音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2022年08月24日
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レイド・バックなクラプトンの紛れもない代表盤


 1974年に発表されたエリック・クラプトン(Eric Clapton)の代表作と言われるのが、本盤『461 オーシャン・ブールヴァード(461 Ocean Boulevard)』である。スタジオ録音の作品としては、1970年(デレク・アンド・ザ・ドミノスの 『いとしのレイラ』 、なお同年には ファースト・ソロ作 もリリースされている)以来となる“復帰作”であった。

 ちょうどこの期間、クラプトンはヘロイン中毒とのその療養に苦しんだ。ザ・フーのピート・タウンゼントが、彼の復帰を促すために1973年にレインボー・コンサートを企画したりもしていた。そして、スタジオ作品としてようやく届けられたのがこの『461 オーシャン・ブールヴァード』だったということになる。

 その内容は、コンパクトな曲とバンド編成で、派手にギターを聴かせるものというよりは、やや地味にギター・ソロを聴かせ、一歩引いた感じで落ち着いて歌っている。この作品は、クラプトンの代表盤と言われるけれど、条件付きの”代表盤”で、いわゆる“レイド・バック”な一枚である。ヤードバーズからクリームにかけてのクラプトンを求めたところで、そもそもお門違いということになるのだろう。この盤はレイド・バックなクラプトンを求める人には、必聴の超名盤ということになるのだと思う。

 とか何とか言って、筆者は本盤が大好きである。クラプトンのアルバムの中で、これを聴いた回数はおそらくダントツの1位である。まず、1.「マザーレス・チルドレン」の決して気張らない、軽めのドライヴ感がいい。広く一般受けという意味では、ボブ・マーリーのカバーで、全米1位(イギリスでも9位)のヒットとなったレゲエ調の5.「アイ・ショット・ザ・シェリフ」を挙げないわけにはいかない。とはいえ、その1曲前(シングル・リリースではB面)に収められている4.「ゲット・レディ」がいい。地味で目立った存在感を放つナンバーではないけれども、イヴォンヌ・エリマンとの共作曲で、彼女のヴォーカルも冴えている。

 アルバム後半で圧倒的に気に入っているのは、8.「レット・イット・グロウ」。スローなバラード調は、かつてのクラプトンの熱いファンからすると賛否両論あるだろうけれど、個人的には、クラプトンのソングライティングの才能が見事に発揮されているナンバーだと思っている。あと、アルバムの最後に収録された10.「メインライン・フロリダ」は、ついつい流れの中で聞き流してしまうのだけれど、たまに落ち着いて聴くとこれがまたよくできた演奏。一歩引いたリラックス感の中でギターとヴォーカルをしっかり聴かせる好曲だと思う。

 長いキャリアのエリック・クラプトンなので、時代をさかのぼって本盤を聴くということになる人も多いことと思う。いわゆる“レイド・バック期”のクラプトンに初めて手を出そうという人がいるならば、筆者としては、絶対的にこの盤を最初に手に取ることをお勧めする。




1. Motherless Children
2. Give Me Strength
3. Willie and the Hand Jive
4. Get Ready
5. I Shot the Sheriff
6. I Can't Hold Out
7. Please Be With Me
8. Let It Grow
9. Steady Rollin' Man
10. Mainline Florida

1974年リリース。





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Last updated  2022年08月24日 13時09分44秒
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