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2021年12月26日
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テーマ: ニュース(96849)
カテゴリ: ニュース
今年は世界中で「人権尊重」の機運が高まったのが「特色」だったのではないかと思います。人種差別反対やジェンダー平等の主張、ヘイトスピーチ批判等々、以前から指摘はされていたものの、なかなか徹底することが出来ずにいたものが、今年は「こんな調子ではいけない」という機運が生まれて、建国の偉人であっても奴隷貿易に関わっていたことは今からでも断罪されるべきだ、という動きがアメリカで始まったことは、世界の人権思想を大きく前進させたと思います。中央大学教授の目加田説子氏は、そのような世相について、5日の東京新聞に次のように書いています;




 それまでは、「不思議の国のアリス」や「マザーグース」など、架空の女性キャラクターをモチーフにした像しかなかった中、一部の女性(当時は白人のみ)が参政権を獲得して百周年のイベントで披露された。

 銅像は、女性やマイノリティーの像を増やすことを目的に設立されたNPOが長年働きかけて実現させたものだ。全米には現在、5200近いモニュメントがあるが、女性をモチーフにした像は8%にも満たない。女性の歴史的貢献を公園や議事堂、道路名など、公共の場で表彰する活動が各地で活発化しており、3人の女性像もその一例だ。

   ◇◇◆◇◇

 新たなヒロイン像が街々で建立される一方、過去の「英雄」を再評価する取り組みも後を絶たない。

 昨年5月、米国で白人警察官にジョージ・フロイド氏が殺害される事件が起きた。黒人に対する暴力や差別の撤廃を訴えるブラック・ライブズ・マター運動が一気に再熱し、大航海時代のコロンブスや南北戦争の英雄、過去の大統領たちの人種問題に関する言動も検証の対象になった。

 中でも注目されたのが名門、プリンストン大学が下した決断だった。同大学長を務め、1913年に米国大統領となったウッドロー・ウィルソン。国連の前身である国際連盟の設立に寄与し、ノーベル平和賞も受賞した人物である。同大の公共政策大学院は彼の名前を冠してきたが、その名が消し去られた。学長時代に黒人学生を大学から締め出したうえに、白人至上主義組織のクー・クラックス・クラン(KKK)を称賛する発言をしていたことが明らかになったのだ。

 プリンストン大学の学長は学生や職員に向けたメッセージで昨年6月、「ウィルソンの人種差別は彼の時代の基準からみても重大かつ致命的」で、「公共政策大学院の名称としては特に不適切だ」との判断を示した。「公共政策大学院に政治指導者の名前をつけるということは、必然的にその指導者がその学校で学ぶ学生の模範となることを意味する」が、ウィルソンがその役割を果たすのはもはや不適切と説明した。

   ◇◇◆◇◇

 英雄の再評価は米国にとどまらない。英国ではチャーチル元首相の銅像が、「人種差別主義者」とペンキで落書きされた。かつて白人至上主義発言をしていたからだ。

 これに対して、同氏に関する著書があるジョンソン英首相は「(チャーチルが)今日の私たちには受け入れられない意見を述べることもあった」と認めつつ、「街にある像は、欠点も含めた過去について教えてくれている。それらを壊すことは、私たちの歴史にうそをつくことになり、次の世代が学ぶ機会を損なうことになる」と擁護した。

日常的に目にする銅像や紙幣の人物、歴史関連の展示物は無意識のうちに、私たちの価値観や世の中の見方を形づくる。 ならば、生活風景にある物から差別を無くしていくのは大切な営みだろう。

 話は戻って、セントラルパークの女性3人の銅像。当初は2人の白人女性だけの予定だったことが批判され、非白人女性の貢献をたたえるために、奴隷制廃止論者だった黒人女性が加えられた経緯がある。


2021年12月5日 東京新聞朝刊 11版 5ページ 「時代を読む-消える英雄 新しい英傑」から引用

 ジェンダー平等がメディアで取り上げられる割には、先進国であるはずのアメリカにおいてさえ全米5200カ所のモニュメントのうち、女性をモチーフにした像は8%に満たないというのですから、なかなか先の遠い話だという感じは免れませんが、諦めることなく着実にジェンダー平等のゴールを目指したいものだと思います。





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最終更新日  2021年12月26日 01時00分06秒


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