音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2019年02月13日
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テーマ: Jazz(1972)
カテゴリ: ジャズ
完成度の高さが際立つトランぺッターの推奨盤


 ルイ・スミス(Louis Smith)は1931年テネシー出身で、2016年に85歳で没していて、ブッカー・リトルのいとこにあたるトランペット奏者である。1990年代以降に10枚ほどのリーダー作は残しているものの、教師を本業としたこともあって、それ以前の作品数は少なく、1950年代に2枚、1970年代に2枚のリーダー盤を吹き込んでいるに過ぎない。

 1950年代に吹き込まれた2枚とは、 『ヒア・カムズ・ルイ・スミス』 と、今回取り上げる『スミスヴィル(Smithville)』で、いずれもブルーノートからリリースされた。とはいえ、前者は厳密にはブルーノートで制作された作品ではない。トランジションというレーベルの音源をアルフレド・ライオンが買い取ってリリースされたものだった。そのようなわけで、真の意味でルイ・スミスのブルーノート盤はというと、後者の『スミスヴィル』だけしかないということになる(ただし、非リーダー作としては、ケニー・バレルの『ブルー・ライツ(Vol. 1 & Vol. 2)』などにも参加している)。

 『ヒア・カムズ~』の完成度も高いが、本盤『スミスヴィル』はさらに輪をかけて完成度の高さが印象的である。サックスはチャーリー・ラウズで、2.「ウェトゥ」や5.「レイター」に見られるように、スミスのトランペットとの絡みは、なかなか迫力がある。こうしたナンバーにおいても、もう少し落ち着いた曲調の演奏においても、完成度の高さの大きな要因は他のメンバー抜きには成立しなかっただろう。前作にも参加したアート・テイラー(ドラム)に加え、ソニー・クラーク(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)という鉄壁のリズム隊がこの演奏を支えている。

 ちなみに、筆者の好みを言うなら、ナンバー1は表題曲の1.「スミスヴィル」。味のある、あるいはカッコいい演奏を一つ決めて“さあどうだ”という演奏も悪くはないけれど、10分以上もびしっと決め続けられると、聴き手としてはそのまま惹き込まれていくしかない。滋味豊かなトランペットに全体としての見事な演奏ということなのだけど、“見事”なんていうのもおこがましい気がしてしまう。そして、目を閉じてじっと集中すると、このトランペットの抜け具合が実に心地よかったりする。


[収録曲]

1. Smithville
2. Wetu

4. There Will Never Be Another You
5. Later


[パーソネル・録音]

Louis Smith (tp), Charlie Rouse (ts), Sonny Clark (p), Paul Chambers (b), Art Taylor (ds)

1958年3月30日録音。

Blue Note 1594



 ↓本文中で触れた2枚のカップリングです↓
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【輸入盤】Legendary 1957-59 Studio Sessions (2CD) [ Louis Smith ]




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Last updated  2019年02月13日 23時55分43秒
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