本盤『スティル・ゴット・ザ・ブルース(Still Got The Blues)』は、ハードなロック演奏者として完成されたゲイリー・ムーアがブルースへと回帰した一連の作品の第一作である。参加アーティストもなかなか豪華で、アルバート・キング(1.)、アルバート・コリンズ(3.)、ジョージ・ハリスン(10.)といった面々がクレジットされている。
その一方で、他人の楽曲のカヴァーには有名曲が多く含まれる。アルバート・キングの『悪い星の下に生まれて(Born Under A Bad Sign)』からの2.「オー・プリティ・ウーマン」と8.「アズ・ザ・イヤーズ・ゴー・パッシング・バイ」も素晴らしいが、圧巻は終盤の2曲である。11.「オール・ユア・ラヴ」はジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズのアルバムでのエリック・クラプトンの演奏が有名な曲だ(ただし、この曲のオリジナルはオーティス・ラッシュによる)。そして、ピーター・グリーンの12.「ストップ・メッシン・アラウンド」は、ブルース・ロックの典型ともいうべき初期フリートウッド・マックの演奏で知られる。
1. Moving On 2. Oh Pretty Woman 3. Walking By Myself 4. Still Got The Blues 5. Texas Strut 6. Too Tired 7. King Of The Blues 8. As The Years Go Passing By 9. Midnight Blues 10. That kind Of Woman 11. All Your Love