音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2019年02月15日
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テーマ: Jazz(1968)
カテゴリ: ジャズ
NYの6つの顔


 ドン・フリードマン(Don Friedman)は、1935年サンフランシスコ生まれのピアニストで、2016年に81歳で亡くなっている。彼は、1958年にニューヨークへ移り住み、1960年代になるとリーダー名義の録音を残していく。その中でも名盤として有名なのが『サークル・ワルツ』であるが、同盤と併せて忘れてはならないと思うのが、その前年(1961年)に吹き込まれた最初の作品にあたる『ア・デイ・イン・ザ・シティ(A Day in the City:Six Jazz Variations on a Theme)』という盤である。

 アルバムのジャケット写真、6つの“ヴァリエーション”の表題からもわかるように、ニューヨークという街の1日の6つの時間帯を主題にした演奏で、1.「夜明け」から6.「夜」まで、途中に3.「ラッシュ・アワー」があるのも大都会らしいといえばそうなのかもしれない。一方、これらの“ヴァリエーション”が生まれたのは、プライベート・レッスンで曲作りの練習のために古い民謡(「ザ・ミニストレル・ボーイ」)を展開させたことに端を発するという。

 ドン・フリードマンのピアノは、しばしばビル・エヴァンスが引き合いに出される。確かに、知的で繊細なタッチといった点では重なり合うのかもしれないし、スコット・ラファロとの関係(もともとこのベース奏者はフリードマンと演奏していた)なんかからもその連想がなされるのだろう。けれども、見事なテクニックに基づいたパッショネートなプレイと硬質なピアノの音色、空間をイメージさせる音の組み立てといった要素は“エヴァンス派”で括ってしまっては掴みにくい要素になるのではないかと思う。

 編成はピアノトリオであるが、特にチャック・イスラエルスのベースおよび彼とフリードマンの掛け合いや絶妙の間が心地よいという場面が多く見られる(このベース奏者は次の『サークル・ワルツ』にも名を連ねている)。1961年という録音時期を考えながら、21世紀の現在にこの作品を聴くと、ドン・フリードマンがかなり“モダン”だったことがわかるように思う。ここ20年ほどの間にいろんなピアノトリオが実践してきた感性を、実は先取りしていたところが多分にあったんじゃないかという気さえする。



[収録曲]

1. Dawn
2. Midday
3. Rush Hour

5. Early Evening
6. Night


[パーソネル、録音]

Don Friedman (p), Chuck Israels (b), Joe Hunt (ds)
1961年6月12日録音。




 ​
【輸入盤】Day In The City-six Jazz / Variations On A Theme And Circle Walt [ Don Friedman ]




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Last updated  2019年02月15日 12時39分45秒
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