ち抜き、至高の少女となって、自分を生み出したお父様に復讐しようとする。そして、その感情の全ては、マスター・柿崎めぐの持つ憎しみや愛慕を重ねたものだった。水晶の城の最上階に辿り着いたジュンたちは、チェス盤の上で鳥海に出会う。そして、鳥海によって操られた翠星石が、ジュンたちを襲うが、大学生のジュンが、翠星石の足元に、チェス盤の下から伸びる白い薔薇のつるに気付く。そして、そこから繭が飛び出し、繭の中から、めぐの体を器にした雪華綺晶が現れた。中学生のジュンは、チェス盤の下にある時計盤の動力を止めるため、下の階へ。大学生のジュンもコドウグと共に、その後を追う。一方、みっちゃんは、鳥海から金糸雀の薇を取り戻すが、再起動に失敗し、金糸雀のローザミスティカを鳥海に奪われてしまう。中学生のジュンは、時計盤の歯車を組み換え、お父様の時間を、自分の時間にしようとする。そして、ジュンはお父様・ローゼンに出会う。娘を亡くした彼は、至高の少女を創ること、生命のある人間を創り出すことだけが、その存在理由であり、彼の心の欠片、彼の中の彼の娘が、ローザミスティカだった。その頃、鳥海は、翠星石のローザミスティカも抜き取り、雪華綺晶は、2つのローザミスティカを、めぐの体内に取り込もうとする。そして、それを阻止しようとする水銀燈が持つ、2つのローザミスティカも奪わそうになる。しかし、めぐは、それを受け取ろうとせず、水銀燈の一撃で、その身体を貫かれてしまう。そこに現れた中学生のジュンは、この世界は全て雪華綺晶が作り出した幻、めぐの夢だったと言う。そして、傷ついて砕けたローザミスティカ、少女の夢から生まれた夢は、同じ一つの少女に収束していき、それがアリスだとも。そして、真紅は、水銀燈からもらったものを含め、全てのローザミスティカを雪華綺晶に与えようとするが、その身体は崩壊寸前。それに手を差し伸べたのは、大学生のジュンだった。そして、中学生のジュンは、真紅の願いを聞き入れ、真紅以外の人形たちに、ローザミスティカを再配分した。そして、真紅を再び起こすため、残った姉妹たちと共に、新しいローザミスティカを創ろうとしているのだった。 ***取り敢えず全巻読了し、その「あらすじ」を書き終えました。けれど、最後の部分を含め、ひょっとすると間違っているところがあるかも……。とにかく、私にとってこのお話は複雑で、最後の最後まで、一読しただけでは理解できませんでした。コミックス一冊一冊の記事を書くのに、こんなにも時間をかけさせられたこの作品は、私にとって、ある意味、良い経験を与えてくれるものでした。
2014.07.09
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みっちゃんは、大学生のジュンが連れてきた もう一人の第七ドールと行動を共にする。 一方、大学生のジュンと中学生のジュンは、 巴をジュンの作り出した世界に残して、女王様がいる世界へ。 真紅と金糸雀は、先にその女王様に出会い、攻撃を受けていた。 そこへ、中学生のジュンが追い付き、女王様を倒すことに成功。 しかし、金糸雀は動けなくなっていた。大学生のジュンは、翠星石を木のお家で見つけ、反対側の扉から、みっちゃんの声を聞く。しかし、二人の目の前で、翠星石は何者かによって連れ去られてしまう。その後、木のお家は崩壊、二人は対面し、中学生のジュンたちも合流する。みっちゃんは、金糸雀の薇を探すため、大学生のジュンのケータイを使って、病院に置き去りにした自分のケータイに電話をかける。その頃、鳥海は、繭の中の雪華綺晶に声をかけていた。そして、その繭から生まれてくるのがアリスで、繭の中には柿崎が眠っていた。柿崎は、水銀燈に絶望を与えるため、雪華綺晶に体を提供したのだった。そして、みっちゃんのかけた電話に出たのは、鳥海だった。鳥海は自分がジュンで、この世界の創造主「お父様」だと言う。そして、電話の最中、彼のもとに翠星石が運び込まれる。一方、水銀燈は、自らのローザミスティカを託した蒼星石の願いを聞いて、第42951世界・雪華綺晶の世界に行き、蒼星石の元マスターを救い出す。そして、ウサギに促され、逆さまの鏡で、水晶の城・雪華綺晶のとぐらへ。そこで、ジュンたちと合流し、城の心臓部・天蓋時計に辿り着く。そこは、ローゼンメイデンたちが造られたばかりの時にいた場所。お父様が造った人形たちだけの箱庭の世界。そして、その扉の向こうは、新しい妹が生まれる場所だった。 ***この作品を借りてきた店には、1巻から9巻までが並んでいたので、てっきり、今巻が最終話になると思って読んでいたら、そうではなかったようです。ネットで調べてみると、全10巻とのこと。もう、ここまで来たら、10巻を読むしかないけれど、あの店にはあるのかな?
2014.07.05
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みっちゃんは、鳥海の下で、ドレスを作り続けていた。 そして、鳥海は、自分の娘・アリスのために、 ぴったりの最高のドレスをこしらえろと、みっちゃんに言う。 中学生のジュンは、眠っている自分に出会う。 そして、柿崎に罵られたことを思い出すと、 眠っている自分のところに沈み込んでいってしまう。 その後、そこに現れた水銀燈は、ジュンの記憶に触れ、何かに気付く。翠星石と蒼星石は、巴の夢の扉を使って大学生のジュンを連れてくる。彼と共に現れたのは、この世界の主の、もう一人の第七ドール。それは、まかなかった世界の大学生のジュンに、薇と一緒に残された人形。その人形に、大学生のジュン、巴、真紅、翠星石、蒼星石はついていく。その途中、蒼星石は、水銀燈と出会い、ローザミスティカを差し出すよう要求される。蒼星石は、その前に、眠っている中学生のジュンの道案内をさせてくれるよう頼む。一方、大学生のジュン、巴、真紅、翠星石は、大小2つのドアが並んだ場所に着く。大きいドアを開けた大学生のジュンと巴が引きこまれたのは、ジュンの家。二人は雛苺と出会い、様々な年代のジュンの記憶を、そこで見る。そして、大学生のジュンの声は、中学生のジュンを導こうとする蒼星石にも届く。大学生のジュンは、中学生のジュンを、自分たちがいる場所へ引き上げた。その後、巴は、中学生のジュンが起きる切っ掛けになるものを、探して回る。そして、壊れたオルゴールを見つけ、大学生のジュンが、それを直す。それを見た巴は、柿崎を助けられるのは、ジュンしかいないと言う。そして、巴の声に、中学生のジュンが目覚めるが、その指輪は、指貫に変わっていた。一方、小さいドアを開けた真紅と翠星石は、金糸雀と出会い、そこで、雪華綺晶が作った双子の人形に襲われる。その時、翠星石が盾となり、真紅と金糸雀は脱出することに成功。そして、真紅は自分のアリスゲーム、お父様の意志に抗うやり方を、金糸雀に語るのだった。その頃、約束を果たした蒼星石のローザミスティカを、水銀燈は手に入れていた。 ***今巻も、なかなかに複雑で難解なお話しでした。この記事をまとめながら、二度三度と読み返して、やっと理解できた次第。それは、場面の展開に、私の頭がついていけないからのようです。
2014.07.05
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ジュンは学校で倒れて、病院にいた。 しかも、そこは、かつて柿崎めぐが入院していた病室。 真紅、翠星石、蒼星石たちは、ジュンの夢の入口が見つけられない。 そして、姉が一人見守っているとき、柏葉巴が見舞いにやってくる。 巴は、ジュンに何が起こったかを突き止めようと、柿崎と二人で話をする。 柿崎は、白い悪魔から少しだけ命をもらい、 その悪魔が欲しいものを罠にかけ、つかまえて持っていくのだと言う。一方、みっちゃんは、自分の部屋に、見覚えのない人形を見つける。そこに、水銀燈が現れ、金糸雀も駆けつけるが、謎の人形は姿を消していた。その後、みっちゃんは、水銀燈と金糸雀を連れて、ジュンのお見舞いに出かける。そして、柿崎と謎の人形に捕らえられていた巴を発見、救出するが、今度は、みっちゃんが捕らえられ、柿崎に連れ去られてしまう。真紅、翠星石、蒼星石たちは、ジュンの病室に行く途中、雪華綺晶のnのフィールドへと誘い込まれ、人形たちに襲われるが、水銀燈によって、同じ場所へ導かれる。あの人形たちの「お父様」、即ち作成者は、鳥海だった。そして、彼は、無機の器とは違う、他の姉妹の誰とも違う、至高の人形を作ろうとしていた。金糸雀と水銀燈は、謎の人形と出会う。それは、雪華綺晶が作ったニセモノの世界のホンモノ。金糸雀は、この世界から急いで脱出しようとする。一方、巴と真紅、翠星石、蒼星石たちは、大学生のジュンに連絡を取り、協力を要請する。しかし、その大学生のジュンにも、何者かが襲いかかってきたのだった。 ***また、ここに来て、「まかなかった世界」の大学生のジュンが登場。「まいた世界」の中学生のジュンを、今度は、彼が助ける番と言うことでしょうね。
2014.07.05
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ジュンは、久し振りに学校に出かける。 登校中に柏葉に出会い、校門まで辿り着くが、そこで倒れ、保健室へ。 すると、鳥海がやってきて、話をする。 その日、ジュンと同じクラスに転入生がやって来る。 それは、柿崎めぐで、ジュンに会いたいから、この学校にやって来たという。 翌日、柏葉と一緒に登校したジュンは、何とか教室まで辿り着く。 そして屋上で、柿崎めぐと出会う。その日の帰り道、ジュンは鳥海に声をかけられ、家のローゼンメイデンを見せることに。ところが、みんな出かけていたため、ジュンは絵を描きながら、アリスゲームのことまで、詳しく話をしてしまうのだった。一方、真紅、金糸雀、翠星石、蒼星石たちは、マスターたちが捕らえられている雪華綺晶のアジトを探すため、nのフィールドへ行っていた。手分けをして捜索を始めた蒼星石は、水銀燈に出会ったのだが……そこは「9秒前の白」と呼ばれる場所の河口、無意識の海。その不思議な世界を打ち砕き、蒼星石を救ったのは水銀燈。そして、水銀燈はめぐを見つけて取り返したら、蒼星石からローザミスティカを返してもらうと告げる。日曜日、ジュンは翠星石を連れて教室へ。そこで、柿崎の上履きがゴミ箱に捨てられているのを発見する。ジュンは、それを彼女の机の中に入れておいた。後日、柿崎が教室に現れ、上履きは自分が捨てたのだと、皆の前で言う。そして休み時間、屋上へと続く階段で、ジュンを痛めつける柿崎。彼女は、一体誰と話をしているのか?その柿崎を、水銀燈は「私のマスターに相応しい、病んでイカれた子」と思っていた。それは、自分と同じ何かを彼女に感じていたから。しかし、その柿崎は、雪華綺晶に攫われている。 *** 「いいわ」「誓ってあげる」 「死が二人を別つまで?」 「いいえ」「死んでも一緒だわ-」これが、本巻の最後のシーン……むぅ~……む・ず・か・し・い……そして、現在の柿崎を操っているのは、雪華綺晶なのか?さらに、鳥海は『少女のつくり方』を誰から手に入れたのか?「いよいよ、始まりましたなぁ」という感じです。
2014.07.05
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どうやら、このお話の本当の主人公は、中学生のジュン。 「まいた」世界のジュンらしい。 そして今巻は、4巻までに比べると、まったり、ほのぼのとした感じ。 こちらの世界のジュンは、姉・のりと一緒に暮らし、 第五ドール真紅(しんく)、第三ドール翠星石(すいせいせき)、 第六ドール雛苺(ひないちご)、第二ドール金糸雀(カナリア)もいたらしい。そこへ、新たに第四ドール蒼星石(そうせいせき)が加わるが、雛苺は、アリスゲーム中、第七ドール雪華綺晶に身体を奪われてしまったため、その姿はない。そして、ジュンの家に元・金糸雀のマスターだった柏葉巴が訪ねてくる。翌日には、現・金糸雀のマスター・みっちゃんも訪ねてくる。そして、ローゼンメイデンとローザミスティカ、指輪、それに、マスターの現状を一覧にまとめて確認する。(p.078)みっちゃんは、雛苺を取り戻し、今いる子たちを共に守ろうとジュンに言うのだった。この一覧を見て理解するには、4巻までの内容がしっかり頭の中に入っていないとムリ。やっぱり、このお話は複雑で、かなり難しい……。夜、蒼星石は、真紅と共に、薔薇屋敷に向かう。そこは、かつて蒼星石と真紅が戦った場所。そして、蒼星石の元マスターの結菱老人は、病院で眠ったまま。蒼星石は、庭師として、薔薇の手入れをするために、夜毎ここを訪れていたのだった。しかし、結菱老人や、雛苺のマスター・オディールは第七ドール雪華綺晶に捕らわれ、その苗床になっているのだと、真紅は告げる。その頃、第一ドール水銀燈のマスターと思われるめぐちゃんは、長期入院していた病院で急に元気になり、退院することになっていた。ある日、ジュンは、図書館でローゼンメイデンに関心を持つ同級生の鳥海皆人と出会う。一方、真紅、金糸雀、翠星石、蒼星石は、自分たちのマスターを雪華綺晶から守るため、アリスゲームの最中ではあるが、共闘することを誓うのだった。 ***前半のまったり、ほのぼのとした雰囲気も、ページを重ねるにつれ緊張感が増してきました。さて、時間では、再び雪華綺晶との争いが勃発するのでしょうか?
2014.07.05
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第42951世界=雪華綺晶の世界にやって来た中学生のジュン。 そこで、彼は「ラプラスの魔(兎)」に出会う。 そして、兎の差し出した鏡で、本物の真紅のボディを見つけると、 トゲだらけのいら草を素手で編んでロープを作り、谷底へ向かおうとする。 一方、蒼星石のマスターとなったが大学生のジュンは、 蒼星石から、庭師の双子の翠星石がいれば、二人で時計を動かせると聞く。 蒼星石は、自分と翠星石のローザミスティカを交換するから 時計を動かす間だけ、ローザミスティカを二人に与えて欲しいと水銀燈に申し出る。水銀燈は、この取引に応じ、双子は大学生のジュンを元の世界に戻そうとする。それを、なおも阻止しようとする雪華綺晶に、大学生のジュンは、こう言い放つ。 誰かに与えられるんじゃ意味がない。 世界を、僕が僕の意志で、僕の力で変えてやるんだ。 お前は、いらない…!中学生のジュンは、突然現れた金糸雀に驚き、せっかく作ったロープを谷底に落としてしまう。しかし、雛苺の人工精霊・ベリーベルが、谷底にあった本物の真紅のボディを運んでくる。そして、大学生のジュンの目の前の真紅のボディが粉々に砕けたとき、中学生のジュンは、大学生のジュンに、本物の真紅のボディを送り込む。大学生のジュンは、本物の真紅のボディにローザミスティカを埋め込むと、薔薇の薇を、中学生のジュンに託すのだった。一方、第六ドール雛苺の行動を知り、目の前で起こった出来事を見た水銀燈は、蒼星石のローザミスティカを取り返さぬまま、去っていったのだった。そして、大学生のジュンは、元の世界に戻ってきた。 ***取り敢えず、今巻で、お話しは一区切りついた感じ。でも、最後のシーンといい、まだ私には十分理解できないところが多い作品です。
2014.07.04
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雪華綺晶に捕らえられた大学生のジュン。 翠星石は、雪華綺晶のボディーは、 自分の双子・第四ドール蒼星石のものだと、真紅と水銀燈に伝えるが、 雪華綺晶に捕らえられてしまう。 その時、ジュンは真紅と契約を結んで、 雪華綺晶のマスターになってしまうことを防ごうとする。 真紅が契約を躊躇している間、雪華綺晶は、ジュンと強引に契約を結ぼうとする。その時、翠星石がジュンに、自分と契約しろと言い出す。そして、他の人形たちも、次々にジュンと契約を交わそうとし始める。選択を迫られたジュンは、決意を胸に、真紅へと近づいて行くのだった。しかし、それを阻止しようとする雪華綺晶の行動で、またも戦闘状態に。その中で、ジュンは不可抗力によって、蒼星石と契約してしまう。そのことが、蒼星石のボディーに残っていた記憶を呼び起こし、雪華綺晶のローザミスティカが、相容れないボディーと反発し合い、苦しみ始める。だが、雪華綺晶を倒すために必要な、蒼星石のローザミスティカを、水銀燈は返そうとしない。そんな中、真紅に問われた翠星石は、この状況へと皆を導いたのは「お父様」だと答える。その答えに、過去の記憶を呼び起こしかけた真紅だったが、時計の鐘が鳴り、蒼星石のボディーが現れ……ジュンが気付くと、目の前には中学生のジュンと第二ドール金糸雀がいた。そこは、大学生のジュンの、自分にとっての第0世界。そして、大学生のジュンは、中学生のジュンと話す中で、「ここまでしか行けないという境界線は、どこにもない」ことに気付く。「世界は、選び取れる」ということに。一方、真紅と水銀燈は、第42951世界=雪華綺晶の世界にいた。そして、そこに、蒼星石が翠星石のボディーを抱きかかえて現れたのだった。大学生のジュンは、金糸雀と共に、糸を辿って元の世界に戻ろうとする。金糸雀の奏でるバイオリンの音色が、まやかしの水晶を消し去り、最後に残った本物の水晶も打ち砕いて、舞台の大道具の時計の前に辿り着く。そこには、真紅たちがいた。さて、大学生のジュンは、ここからどうやって自分の世界に戻るのだろうか? ***今巻も、なかなか複雑で、お話しの流れを理解するのに、随分時間がかかりました。とにかく、私がこの世界観に馴染むには、かなりの忍耐が必要なようです。
2014.07.04
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大学生のジュンは『週刊 新・少女のつくり方』の人形作りを始める。 中学生の頃のジュンから届いたメールには、次のように書かれていた。 「僕からメールが来たことも人形が完成するまでは、真紅たちに伝えるな」 しかし実は、そのメールは中学生のジュンが送信したものではなかった。 中学生のジュンは、第二ドール金糸雀のマスター・みっちゃんと連絡を取り合う。 雪華綺晶に捕らわれた真紅たちを救うため、中学生のジュンと一緒にnフィールドに入り、 あらゆる場面で中学生のジュンを助け、みっちゃんとの連絡を可能にしたのが金糸雀。 中学生のジュンは、大学生の自分からのメールは受け取れるが、送信は出来ない状況にあった。一方、大学生のジュンは、バイト先の書店で店長から在庫数が合わなことを咎められる斉藤さんを自分が作ったスリップの記録ノートで、手助けする。そして、真紅が「まいた世界」に戻らないと、仮の器が消去されてしまう日、大学生のジュンは、劇団の公演に、真紅をバッグに入れて出かける。そして、置き忘れられた小道具の人形の代わりを、真紅がすることになる。その頃、水銀燈は、大学生のジュンが作りかけた人形を餌に、末妹・雪華綺晶をおびきよせようとしていた。舞台が始まり、演技する斉藤さんを見詰める大学生のジュン。気付くと、横の席には水銀燈がいた。そして、大道具のハリボテの時計の振り子が動き出し、鞄の中から雪華綺晶が現れた。すると、ジュンたち以外の時間が止まってしまう。水銀燈は自分のマスターを目の前で攫われ、nフィールドへ行った時のことを真紅に語る。そこで、雪華綺晶は、ローゼンメイデンと契約を結べる人間を集め、その意識を糧にしていた。水銀燈は自分のマスターだった少女を取り返そうとしていたのだった。しかし、雪華綺晶のボディーは、一体誰のもの?本当に雛苺?真紅と水銀燈が、雪華綺晶と死闘を繰り広げる中、第三ドール翠星石が到着。さて、この戦い、この後はどう展開していくのでしょうか?
2014.07.04
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『銀の匙』(1巻~11巻)を借りに行ったとき、 本当なら10冊600円のところを、20冊800円にしてくれるクーポンがあったので、 残り9冊、何を借りようかと調べたら、『極黒のブリュンヒルデ』とか、 『蒼き鋼のアルペジオ』等が、面白そうだったので、それを念頭に出かけました。 しかし、『銀の匙』は全巻揃っていたものの、あとの2作はありませんでした。 そこで、棚を見て回っているところで見つけたのが、この作品。 ちょうど9冊あったので、合計20冊借りて、家に帰ってきました。 家に帰って調べてみると、レビューの評価も良い作品のようです。 ***ジュンは、大学にあまり顔を出さず、本屋でバイトをしている。その時見つけたのが、『週刊 少女のつくり方』。名人形師ローゼンによって作られた「ローゼンメイデン」という、謎と神秘に彩られた、幻の七体のアンティークドールを作ろうというもの。説明の後には「まきますか まきませんか」と記されており、創刊記念特別付録として「薔薇の薇(ぜんまい)」が入っていた。そして、その薇を持ち帰ったジュンのもとに、第2号が送られてくる。その付録は、完成したドールを収納できる鞄と大腿部のパーツ。毎週届くパーツを集めて作ると、ローゼンメイデンが出来上がる。それは、薔薇乙女の中でも一番気高く咲く第5ドール・真紅。ジュンは、人形作りに懸命になるが、途中休刊になったとの知らせが届く。そこには謎のメッセージが入っており、それを読んだ直後、メールが届く。その送信者は、桜田ジュン、中学生だった頃の自分からのメールだった。そのメールで、ジュンは「まかなかった」世界の自分で、送信したのは「まいた」世界の自分だという。そして、次の情報を送ってきた。 ローゼンメイデンは全部で七体。 第一ドール水銀燈(すいぎんとう)、第二ドール金糸雀(カナリア)、 第三ドール翠星石(すいせいせき)、第四ドール蒼星石(そうせいせき)、 第五ドール真紅(しんく)、第六ドール雛苺(ひないちご)、 最後に第七ドール雪華綺晶(キラキショウ)…コイツがクセモノだ。 人形たちは「アリスゲーム」という名のもと戦っていて、 ローザミスティカという お互いの魂のかけら(みたいなもの?)を奪い合ってる。 ただ一人の勝者だけが「アリス」という至高の少女になれる。 人形たちの戦いには、力の媒体になる人間が必要で、一体に一人ずつマスターがつく。 雪華綺晶の策略で、ほとんどのドールとマスターが行動不能に陥ってる。 そしてもう一度、薔薇の契約を結ぶ。 それと今から大事な事を伝えておく。 僕はいま、ちょっとした事情ここで、メールは途絶える。私は最初に本巻を読んだとき、この部分を流し読みしてしまったために、以降、話の流れに全くついていけなくなってしまいました。この部分と、次の部分こそが、本作を理解するために、まず知っておかなければならないこと。 ごめん回線切られた。 こっちとそっちでは体感時間も違うらしい。 時々コマギレになるけれど勘弁しろ。 真紅を呼び戻すには体が必要だ。 真紅の意識が宿るにふさわしい体がな。 でも僕は今、ちょっとした事情で動けない。 だから別の僕に託したんだ。 雪華綺晶に見つからないように人工精霊を使って、お前がやるべき事は3つ。 1.真紅を作れ 2.真紅を起こせ 3.最後は… 借りの器でいい、材質の問題じゃない。誰が作るかなんだ。 真紅を戻せる器が作れるのは僕しかいない、だからお前だ。 できる 僕ならできる。だからお前もできる。できない事なんか何もない。nのフィールドで、雪華綺晶の妨害を受けながらも、真紅を完成させたジュン。そして、薇を巻くと真紅が再起動した。中学生のジュンは、真紅のホーリエ(人工精霊)を救援として送っていた。そのホーリエが、封じ込められた真紅の体から、ローザミスティカを取り出し、ジュンが今回作った仮の器へと運んできたのだった。その後、ジュンの手元に『週刊 新・少女のつくり方』第1号が届く。真紅は、それが雪華綺晶の罠かもしれないと警告する。そして、洗面台の鏡から現れたのは、水銀燈。しかし、「水銀灯は『週刊 新・少女のつくり方』とは別口」だと、真紅は言う。水銀燈は、自分のものと蒼星石のものとの、ふたつのローザミスティカを持っていた。そして真紅は、本当の自分の身体には、雪華綺晶の目を眩ますため、雛苺のローザミスティカが残っているのだと、水銀燈に打ち明ける。そして、あと5日のうちに「まいた世界」に戻らないと、仮の器は消去され、自分のローザミスティカは、行き場を失ってしまうとも。一方、ジュンは、同じ書店でバイトをしている斉藤さんに頼まれ、彼女が所属する劇団の舞台衣装の監督ということで出向くが、結局、大道具を手伝うことに。しかし、バイト先の店長からは、トコトン馬鹿にされる。さらに、真紅から「この世界の今を変えることは、もうできない」と言われてしまう。そんな、ジュンの元に、また、メールが届く。 可能性のない世界なら、作ってしまえばいい。 お前だけの人形があれば、お前も変われるはずだ。そして、ジュンは『週刊 新・少女のつくり方』を手にしたのだった。 ***最初、読んだときは、本当にチンプンカンプンでしたが(斜め読みだったせいですが……)、こうやってまとめてみると、「なるほどな」というお話しでした。それでは、頭の整理がついたところで、第2巻へと進みます。
2014.07.04
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八軒たちのエゾノーでの生活も、はや一年が過ぎようとし、 寮生活も、いよいよ終わりを告げようとしていた。 そしてバレンタインデー、馬術部女子部員からは、男子に義理チョコが。 しかし、大川は就職が決まらず、依田は彼女と別れていた。 その夜、八軒は父に電話し、大学資金を自分に投資してくれるよう頼む。 しかし、ハッキリとした企画もビジョンもない起業などダメだと断られる。 だが、その直後、御影からチョコを受け取った八軒は大喜び。 下宿も御影の父が探してくれた、競馬場の近くに決定したのだった。そして八軒は、出資者を納得させる企画書作りを、多摩子に相談する。そして、そこには吉野も加わることになる。しかし、八軒は多摩子が納得するような企画書が、なかなか書けない。一方、御影と相川は、担任に呼ばれ、畜大推薦を目指すよう指導される。そんなある日、八軒の両親が、下宿の契約日に、学校にやってくる。そして、契約が終わると、父は八軒に、起業はどうなっているのか訪ねる。その時、御影が「もっと八軒君のこと、信じてください」と加勢する。帰りのタクシーの車中、父は母に「本気には本気で返す」と語るのだった。八軒は、多摩子の兄・稲田先輩から「豚の繁殖・飼育 加工・販売プロジェクト」のファイルをもらう。それは、稲田が農ク室からワザワザ借りてきて、コピーしてくれたものだった。農ク室には、先輩たちが残していった研究ファイルの、宝の山があった。 ***さて、今巻の最大の肝は、やはり1年生が退寮するに当たっての校長先生の挨拶。「銀の匙」の意味を、もう一度考えさせられました。でも、駒場が全く登場しなかったのは、とても残念。これで、レンタルしてきた11冊は全て読了。駒場の活躍は、この夏発売予定の12巻以降ということのようです。
2014.07.03
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正月も実家に帰らず、寮で過ごすことにした八軒。 すると、年越しの夜に教員たちが集まってきて、大宴会が始まる。 そして元旦、馬小屋に大川と、搾乳のバイトに雇われた駒場がやってくる。 やがて、教員の家族たちまで集まってきて、餅つきが始まった。 その後、八軒・駒場・大川は、大蝦夷神社に初詣。 そこで三人は、南九条と御影に出会う。 八軒からメールが届いていることに、そこで初めて気付いた御影は、 目の前の八軒に、慌てて返信するのだった。冬休みが終わって、学校の授業が再開。八軒たちは、買い取った三頭の豚を、ソーセージとベーコンにすることに。そして、製品が出来上がると、次はその価格付けに取り組む。一方、大川は、ラクレットオーブンの作製に取りかかっていた。富士先生の発案で、豚ファンドの試食会が催される。御影は、駒場を、この催しに誘うが、駒場は「今日も仕事」と返信する。試食会は大盛況で、西川は、食品科池田を手懐けることに成功。それを見て、益々落ち込む大川。そして、いよいよ製品の販売日。エゾノーのブランド力と、西川の作ったラベルの力で、ソーセージは完売。そして、八軒は次なるプロジェクトを提案し、仲間たちの賛同を得る。そこへ現れたのは、八軒の兄と嫁・アレクサンドラ。兄は、インターネット家庭教師をして、ラーメン屋の資金を貯めていた。そして、兄はインターネット家庭教師にも、やりがいを感じているのだった。後日、駒場は、妹たちと御影に謀られ、氷まつりに誘い出される。そこで、駒場は、かつての学友たちも再会した後、一人立ち去るのだった。 ***そして、やっぱり今巻で一番気になったのは、最後のページ。「ぼちぼち 肩、暖めておくか」この駒場の言葉は、何を意味するのか?早速、次巻を読み始めます!
2014.07.03
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大蝦夷畜産大入学に向けて猛勉強を開始した御影。 そのサポートをするため、兄の大学受験対策ノートを実家に取りに帰る八軒。 時間つぶしに寄った書店では、偶然、中学時代の友人たちと出会う。 そして頃合いを見て、実家に行くと、そこには、まだ両親がいた。 昼食を食べながら、御影に勉強を教えようとしていると語る八軒に、 父は「勉強で脱落した人間が、人に勉強を教えるというのか?」と問う。 それに対し、「一度失敗した人間は、何もしちゃいけないのか?」 「一度の”ダメ”で、全部がダメになるのか?」と問い返す八軒。後日、八軒の母が、八軒の様子を見に、初めて学校にやって来る。そこで、八軒の先生や友人たちと出会い、御影とも対面する。母は、皆と共に食卓を囲み、友人たちと会話する八軒を驚きの目で見詰める。そして、別れ際、八軒に「もう、嘘はつかない」と約束するのだった。そして、また後日、八軒は、飼育から食べるまでの全工程を経験することに。それは、飼育・解体・加工・販売・食べる、までのワンセット。そして、獣医を目指す相川や、御影、友人たちと大蝦夷畜産大に、自分が世話をし、「ベーコン」と名付けたブタの解体を観に行ったのだった。八軒の兄の大学受験対策ノートに従い、勉強を進めた御影は、後期中間考査の国語で、成績をアップさせることに成功する。一方、八軒の元に兄から「正月、実家帰んの?」との電話がかかってくる。そして、その電話の中で、兄がロシア人の女性と結婚したと知らされたのだった。試験後、寮の共用パソコンが、ウイルスに感染するという事件が起こり、そのために、男子はクリスマス会に参加できなくなってしまう。それでも、八軒は、御影からクリスマスプレゼントをもらうのだが、それは、ばんえい競馬現役最強馬の蹄鉄だった。
2014.07.03
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中嶋先生のチーズ作りを手伝い、 この前、出産の手伝いをした小牛の名付け親となった八軒。 そして、突如現れた南九条から、駒場牧場が離農すると聞かされる。 翌日、駒場が現れると予測した八軒は、授業を抜け出し、寮で待つことに。 そして、駒場から、御影家が駒場家の借金の保証人になっていると聞く。 駒場牧場の牛たちが売られていくところに立ち会う八軒と御影。 そして、駒場と一緒に、牛たちのいなくなった牛舎を掃除する。 その後、駒場は原付に乗って、バイトの面接に出かけたのだった。駒場牧場の離農は、保証人である御影家にも影響を及ぼし、御影の祖父は、所有している馬を全て売ると言い出す。そこで、御影は家族に、初めて自分は御影牧場を継がず、高校を卒業後は、馬を扱う仕事に就きたいと打ち明ける。そして、出来れば、ばんえい競馬の裏方で働きたいと、叔父に願い出るが、本気なら「大学に行くこと」という条件を突きつけられる。そして、御影は大蝦夷畜産大学を目指すことに。その勉強のサポート役を八軒は、家族の前で買って出る。 ***いよいよ、今巻から、このお話の核心部に迫ってきたという感じです。なぜ、この作品のタイトルが『銀の匙』なのかが、少し分かった気がしました。
2014.07.03
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エゾノー祭での馬術部の企画は大好評。 一方、八軒が入院している病院にやってきた父は、 勇吾と担任の桜木に否定的な言葉を残して、立ち去る。 そして、兄・慎吾も、母とは言葉を交わすが、父を見ると早々に逃げ出す。 八軒は、母とメガネの修理にタクシーで出かけるが、 車中で、ベーコンのメールの件について話が及ぶと、 一人、途中で下車してしまうのだった。 その後、八軒が学校に着くと、エゾノー祭は既に終わっていた。部室の中で、御影からエゾノー祭の様子を聞き、感想ノートを見せてもらう八軒。その後の打ち上げの席では、先輩たちが、御影の変化について、語り合っていた。また、八軒のケータイには、多数のの着歴とメールが残っていた。さらに、八軒は御影から、二人で遊びに行くことについて、再確認したのだった。馬術部の練習がなくなった午後、八軒と御影は、二人で大蝦夷神社に出かける。しかし、そこには、たくさんの顔見知りがいた。そして、二人とも、絵馬に「野球部が優勝しますように」と書いたのだった。八軒がトラクターの運転練習をしている頃、駒場は勝利を積み重ねていく。そして、全道大会準決勝の日、八軒は牛の出産に二度もかり出される。それを終え、TVで駒場の投球を見守ることはできたものの、あと一人抑えれば、勝利というところで、ライトがタイムリーエラーをして逆転負け。そして、その翌日から、駒場は二度と教室に戻ってこなかった。果たして、駒場はどこへ行ってしまったのだろうか?そして、あの時の、御影の涙は、そのことと関係があるのだろうか?
2014.07.02
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馬術部の一年生にとってデビュー戦となる秋季大会。 そこに現れたのが、地元農協の組合長の娘・南九条あやめ。 彼女は御影と同じ中学出身で、エゾノー推薦に落ち、清水西校に入学、 そして、異常なまでに、御影をライバル視していた。 ジムカーナで、南九条は最下位、八軒は7位、同級生の栄が優勝。 小障害飛越Cで、南九条は失権、八軒は落馬しかかるも4位に入るが、 表彰台に上れず、悔しさがこみ上げてくる。 続く小障害飛越Bで、御影はマロンに乗り換え、3位に入る。エゾノー祭に向け、やらねばならないことが多すぎる八軒。そして、馬術部が使用する場内チェックをしていた時、御影と出会い、エゾノー祭が終わったら、二人で遊びに行こうと誘い、OKをもらう。だが、御影は、その意味合いを、女友達に説明されて、初めて気付く始末……。エゾノー祭当日、副部長の散歩に出かけた八軒は、過労で遂に倒れてしまう。そして、八軒が入院している病院にやってきたのは、父だった。何やら深い問題・溝がありそうなこの二人。この後の展開は、どうなるのか?
2014.07.02
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八軒は、校内ゴミ拾いで犬を拾い、学校で飼うことに。 その犬は、副部長と呼ばれ、みんなからかわいがられる。 一方、駒場は、仲間たちが観戦する中、秋期高校野球大会で2度目の勝利。 実習中、牛が転けた際には、八軒が駒場を庇い、自分がケガをすることも。 その後、野球部は勝ち進み、全道大会に駒を進める。 逆に、八軒はマロン(馬)で、障害を跳べずに悩む。 そんな八軒を、御影は、自分がお世話になっている乗馬クラブへと誘う。 そこで、出会った人たちから、彼は、人と馬との関係について再考させられる。そして馬術部での練習中、御影の一声で、八軒を乗せたマロンは、障害を高く跳び越える。一方、エゾノー祭で、馬術部は、競技形式の馬術と「輓馬(ばんば)」を披露することに。校内に3haの土地と馬そりを確保し、農場に輓馬のコースを、多数の協力者を得て作りあげる。しかし、「断れない男」の八軒は、収拾のつかない状況に追い込まれてしまうのだった。
2014.07.02
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八軒が買った「豚丼」の精肉は51kgで、25,296円。 まずは、豚丼にして食し、あとはベーコンに。 八軒は、その下ごしらえを一人でこなして、燻製。 出来上がったベーコンを御影家と駒場家に、お礼として送ることにする。 そこに現れた兄・慎吾は、それを札幌の自宅にも送っておけと言う。 「お前の本気を見せてやれっての。」と。 秋になり、3年生引退後、馬術部副部長になった八軒に、母からのメール。 『お父さんにたべてもらったら「おいしい」って言ってましたよ。』そしてある日、八軒は、駒場と何やら話をしている御影の目に涙が流れているのを目撃し、その後も、馬術部でミスをするなど、様子がおかしい御影が、気になって仕方がない。一方、秋期高校野球大会で、完封勝ちを収めた駒場。そして、「落ちた蹄鉄を拾うと幸運になれる」と御影に教えてもらった八軒。 ***今巻は、「夏の巻」と「秋の巻」の間に、「夏の思い出」前編と後編がありました。まぁ、スピンオフ的なお話しで、本筋とは、ほぼ関係のない内容です。そして、私が本巻で一番印象に残ったのは、校長先生が八軒に言った次の言葉。 苦しくても、うまく本音を吐き出せない子もいるから、 そういう子に気付いたら、力になってあげてください。 逃げた事を卑下しないで、それをプラスに変えてこそ、 逃げた甲斐があるというものです。(p.163)何か、今の自分には、とっても響きました。
2014.07.02
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御影は、本当は馬関係の仕事に就きたかった。 八軒が、そのことを聞いた夜、御影の父が退院し、家に戻ってくる。 そして翌朝、町営牧場の牛が大量脱走し、御影の家の牛と混ざってしまう。 その時、バイクに乗った男が現れ、牛たちを運動場に追い込んでくれた。 その男は、八軒の兄・慎吾で、東大を辞めて、ラーメン屋に弟子入りしていた。 慎吾は、弟の無事を母親に電話で伝えるが、途中で替わった父にはいい加減な返事。 ところが、慎吾が御影の家つくったラーメンは、激不味……。 そして、翌日には、バイクで旅立ったのだった。ある日、八軒のミスでパイプがはずれ、搾乳した牛乳が、全部こぼれてしまう。落ち込んだ八軒は、バイト代は受け取れないと断るが、御影の曾祖母の一言で、受け取ることになった。八軒は、そのバイト代で、成長した「豚丼」の肉を購入することになる。 ※ 「豚丼」は、学校で飼育している豚の一頭に、まだ小さかった頃、八軒が付けた名前。 ***今巻は、八軒家の内情が垣間見えた。さて、届いた「豚丼」を、八軒はどうするのか?それでは、次巻へと移ります。
2014.07.02
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さて今巻は、ゴミの山の中から出てきた竈を使ってピザ作り。 八軒は、色んな生徒や先生たちの協力を得て、大成功に導く。 続いては、大蝦夷工業高校との交流戦。 だが実際は、終了後のジンギスカン・パーティーがメイン。 そして夏休みは、御影の家で住み込みのバイトをすることに。 八軒は、母親から来たメールに返信するため、御影の家の隣りにあるという 同級生の駒場の家を訪ねようとするが、 途中で道に迷ってしまい、結局、駒場に救われる。駒場の家では、20~30頭の牛を、母親が一人で世話し、駒場と小さな妹二人が、それを手伝っていた。そして、そこに迎えに来た御影の祖父に、鹿の解体作業を命じられ、何とか、やり遂げることに成功する。後日、八軒は、御影とその母と共に、同級生のタマコの家が経営するギガファームの見学に出かける。そこは、牧草地だけで300ha以上、乳牛800頭を、4件の農家と従業員十数名でやっていた。そして、八軒は、ここで牛の出産に立ち会うことになったのだった。 ***本巻では、農家と一口に言っても、経営規模も経営者の理念も、それぞれに、随分違いがあるいうことが、良く伝わってきた。それでは、次巻の読書に移ります!
2014.07.02
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『鋼練』の作者が、こんなの描いてんだと思ってたら、 映画化されて、TVで宣伝しまくってたから、どんなお話しかは大凡知ってました。 でも、実際に、この作品を手にとるのは始めて。 既刊のものを、レンタルしてきたので、一気に読み進めていきます! 進学校・新札幌中から大蝦夷農業高・酪農科に入学した八軒勇吾。 周囲の級友たちは、実家が農業を経営していたり、明確な将来の夢を持って 推薦で入学してきたものが多い中、彼は一般受験で入学し、 特にこれと言った夢や目的もないのだった(成績には拘っているが)。八軒は、同級生の御影アキに誘われ、馬術部に入部するが、ある日、彼女と共に、ばんえい競馬を観に行くことに。そのシーンで描かれた馬の躍動感は素晴らしく、流石に『鋼練』の作者。そんな学校生活の中で、八軒は「命」というものに向き合っていくことになる。さて、本巻の最後のシーンは、燃えるゴミが……それでは、次巻の読書へと進みます。
2014.07.02
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東京を訪れた天野とテツオは、バーで山科と丸部に遭遇し、 テツオは丸部と相席することになってしまう。 翌日、丸部と沙都子は、酒井不変木に会うが、その正体は坂井浦子という女性で、 沙都子の実の母親だった(多数の男と関係していたため実の父親は誰か不明)。 彼女は元共産党員で、特高警察から逃れるため、沙都子を兄夫婦に預けたのだが、 阪神大水害で連絡が取れなくなっていたという。 しかし、それで、なぜ丸部が、沙都子を見つけ出し、養女に出来たのかは不明。 ただ、丸部が沙都子に対し、卑猥な行為を続けていたことは、明らかになった。坂井浦子は、仲間たちと共に北朝鮮と連絡を取り、理想郷をつくろうとしていた。そして、その活動資金を得るために幽霊塔の財宝を狙っていた。また、その財宝を得るためのカギとなるスカラベを所持していた。一方、山科は、坂井浦子が越後屋伊兵衛の子孫ではないかと推測する。浦子の家に留まった沙都子はスパイと疑われ、浦子の仲間の男に拉致されかかる。その危機を救ったのは丸部で、沙都子にスカラベと小箱を手に入れるよう命じる。その後、浦子の家に天野とテツオも乗り込み、沙都子と合流する。そして、そこで浦子の仲間たちが次々に殺されていき、浦子も命を奪われる。浦子の家で、死番虫と対峙することになったテツオ。死番虫は、テツオが藤宮麗子であることを知っており、「俺を人殺しにしたのは、……お前だ。」と言い放つ。そして、謎の言葉「ママ。」の言葉を残し、逃げ去ったのだった。浦子の仲間の生き残り・文は、天野、テツオ、沙都子に銃口を向け、土蔵の壁に埋めこんであったスカラベの小箱を見せ、スカラベを渡せと要求する。土蔵に向かう一行を待ち伏せていたのは死番虫。そこで、文と死番虫の対決となるが、死番虫は小箱を手に入れると、土蔵に鍵をかけ立ち去る。土蔵に残された4人だが、天野が銃を見つけると、文がテツオを人質に銃を渡せと要求する。そこに、死番虫が戻ってきて、再び文との対決となる。最初は、文が優勢だったが、死番虫がマスクを取ると形勢は逆転し、文は逃げ去る。死番虫は、テツオを助け、翌日には、二人だけで会いたいと手紙をよこしてきたのだった。二人で会話を交わすテツオと死番虫。そこで、死番虫は、女性記者と、地下迷宮の女と、本城志郎を、素顔を晒し殺したことを認める。そして、テツオだけが死番虫の孤独を理解でき、死番虫だけがテツオを受け入れられると言う。しかし、テツオは、自分には天野がいると言うが、死番虫は、そうでないと証明してやるという。一方、丸部は天野に、テツオが麗子であることを知っているとを告げ、麗子から時計塔の動かし方を一週間以内に聞き出すよう指示する。そして、それを果たせば、天野を逃がし、女性記者殺しの真犯人も教えてやると言う。さらに、テツオも見逃してやると言われた天野は、丸部の指示に従うことにする。その後、神戸に戻った天野とテツオ、沙都子は、夜、幽霊塔に行く。そこで、幽霊塔の秘密を明かしていくテツオ。そして、天野にだけ、スカラベの使い方を教え、テツオがかつて行動を共にし、幽霊塔の罠にかかって死んだ菊川秀夫の死体を見せる。そして、再び三人が揃ったところに現れたのは丸部だった。丸部はテツオに、知っている情報を全て教えろと言う。そうすれば、捜査に便宜を図ってやるとも。しかし、それに応じなかったテツオたちは、幽霊塔内で丸部と一緒に住むことになったのだった。 ***さて、前巻の記事の最後に書いた私の6つの疑問のうち、最後の6番目の疑問だけが、今巻で明らかになった。しかし、沙都子については、本当の父親と、浦子が預けた兄夫婦がどうなったか不明だ。まだまだ、謎が多い。
2014.07.01
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天野が目覚めると、そこにはテスラ博士と看護師・Qが。 彼らは、「死番虫」により傷つけられた天野の足を治療しようとしていた。 それは、幽霊塔から2人で逃走した後、テツオが車でここを訪ねたから。 そして、テツオは自分が麗子であることを、天野に打ち明ける。 後日、ラジオから流れる、幽霊塔での大量殺人事件のニュースにより、 2人は、自分たちが容疑者として追われる身になっていることを知る。 さらに神戸市警の山科からは、 丸部検事が、真犯人が他にいる可能性を不自然に排除していると聞かされる。山科からの助言で、2には警察には出頭せず、逃げ続けることにする。そして、その際、周囲の目を欺くため、テツオは天野に女装させる。その逃亡中、天野は、神戸出身の作家・酒井不変木が書いた『灰色の迷宮』が、現在、幽霊塔で起こっていることと、瓜二つであることに気付く。天野からその話を聞いたテツオは、東京に行って、酒井不変木に会おうと言う。ただ、追っ手を避けるため、山越えで日本海に出て、北陸から関東に行くことに。ところが、二人は、山中で万次という若者に弓矢で狙われ、谷底の村に転落。そこは一面、ケシ(アヘンの原料)の花が咲き乱れていた。二人は、村人によって捕らえられ、村から出してもらえなくなってしまう。そして、この村の定員は55人で、二人が加わると56人になってしまったため、口減らしで、村で一番の年寄りである万次の祖母・久米が滝壺から流されると言う。その久米から、二人は子供を作るように命じられる。何者かが水門を開け、ケシ畑が水浸しになって4日後、その水が引いた時、アヘン工場の奥の小部屋で、万次が殺されているのが見つかる。天野は、その部屋の謎を解明し、密室殺人を暴こうとするうち、久米から、万次が産まれたことで、久米は自分の子供を産ませてもらえなかったと聞く。テツオと天野は、久米が犯人である証拠と、生き延びようとする理由をつかもうとする。そして、それは、久米が自分は身籠もっていると信じていたからだった。真相をつかんだ二人は、久米と共に村からの脱出を図るが……万次の矢が、久米を鬼から人へと還らせたのだった。 ***天野からの情報で、神戸市警も酒井不変木の捜査を開始する。そして、丸部も娘・沙都子を伴い、東京へと向かうのだった。もちろん、天野とテツオも、東京を目指す。さて、酒井不変木とは、一体どんな人物なのか? ***さて最後に、今巻までのお話しで、私が疑問に思っていることをまとめておくと、1.藤宮たつ殺しについて供述した執事:誰で、今どこにいるのか? 2.藤宮たつ殺しについて供述した女中:誰で、今どこにいるのか?3.藤宮たつ殺しについて供述した孤児院の院長:天野が育った孤児院と関係があるのか?4.天野を5歳の時に引き取った民間学者の義父:誰で、今どこにいるのか?5.天野について:本当の父と母は誰なのか?6.沙都子について:彼女は本当に丸部の娘なのか、そして彼女の母親は誰なのか?こんなところですが、これらがすべて明らかになるのは、まだまだ先のことでしょう。ということで、このお話は、まだまだ続きそうです。
2014.06.30
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