音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2018年03月16日
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テーマ: Jazz(1968)
カテゴリ: ジャズ
70年代初頭、スリー・サウンズのピアニストによる過去・現在・未来(前編)


 ジーン・ハリス(Gene Harris)は、1933年ミシガン州出身のジャズ・ピアニストで、2000年に66歳で没している。1950年代後半、ザ・スリー・サウンズというピアノトリオを結成し、人気を博した。スリー・サウンズとしての活動期間は長く、様々な奏者との共演も吹き込んでいるが、代表的な作品は1959~60年前後に特に集中している。

 本盤『イエスタデイ・トゥデイ&トゥモロー(Yesterday, Today & Tomorrow)』はだいぶ後の1973年に吹き込まれたもの。ブルーノートへの吹込みだが、かつてのブルーノートではなく、アルフレッド・ライオンが引退し、フランシス・ウルフも死去後のリバティ傘下(さらにリバティはUAに吸収された)でのブルーノート(それゆえBNLAと呼ばれる)の作品である。現行CDではVol.1とVol.2として分売されているものの、本来はLP2枚組として発表されたものだった。ジャケット写真は10歳前後の子供の写真(Vol.2として分割された方では20歳ぐらいの若い兵士の写真)で、いずれも本人の若い頃ということなのだろうか。

 作品の表題は“昨日、今日、明日”という意味になっているが、これは2枚組の内容そのままがこのコンセプトに沿ったものである。まず、1枚目は“過去(昨日)から現在(今日)”に該当すると言えそうである。1.「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」は、スリー・サウンズの有名盤『ムーズ』にも収められていたナンバーの再演。個人的にはこの曲がお気に入りなので、どんな解釈もたいてい気に入ってしまうのだけれど、この演奏と2.「自由への讃歌(ヒム・トゥ・フリーダム)」は、比較的スタンダードに演奏され、ジーン・ハリスにとっての“過去”を想起させるものである。

 少し雰囲気が変わってくるのは、カルロス・ジョビンの曲の3.「トリステ」辺りではないかと思う。特に、4.「ラヴ・フォー・セール」は上記1.と同じく過去にも演奏した曲の再演だが、少々やり過ぎな感じもするジョン・ハットンのベースも含め、“現在”を意識したものになっている。さらに、5.「サムシング」は、言うまでもなくビートルズの1969年のヒット曲で、こうしたモチーフも録音当時の“今”を感じさせる選曲と言えるような気がする。

 長くなってしまいそうなので、2枚目については次回更新の 後編 で続きを書くことにしたい(曲目等のデータも次回更新します)。




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CD/ジーン・ハリス/イエスタデイ・トゥデイ&トゥモローVol.1 (期間限定盤)


CD/ジーン・ハリス/イエスタデイ・トゥデイ&トゥモローVol.2 (期間限定盤)




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Last updated  2018年03月17日 22時21分51秒
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