音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2022年08月26日
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元メカノのヴォーカリストによる洗練されたポップ音楽


 1980年代から1990年代初頭に一世を風靡したメカノ(メカーノ,Mecano)というバンドがあった。スペイン人3人組のこのバンドは世界的成功を収めたが、1993年に活動を休止した。その後、1997年にそのヴォーカリストだったアナ・トローハ(アナ・トロハ,Ana Torroja)はソロ・デビューし、2010年までに5枚ほどのソロ作を制作した。

 メカノというとシンセ・ポップやテクノ・ポップのようなイメージがあるかもしれないが、ソロ転向後のアナ・トローハは、エレクトロニックなポップの色彩は持ち続けながらも、ストレートなポップ路線もこなし、良質なポップ音楽を制作していった。2003年リリースの本盤『フラヒル(Frágil)』は、ソロ3作目となったアルバム。特大ヒットというほどの売り上げではなかったよう(スペイン国内チャートで最高位15位)だが、高い評価を受けた作品で、ラテン・グラミー賞にもノミネートされた。

 シングルカットされたのは4曲。本盤収録曲の中で最初のシングルとなった4.「キエン・ディセ」は無難な選曲のような気もするが、続くシングル曲の3.「ベインテ・マリポーサス」は、“(心にいる)20匹の蝶”という表題も目を引き、サウンド面でも工夫があっていい。バラード調の5.「メ・バスタ・コン・クレエール」も、筆者的にはお気に入り。10.「クアトロ・ディアス」は、シングルとしては、ややインパクトに欠ける。

 これら以外の注目曲としては、表題曲の6.「フラヒル」が圧倒的にいい。曲の展開がよく、エレクトロニックなポップ調とヴォーカルを聴かせる部分が絶妙に組み合わされた1曲だと言える。また、11.「メノス・マス」はも曲の展開と豊かなヴォーカルが際立った1曲だと思う。あと、少し変わったところでは、13.「アイ・ウィッシュ・ユー・ワー・ヒア(あなたがここにいてほしい)」。表題から分かるように、ピンク・フロイドのカバー(元アルバムの記事は こちら )で、英語での歌唱を披露している。


[収録曲]

1. Con solo un beso
2. Libélula

4. Quién dice
5. Me basta con creer
6. Frágil
7. Solo por eso
8. El arte de llorar
9. Hoy igual que ayer
10. Cuatro días
11. Menos, más
12. Letras de sal
13. I Wish You Were Here
14. Con solo un beso







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Last updated  2022年08月26日 23時26分31秒
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