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2018年07月05日
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テーマ: ニュース(96876)
カテゴリ: ニュース
働く人の37%が非正規雇用になっている問題について、関西学院大学准教授の貴戸理恵氏は6月24日の東京新聞に、次のように書いている;


不安定な雇用形態で働く人が多い。 労働力調査によれば、非正規の従業員は2017年度では37%である。私自身の職場である大学は、この問題がより先鋭的に表れる現場だ。データを見てみたい。

 教員では、学校基本調査によると51・5%が非常勤である。専任であっても約4分の1が任期付き(朝日新聞と河合塾による調査)。職員も、半数以上が非常勤であるケースは少なくない。私か勤める関西学院大でも、全職員のうち専任以外で働く職員は54%を占める。

 大学において広がる、少人数教育や、外部資金に基づくプロジェクト型の教育・研究活動、 時代とともに変化するニーズへの対応。これらは不安定な雇用形態にある人たちの存在によって実現されている のが現状であり、彼ら・彼女らは、現代の大学の中核を担っているといっても過言ではない。

 にもかかわらず、不安定な働き方をする人は、さまざまな不利益にさらされている。 給与や雇用の保障における差が大きい のはもちろんのこと、日常業務の場面でも、職場ミーティングや飲み会の出席、文書の閲覧など、職場における細かな差別を受けやすい。契約更新の決定権を握っている上司からセクハラやパワハラを受けることもまれではない。

 また、これらの問題に対して意見を言おうにも、連帯がくじかれる要素が大きい。大学の事務組織を例に取ると、非正規職員であっても、派遣、嘱託、契約、アルバイトなどさまざまな立場があり、直接雇用か間接雇用か、契約更新に「3回まで」などの回数制限を設けているかどうか、などによって 分断されている。 こうした背景の下では、ハラスメントに対して同じ職場の非常勤職員が声を上げても、連帯するより「自分は口をつぐもう」となってしまいがちだ。これはある面では当然といえる。

 大切なのは、不安定な働き方をする人の 収入と雇用を安定させ、労働者としての権利を保障すること である。

 学卒時に就職氷河期に見舞われ、非正規で働いてきた世代が40代半ばとなる現在、非正規の仕事には生活が懸かっているケースが少なくない。 組織の都合で物品のように使い捨てられることを、黙ってはいられない切羽詰まった現実がある。 こうした問題を放置すれば、配慮を欠く組織は、雇用契約を巡るトラブルや法的紛争を抱えることになるだろう。そして 社会は、その世代が高齢化したとき、多くの生活保護受給者や野宿者に向き合うことになるだろう。

 これは 非正規で働く個人の問題ではなく、社会の問題であり、個々の職場の問題である。

 大学でも、日々さまざまな雇い止め問題・ハラスメント問題が起こっている。まずそのことを、私自身を含む専任の教員・職員は知っているだろうか。非正規同士の連帯が、その雇用の不安定さゆえに難しいとすれば、 この問題に向けて動くことは、雇用保障された者の務め ともいえる。

 「正規職の自分には関係ない」ではなく、「あのとき、何かの弾みで自分も非正規雇用だったかもしれない」という想像力を持つことができたら、職場を変える一歩を踏み出せるのではないか。社会を変えることは、目の前の現実を少し変えるところから始まるのだ。
(関西学院大学准教授)


2018年6月24日 東京新聞朝刊 11版S 5ページ 「時代を読む-非正社員に権利を」から引用

 この記事は正論を述べている。元々非正規雇用は自動車工場などで短期間働く人々のための制度で、主に農村などで暇になる季節だけ工場で働くというようなケースに適用され、「農業」という本業がある労働者だったので正規雇用の労働者のような「保障」がないと困るというような事情はなかったから良かったが、これを「規制緩和」と称してあらゆる業種で「非正規」で雇用しても良いという制度に改悪したのが自民党政治である。非正規を拡大するときの政府与党の言い分は「多様な働き方を可能にする」などと美辞麗句を並べ、働き手の中には必ずしも生活に追われている人たちばかりではなく、短時間でも才能を活かしてみたいという人に働く場を提供するのが目的などと言っていたが、これは全くのペテンで、一度スタートすると企業経営者はこの制度を逆手に取って、正規雇用の人数を故意に削減し、その分を非正規雇用で穴埋めする事態になってしまって、その結果が「非正規雇用37%」である。この37%の労働者がきちんと国民年金を納めていれば将来は少額とはいえ年金を受給できるが、そうではない場合は生活保護受給者や野宿者が増えるという問題に直面することになる。上の記事の筆者は、雇用保障された労働者がこの問題に取り組むべきだと言っているが、「連合」がどこまで本気で取り組むか、疑問だと思う。





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最終更新日  2018年07月05日 01時00分06秒


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