音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2012年01月03日
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テーマ: Jazz(1966)
カテゴリ: ジャズ
やわらかでふくよかなトロンボーンの魅力


 カーティス・フラー(Curtis Fuller)は、1934年にデトロイトで生まれた米国のジャズ・トロンボーン奏者。幼い頃に両親(ジャマイカ出身)をなくし、孤児として育った彼は、学生時代にポール・チェンバースやドナルド・バード、トミー・フラナガンやサド・ジョーンズ、ミルト・ジャクソンらと知り合ったという。さらには徴兵時代(年齢を偽っていたため早目の徴兵を受けた)にはキャノンボール・アダレイとも一緒になっている。1957年、ニューヨークへ進出した彼は、プレスティッジやブルーノートに吹き込みを開始する。

 本盤『ジ・オープナー(The Opener)』は、ちょうどその1957年に録音された、ブルーノートでの最初のリーダー作。ニューヨークにでてきてからの彼は大忙しで、プレスティッジに3枚の録音をし、ブルーノートでは本作だけでなく合計3枚のリーダー盤を吹き込んだほか、いろいろなセッション(例えば、ジョン・コルトレーンの 『ブルー・トレイン』 )を次々にこなしていた。まさに引っ張りだこの人気だったということになる。

 ところで、トロンボーンと言えば、J・J・ジョンソンという先輩がいたが、このカーティス・フラーという“新人”を売り出すに当たり、ブルーノート(正確にはアルフレッド・ライオン)は一計を案じた。それがこのアルバムの特徴にもなっていれば、アルフレッド・ライオンの目が鋭かったことの証明にもなっている気がする。

 その特徴とは、いきなり物静かなバラードからアルバムが始まる点である。アナログの曲の配列を考えれば、この意図はより明白で、A面の冒頭(1. 「素敵な夜を」 )だけでなく、B面の最初(4.「ヒアズ・トゥ・マイ・レディ」)も同じくバラードで始まっている。初めて聴くと“えっ?”と思うかもしれないが、カーティス・フラーの演奏の最大のよさは、こういったゆったりしたプレイにあるのだと思う。

 テンポが上がっても、このゆったりやわらかな感触は変わらない。本作では、2.「ヒューゴア」が筆者のお気に入り。他に3. 「オスカリプソ」 や5.「リジーズ・バウンス」のようにリズムやテンポが変動しても、ふくよかでどこか落ち着かせてくれる彼のトロンボーンの魅力が維持されている。





[収録曲]

1. A Lovely Way To Spend An Evening
2. Hugore
3. Oscalypso
4. Here’s To My Lady
5. Lizzy’s Bounce
6. Soon


[パーソネル・録音]

Curtis Fuller (tb)
Hank Mobley (ts)
Bobby Timmons (p)

Art Taylor (ds)

1957年6月16日録音




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