音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2017年10月07日
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テーマ: Jazz(1968)
カテゴリ: ジャズ
イギリス発の双頭コンボ


 ロニー・ロス(Ronnie Ross)は、1933年にインドのカルカッタ(コルカタ)でスコットランド人の両親のもとに生まれ、やがてイギリスに移って1950年代に入って活動を開始したバリトン・サックス奏者。一方のアラン・ガンリー(Allan Ganley)は1931年生まれのイギリス人ドラマーで、同じく1950年代に活動を始めていた。そんな二人が出会い、双頭コンボを結成する。1958年に結成され、翌年にはニューヨークでアトランティックに本盤を吹き込み、米国と欧州の双方でツアーを行なっている。

 イギリス人双頭バンドの作品ということで珍しがられるが、スタイルとしては、1950年代の西海岸の影響が相対的に強い。よく言われるのは、ロニー・ロスのバリトンはジェリー・マリガン的で、アート・エルフソンのテナーはズート・シムズからの影響が大きい。さらに、ジャック・モントローズ(テナー)とボブ・ゴードン(バリトン)のクインテットを範としていたらしい。

 そのようなわけで、ピアノの入る曲もあるけれど、基本的にはバリトンとテナーをフロントに据えたカルテット編成で演奏されている。収録された全8曲のほとんどはメンバーの自作曲。聴きどころとしては、まず、2本のサックス(バリトンとテナー)の絡みで、1.「ザ・カントリー・スクエア」や3.「ザ・ムーンベイザー」なんかはその典型例と言える。他にはロニー・ロスによる、バリトンならではの音遣いが随所に聴かれるのも楽しめる。特に4.「ザ・リアル・ファンキー・ブルース」の長く伸びるバリトンの音は印象的だったりする。あと、個人的に聴き逃せない演奏としては、まったりとした2.「ピティフル・パール」、ピアノも入って小気味よいテンポで演奏される6.「ブルース・フォーザ・ファイヴ・オブ・アス」がある。

 上で西海岸(ウェストコースト)の影響が強いと書いたが、やっぱりどこか“西海岸的”であって、そのまま同じな感じはしない。その答えは自分の中では明確に見つからないのだけれど、“イギリス人だから”としか言いようがないのだろうか…。いや、何となく随所で“懐かしい感じ”がメロディと演奏に見られるところがその理由の一端だったりするのかもしれない。


[収録曲]

1. The Country Squire
2. Pitiful Pearl
3. The Moonbather

5. It's a Big Wide Wonderful World
6. Blues for the Five of Us
7. I Won't Fret if I Don't Get the Blues Anymore
8. How Long Has This Been Going on


[パーソネル、録音]

Ronnie Ross (bs)
Allan Ganley (ds)
Art Ellefson (ts)
Stan Jones (p, 3.)
Stan Wasser (b)

1959年9月23日録音。





JAZZ BEST COLLECTION 1000::ジャズ・メイカーズ [ ロニー・ロス&アラン・ガンリー ]





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Last updated  2017年10月07日 07時07分25秒
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