音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2018年03月17日
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テーマ: Jazz(1968)
カテゴリ: ジャズ
70年代初頭、スリー・サウンズのピアニストによる過去・現在・未来(後編)


 ( 前編 からの続き)
 ザ・スリー・サウンズで一世を風靡したピアノ奏者ジーン・ハリス(Gene Harris)の1973年の録音盤『イエスタデイ・トゥデイ&トゥモロー』は、前述のように、2枚組の作品だが、CDでは『Vol.1』と『Vol.2』の2枚に分けてリイシューされている。

 さて、2枚目の内容を見ていくことにするが、こちらの方は“現在(今日)から未来(明日)”がテーマとなっている。1.「ハウ・インセンシティヴ」はのっけからスペイシーでフリーな即興演奏で聴き手は何事かと思うかもしれない。こういうジーン・ハリスのイメージにはそぐわない部分は意図的に“未来”志向が出ていると言えるが、16分を超える長尺のこの演奏を聴き続けると、ピアノ演奏自体は案外彼らしい演奏が繰り広げられ、温かな音色が存分に活かされている。

 その後に続く2.「ジュディ・ジュディ・ジュディ」、3.「アフター・アワーズ」、4.「ソーイン・ウッド」、5.「リル・ダーリン」、そしてラストの6.「モンクス・チューン」(うち2.と4.はジーン・ハリス自身の曲、かつ5.はスリー・サウンズで取り上げたナンバーの再演)へと至る流れを一聴すると、今度は“過去”へ戻っていくのかと感じる人もいるかもしれない。けれども、細部に耳を傾ければ、スタンダードな演奏で終わろうとしない部分が気になり始める。何よりも4.の演奏は、プログレッシヴさとスタンダードな演奏が意図的に組み合わされた印象がする。さらに、6.はファンキーなベースに、ピアノ演奏もエキサイティングな雰囲気を醸し出す。

 結局のところ、“未来”という要素にはベースのジョン・ハットンがかなり大きな役割を果たしているように思える。1970年代のジーン・ハリスはあまり評価されないようだけれど、これはこれで、前半(1枚目)だけでも楽しめるし、前半と後半を通して2枚組分でも楽しめるという、面白い作品になっていると思う。


[収録曲]

(1枚目=Vol.1)

2. Hymn to Freedom
3. Trieste
4. Love for Sale
5. Something

(2枚目=Vol.2)
1. How Insensitive
2. Judy, Judy, Judy
3. After Hours
4. Sawin' Wood
5. Lil' Darling
6. Monk's Tune




Gene Harris (p, arr), John Hatton (b, elb), Carl Burnett (ds, per)

1973年6月14~15日録音。




 ​
CD/ジーン・ハリス/イエスタデイ・トゥデイ&トゥモローVol.2 (期間限定盤)/TOCJ-50570

 ​
CD/ジーン・ハリス/イエスタデイ・トゥデイ&トゥモローVol.1 (期間限定盤)/TOCJ-50569





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Last updated  2018年03月17日 22時20分40秒
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