音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2022年11月09日
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テーマ: Jazz(1968)
カテゴリ: ジャズ
唯一無二の存在感を発揮するギターを堪能できる盤 


 パット・マルティーノ(Pat Martino)は、1944年生まれの米国のジャズ・ギター奏者。2018年に慢性呼吸器疾患で演奏活動を停止していたが、その後、2021年に亡くなっている。作曲家・理論家でもあり、マイナー・コンバージョンという即興理論を唱えた。こういうことを紹介文に書くと小難しい人かと思われそうだが、生前の写真を見ても確かに小難しそうな顔つきの人である(苦笑)。即興と言っても、なんだかわからない展開を楽しく演る、といった感じではなく、ポリシーのある即興を披露する、というのが彼のスタイルだったという風に言ってもいいのかもしれない。

 本盤『イグジット(Exit)』は1976年に吹き込まれたもので、彼らしい演奏姿勢と演奏内容が存分に披露された盤だと思う。ジャズの世界では“ブラインド・テスト(ブラインドフォールド・テスト)”というものが行われたりすることがあるが、要は、演奏を聴いて“これは誰?”を当てるというものである。実際には、マルティーノの演奏は、こうしたテストには向かない。というのも、聴いたらすぐに“マルティーノでしょ”となってしまいそうだったりするほど特徴的なのである。

 聴きどころと言えそうな曲の演奏をいくつか挙げておきたい。表題曲の1.「イグジット」と3.「スリー・ベース・ヒット」の2曲は、マルティーノの自作曲。怪しげな曲調の前者は、彼らしさ全開で、思わずのめり込んで聴き入ってしまう(とはいえ、全曲こんな感じだったら、すぐ疲れて飽きてしまいそうだけれど)。後者は、もう少しスマートなというか、広く受けそうなレンジで彼らしさが発揮されていて、これも聴きどころと言えそう。

 あと、個人的に好きなナンバーである5.「ブルー・ボッサ」、ベニー・ゴルソンがブラウニーに捧げた有名曲の6.「アイ・リメンバー・クリフォード」に触れておきたい。どちらも聴き手側に一定のイメージがついていそうな曲なわけだけれど、面白いのは、そのイメージを尊重しながら、パット・マルティーノの世界に聴き手を引きずり込んでいく点。有名曲をそのイメージを破壊せずに聴き手を引き込み、気がついたらその演奏者の独自世界の真っただ中にいさせるというのは、誰にでもできる業ではない。これだけでも、パット・マルティーノの“腕のほど”が分かるといったところではないだろうか。


[収録曲]

1. Exit
2. Come Sunday
3. Three Base Hit

5. Blue Bossa
6. I Remember Clifford


[パーソネル・録音]

Pat Martino (g), Gil Goldstein (p), Richard Davis (b), Jabali Billy Hart (ds)

1976年2月10日録音。




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Last updated  2022年11月09日 15時07分05秒
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