音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2017年05月22日
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テーマ: Jazz(1972)
カテゴリ: ジャズ
ヴァラエティに富んだコニッツ盤


 リー・コニッツ(Lee Konitz)というジャズ・ミュージシャンは、老境に入ってからはともかく、一般には難しい演奏者というイメージがついて回ってしまうように思う。けれども、1968年の本盤は、そうした“難しさ”を脇において楽しさと明るさで聴くことができる好盤だと思う。

 1960年代前半のコニッツは、1961年の『モーション』の後、しばらくリーダー作の吹込みから遠ざかる。といっても、演奏をやめたわけではなく、ニューヨークからロスに拠点を移し、ヨーロッパへ演奏旅行に出かけるなどして、新たな境地を切り開こうとしていたように見える。そんな中、ヨーロッパに出かけたコニッツは1968年に複数の録音を残すことになり、結果、この年にリーダー作が再び発表されるようになった。詳しいデータがなく、どれが先か後かはっきりとはわからないものの、そんな中、イタリアはローマで吹き込まれたのが、本盤『ステレオコニッツ(Stereokonitz)』であった。そのようなわけで、共演のメンバーは主に当時のイタリアの精鋭の若手陣である。

 インスピレーションいっぱいのアドリブ演奏と言うだけでなく、エレクトリック・サックスを使用し(1.,2.,4.など)、さらに、6.「テイク・セヴン」ではフルートのソロも披露している。演奏面で言えば、従来とは異なる一新された演奏を見せてくれると言えるだろう。

 収録曲はいずれもベースのジョヴァンニ・トンマーゾの作とクレジットされているが、インプロヴィゼーションいっぱいでテーマがよくわからない曲もある。このトンマーゾという人は、当時のイタリアRCAのプロデューサーであり、考えようによっては、このメンバーの充実ぶりは彼の手腕によるものだったのかもしれないと思う。

 ともあれ、演奏に耳を傾けると、ジャズの難しさを感じさせず、エフェクターを多用しながらフルートまで手にするコニッツの演奏が、ある意味で気楽に聴けるのがいい。コニッツが難しいなどという先入観を得ている向きならば、こういう盤も試してみてよいのではないか。イメージ通りのコニッツが真であるならば、こういう軽妙である種ポップな彼の姿もまた真ということだろうか。


[収録曲]

1. A Minor Blues
2. Five, Four and Three

4. Midnight Mood
5. Terre Lontane
6. Take Seven
7. Giovanni d'Oggi
8. Tune Down


[パーソネル、録音]

Lee Konitz (as, fl)
Enrico Rava (tp)
Franco D'Andrea (p)
Giovanni Tommaso (b)
Gegè Munari (ds)







 ​
ステレオコニッツ [ リー・コニッツ ]




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Last updated  2017年05月22日 09時38分38秒
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