音楽日記~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2018.05.26
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テーマ: Jazz(2021)
カテゴリ: ジャズ
超絶技巧トランぺッターによるブラウニー曲集


 アルトゥーロ・サンドバル(Arturo Sandoval, サンドヴァル、サンドヴァールとも表記される)は、1949年キューバ出身のトランぺット奏者。生まれは首都ハバナ近郊で、当初はキューバで活動をしていたが、1990年に米国に亡命してマイアミを拠点に活動するようになった。

 この人の最大の特徴は(それだけが特徴ではないにせよ)何といってもその技巧にある。特に高音域でのスピードにのって流れるようなプレイは、初めて聴いた者を一瞬で虜にすると言っていいだろう。言葉だけでは説得力に欠けるかもしれないが、グラミーを何回も受賞した経歴が伊達でないことは、その演奏をちょっと聴いてみればすぐにわかるほどのものである。

 そんな彼が相応にキャリアも積み重ね、アメリカに拠点を移した少し後、1992年に亡命後の第2作として発表したのが、この『アイ・リメンバー・クリフォード(I Remember Clifford)』だった。“大物”であるブラウニーに関わる楽曲群に挑んだ理由としては、「人としてもアーティストとしても」突出していたと本人が語るクリフォード・ブラウンにチャレンジしてみたくなった、といったところであろうか。

 実際に本盤を聴くと、多くのリスナーは2つの点で感動を覚えるのではなかろうか。一つめは、上にも書いた通り、そのテクニックの凄さである。サンドバル自身、「ブラウニーは完璧だった」というものの、同等のレベルで完璧なのである。史上No.1のトランぺッターは、クリフォード・ブラウンか、マイルス・デイヴィスか。はたまたこのサンドバルかと言われたりするのも納得である。

 技巧に耳を奪われがちな一方、もう一点の方も聴き逃してはならない。それは“静かな”方の演奏である。特にフリューゲルホルンに持ち替えた時がそうなのだけれど、この柔らかい演奏は聴き逃せないと個人的には強く思う。その他には、時折フレーズがやはりラテン(キューバン)なのだと思わせられる部分があるのも面白い。

 全編が聴きどころだとは思うが、あえていくつかの曲名を挙げておきたい。技巧という点では、4.「チェロキー」がなかなか印象的。他方、柔らかさという観点からは、ゴルソン作曲の5.「アイ・リメンバー・クリフォード」やサンドバル自作の11.「アイ・レフト・ディス・スペース・フォー・ユー」がいい。とか何とか言いながら、やっぱり聴きどころを挙げるまでもなく、結局は全編聴くことをお勧めするのだけれど。


[収録曲]

1. Daahoud

3. Parisian Thoroughfare
4. Cherokee
5. I Remember Clifford
6. The Blues Walk
7. Sandu
8. I Get a Kick Out of You
9. Jordu
10. Caravan
11. I Left This Space For You



[パーソネル、録音]

Arturo Sandoval (tp), Kenny Kirkland (p), Charnett Moffett (b), Kenny Washington (ds), Ernie Watts (ts: 1., 4., 7., 9., 10.), David Sánchez(ts: 3., 6., 8.), Ed Calle (ts: 2.), Félix Gómez (key: 5.), Gary Lindsay (arr: 9.以外), Alberto Naranjo (arr: 9.)





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Last updated  2018.05.26 06:46:45
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