活き活きPC&園芸三昧

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September 22, 2022
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カテゴリ: 天文
 1.背 景 



  眼視や撮影時の現実としては、アイピース、レデューサー、バローレンズを装着することもあり、実際の焦点距離はどうなっているのかは不明となることがしばしば。バローレンズにしても、2倍とか5倍とかのカタログ値はありますが、高級なバローを除けば、バローレンズからのカメラの位置によって焦点距離は大きく変化することも経験しています。レデューサーにしてもバックフォーカスをこのくらいにしなさいというマニュアルはあるものの、カメラの位置を正確に装着するのは至難の業となります。バックフォーカスの位置を逃すと、一体どのくらい像に狂いが生じるかも定かではありません。定かでないことを追い求めるのも性に合いません。

  今回の話題は、バローレンズなどを装着した時に、焦点距離がどのくらい変化するかを測定した話題です。ブログ内容は、下の動画にもまとめています。


             焦点距離を如何にして知るか【写真をクリックすると動画へ遷移します】



 2.ASiairを使う焦点距離の求め方 


  プレートソルビングは実際に見えている像と、鏡筒全体の焦点距離とカメラの撮像素子のサイズからFOVを求めて、そのFOVに合致した星図データベース(インデックス)との像とを対比させているものと思われます。プレートソルビングが成功した場合には、星図インデックスのFOVと撮像素子のサイズから焦点距離を計算することが出来ます。実際には、FOVを微調整計算を行っているかも知れません。

  ASiairのプレートソルビングは、焦点距離がよくわからない場合は、”0”を入力することを推奨しています。このことを利用すれば、実際に撮影している鏡筒の焦点距離を正確に求めることが出来ます。下の写真は、MAK127に2インチ系のタカハシED1.5エクステンダーレンズを装着した時の焦点距離を求めた時の写真です。


             ASiairを使ってMAK127+ED1.5Xエクステンダーでの焦点距離を知る


  プレートソルビングが成功した後に、主カメラの切り替えスイッチをOFF/ONすると、 2,343mm の値が出現しました。このように、プレートソルビングから焦点距離を求めることが出来ます。

  ASiairにはプレートソルビングを行う上のFOVの制限が設定されています。

  ASiai第1世代    FOV > 0.4 (ASi294MCの場合は、焦点距離 < 1,800mm)
  ASiai Pro, Plus  FOV > 0.2 (ASi294MCの場合は、焦点距離 < 3,000mm)






 3.実際に撮影した画像を測定して比を求める 


  今回、2インチのバローレンズとエクステンダーを入手したので、その性能を見るために、約150m先にあるマンションの壁を撮影し、その画像からレンガの長さを測り、それそれのレンズの焦点距離を求めてみました。まず、バローなどのレンズを装着しないで撮影した時のレンガの長さを 1.00 とします。次に、種々のレンズを装着した時のレンガの長さの比を求めます。タカハシED1.5Xエクステンダーを装着した場合のレンガの長さの比は 1.37 でした。このエクステンダーを装着した時の焦点距離は、上記の通り 2,343mm だったので、レンズを何も装着しない場合のMAK127の焦点距離は、 2,343/1.37 = 1,710mm となる。


                   150m先のレンガ4個分の長さを測って焦点距離を知る


  各種のレンズを装着した時の焦点距離は下表のようになりました。バローレンズとエクステンダーを同時に装着した場合や、バローレンズとカメラの間に80mmの延長筒を装着した場合などの焦点距離も求めてみました。






 4.MAK127での2インチ系レンズの取り扱い方 

  今回の焦点距離の測り方の趣旨とは異なりますが、MAK127で2インチ系のレンズを取り扱う場面は多いと思いますので、備忘録として記しておきたいと思います。

  MAK127にカメラとしてASi294MC Proを使って1.25インチ系のバローレンズを使うと、大きな欠けが生じました。仕方なく2インチ系のレンズを取り扱えるようにしなければなりません。MAK127の尻尾は、M42のオスです。さて2インチネジは、M50.8です。いくらM42/M50.8変換アダプターやリングを検索しても見つかりません。M50.8はこの世界では、”SCT” と称することが、今になってやっと知りました。SCT/M42などを検索するとアダプターやリングがヒットしてきました。

  今回の目的に合致するアダプターやリング類は、下の写真に示す2組でした。


                 M42オスから2インチスリーブにするリング類

  左は、Baaderのコマコレクターを購入した時に付録に付いていたリング、右側は、SCT/M42変換アダプターとM42メス/M42メスのリングを組み合わせたものです。SCT/M42のM42オスねじは、ネジが浅いので堅牢さに欠ける欠点があります。



  尚、M42系を2インチ系に変換する方法としてVixenのネジ径変換アダプター 42T-50.8AD を使う方法もありますが、このアダプターの2インチ側の加工は甘く、かなりのガタが出るためお薦め出来ません。


                 Vixenのネジ径変換アダプター 42T-50.8AD




  MAK127に2インチ系のタカハシED1.5Xエクステンダーを装着した写真が下の写真です。

                 MAK127にタカハシED1.5Xエクステンダーを装着


  その時の連結図が下の写真です。


                      ED1.5Xエクステンダーを装着時の連結図




  MAK127に2インチバローレンズを装着すると、受け側の深さが浅いので、下の写真のように接続が冗長になってしまいます。


                 2インチスレーブに挿入した2インチバローレンズ


  実際にMAK127に2インチバローレンズを装着した時の写真が下の写真です。

                     2インチバローレンズを装着



  バローレンズの2インチチューブが長すぎるので、それを短くするためにバローレンズのレンズ部分を外して、それをM42/2インチスレーブのアダプターの内側にあるM48にネジ込みました。この改良したバローレンズは、完全なるフィットまでは行きませんが、冗長さがかなり改良された形になりました。


                     2インチバローレンズの改良


  改良した2インチバローレンズを実際にMAK127に装着した写真が下の写真です。カメラの前に80mmの延長筒を付けています。


               改良2インチバローレンズを実際に装着してみました。



 5.まとめ 

1.種々のレンズを装着した時や、カメラの位置を変えた時などの焦点距離は、ASiairのプレートソルビングでの焦点距離の初期入力を0mmと入力することにより知ることが出来る。

2.上記の焦点距離と実際に撮影した対象物の相対値を組み合わせることによって、容易に焦点距離を知ることが出来る。

3.MAK127は、M42系から2インチ系へ変換でき、多くの2インチ系のバローレンズやフィルターなどが利用でき、安心して欠けの無い撮影が出来る。








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Last updated  September 23, 2022 06:41:44 AM
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