内容はまさしくEL TRIの集大成的なヒット・リストとなっている。聴きどころとしては、まずは、本バンドの前身となるスリー・ソウルズ・イン・マイ・マインド(Three Souls in My Mind)時代の代表曲の2.「オジェ・カンティネロ」や9.「チャボ・デ・オンダ」といったナンバー。次に、メキシコ国内でロックが解禁され、バンドとしてはメジャーデビューでファン層を獲得していった時期の6.「トリステ・カンシオン」や7.「ニーニョ・シン・アモール」も当然ながら収められている。さらに録音当時から見ると直近に当たる1990年代前半のナンバーとしては、4.「ラス・ピエドラス・ロダンテス(転がる石)」と5.「ロス・ミヌスバリドス」さらには10.「ポブレ・ソニャドール」といった演奏が含まれる。もちろん、演奏はアコースティックライヴ形式だけれど、このバンドのエッセンスとライヴ・パフォーマンスの妙が詰まっていて、いい仕上がり具合だと思う(それにしても、メキシコ国内向けというわけでもないところで、いつもの調子で“ビバ・メヒコ”と絶叫しているこの様子、今のトランプ大統領が耳にしたら顔を真っ赤にして怒りだしそうな姿が思い浮かんでしまう…)。